|
原子力規制委員会人事に不同意―厳しく監視し続けよう― | ◇活断層調査は引きのばしばかり | ◇名雪審議官処分は臭いものに蓋 | ◇国会事故調での東電の隠蔽工作を容認 └──── (再稼働阻止全国ネットワーク・ 原子力規制を監視する市民の会)
参議院も規制委員会人事に同意を示し、「原子力ムラ」出身者で占められて発足し民主党政権では採決できず「原子力緊急事態宣言中」を理由に野田内閣から 任命され言わば仮免許状態で発足した原子力規制委員会は発足後5か月経過した 2月15日にやっと国会同意を得た。 が、私は不同意だ。規制委員会の業務の進め方を肯定的評価する報道もあるがとんでもない。規制委員会は重要な局面で何ら結論を出さずまともに規制していない。 次の3つの実績が規制委員会の危険性を明白に示している。
(1)活断層調査は引きのばしばかり グレイは黒であるにもかかわらず、大飯の活断層調査を2回も引き延ばして結論を出さず、もともと保安院のストレステスト意見聴取会等で多くの問題点を指摘されている大飯稼働の再稼働を容認したままでいる。 一方、敦賀原発では2号機直下の「D−1破砕帯( 断層)」は活断層の可能性が高いとの評価報告書で専門家の委員がまとまったにもかかわらず、突如「ピュアレビュー」実施を決めて結論を先延ばししている。以前の委員長記者会見で「これでは保安院より後退している」と指摘されるほど。 こんな姿勢で活断層調査をするようでは、「地震列島日本に原発はなじまない」(地震学者談)のにいずれずるずる動かすつもりのようだ。
(2)名雪審議官処分は臭いものに蓋 敦賀原発の活断層調査に関連して、名雪審議官が事業者原電と8回も「儀礼的訪問」を一人で受け非公開の評価報告書案を日本原電に漏洩した事件は、事態の深刻さにもかかわらず規制委員会は事件隠しに終始した。当初は事業者ヒアリングもせず、ノーリターンルールに反して名雪氏を文科省に返すことを決定したばかりか、当然実施するべき調査(他の原発の活断層調査では同じことをしていないか、他の検討チームなどで同様のことをしていないか)を実施せずに、「臭いものに蓋」をして終わらせた。事業者と癒着してきた保安院や、秘密会議の議事メモを残しても生き残っている資源エネルギー庁と全く同一の体質であることを露呈させた。
(3) 国会事故調での東電の隠蔽工作を容認 国会事故調の田中三彦氏が指摘した東電の現場隠しが2月7日に報道された。 国会と国民を東電が愚弄している。当然、田中氏が非常用復水器の調査をあらためて実施するよう要請した。多くの専門家も民衆も地震による損傷があったのかどうかを知りたいと考えている。が、田中委員長は記者会見で、規制庁で勉強中ですと逃げ、いつ調査するかの質問に組織体制もまだできていないと期限を明らかにしない。地震による破断が明らかになれば、当然新規制基準にも影響するし事業者に負担が増えることは間違いない。それゆえ規制委員会は大事な調査をしようとしない。
このように、事業者との癒着体質が明らかになってきている規制委員会・規制庁は信用できない。幸い今のところ、核問題を除いて情報公開は改善されていて、委員会や検討チームをパソコンで在宅傍聴でき過去の議事資料や議事録も見ることができる。 今実施されている新安全基準骨子案のパブコメに対して上記の指摘をし、より一層原子力規制委員会の監視を強めることが非常に重要だ。
.. 2013年02月20日 09:45 No.499001
|