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12月13日 東京新聞「3.11後を生きる」から、詩の紹介 │ 積鬼(つみき) └────
札束を積む 札束を積む 誰かがこくんと頷(うなず)くまで
札束を積む 札束を積む これでもか これでもかと 紙きれと引き換えに失うもの 紙きれと引き換えに奪われるもの
手を伸ばしたが最後 しまった!と気がついたとき スーツを着た鬼はとっくに姿をくらまして 鼻で嗤(わら)っているだろう 「容易い(たやすい)もんだ」と 「安呆(あほ)な奴らだ」と
今日もどこかで紙切れの塔ができる
貧しい者の目の前で 強欲な者の目の前で 抵抗する者の目の前で 黙秘する者の目の前で
真実を知る者 「お断りします」と 塔を押し返した両腕は切り落とされ 見せしめの如く吊るされる 辛うじて生き延びた両脚は 今頃どこを歩いているのだろう
ああ 買い上げられることなかれ 鬼はあなたのすぐ側で まだか まだかと待っている あなたがこくんと頷くまで 世界がこくんと頷くまで (「脱原発・自然エネルギー218人詩集」より」
※「脱原発・自然エネルギー218人詩集」(日本語・英語 合体版) 出版 コールサック社 A5判/624頁 価格 3,150円
.. 2012年12月20日 20:54 No.477003
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