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<テント日誌10/25(木)−経産省前テントひろば411日目> │ 公表された放射能拡散予測図の衝撃 │ 「福島原発事故と女たち−出会いをつなぐ」 │ 監視テント大阪 └────(Y・T)
10月25日(木)曇り
もう半月後となった、「再稼働阻止全国ネットワーク」結成集会に向けた準備の討論と作業のために、たんぽぽ舎に出向いて行った。その場で話題となったの はやはり、規制委が公表した福島級の事故が起きたら―の全国16原発の放射能拡散予測であった。 昨日の夕刊、そして今日の朝刊で地図の図面入で大々的に報じられていた。3・11を経験しているだけに、大変生々しい。それに30km圏外も放射能高線量となる地域が4つもある。本来なら原発を造る前に住民に見せるべきものであり、それを「絶対安全」といって見せずに原発を進めてきたのだと、新聞も指摘している。そしてこの公表された予測図が、各地の原発近隣地域の人々に大きな衝撃を与え、原発と暮らす不安をあらためて思い起こさせていると報じている。 防災計画といってもそれは困難を極める。大飯では幹線道路が渋滞となりそこに高濃度の放射性物質が降り注ぎ、柏崎では避難ルートの道路は雪が積もり通行止めになり、東通では避難路が原発のそばを通るという。東海村の村上村長は「避難計画もたてられない原発は廃炉にするしかない」と訴えている。 実際、「原子力過酷事故の防災は無理である。巨大な放射能放出と戦える生物はいない。武器はない。一番の防災は超危険物をやめることだ。もとから断つことだ。原発を廃炉にすることである。これが唯一、安心の道である。」とたんぽぽ舎の柳田さんは強調する。 ここへきて、30km圏内の自治体で電力会社に安全協定の締結を求める要求が広がっているそうだ。それぞれの市町村の生殺与奪を決めるような再稼働が、自分たちの意思を無視して頭越しになされるのは許せない、というのは当然の思いだ。この広がりは電力会社を包囲し、再稼働をできないように追い込んでいくだろう。それは「再稼働阻止全国ネットワーク」の課題とつながっていく。 大飯原発を止め、再稼働を許さず、原発全廃へと進めていくこと、今回の公表予測図ははからずも、あらためて私たちにそれを迫っている。 先日、金曜行動の日にテントの前で近藤和子さんから「福島原発事故と女たち―出会いをつなぐ」という本をいただいた。近藤さんはグリーナムの女たちと深い関わりを持ちながら日本に紹介され、30年間、六ヶ所や祝島等、反原発運動に関わってこられた方だそうだ。6・30−7・1大飯現地行動にもバスでご一緒した。 近藤和子さんと大橋由香子さんが編集して、福島のたくさんの女性たちが3・11体験を綴っている。テントをはじめ、様々な行動で顔見知りになっている方も多く、それだけに身近に感じられ、3・11体験の生々しさ、原発災害の恐ろしさ、転々と避難していく苦労、その中で新たに起ちあがっていく怒りと思い、出会いと人々への眼差し、等々が語られて、3・11の実感、生の言葉が伝わってくる。 とくに宇野さんの避難と障がいについて語られていた一節、そして武藤類子さんのお母さんの十三子さんの、戦中から戦後へと波乱の中を生き抜いてきた果の3・11という、本当に淡々と歴史を感じさせてくれる一文には、じっくりした感銘が湧いてくる。大橋さんの論考には、とくにフェミニズムと障がいをめぐるところで深く考えさせられる。 本は第2テントでも扱っているそうで、ご一読ください。(Y・T)
.. 2012年10月28日 21:35 No.445001
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