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■--全原発即時廃止キャンペーン
++ 首都圏反原発連合 (幼稚園生)…2回          

首都圏反原発連合/ │ 毎週金曜!「大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議」
                    
 2012年、日本はほぼ「原発ゼロ」で夏を乗り切りました。
既にこの国が原発に依存しておらず、今すぐにでも原発をなくせることがはっきりと証明されました。
 この秋、首都圏反原発連合は、市民の世論である「原発ゼロ」を直ちに実行するよう政府に要求するとともに、次に控えている衆議院選挙を視野に入れ、「全
原発即時廃止」を争点にするよう各政党および候補者にはたらきかける未曾有の大規模キャンペーンを仕掛けます!
 毎週金曜の首相官邸前抗議をはじめ「11.11反原発1000000人大占拠」、「徹底討論!脱原発実現のための『脱原発法』意見交換会」ど今後のアクションが目白押しです。
 「原発ゼロ」を望む皆さんで、世論を盛り上げ、必ずや即時廃止を実現させましょう!

毎週金曜!「大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議」

次回の金曜・首相官邸前抗議は…10/12(金)

 こちら


1.11月11日午後「11.11反原発1000000人大占拠」開催決定!
  こちら
2.10月26日(金)『徹底討論!脱原発実現のための「脱原発法」意見交換会』
  (主催:脱原発法制定全国ネットワーク、首都圏反原発連合)開催決定
  こちら
3.『首相官邸前抗議および「7.29脱原発国会大包囲」でスピーチした国会議員
  リスト』公開中!
  こちら

.. 2012年10月09日 09:35   No.433001

++ 山田知恵子 (小学校低学年)…8回       
柏崎刈羽原発ツアーに参加して
 │  とうふの上に建てた原発−−原発立地内まで届いている真殿坂断層
 │  地盤が弱く、どんどん沈んでいく、道路がたわんだようにへこむ!
 │  来年の春、バス3台ぐらいで再稼働阻止の行動を新潟でやろう!
 └────(さよなら原発みなと)

○10月6日・7日、東電柏崎刈羽原発の再稼働阻止のために先制的な運動のため現地視察をする、たんぽぽ舎の企画に参加しました。
 東京電力は来年から柏崎刈羽原発を動かしたい、もし動かせない時はもう一度値上げすると信じられない程ずうずうしいことを言っています。
 今回の視察は世界最大規模と言われる柏崎刈羽原発の立地地元に行き、40年以上にわたって反対運動を続けている地元のみなさんと交流しつつ、また原子力発電所を見学し、再稼働阻止のための知恵を出し合おうというものでした。

○6日あさ8時30分、約40人で新宿からバスにて出発、現地で車にて参加するご夫婦もいらっしゃいました。都心を出るのに少し渋滞しましたが1時40分過ぎに刈羽村に着きました。
 バスの中ではゆっくりと眠りたいと思いましたが、柏崎刈羽原発について何も知らないのでいただいた沢山の資料を見ながら、また恒例の参加者自己紹介も聞きながらなんとか頑張っていました。
 まず刈羽村の生涯学習センター「ラピカ」に着きました。補助金により莫大な費用をかけて作られたいわゆる「ハコモノ」です。バスの中でNHKの「原子力マネー」という特集を少し見ましたが補助金により作られたハコモノの莫大な維持管理費が負担になり財政が破たんしている自治体が多いとのことです。
刈羽村は人口が少ないところに柏崎市と同程度の補助金が出ているため、まだ潤っているとのことでしたが、柏崎市はかなり苦しいそうです。


.. 2012年10月10日 12:12   No.433002
++ 山田知恵子 (小学校低学年)…9回       
○今回地元のすばらしい方々に出会うことができましたが、出迎えてくださった刈羽村村会議員の近藤容人さん(ようにんさん)もとてもユニークな方でした。バスの中で地元出身で原発反対の運動をされてきた菅井さん(国学院大教授、すばらしいガイドぶり)が近藤さんのことを「魚の引き売りをしながら、議員もやっている」と話していらしたのでイメージとしてリヤカーを引いてい
るのかと思っていましたが、トラックでした。確かに地方では車でないと動くのは難しいので考えてみれば当然ですが。
 ようにんさん(親しみをこめて)は魚などを売りながら地元の人たちとお話をして親しまれているようで、通常想像すると村八分にでもなりそうな原発立地での反対派という感じとは違うようでした。一緒にバスに乗り込んでいろいろお話しながら案内をしてくださいました。
 村議会で「(もし)原発事故で死亡された方は、どうするのか?」との質問に村長が「置いて逃げます」とか、「最悪の原発事故で、刈羽村民の生命と財産を守る自信はあるか?」と質問したら、「ございません。」と答えたなど笑い話のようなお話を聞きました。
 ようにんさんの案内で畑の中から原発が見えるところや観音岬という所から柏崎刈羽原子力発電所を見ました。また原発の東側の椎谷(しいや)の集落など5年前の中越沖地震でめちゃめちゃにやられ、殆どが新しく立てた家を見ながら進みました。中越沖地震は2007年7月16日に起きたマグニチュード6.8の地震です。柏崎と刈羽村で大きな被害がでて、死者11名、全壊1089世帯、被害は4万世帯とのことです。この地震はそれほど大きなものではなく、この規模の地震は日本では1年に1・2回は起きているとのことで、大きな被害が出たの
は地盤がいかに軟弱であるかの証明であるとのことでした。
 原発のすぐ東の大湊の集落は原子炉建屋から1キロと離れていません。
 また、原発の西側の荒浜という集落の海岸にも行きました。砂浜がずっと続いており、計画が持ち上がった当時反対する人が「とうふの上に建てるようなもの」と言った言葉が、実感できる場所です。
 その後発電所すぐ近くに建てられ、10月1日にオープンしたばかりの宿泊施設やサッカー場(2面)園芸サポートセンターなどがある複合施設「とうりんぼ」も見学しました。あまりに建設費が高いので、「金の畳でもひいてあるんじゃないか?」と言われたそうです。とにかく、いろんな業者が金を使わせて儲けようとさまざまな提案を刈羽村にしてくるとのことでした。


.. 2012年10月10日 12:33   No.433003
++ 山田知恵子 (小学校中学年)…10回       
○このあと、本日の宿、石地海水浴場にある「佐渡見」に向かいました。
「佐渡見」は読んで字の如く「佐渡」を見る宿でした。あいにくの天気でしたが、なんとか佐渡の島影は見えました。
 とにかく、こちらのご主人は気風のいい方とのことで、夕食は海の幸満載のおいしい料理が沢山でびっくり、満腹になりました。食事のあと背広に着かえたようにんさんと、柏崎市会議員の矢部忠夫さん、高橋新一さん、そして皆さんの高校時代の恩師、佐藤保夫さんが参加されて交流会がもたれました。
たんぽぽ舎は「ふるさとは原発を許さない」と書いた大きな横断幕をプレゼントとして作成して持ってきていました。また前日の金曜日に官邸前抗議参加者に「柏崎刈羽原発に再稼働阻止のために行くのでメッセージを書いてほしい」と要望して書いていただいた寄せ書きも2枚持ってきていました。
 柏崎市会議員の矢部さんや高橋さん、刈羽村の近藤ようにんさん、そして恩師の佐藤さんのお話に私は人間としての誇りと気概を感じました。とりわけ佐藤さんがみなさんの精神的支柱となっていることが、永年原発反対運動をやり続けてこられた一番の支えではないかと思いました。
 福島原発の事故以来、福島からの避難者が新潟に3000人来られた。原発はふるさとを奪う、もう原発に未来はない、また柏崎刈羽のように全国の原発立地で永年反対運動をやってきているところは少ない、と胸をはっての力強いお話でした。
 バスの中で菅井さんが1974年発行の「高教組」原発反対特集号1 という機関紙を配ってくださいました。その中で佐藤先生は地盤問題などを科学的に分析しながら「このように行政の怠慢と東電の科学無視の態度は随所にみられる。
このような態度で原発が建設され、運転されるなら、当然大事故に結びつき結果的には新潟県ばかりでなく、日本中の放射能汚染という事態を招くことになる。公害列島日本になったように深刻な「放射能汚染列島」になるのではないだろうか。
 わたくしたち高教組が県民と共に真剣に反対に立ち上がることが国民としての責務であると信じている。」と書いておられました。
 まさに福島第一原発のような事故を防ごうと永年戦い続けていた皆さんの運動と気概に敬意を表します。
なお、プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワークさんのホームページでこの原発反対特集号1(ガリ版刷りです)などの当時からの沢山の資料が見られます。こちら


.. 2012年10月10日 12:42   No.433004
++ 山田知恵子 (小学校中学年)…11回       
○東京からの参加者の質問などもあり、予定時間を超えて10時ころまで交流会が続きました。その中で来年バス3台くらいで福島の方も参加してもらって再稼働阻止の行動をこちらでやりましょう、という提案がなされました。

○2日目の朝は日本海に浮かぶ大きな虹を見ることができました。残った漬物やご飯を頂いてもいいとのことでパックに詰めて、宿の皆さんのまごころに見送られ出発しました。
 まず、真殿坂(まどがさか)断層という原発立地内まで届いている断層を見学しました。ここは地盤が弱く、どんどん沈んでいくので道路は撓んだようにへこんでいました。また他の畑の場所では何度盛り土をしても沈下するので川でもないのに橋を架けてありました。この湿地の続いている先に原発からの送電線がつながっていました。東電は当初、真殿坂断層は原発敷地のところで止
まっていると都合の良いことを言っていたそうです。
 その後、原発前にある原子力発電所サービスホールに行きました。この施設ではこどもから原子力賛成にとりこもうと子供向けの物作りや遊び場など、どこの原発でもやっているようなことをやっていて、数人の親子連れが参加していました。
 驚くことに「原子力発電は地球温暖化から地球環境を守っています」とか「原子力発電は、酸性雨のもととなるガスを発生しないクリーンなエネルギーです。」などいまだに平然とそのパネルを出していました。置いてあった子供向けパンフレットにはまやかしばかりが書いてありましたが、裏表紙には「もっと原子力を知りたくなったら以下の施設に行こう」と書いてあり、福島第一や第二のPR館を紹介してあるのです。本当に東京電力とは恐れ入った会社です。
 最上階には発電所の模型が展示してありました。1234号機と567号機の間には丘がありますが、そこは当初なるべく民家から離れたところに建設するため原子炉建屋の予定地でしたが、あまりにも地盤が脆弱なため、そこを避けて建設したようです。
 一号機の西側に免震重要棟がありますが、中越沖地震の時にはドアが壊れて入ることができず、路面にボードを出してきてそこが急の指令所になったそうです。地震により道路は波うち、配管はずれ、使用済み燃料プールから水が漏れるなど、「とうふの上にたった」原発は大きな被害をだし、7機全部が止まりましたが、あろうことか東電は危険な原発をまた稼働させました。しかし、
損傷の激しい2・3・4号機は動かすことができなかったそうです。
 このことはたんぽぽ舎発行パンフレット「新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の損壊」(2008年2月刊/400円)に写真入りで詳しく載っています。

○帰りのバスでは感想や今後の運動への提案などを話しながら夕方6時30分頃には新宿に到着しました。地元の皆さんを紹介してくださり、詳しく案内してくださった菅井さん、ありがとうございました。
 今回、現地へ行ってみて強く思ったのは東電や行政が柏崎刈羽原発の地震による被害から真剣に学んで国民の命を大切にしていれば福島原発の事故は起きなかったのにということでした。地元の皆さんを紹介してくださり、詳しく案内してくださった菅井さん、ありがとうございました。
なお、さよなら原発みなとのブログに写真入りで報告を載せています。ご覧ください。
こちら

.. 2012年10月10日 12:52   No.433005
++ 斎藤なぎさ (幼稚園生)…2回       
10月5日、官邸前抗議の内容:全国から集う人々が多様な鋭い発言
 │  「原発は破滅未来のエネルギー」双葉町の大沼勇治さん
 │  「原発は核廃棄物製造工場」岩手県から来た男性、ほか
 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)

 暑さがやわらぎ気候が良くなってきたせいだろうか、この日の官邸前は一段と活気にあふれ、スピーチに込められた怒りが炸裂していた。無表情に職務をこなす警官たちは、毎回なまの訴えを聞く機会に恵まれており、デモに無関心な人に比べれば、否応なしに情報通になっているのではないかと想像する。
 まずは福島の女性が「放射能の恐ろしさを日本中の友人に伝えて」と訴えた。
福島集団疎開裁判の柳原敏夫弁護士が「来月15日は、国連人権問題の調査員が来日し、福島の子供達を調査し、勧告を出す予定である」と話す。福島の子供達の健康を第一に考えず、早急に避難させることをしないこの国を心底恥ずかしいと思う。
 滋賀県の漁師は「海が汚染され、危険な魚が出始めている。大飯原発の再稼働は大間違いである」と批判する。自民党を支持してきたJA全中が脱原発を宣言した。漁業組合もJA全中に続いて脱原発を宣言すべきである。
 双葉町の大沼勇治さんは、「『原発は明るい未来のエネルギー』という標語を作ったが、実は『原発は破滅未来のエネルギー』だった」と断言。以前、週刊誌に、立派なゲートの標語をバックに訂正板を掲げている男性の写真があったのを
思い出した。
 上関原発からは女性が「埋め立て許可は明日で消える」と発言した。その後、山口県知事は埋め立てを許可しない方針を示している。
 北海道室蘭から来た男性は「大間と函館は最短23キロしか離れておらず、函館の市長は建設差し止めの訴訟を起こす」と報告。
 岩手からの男性は「原発は発電所ではない。核廃棄物製造工場だ」と言い切る。
 岡山から4ヶ月ぶりに来たという女性は、以前と比較して警察が柵を用いて厳しく規制していることに驚いていた。「私は社長ですが、ここに社長がいらした是非、名刺交換をしましょう。利潤は脱原発に使うべき」と呼びかけた。頼もしい限りである。
 紹介しきれないが、全国各地からいろいろな人が集まって声をあげている。
今回のシュプレヒコールで特に胸に響いたのは、「私のために再稼働反対!」
「あなたのために再稼働反対!」であった。原発問題は、自分に突きつけられた挑戦状だと感じている。個々の思いが結集した時、大きな力に変わると信じてやまない。

.. 2012年10月10日 18:23   No.433006
++ 山崎久隆 (部長)…226回       
.『エネルギー選択 「原発ゼロ」は戦略に値しない
 (9月15日付け読売社説)』を批判する
 -- 原子力産業の広報紙・読売新聞の大きなまちがい (山崎久隆)
━━━━━━━


┏┓
┗■1.
 『エネルギー選択 「原発ゼロ」は戦略に値しない(9月15日付け読売社説)』
 を批判する -- 原子力産業の広報紙・読売新聞の大きなまちがい
 (たんぽぽ舎 山崎久隆)
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 政府が「エネルギー・環境戦略」を発表したとたん、経団連や連合などの原発利権団体から一斉に反発が広がった。マスコミでは、予想通り原子力産業の広報紙、読売新聞がさっそく社説でかみついた。

 この読売社説に反論をする。

★ ◆経済・雇用への打撃軽視するな◆
│ 電力を安定的に確保するための具体策も描かずに、「原子力発電ゼロ」
│を掲げたのは、極めて無責任である。
│ 政府は「原発ゼロ」の方針を撤回し、現実的なエネルギー政策を示す
│べきだ。

 電力の安定供給についてのシナリオが責任を持って書けるのだったら、既にとっくに脱原発社会になっていることだろう。大飯原発も、その他の原発も「電力不足」の脅しにより再稼働を「せざるを得ない」ことになっている。実態は全く別であるが、電源確保ができているのならば、そもそも再稼働問題など起きない。
 現実的なエネルギー政策を「示せ」というならば、まず国内の技術や高い志を持つ企業を取材してからにしたらどうか。省電力設備の積極的な展開がこれから始まるだろう。これが国内重・家電産業に大変な利益をもたらすことは、実証済みだ。もちろん、企業や一般家庭の設備投資にインセンティブを与えるために大胆な税制面での施策などが必要かもしれない。あるいは、良い方法と
は言えないがエコポイント制度のような方法も再検討する余地がある。
 要はアイディアの問題であり、最初から「無責任」などと取り組みに後ろ向きでは何も起きるわけがない。
 読売はどうしたわけか、電力のみ国家統制で良いと考えている。しかし民間企業による様々な取り組みが今必要なのだが。そのうえエネルギー国家統制を説く記述振りには大きな違和感を感じる。

.. 2012年10月11日 22:11   No.433007
++ 山崎久隆 (部長)…227回       
★ ◆肝心な部分は生煮え◆
│ 古川国家戦略相は記者会見で、「原子力に関する問題点を先送りせず、
│真摯(しんし)に取り組む姿勢を示した」などと意義を強調した。
│ しかし、東京電力福島第一原発の事故を受けて抜本的に見直すとして
│いた将来の電源構成については、全体像を示せなかった。
│ こんな生煮えの“粗案”では、国家のエネルギー戦略に値しないと言
│えよう。
│ 太陽光や風力など再生可能エネルギーの比率を、現在の約1割から3
│割に増やすとしているが、肝心の実現策は年末に先送りした。
│ 原発の代替電源を確保する方策の中身も詰めずに、約20年先の「原
│発ゼロ」だけを決めるのは乱暴だ。
│ 次期衆院選を前に「脱原発」の旗印を鮮明にした方が民主党に有利に
│なる、と計算したに過ぎないのではないのか。初めに結論ありきと言わ
│れても仕方あるまい。

 このまま原発をゼロにして、減った電力を火力の炊き増しだけでまかなおうとしたら、当然「石油、天然ガス購入価格としての価値の流出」を招くだけなのは常識の範囲。そうならないために、まず火力の高効率化を行う必要がある。
熱を電気に変換する効率を上げるだけでなく、熱源としての利用なども積極的に技術開発を行う。さらに数度程度の都市廃熱を電気に変換する素材が開発されているが、これに投資すれば価値は国内にも残ることになる。これもまた、何もしなければ何も起きないだけのことである。それが「あらゆる政策資源を投入する」ということだ。原発によって発電していた分を丸々削減するくらい
のことを考える時代なのだから。

│ 有識者会議による検討結果や経済界からの指摘に対応していないのも
│問題である。
│ 各種の試算は、「原発ゼロ」にするには、再生エネ拡大に50兆円、
│省エネに100兆円を要するとしていた。国内総生産(GDP)は50
│兆円近く落ち込み、失業者も200万人増加する見通しだ。
│ だが「戦略」には、「あらゆる政策資源を投入する」とあるだけで、
│課題の解決策がない。
│ 経団連の米倉弘昌会長は、「原発ゼロ」方針について、「雇用の維持
│に必死に頑張っている産業界としては、とても了承できない。まさに成
│長戦略に逆行している」などと、厳しく批判した。
│ 電力不足と生産コストの上昇で産業空洞化が加速し、国民生活が脅か
│されかねないためだ。

 各種試算に、どれほどの根拠があるというのか。だいたいが、これまでの試算は電力需要も含めて全く外れていた。右肩上がりの電力需要を前提とした設備計画には全く根拠はなかった。
 単純に今の電源構成から原発を外し、その分を火力の炊き増しなどでまかなうといった硬直した試算をいくらしていても現実離れするだけだ。日本では誰も工夫もせず唯々諾々と倍以上になる電気料金をそのまま払い続け、多くの企業が海外に移転すると本気で考えているのだろうか。
 なお、再生エネ拡大に50兆円も掛けたら、その産業は大変な利益を得ることになり、省エネに100兆円も投資したら、省エネ関連産業は事業の大幅拡大を行うだろう。それこそ200万人の雇用創設ができるのではないか。実際のところ電力会社の売り上げは年間”たったの”10兆円である。どこにそんな規模の経済損失があるというのだろう。そんな規模の損失が予測されたら、PPSどころか、新しく発電所を建設する企業が増えるだけである。
 経団連会長など、旧財閥系産業の既得権益を守るための「難癖」に答える必要などない。そろそろ経団連などの経済(圧力)団体も退場願いたい。

.. 2012年10月11日 22:19   No.433008
++ 山崎久隆 (部長)…228回       
★ ◆矛盾だらけの内容◆
│ 現在、全原発50基のうち48基が定期検査の終了後も再稼働できな
│い状況が続いている。

 稼働できないのは当たり前である。まさか読売はこのまま稼働させるべきと考えているのだろうか。であれば、どのようにして福島第一原発震災を繰り返さない対策が取れるのか具体的に示す責任がある。ほとんどの原発で耐震設計審査指針見直し後のバックチェックさえ済んでいない現実を知らないのだろう。
 福島第一原発震災を踏まえて安全を確保するとした政府方針に則っても、再稼働には最低2年はかかる。まして基準さえまだできてもいない。実際には推進派ですら稼働したくてもできないのが現実だ。

★ 火力発電の燃料費が年3兆円も余計にかかっている。このままでは東
│電以外の電力会社も電力料金の値上げが避けられない。
│ 火力発電の比率が高まれば、政治的に不安定な中東に多くのエネルギー
│を依存する状況も続く。

 矛盾だらけなのは読売社説である。
 火力燃料費は今の効率のままでは費用が経営を圧迫し、立ちゆかないことは誰にも分かっている。価格の安い産地の天然ガスを、電力会社単独ではなく複数の異業種企業が組んで買い付ける動きも急速に進んでいる。老朽火力は止め、高効率火力へのリプレースも既に始まっている。危機を前に黙って指をくわえて見ているわけがないじゃないか。
 電力料金を押し上げる要因は、火力の燃料代にあるのではなく止まった原発の維持費で莫大な資金を投じなければならないところに原因がある。そもそも原発を導入した結果であることは、関西電力と中部電力の決算報告を見れば明らかである。
 関西は原発に依存していたため莫大な経費が原発の維持にかかることから、大幅な赤字を計上しているが、もともと浜岡原発の3基のみ、おおむね11%程度のシェアしかなかった中部電力は、ここにきて決算の赤字は関電の4分の1だ。(*下記にデータ掲載。中電は関電の80%の売り上げ規模で赤字の規模は関電の25%程度である。2012年の中電売り上げが関電のそれよりも大き
く伸びていることに注意。)
 電力会社が赤字になるから原発を稼働せよというのだろうか。本末転倒もはなはだしい。
 原発を抱えたままでは全電力会社は経営危機に陥り、既存の停止した原発の安全性さえ脅かされるのは事実である。そのためには原子力産業を廃炉や核廃棄物管理の機構に移す必要がある。
 日本が輸入するエネルギー資源のうち、発電に使われる石油などの化石燃料は実際にはわずかで、中東依存度は原発を再稼働しても下がることはない。石油や天然ガスは、多くは輸送機関の燃料やガス事業に使われている。原発が稼働してもしなくても中東依存度が大幅に増えたり減ったりするわけではない。
むしろこの間の、火力燃料の調達先多様化(シェールガスを米国から、など)
で中東依存度は今後下がると見られるのだ。それは原発停止に伴うエネルギー浪費構造や調達先の見直しが大きい。結局は原発依存をやめることがきっかけになっている。

.. 2012年10月11日 22:25   No.433009
++ 山崎久隆 (部長)…229回       
★ 「戦略」が、安全性を確認できた原発を重要電源として活用する方針
│を示したのは妥当である。電力安定供給のため、政府は再稼働の実現に
│努めねばならない。
│ それなのに政府は「原発ゼロ」をうたい、わざわざ再稼働に対する地
│元の理解取り付けを困難にした。ちぐはぐな対応だ。関西電力大飯原発
│の再稼働を容認した福井県の西川一誠知事も、政府の方針転換に不信感
│を表明している。

 そもそも原発を再稼働できると思っているとしたら「楽観的に過ぎる」としか言いようが無い。オスプレイ問題も同じで、このまま強引に動かそうとしても地元が同意しない。大飯原発は例外中の例外だ。例えば柏崎刈羽が再稼働できると思っているのだろうか。原発をゼロにと言ったから地元が同意しないのではない。そもそも原発を動かすことに地元が同意しないのだ。そんなリスク
を誰も冒したくない。この文章は、そのことをすり替える論理だ。

★ 核燃料サイクル政策を継続しながら「原発ゼロ」を目指すというのは、
│明らかな矛盾である。
│ これでは、再処理で作った核燃料の使い道がなくなる。
│ 国策の核燃サイクルに協力してきた青森県からは、使用済み核燃料の
│受け入れ拒否を求める声も出ている。不誠実な政府方針に対する青森県
│の怒りはもっともだ。
│ 青森県が協力を拒否すれば、使用済み核燃料の保管場所がなくなり、
│各地の原発は早晩、運転を続けることはできなくなろう。
│ さらに、原子力の技術者になる人材が激減し、原発の安全性向上や、
│今後の廃炉作業に支障をきたす恐れもある。

 青森県が再処理を拒否するのは当然の権利だ。原発を止めるなら再処理を止めるのは道理である。だから再処理を拒否することは正当な権利であり、それを元に作る燃料、プルトニウム燃料の製造工場を1300億円で作るのも中止すべきである。プルトニウムは安全に管理することと国際管理に移すことを政府は真剣に取り組むほかはない。
 なお、そんなことは再処理をしようとしまいと変わらない責務である。
 原発をゼロにすることを決めるならば、原発の使用済燃料が一杯で稼働できなくなっても困ることはない。原発を廃止する理由の一つになるだけだ。

.. 2012年10月11日 22:30   No.433010
++ 山崎久隆 (部長)…230回       
★ ◆日米同盟に悪影響も◆
│ 日本が核燃料の再処理を委託している英仏両国も、日本企業が持つ原
│発技術に期待する米国も、強い懸念を示している。
│ 米国は日米原子力協定に基づく特別な権利として、日本に使用済み核
│燃料の再処理を認めている。「原発ゼロ」を理由に、日本は再処理の権
│利を失いかねない。
│ 米国が、アジアにおける核安全保障政策のパートナーと位置づける日
│本の地位低下も心配だ。
│ 日本が原発を完全に放棄すれば、引き続き原発増設を図る中国や韓国
│の存在感が東アジアで高まる。日米の同盟関係にも悪影響は避けられま
│い。
│ 国際社会との関係抜きに、日本のエネルギー政策は成り立たないこと
│を、政府は自覚すべきだ。

 一番に理解不可能なのは日米同盟を持ち出していることだ。日本のエネルギー政策が日米同盟とどう関わるというのか。核拡散防止の技術や知見ならば、原発を推進していようといまいと維持できるし、そうすべきだろう。(現実にオーストラリア、オーストリア、ノルウェー、原発無しで核拡散防止に貢献している国は挙げればいくらもある)
 だが、ここで言っているのはアジアの原子力開発国との競争に負けるといった理屈だ。国際社会に対して原発(核)をなくし、安全で軍事転用つまり核武装につながるようなエネルギーシステムを導入、拡大しないでも良いように新しいエネルギー資源の共同開発や技術の移転を計れば良い。
 この文脈で唯一理解可能なのは、核武装国の米国と共に核戦力の近代化と将来の日本の核武装を想定した同盟関係の強化でしかない。そのような未来図は暗黒なだけだ。いわゆる「核抑止力のための原発推進論」と軌を一にする主張は、アジアの平和と安定を阻害するだけのものである。
 米国のシンクタンク「国際戦略研究所」による第三次ナイ・アーミテージレポートの原発部分に記述された主張とほとんど同じ考え方である。
 正力松太郎の時代から、米国の世界戦略を維持発展させるために、この新聞は存在すると考えざるを得ない。

*関電と中電の2011及び2012年度決算比較
 関西電力
 売上高   2012 2兆8114億円  2011 2兆7697億円  差  417億円
 営業利益      ▲2294億円      2739億円  差▲5033億円
 
 中部電力
 売上高   2012 2兆2951億円  2011 2兆1783億円  差 1168億円
 営業利益      ▲505億円       1579億円  差▲2084億円

.. 2012年10月12日 05:57   No.433011


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