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■--原発ゼロでも電力は足りた―関電も認める
++ 吉田 隆 (幼稚園生)…1回          


 |  夏の電力需給 真相は?
 └──── (脱原発イロハネット編集人)

 関電は5月、原発ゼロで今夏を迎えた場合、15%の電力不足に陥ると試算し、「計画停電は避けられない」とした。これを受け、野田首相は「国民の生活を守るため」として、大飯原発2基の再稼働に踏み切った。
 8月の平均気温が過去5番目の酷暑続きだった夏もようやく峠を過ぎた今、果たしてどうだったのか。

◆関電 原発4基分余る?!
 関電管内の最大需要は、大阪市の日中最高気温が36.7度に達した8月3日午後 の2,681万kwであった。猛暑の2010年夏並みを想定した8月の需要予測は2,987万kwだったが、10%下回っている。8月3日の供給態勢は、大飯2基をフル稼働する一方、需給調整を理由に相生火力1号機(38万kw)を休止していた。東京新聞によれば「潜在的供給力は少なくとも3,182万kw。ピークの需要時ですら原発4基分に相当する500万kwの余力があったことになる。」と報じている。(8/29)また、関電も最低でも3・2%確保でき、電力不足にはならなかったとの試算を示した。(同9/8)
 植田政府需給検証委員(京大教授)も「再稼働がなければもっと節電されたはず。大飯再稼働は必要なかったと言える」と述べている。(TV朝日9/6)
 
◆大飯原発停止を求める緊急声明
 関電は他の電力会社からの融通電力量も、Max644万KWとしたが、8月4日には742万kw受けている。100万kwも過小に見積もっていた。政府は西日本の50サイクル圏について、今夏のピーク需要を9,622万kw、とし、原発ゼロなら9,301万kwしか供給できないから、融通し合っても321万kw不足するとし、再稼働の宣伝をした。TV朝日9/6のそもそも総研ではこの点を取り上げ、最大需要は8,723万kwで6.6%余っていた旨報じた。予備率は3%あれば安定供給できるとされているので、再稼働がなくても何ら問題はなかったのである。
 他にも揚水発電を前年度比225万kw減とするなど意図的な操作はいくつもあった。つまり、過大な需要と過小の供給による不足を演出・宣伝し、再稼働を合理化しようとしたのが真相だ。
万一の事態もありえたのだからと言いわけする向きもあるが、東電は大あまりであり、100万kw程はいつでも融通できたのだから、化けの皮がはがれるのを防ごうとする強弁でしかない。
 上記のような実態が万人の目にも明らかになったので、大阪府と大阪市は4日エネルギー戦略会議を開き、大飯原発3、4号機の停止を政府と関電に求める緊
急声明をまとめた。節電終了後の停止を要請している。
 しかし、関電はなおも「安定供給のため稼働続行」とする。見え透いた嘘までついて、安全の確保も出来ていない原発を動かし、安全な火力発電を停止するという事態はどう見ても異常ではないか。
 この「異常」の中に電力を巡る怪が隠されているが、この点については次号で検討したい。(脱原発イロハネット No-40 9月9日)
.. 2012年09月17日 06:28   No.423001

++ 柳田 真 (平社員)…134回       
9.21(金)大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議
 |  原子力規制委員会人事案反対抗議エリアを設置
 └──── 首都圏反原発連合

【重要なおしらせ】
・首都圏反原発連合は、9月19日にも発足すると言われている原子力規制委員会と、次の衆議院選挙を視野に入れ、9月中も引き続き毎週金曜の抗議を実施します。9月を強化月間として、人事案の撤回を求め、政党、政治家の脱原発についての動向を見極め、さらに抗議の声を拡大していきましょう!・合同庁舎第4号館前に、原子力規制庁準備室に対する人事案反対抗議エリアを設置します。

【日 時】9月21日(金)18:00〜20:00 予定
【場 所】首相官邸前および永田町・霞が関一帯
      (霞ヶ関駅、虎ノ門駅、桜田門駅をご利用ください)
      ※千代田線・丸ノ内線の国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。
【呼びかけ】首都圏反原発連合

◆たんぽぽ舎のボランティアにご協力ください。
 当日、13:00〜15:30にたんぽぽ舎へ集まり、ビラ折りをして、マイク、横断幕を持ち、たんぽぽ舎を16:00頃出発、経産省前テントひろばに寄り
 合流(17時前後)して、首相官邸・国会議事堂正門へ向かいます。

 ボランティア可能な方はご連絡いただけると助かります。
 電話 たんぽぽ舎 TEL 03-3238-9035


「幸福の科学」(大川隆法)が原発賛成本を多数配布

 9月14日(金)、「経産省前テントひろば」の付近で、「幸福の科学」(大川隆法)がならんで原発賛成の本を配った。たくさん。
 これまでも宗教団体の機関紙配布(こちらは原発反対の機関紙)はたびたびあったが、原発賛成の本(単行本)が多数、無料で配布されたのは私の記憶では初めて。
皆さん、ご用心。配布の人へ論戦をいどみませんか。(柳田 真)

.. 2012年09月20日 08:13   No.423002
++ 永野 勇 (幼稚園生)…4回       
最高の盛り上がり!9・17野田総理地元デモ
 |  ギターリストの参加や太鼓を中心とした鳴り物の持参が多かった
└──── 「原発さよなら千葉」

 9月17日の野田総理地元集会・デモにご協力を頂きまして本当に有難うございました。
皆様方のご協力のおかげで、船橋との同時デモのため参加人員が減ると予想していたのですが、当初予想の2倍の200名の参加を得ることが出来ました。
 集会での発言で私が一番印象に残っているのは、東京から来た小学3年生の男の子でした。野田総理に対し大人顔負けの的確な内容を、ぼそりぼそりと発言し、大きな大きな拍手と「そうだ。そうだ。」の相槌が上がりました。また、経産省
前テントひろばで演奏しているギターリストの参加、東京の方の歌などが、「野田やめろ!」の雰囲気を高揚させました。
 野田総理の地元事務所と自宅前では、デモ参加者の心からの憤りが熱いコールとなり、みな立ち止まり、大変な盛り上がりとなりました。みな本心怒っていることがようく伝わりました。
 今回は、ギターリストの参加や太鼓を中心とした鳴り物の持参が多くこれもまた、デモを盛り上げる大きな要因でした。
特に東金から毎回駆けつけて下さる男性の方は、大きな太鼓を持参してくれました。
地域住民に対しても、大きな訴えをする事が出来ました。
 デモ後流れ解散の場所となった公園は、使用許可を取ってなかったので、本当に短時間での交流となってしまい、もっともっと皆で交流を望んでいた参加者には大変申し訳なく思っています。
解散後の有志による懇親会でのビールは、格別に美味しかったです。
 今後は「原発の再稼働阻止」のため、全国の運動に連帯し頑張りますので今後とも宜しくお願い致します。
デモ後のメールで、総選挙が延びそうな状況なので、野田が総理を続けるだろうからまだ地元デモはやろう!とのこと。何かそんな雰囲気もありかなと?
たんぽぽ舎の皆さんのご協力に、心から感謝を申し上げます。

.. 2012年09月20日 08:28   No.423003
++ 冨塚元夫 (小学校中学年)…16回       
.「シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告」を見て
 |  −9/16日22時ETV特集 第一回ベラルーシの苦悩−
 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)

 ベラルーシ共和国のゴメリ州ホイニキ地区はチェルノブイリ(ウクライナ北部)の北15kmから80kmに位置します。全域が汚染され南側1/3はいまだに立ち入り制限区域「ゾーン」です。かつて20の村に5000人が住んでいました。
 大農場主のニコライ・サドチェンコさんは多くの農民の移住を斡旋しましたが、自分は残り農場の維持管理をしています。
 事故から26年後いまだに食用の作物は作れません。まだストロンチウムが基準値を超えているからです。燃料用なたねやエサ用トウモロコシをつくっています。
 事故直後旧ソ連政府は年100mSvを避難基準にしました。そのときのソ連の科学者は「福島事故で日本政府が被ばく限度を年20mSvと決めたのは政治的なもので、ヨーロッパの大半の住民を避難させる必要が出てくる」と批判しています。しか
し、ソ連支配下のベラルーシ科学アカデミーはソ連の圧力に負けず、独自の研究をかさねて、ICRPの1985年基準(一般人年1mSv)を主張しました。ベラルーシ政府はこれを採用し、チェルノブイリ法を制定しました。
 ベラルーシのチェルノブイリ法:年間5mSv超えは住居、仕事を用意、移住。
年1.5mSvも住居と仕事を用意したうえで移住の権利。移住にかかる費用は全て国、税金の減免、医療費の無料など。年間1mSv以下でも一定の土壌汚染があれば医療費の補助。しかし、この法律が成立したのは1991年でした。事故から5年後です。
 福島県では県知事や県立医大が政府文科省の基準を上回る基準(旧ソ連と同じ)年100mSvを執拗に適用して、福島市や郡山市等年間5mSvを超える地域の住民の移住を阻んでいます。
 事故から1年半たちました。このまま汚染地区に住民をとどめればどうなるか、容易に想像がつくと思います。子供たちの健康被害はすでに出ています。
 「シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告 第二回 ウクライナは訴える」は9月23日午後10時です。

.. 2012年09月20日 08:44   No.423004
++ 山崎久隆 (部長)…210回       
原子力産業協会の「恥ずかしい」文書を批判する
 │ 旧態依然の原発推進論と安全神話に依存した文書
 └────(たんぽぽ舎)

政府による「革新的エネルギー・環境戦略」について、
原子力産業協会が反対意見を発表している。
こちら
 政府方針も、合格点にはほど遠いと言わざるを得ないが、しかし原発をなくすことは方針化していることは評価に値しよう。
 それに対するいくつかの反論は、さらに驚くほど旧態依然とした原発推進論と安全神話に依存した文書になっている。書いている人間は恥ずかしくないのかと言いたいところだ。
 各電力会社などからも、この種の「恥ずかしい」文書が次々に発表されるのだろう。代表格として「原子力産業協会」の反対意見に逐一反論してみよう。
 (以下、★│ではじまる行は、上記文書からの引用)


★「革新的エネルギー・環境戦略についての意見  平成24年9月14日」
│  一般社団法人 日本原子力産業協会
│  理事長 服部 拓也

 まず、この団体の理事長に対して、言っておきたいことがある。
 理事長の「服部拓也」という名前を覚えている人も多くいるだろう。彼は2006年に東電副社長を最後に退職し、原子力産業協会に「天下り」した。東電時代には、02年まで福島第一原発所長を2年間つとめている。今回の原発震災に少なからぬ責任がある。1966年に建設(造成工事)が始まった福島第一原発は、その後2011年まで、建設当時のままに非常用ディーゼル発
電機がタービン建屋に配置されたままだった。作った当時にGE側と交渉に当たった豊田正敏副社長は、地下に発電機があったことを「知らなかった」などとしつつも欠陥と認めている。
 その時代を含めて欠陥を解消する機会はあったはずだ。また、服部氏は福島第二原発三号機再循環ポンプ損傷事故の時には既に原子力技術部長であった。
 そのため東京電力株主代表訴訟において、服部氏にも賠償請求を行っている。被告の一人である。

★ 本日政府エネルギー・環境会議から「2030年代に原発稼働ゼロを可│能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」ことを骨子とした革新│的エネルギー・環境戦略が示された。

 政府発表にある「原発の稼働をゼロにすること」そのものは、もともと2030年の原発比率について国民的議論を進めるとした、パブリックコメント等を含む意見聴取の結果に基づくものであり、勝手に政府が作文をしたわけではない。それに至る「原発震災」を引き起こすような欠陥原発を作ってきた責任について原子力産業協会は一言も発言は無いのか。その不遜な態度に驚く
ほかはない。何処の世界の団体かと思う。

.. 2012年09月21日 18:39   No.423005
++ 山崎久隆 (部長)…211回       
★ エネルギーの安定供給が国民の安全と産業経済活動の発展に不可欠
│であり、国家の根幹を支える基盤であることを考えると、原子力とい
│う選択肢を手放すことは将来国民に過大な経済的負担を強いるだけで
│なく、わが国の先進国としての国際社会に対する責任を放棄するもの
│であり、到底看過できるものではない。わが国は先進国の一員として、
│世界の持続的発展のために、今後も原子力技術を維持・発展させてい
│く責任がある。

 エネルギーの安定供給と原子力発電の推進には何の関係も無い。突然根拠をすり替える方法は、これまでの推進派の手法そのもの。原子力(核分裂反応)は、そのままではエネルギー源にならない。原子力が変換出来る「エネルギー」は電気に限られ、それも変換システム(原発だけではなく鉱山から高レベル廃棄物に至る一連の核燃料サイクル施設全てである)に大変なコストがかかる。石油や天然ガスとは違う。エネルギー安供給とは、一次エネルギーの
それであって、電気はその一部に過ぎない。一次エネルギーの需給バランス全体を考えれば、原発をなくしても何の問題も無い。経済的負担は、59基(廃炉原発を含む)の原発を作り続けてきた以上、原発が稼働してもしなくても莫大な国民負担となることは明らかだ。いまさら始まった話では無いのに、この文脈で持ち出すのは牽強付会もいいところ。
 世界に対する責任など、もはや原発事故を起こしたことで重大な責任を負ってしまった。このうえ原発震災や事故を繰り返せば、地球被曝を繰り返す、とんでもない環境破壊国として長く歴史に刻まれるだろう。世界の持続的発展のためにも、原発をなくすことは、まず第一の責任の取り方である。

★ 政府は、エネルギー問題が国家のあり様を決定づける国家戦略で
│あることをしっかりと認識すべきであり、将来に向けての選択肢を
│狭めることは厳に慎むべきである。
│ 従って、以下の点に配慮し、グローバルかつ長期的視点に立って、
│現実的な対応を行うことを強く求めたい。

 繰り返すが、エネルギー問題とは、一次エネルギー全体を言うのであって全体の1割程度の原発のことを言うのでは無い。車やトラックや船を原子力で駆動出来ないことは明白。火力の効率を15%上げる(45%を60%に)だけで、現在の全原発を廃炉にし、その分を火力でまかなったとしても燃やす燃料の量は変わらないことになる。そして高効率火力は日本のお家芸だ。また、世
界のためにも原子力程度のエネルギー消費量は、そもそも削減すべき対象である。実際に電力消費量は今回の原発震災が無くても、ここ10年で見ればピーク時は相当程度下がっている。
 資源エネルギー庁も今年4月の最終エネルギー消費推計で省エネ対策の強化による1割ないし2割減のシナリオを出している。

.. 2012年09月21日 18:47   No.423006
++ 山崎久隆  (幼稚園生)…4回       
★(1)東京電力福島第一原子力発電所事故を起こした当事国として、
│本事故の教訓を共有し、世界の原発の安全性向上に貢献することは
│わが国の責務である。

 事故を起こした当事国であるからこそ、原子力に変わるエネルギーまたは大幅な省エネルギーを提案すべきだ。
 また、事故原因を究明し、他国の原発でも地震や津波、又はそれ以外の原因により同様の災害を引き起こすことを警告すべき責務がある。少なくても今の原発は全部危険であり、このまま稼働させ続ければ福島第一の再現となる。
 さらに事故後の対策(冷温停止操作)では、運転員や下請けを含む発電所職員では全く対応できないこともはっきりした。チェルノブイリ原発事故は最初に炉心が吹き飛んでしまったため、そのことがはっきりとは分からなかった。
 福島第一原発の教訓の一つは、事故後のバックアップ要員を早期に投入するような緊急体制が存在しなかったこと、市民を守る防災体制が不十分であったうえ、全く機能しなかったことなどたくさんある。そういう経験こそ発信すべきだ。周辺80キロの全住民に責任が持てるのかということだ。

★(2)人材を確保するなど原子力に関する技術力を維持し、使用済み
│燃料の管理、高レベル放射性廃棄物の処分、及び廃止措置を安全に進
│めることは、これまで原子力利用を進めてきた先進国として、国際社
│会に対する責任である。

 この項については、「高レベルの処分」を除けば、「安全」に関しての責任があるのは当然のことであり、それを達成するためにも、原発を廃止することを決定し、技術開発の方向性を絞って、そこに今後希薄となる人材を投入する必要がある。
 これまで日本の原子力産業界は希薄になりつつある技術力を持つ人材を、核燃料サイクル全体に拡散させてしまったため、一つ一つの現場ではとても「人材の確保」どころではない状態を作ってきた。
 原子力産業界は、この点についても相当の責任がある。
 1999年のJCO臨界被曝事故や2004年の美浜原発3号機給水配管破断事故は、原子力産業労働者を多数死傷させる事故として歴史に残っている。これらは安全よりも利益を追求してきた原子力産業が引き起こした事故と言っても過言ではない。それに対する真摯な反省と再発防止に努める姿勢があったならば、今回の原発震災も違った結果になったかもしれない。福島原発震災の責任は東電にだけ負わせるのは公平ではない。元請けから下請けに掛けての全メーカーに、それぞれの責任があるはずだ。今回のようなシビアアクシデントに対する準備も対策も無かったのは、原子力産業側が、安全神話を拡大再生産し続けてきたからではないのか。もはや産業側には安全確保ができる人材を輩出する能力はないと言わざるを得ない。

.. 2012年09月21日 19:58   No.423007
++ 山崎久隆 (部長)…212回       
★(3)事故後も世界の多くの国々は原子力推進の方針は変えていない。
│新たに原子力発電の導入計画を進めている国々から、わが国からの技
│術支援に強い期待が寄せられているが、これらの要請に応えていくこ
│とは原子力先進国としての責務である。

 世界で原発を建設し稼働させている国は30カ国しか無い。さらにドイツやスウェーデンは今後撤退を決めている。世界全部を見れば原発推進などごく少数の国に止まっているのが現実である。最大の原発国である米国でも、原子力規正委員会が原発新設のライセンスを凍結した。原発建設がラッシュだったのは1970から80年代にかけてであり、これら原発が今後急速に老朽化して
止まっていく。それに見合うだけの新増設さえ計画されていない。一次エネルギーにしめる原子力の割合も長期低下傾向が続いており、この傾向が逆転することはもうない。中東諸国の一部が仮に原発建設に踏み切ったとしても、その国の電力需要から鑑みて数機、数百万キロワットにとどまる。全世界の発電所は依然として石炭が最も多く、これからは天然ガスが急速に延びることは最早自明のことだ。今頃こんなことを書くのは、どんな時代錯誤なのだろうか。
 日本の技術支援は、原発の安全な管理技術の開発、放射性廃棄物の安定化技術の開発などが期待されるだけになろう。それよりも高効率火力や新エネルギーシステムの開発に期待が集まることになるだろう。

★(4)原子力発電の開発推進は省エネルギーの推進や再生可能エネル
│ギーの開発などとともに地球温暖化対策の柱である。わが国が本事故
│の教訓を反映し、安全性の高い原子力発電所の普及に努め、世界の地
│球温暖化防止対策に貢献することは先進国としての責務である。

 気候変動を引き起こしている理由の一つが人間のエネルギー浪費だろう。原発をいくら増やしても対策になどならないばかりか、膨大な廃熱による地球暖め装置とかしている原発が、どうして「温暖化対策」になどなろうか。むしろ原発は省エネルギーに逆行してきた歴史がある。原発は昼間ピークに合わせて設備を作ると、夜間のボトムに対応出来ないため、24時間電気を使い続ける
ことを要求したシステムである。そのため揚水発電など自然を破壊し、莫大な費用が掛かる割にはエネルギー供給には役に立たないものさえ作る結果となっている。
 日本が貢献すべきは、これからエネルギー消費量が増大する国々に、廉価で効率的な設備を移転することで貢献することだ。全世界の石炭火力を高効率にするだけで、廃熱や煤煙や窒素酸化物、硫黄酸化物がどれほど減らせるか、それが貢献である。原子力産業協会は石炭火力を全部原発に置き換えるとでも言うのだろうか。発電設備別の比率さえご存じないのか。

.. 2012年09月21日 21:51   No.423008
++ 山崎久隆  (小学校低学年)…5回       
★(5)わが国は原子力開発の当初から平和利用に徹し、核不拡散に関
│する国際規範を厳格に遵守してきた歴史がある。核拡散の防止と将来
│の世界の核廃絶に向けて、わが国が核不拡散体制の維持・発展に貢献
│することが国際社会から強く求められている。

 日本が潜在的核武装国であることは、今では常識だ。開発段階から平和利用
になど徹していない。歴史的事実をねじ曲げている。「核不拡散の優等生」と
呼ばれるほどになったのは、そうしなければ再処理も、ウラン濃縮も、高速増
殖炉も日本で作れなかったからだ。手段と目的が全く理解されていない。今日
日本が国際社会から求められているのは、「もんじゅ」など最早開発に行き詰
まった高純度プルトニウム精製設備の解体撤去である。そして使う当ても無い
高純度プルトニウム239を始め、大量にため込んだ核分裂性物質の国際管理
の先頭に立つことだ。それがない限り、日本の核開発疑惑が解けることは無い。

★(6)わが国の安全保障の観点から、日米同盟はその基軸となるもの
│である。
│米国はわが国が今後も原子力技術を維持し、両国がその開発に協力し
│ていくことが、東アジア地域の安定と日米関係の維持発展のために不
│可欠と考えていることを考慮すべき。

 先の(5)に書かれていることが、ここであっさりと自ら否定しているよう
である。日本が核開発をしてきたのは、安全保障に資するためであるという論
理は、石破茂などがいうように「核兵器開発の技術を保持していることが核抑
止力」などとする論理と同一であり、核不拡散への重大な挑戦である。
 それで済むのであれば、何処の国であってもウラン濃縮技術や再処理技術を
持つことに何の問題も無いはずだし、核武装宣言さえしなければ核兵器一歩手
前まで「国家安全保障のため」可能ということになる。
 また、日本は日米安保体制下で米国の核の傘に「依存」している。その上で
「日米の原子力技術の開発協力」を、特に「東アジア地域の安定」と「国家安
全保障」の上で「日米同盟の基軸」のもと進めるとしたら、日本は米国の核戦
力の維持発展、核兵器開発(高度化)を支援することになる。「核廃絶の国」
で行われる「核戦力の高度化技術の開発」だ。誰が日本のは無しを真面目に聞
くようになるだろうか。


.. 2012年09月21日 22:02   No.423009
++ 山崎久隆 (部長)…213回       
★(7)原子力技術は、エネルギー面のみならず医療、工業、農業など
│放射線利用の面で幅広く応用され、人類の安全と健康維持に不可欠な
│ものとなっている。
│わが国は放射線利用の面でも高い技術力を有しており、原子力発電を
│止めることになれば、これらの基盤が弱体化し、健康で安全な社会生
│活の維持確保に支障が出ることになる。

 放射線利用技術は原発がなくても何ら問題なく可能である。世界に原発を持つ国は30カ国。ではその他の国では放射線利用ができないかと言えばそんなことはない。さらに、一部の放射線利用は問題を抱えている。日本は医療被曝において世界で最も多く、これが、がん発生率を押し上げているという研究報告(英国の医学雑誌ランセットの論文)などもある。この際、本当に必要な放射線利用なのかを見直す機会にすべきだろう。
 以上のように「原発を止めたら大変」といった主張の論点は、コインの裏表の関係であったり、仮定に仮定を重ねた推論であったり、なくすべき核武装への疑惑と直結するものばかりだ。
 これらが無くなるのであれば、原発をなくす(原子力災害の危険性をなくす)ことが、他にも良い影響を与えると歓迎すべきことでは無いか。
 そもそも、16万人もの人々が未だに故郷に帰れず、5年、10年、あるいはもっと長い期間居住も生産も不可能になった土地を広大に出現させた原発震災は、日本でも世界でも二度と再び繰り返してはならない。
 従って議論の順番が間違っている。今後原発は動かすことができない、原発ゼロが出発点であって、その後の日本や世界の原子力問題をどうとらえるか、そのような問題である。これから原発を動かすとか、増して新増設するなどといった論の立て方自体が間違っているのだ。

.. 2012年09月21日 22:07   No.423010
++ 山崎久隆 (部長)…214回       
戦争をなくす法律と、原発をなくす方法の共通性
 │  原発必要論者は真っ先に福島第一原発の収束作業に行って。
 └────(たんぽぽ舎)

東京新聞のコラム欄<筆洗>(9月16日)の引用から
───────(引用ここから)───────
『二十世紀の初めごろ、デンマークの陸軍大将が、こんな法律があれば、戦争をなくせると考えて起草した法案がある。題して「戦争絶滅受合(うけあい)
法案」▼戦争の開始から十時間以内に、敵の砲火が飛ぶ最前線に一兵卒を送り込む。順序はまず国家元首、次にその親族の男性、三番目は総理、国務大臣、各省の次官、そして国会議員(戦争に反対した議員を除く)、戦争に反対しなかった宗教界の指導者…▼妻や娘は従軍看護師として招集し、最前線の野戦病院で働く。権力を持つ者から犠牲になるなら、自らは安全地帯にいてナショナ
リズムをあおる政治家は姿を消すだろう。』
───────(引用ここまで)───────

 これはもちろん、今の領土問題を巡る中国のことを指している。
最後に『小さな無人島の領有をめぐって、戦争を始めるほど、両国の政府も国民も愚かではない。』と結んでいることからもそれは分かる。
 今の原発問題にもこれが言えるだろう。原発が必要だという政治家は、真っ先に福島第一原発の中に入って、がれきの片付けをしたらどうか。放射能が飛び交う最前線に行って収束作業という名の「命を削る労働」を経験してなお、同じ主張ができるのか。もちろんその時は、政治家でも無く元首相でも無い一人の作業員として労働することが条件だ。
 原発が必要だとしている産業界も、これまで原発を通じて莫大な利益を上げてきたので、それを手放したくない。それが原発推進の理由であり、そもそもエネルギー問題ではない。エネルギー問題というならば、原発に変わる電源を開発して同じ程度のコストで供給する技術を広れば良い。そしてそれは既にいくらもあるのだから。
 結局、既得権益を守りたいから、国民を原発の脅威にさらしたままで良いとしている。ならば、その最前線に経団連会長企業である住友化学の役員達が最初に向かったらどうか。

.. 2012年09月22日 06:56   No.423011


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