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質疑の詳細 汚染と除染
福島第1原発内に溜まっているのストロンチウムの量については小森常務が「2.6×10の16乗ベクレル」と答えました。言い方を変えれば2.6京ベクレルで、とてつもない量ですが、水のサンプリング濃度を量に掛け合わせただけであり、正確なものではもちろんありません。さらに重大なのは、汚染水処理ではセシウムのみ取り除くことはできますが、ストロンチウムは取り除くことが出来ません。そんな欠陥設備のまま今に至っていることに何の対策もないのです。 各地で続く先の見えない除染対応については広瀬常務が回答し「除染の費用について国からの給付金で対応したい。特措法以外で申し出があれば、適切な対応も行いたい」などと答えています。しかし、全くのデタラメです。既に福島県以外の自主的な除染費用については、東電は賠償をしない姿勢を各個別交渉において示しており、そのため大きな社会問題化となりつつあります。そのようなことも株主総会では追及しようにも再質問も何も許されません。
質疑の詳細 「冷温停止」の意味や柏崎刈羽の傾斜
国が終息宣言のよりどころとした「冷温停止状態」について小森常務は、冷温停止の定義に今回の福島第一には当てはまらないことを認めました。その上で1〜3号機の格納容器の内部温度、圧力などを観測して「冷温停止状態」だと判断したといいます。直接の燃料温度は測れないので、冷やしている水など格納容器の温度が100度を下回り、放出量も安定的に下がっていることで、 低温停止状態としたと言いますが、定義の無い話を勝手にしているだけであることは言外に認めています。あとは、そんな戯れ言を信じるのかどうか。 核燃料の温度を実際に測っているわけではないので、さっぱり分からないというのが正しい答えですから、直接デブリの温度を測定する方法を考えればいいわけです。しかし、それでは政府の言う「冷温停止」つまり「収束」というデタラメな宣言が台無しになるから測定しないことにしているだけです。これと同様に放射性物質の量も放出量も、あとで触れる臨界問題も「知らない」振りではなくて本当に知らないのだろうとしか思えません。そのほうが遙かに恐ろしいことなのです。 柏崎刈羽原発は中越沖地震で大破していますが、その影響などを問われて相沢副社長は「柏崎が傾いているのではないかという話ですが、強度上の問題はないことが十分な審査のうえで確認されている。国、県から確認されている。」つまり傾いていることを認めています。その上の安全性の確認など3.11以後の世界では一切無効になっています。従って柏崎刈羽原発の再起動など到底許されません。 また、長岡平野西縁断層や海域断層の活動についての問いに「これも連動の可能性もあることで、詳細に中身を含めて、設計上の問題がないか考えている」などと今さらながら言う始末。また、柏崎刈羽原発の地下にも活断層と思われる断層が走っています。このことも今後問題化しなければなりません。 「安全性を強化し、シビアアクシデント対策などの、われわれ一丸となって努力をしてまいる所存であり、結果については地元、関係者の各位にできるだけ、ご理解いただくべく積極的にご説明したい」などと、地元には説明と理解であって、決して了解とは言わない。これなど、以前よりも後退しています。
(「質疑の詳細」は次号につづきます)
.. 2012年07月20日 08:47 No.401001
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