返信


■--天下りと株主代表訴訟
++ 山崎久隆 (部長)…180回          

2012.6.27第88回東京電力株主総会報告 連載その3(1)
 │  事前質問と会場質問へのとてつもないいい加減な答弁
 │  提案議案の採決、票数さえ数えず
└────(脱原発東電株主運動)

 営業報告や議案審議をちゃんと行うことを求める「議事運営動議」が、ことごとく否決され、営業報告と事前質問についてまともに審議することもないままに、営業報告への質疑と議案審議がごちゃ混ぜになって進行します。
 猪瀬東京都副知事がもっとも多くの時間を割いて東電にせまったのは、原発のことではなく、発送電分離でもなく、国有化の是非でもありませんでした。
 「再生のために信頼を取り戻し「透明性と説明責任」を果たすよう求め、社内に競争原理を導入するなどで低廉かつ安定した電力を供給し、顧客サービス第一を使命とすることを求め」て議案提案を行いました。また、火力のリプレースに際して、民間事業者を活用し高効率で環境負荷の少ないものを造るというのもありました。だからといって柏崎刈羽原発を火力に転用を、という私
たちの議案に賛成したわけではありませんでしたが。
 その後の質疑を通じて最も強く迫っていたのは、新宿にある東電病院が稼働率20%程度しかないことと、これを売却対象にしていないことでした。
 弾みで(?)東京都案にも賛成してしまいましたが、振り返ってみても大した議案ではないなあと感じます。
 なお、東電病院のおかしさについては、既に昨年総会において、私たちの議案提案の際に、福島からの被災者により問題提起されていました。

 次に、会場からの質問(私の)と回答の一部を紹介します。

 質疑の詳細 天下りと株主代表訴訟

 勝俣会長の回答は、退任役員に他社取締役などに就任する者がいるが、これは他社から取締役就任の要請があったからと、自らの日本原子力発電への移籍を含めて正当化しました。なお、西澤社長はどこの役員にも出ていないと勝俣会長は言うのですが、実は会場質問は清水前社長が何処に「天下り」したかでした。清水前社長は東電が出資しているアラビア石油の社外取締役ではないか
と問われていたのですが、回答をはぐらかしました。
 西澤社長は、株主代表訴訟に東電が補助参加することに関し「5月11日の取締役会で、(被告)各自ごとに手続きをとっている。本人を除外して決議を行い、監査役の同意を得て取得している。会社法にのっとって、適切に処理している」と回答しています。言葉通りに取れば「勝俣会長への訴訟」については「勝俣会長を除外」して取締役会で議決し、「西澤社長については西澤社長
を除いて議決し」と、これを繰り返していったことになるわけです。これでは何でも可能になってしまう茶番劇です。なお、株主代表訴訟とは今回の福島第一原発震災により、少なくても5.5兆円の損害賠償責任を負うことになった東電に対し、その原因を作った取締役が賠償することを求めて株主が取締役を訴えたのですが、これを東電が被告側に立って補助参加するということは、損
害を与えた側に与することになるわけですから大問題なのです。
.. 2012年07月20日 08:38   No.400001

++ 槌田 敦 (小学校中学年)…17回       
東京電力の数々の証拠隠滅が続く中で
 |  再度、東京電力の犯罪事実を告発する
 └──── 
東京地方検察庁 御中
告発人  槌田敦

 私は、福島原発事故1周年が近づいているのに検察が何らの動きを見せないことに不審を感じて、本年3月7日付けで貴庁に告発状(1)を送りました。しかし、「誰がどのような障害等によって死亡するに至ったのか」などが不明との理由により3月28日返送されてきました。
 私は、科学者として事件の原因などについて意見を述べることはできますが、具体的な被害調査は不可能であり、それは検察庁の仕事であって私は原因究明のお手伝いをするだけであると本年4月28日付け告発状(2)で述べました。
 このようにして事故から500日が過ぎました。貴庁は何の動きもしていません。その間に、東京電力は数々の証拠隠滅をしています。残念ですが、日本の検察は、日本国民の守護ではなく、東電を含めた国家官僚組織の番人であるとの疑いを濃
くしました。
 今回も無駄かとは思いますが、もっとも重要と考えられる犯罪事実について、以下のように補充いたします。

東京電力の告発補充書−吉田所長の重大な過失が福島県民をヒバクさせた

告発状(2)の5、6の補充
 吉田所長らは、3月14日、2号機の圧力容器に海水を注入するため、圧力容器の減圧を目的にして逃し弁を開放した。その結果、圧力容器の冷却水をさらに失うことになっただけでなく、圧力容器の高圧水蒸気が格納容器に流れ出ることになって、格納容器の圧力は上昇し、格納容器の破裂が心配された。そこで3月15日格納容器をベントした。
 大量の放射能を含む水蒸気は、排気塔より大気上空に放出され、折からの東南の風に乗って、浪江町、飯舘村などを襲うことになった。しかし、東電は、この放射能の大量放出と風向きを住民に知らせなかった。そのため多数の住民が高線量の被曝をすることになった。これが福島県民を襲った最大の災害である。
 ところで、東電は「2号機ではベントできなかった」と主張し、発電所内での放射能流出経路をあいまいにしている。しかし、3月15日、発電所から30キロも離れた地域が高汚染したのに、発電所内の線量が全員避難のレベルでないことは放射能の排気塔から上空への放出であり、排気塔への流出は排気塔につながる格納容器のベントであって、格納容器の破損による建屋内での放出ではないことを示す。
 よって、2号機について、5.圧力容器逃し弁の開放と6.格納容器のベントが福島県民被曝の主な原因であり、折からの南東の風を承知しながら、この事実を住民に知らせず、大量被曝させた東電の事故対応は重大な過失(業務上過失)である。 以上

 外にも補充すべきことは多数ありますが、告発状(1)および(2)のように突き返されるのでは詮ないので上記のみに止めます。

.. 2012年08月03日 08:03   No.400002
++ 広瀬隆 (小学校低学年)…5回       
東京地検が告発状を受理、司法記者クラブで記者会見
 └────(昨日、広瀬隆さんからのメール)
              (*遅れの配信になり申し訳ありません)

 本日2012年8月1日、ルポライターの明石昇二郎氏と、私・広瀬隆が東京地方検察庁に提出していた、東京電力福島第一原発事故の刑事責任を問うた告発状が、東京地方検察庁に受理されましたので、ご報告します。いよいよ、歴史的な捜査が始まります。
 これを受けて、本日午後5時30分より、東京地方裁判所内の司法記者クラブにおいて、「福島原発告訴団」代理人の保田行雄弁護士と共に、3人が記者会見をいたします。
 詳細は、追ってお知らせいたします。草々不一
                      
◇8月2日 朝日新聞デジタルより:
『福島の原発事故、捜査開始へ 地検が告訴・告発を受理』
こちら
  東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故をめぐり、東京、福島、金沢の各地検は1日、東電幹部や政府関係者に対する業務上過失致死傷容疑などでの告訴・告発をそれぞれ受理した。(中略)
  今後、捜査態勢を検討するが、検察内部では刑事立件に消極的な声が多い。
 業務上過失致死傷容疑では(1)原発事故による被害だと断定できるか
 (2)事故の責任を特定の個人に負わせることができるか――などが焦点と
 なり、立件は困難なケースが多いとみられる。

.. 2012年08月03日 09:16   No.400003
++ たんぽぽ舎 (社長)…720回       
元裁判官・井戸謙一さんが語る、内から見た裁判所
 │   見せしめ的差別人事で、もの言う裁判官を冷遇
 └────

(人民新聞7月25日 No.1454)
第三者機関による再調査を! 大飯原発・志賀原発活断層の上に建つ原発は即時運転中止に

【7月1日、エルおおさか(大阪市中央区)で、志賀原発運転差し止め判決を書いた元裁判官・井戸謙一さんを招いて、司法の独立がどの程度確保され、変化してきたのか?考える集会がもたれた(主催:神坂さんの任官拒否を考える市民の会)。
  井戸さんは、2011年に裁判官を退官して、現在滋賀で弁護士を開業している。1979年に裁判官として任官。金沢地裁で、志賀原発2号機運転差し止め訴訟の1審を担当。裁判長として運転差し止めを命じた(2006年)。また、参議院定数訴訟(1993年)では、合議体の一員としてで違憲判決を下した。
  現在は、弁護士として「ふくしま集団疎開裁判」(仙台高裁)、若狭原発再稼働禁止仮処分事件(大津地裁)、大飯3・4号機定期検査終了証交付処分差し止め請求訴訟(大阪地裁)に関わっている。講演から原発訴訟に関連する内容を紹介する。(文責・編集部)】

▼志賀原発2号機運転差し止め判決

 井戸氏は、2002年に金沢地裁に着任した際、提訴から3年が経過していた志賀原発2号機運転差し止め訴訟を担当することになり、2006年に運転差し止めを命ずる判決を言い渡した。志賀原発は最近、敷地内の活断層が確認されつつある。同判決は上級審で覆されたが、井戸氏が書いた判決の正しさが証明されたことになる。
 差し止め理由は、(1)北陸電力による地震振動の想定が不十分、(2)想定を越える地震が発生した場合、多重防護が機能しない、(3)過酷事故が起こる具体的危険がある、というものであった。
 地震動の想定が不十分とした理由は、3点。(1)邑知潟断層帯が引き起こす地震の規模の評価が小さすぎる、(2)直下地震の想定が小さすぎる、(3)想定地震によって生じる原発敷地の地震動の評価方法が合理性を欠いている、というもの。
 北陸電力は、裁判で、邑知潟断層帯について、(1)個々の活断層が動くことがあっても、全体が同時に動くことはない、(2)原子炉敷地に最も影響が大きい断層による地震の規模は、最大でM6.3、としていた。
 ところが、2005年に発表された「邑知潟断層帯の長期評価」(地震調査研究推進本部)によると、断層帯は1つの区間として連動する可能性があり、その場合最大M7.6の地震が発生すると予測していたのである。
 北電の当時の主張は、大飯原発再稼働を強行した関西電力の主張と酷似している。東洋大・渡辺満久教授(変動地形学)は、「(大飯原発敷地内にある破砕帯は)大飯原発周辺にある海底活断層が動くと、敷地内の破砕帯も連動して動く可能性がある。詳しく調査するべきだ」と話している。
 渡辺教授の懸念は、関電株主総会でも議論になった。脱原発派株主が再三にわたって再調査を提案したが、取締役会はこれを拒否。その理由も「ボーリング調査をはじめとする現地調査を実施しているから」というもので、当時の北電の主張とまったく同じだ。「ボーリング調査は、針の穴で地中を突っつくようなもの」(井戸氏)なので、調査地点のすぐ横を断層が走っていてもわからないのである。

.. 2012年08月10日 08:31   No.400004
++ たんぽぽ舎 (社長)…722回       
8月6日 東京地検に田中俊一を告発!!!!
 └──   2012年8月6日 広瀬隆・明石昇二郎

 すでに8月1日に東京地検に告発してきた26人に加えて、「被告」にあたる被告発人として、現在最大の問題となっている原子力規制委員会委員長「候補」の田中俊一を、本日2012年8月6日、東京地検に対して犯罪者として告発しました!!本日午前中に、ルポライターの明石昇二郎氏と共に東京地検を訪れ、田中俊一を告発する告発状を提出してきました。そのあと、午後1時から、自由報道協会において、保田行雄弁護士、福島原発告訴団団長の武藤類子さんと共に、4人で記者会見をおこない、福島県における告訴と、東京における告発の意義についてみなさまに説明を致しました。その会見の様子は、下記サイトで見られます。
こちら
 以下に、田中俊一告発状の犯罪事由についての資料を示しておきます。その要点は、福島原発において津波対策をとるべき国家の原発行政の最高責任者である原子力委員会の2であった田中俊一の犯罪であります。2004年12月26日、インドネシアのスマトラ島沖で巨大地震津波が発生して20万人を超える犠牲者が出たあと、日本の国家も原発の津波対策をとらなければならないことが明らかになりました。そして2006年以後に、下記の報道にある通り、「福島原発では、大津波も想定されていた。」「東京電力は、事故前に、大津波による福島第一での浸水を想定していた。」「加えて福島では、津波で電源喪失が起こることを認識して
いながら、対策をとらずに大事故を起こしてしまった。」という事実がある。 〜貞観巨大津波を無視〜
東日本巨大地震が起こった震源域内では、約1100年前の869年に巨大地震が起こり、「貞観津波」と呼ばれる大津波が宮城〜福島県沿岸部を中心に痕跡を残した堆積層が見つかり、宮城県石巻市から福島県浪江町にかけて海岸線から内陸3〜4kmまで浸水していたことが、産業技術総合研究所などの調査で判明していた。さらに貞観津波の450年前に大津波が起こったことも判明し、貞観津波クラスが、450〜800年間隔で起こっていた可能性が高い。研究者は2009年に、福島第一原発の想定津波の高さについて貞観津波の高さを反映して見直すよう迫ったが、東京電力と原子力安全・保安院は聞き入れずに、見直さなかった。(記事前半)

.. 2012年08月10日 10:00   No.400005
++ 海渡雄一 (幼稚園生)…4回       
.「テレビ会議録画に対する取材・報道制限の撤回を求める
 │   弁護士有志声明」を紹介します。
 └────
(この声明は16人の弁護士らによって8月3日に発表されました)
(声明の全文はこちらから→ こちら

1 はじめに
  私たちは、東京電力の福島原発事故の真相を隠そうとする動きを憂慮し、事故の情報を公開させ、真相を明らかにすることが、市民に主権を取り戻す上で必須のものとなっていると考える弁護士有志である。
  福島第一原子力発電所の事故後のテレビ会議の状況を録画した映像について、東京電力が報道機関に公開するとしているが、我々は最悪の原発事故の真実について市民の知る権利を擁護し、知る権利に奉仕する報道機関の報道の自由と取材の自由を尊重する立場から東京電力の公開方法に異議を述べ、以下の通り声明する。

2 経緯
  この映像は事故当日の3月11日から5日間の計150時間分で、東電本店と発電所の間のやり取りが録画されている。東電は来月6日から5日間、1社一人、約30時間だけ、社員のプライバシーに配慮するとして、一部を画像処理して公開する方針を示していた。(中略)

3 報道は民主主義社会において市民の知る権利に奉仕するものである
(中略)

4 社員のプライバシーは制限の根拠とならない

 東京電力はこのような制限の根拠として、従業員のプライバシーを根拠としている。しかし、東京電力はその役員らの事故以前と事故後の誤った判断の積み重ねによって、福島第1原発事故という人災を引きおこした当事者であり、その職員は等しくその責任を厳しく追及されるべき立場にある。(中略)

5 映像と音声そのものが国民の知る権利の対象である   (中略)

6 結論
 以上のとおりであって、私たちは
 1) 東京電力に対し、福島第一原発事故後のテレビ会議録画に対する取材・報道制限の全面的な撤回を求め
 2) 政府に対し、このような不当な取材・報道制限の撤回を指導することを求め、
 3) 報道機関に対し、このような不当な取材・報道制限を受け容れないよう求めるものである。

(本声明に関する問い合わせ先)
(東京共同法律事務所 03−3341−3133)
 弁護士海渡雄一

.. 2012年08月11日 08:21   No.400006
++ 木村結 (幼稚園生)…1回       
◇『「東電株主代表訴訟」第2回口頭弁論』 多くの方の傍聴をお願いします
 時 9月13日(木)14時から、
 所 東京地方裁判所103号法廷
 ※弁護団および原告から趣旨説明が約1時間ほど行われる予定です。
  ・河合弁護士 日本の原発の歴史と原子力ムラの実態
  ・海渡弁護士 福島原発における耐震設計について
 ※当日(傍聴整理券)は抽選になるかも知れませんので、13半ころには裁判所前にお集まりください。

 ※13時ごろより、原告、支援者が東京地裁前でアピールを行います。
 ※17:15〜19:00 報告会を開きます。場所:弁護士会館10階(1002号室)
  こちらにも是非、ご参加ください。

 連絡先 東電株主代表訴訟 電話090-6183-3061(木村結)
 ブログ こちら
 e-mail nonukes0311@yahoo.co.jp

.. 2012年09月07日 19:34   No.400007
++ 柳田 真 (平社員)…131回       
台所で減らす放射能、官邸前見守り弁護団、全国で広がる金曜行動
 │  週刊金曜日がよみごたえ(8・24〜8・31号)
 

○週刊金曜日に読みごたえのある原発関連の文章が続く。
 8月24日号は特集−台所で減らす放射能−という題名で、食品からの内部被曝を防ぐには−白石久二雄氏、食材の除染をメニューの工夫で内部被曝を減らしていきましょう−境野米子氏などが載っている。

○また、路上から「No Nukes・3」では抗議行動を蔭で支える官邸前見守り弁護団が紹介されている。弁護士のメーリングリスト登録者のうち、毎週木曜日に(翌日のデモに向けて)参加できる人を10〜20人くらいが手を挙げます。
 そして首相官邸前、財務省上、国会正門前の交差点に2〜3人ずつ配置し、随時、巡回もして「民主主義擁護」の観点から官邸抗議行動参加者を警察から守り続けている−という嬉しい紹介記事。

○8月31日号では、全国で広がるNo Nukes抗議行動として(金曜行動)北海道から九州まで、45の実例が紹介されている(これ以外にも新潟県刈羽村での小さいながらも毎週続けられている抗議行動などがいくつもある)。また、重大な変化に同伴する政治学者の木下ちがやさん--練り上げられていった人々の意思−の紹介もある。木下さんのデモ、行動の分析や今後のヒント
 になるいくつかの考え方が載っている。

.. 2012年09月07日 19:43   No.400008
++ 井家祥子 (幼稚園生)…1回       
子どもたちを核戦争から守れ!
 │  9.14ふくしま集団疎開裁判文科省前&官邸前&財務省上抗議行動
 └────

7月27日金曜日からスタートした文科省前〜官邸前抗議行動(そのアピール文)、これまで、毎週金曜日、実施してきまし(過去の行動の動画は末尾に掲載)。今週金曜日(9.14)も、文科省前と官邸前と財務省上で、次の通
り実施します。
こちら

 ◎9月14日(金)午後5時〜7時過ぎ 文科省前 地図(青文字で表示)
  午後6時半〜     官邸前   参考地図
  午後8時〜9時半 財務省上 地図(赤文字のコーナー)
 午後9時半〜 経産省テント前 地図(青文字のコーナー)

 主催 ふくしま集団疎開裁判の会
 連絡先 ふくしま集団疎開裁判の会代表/井上利男
  電話 024−954−7478、メール sokai@song-deborah.com

 ◎福島からの声 郡山から勝俣美佐子さん
 ◎遠方からの声
 ・滋賀県彦根市から 井戸謙一さん
  2006年、稼動中の志賀原発2号機の差止を命じた判決を書いた元裁判長
 ・石川県加賀市山から 井家祥子(いのうえしょうこ)さん
 ・静岡県伊豆市から松本圭司さん

.. 2012年09月14日 08:31   No.400009
++ 森田 義男 (幼稚園生)…1回       
最高裁の研究会が提起した、原発訴訟改革論の波紋
 |  裁判所が「我が身かわいさ」で「国等を守る」よりも「自身の安全
 |  (司法への信頼)」を優先
└──── 

 最高裁の会合で、原発裁判の審理方法に改革論が起きているという。原発訴訟をめぐる研究会で、今後は安全性をしっかり審理すべきというものだ。共同通信による情報公開請求に基づく最高裁の内部資料でこれが明らかにされた。

 裁判所は従来、専門家の意見を踏まえた行政の判断を尊重するという体裁で、国策ベッタリの原発推進判決を出し続けていた。「強い者を守る」という裁判所の真骨頂である。原発訴訟を経験した元裁判官は、これを称して「(裁判の前に)
判決の流れは決まっていた」と述べているという。

 こうした中でのこの改革論の浮上。これは福島の原発事故を踏まえ、このままでは司法の信頼が揺るぎかねないとの危機感をあらわにしたものだ。その背景には、原発への多くの世論調査結果やうち続く官邸前デモ等に見られるような、安
全性を無視した原発再稼働等に対する国民の怒りがあろう。

 この改革論により、仮に電力会社の側に安全性への相応の立証責任が求められるような流れにでもなれば、原発行政はかなりの打撃を受ける。「その結果として、国等を守りきれない事態になったとしてもやむを得ない。それよりも司法へ
の信頼(つまり自身の安全)を優先せざるを得ない」。最高裁の研究会はこう判断したのである(現実にどこまで「改革」できるかは、大いに疑問ではあるが)。

 さて、裁判所が「国等を守る」ことよりも「自身の安全(司法への信頼)」を優先するという(ある意味当然の)判断は、大きな示唆を与えている。「有罪率99.9%」のデタラメ裁判や馴れ合いの行政訴訟も、「司法への信頼」が大前提と
なっているからである。 例えば証拠開示の問題。「検察は不都合な証拠は提出しないでよい」などという現行の取扱いは、むろんお話にならない。どのような屁理屈を並べようが、常識や社会正義の面からこれが通用するはずがない。このようなインチキを裁判所が容認・推進していることを広く一般国民が知れば、「司法への信頼」は一気に地に墜ちよう。これで同じく「改革論」が巻き起こるはずなのだ。

 こうしてその他の多くのデタラメも、広く国民に知らしめることにより、「改革論」を発生させればよい。これらにより刑事訴訟や行政訴訟を大きく改善させる。そしてそれは世の構造を一変させる力さえ秘めている。

 もっとも以上述べたことは、既に各方面から指摘済みの当たり前のことといえるかもしれない。しかし今回の最高裁の国等をも敵に回さんばかりの改革論。
「我が身かわいさ」に基づくこの裁判所の変わり身の速さには、目を見張らされる。確かに「広く国民に知らしめる」は、実際問題として容易ではないだろう。
しかし今回は、その威力をまざまざと見せつけられた思いがするのである。
(出典:国賠ネットワーク通信137号・9月15日号)

.. 2012年09月26日 07:51   No.400010
++ 山崎久隆 (部長)…216回       
東電株主代表訴訟、9月13日 第二回口頭弁論開かれる
 │   取締役の反論がないまま原告側のプレゼンが続く
 │   そして、第三回からは「取締役の責任を巡る攻防」
 └────(山崎久隆)

 通常、裁判というものは「訴え」があり「反論」があるものです。東電株主訴訟側は既に訴状においてその「訴え」をしています。次は被告側の「反論」なのですが、未だにそれがありません。
 そこで、取締役が自分たちの言い分を書いて出してくるまでの間、こちら側が「とっても狭い地震大国で大量の原発が作られ続けた結果、どんな危険があるか」と「それだけ原発を作り続けたわけ」を裁判所と傍聴人と被告(ただし口頭弁論には被告は誰も来ないので実際には弁護人に対し、ですが)を行うこととしました。

 第2回口頭弁論期日はまだとっても暑い9月13日に開かれました。

 まず河合弁護士による原発推進の歴史が紹介されました。
 ポイントはやはり「核武装への野望」と、見果てぬ夢「無限のエネルギーを開発する」そしてそれを支えてきた「原子力ムラの構造」でした。
 核武装の野望があったから巨大な原子力利権構造が構築され、莫大な税金が及び電気料金(いずれも私たち国民から巻き上げたお金です)が投入されてきました。それを支える日本と米国の核兵器開発企業群と原子力マフィアとも言える産官学マスコミ労働組合、実に日本の基幹産業の7割近い規模がこれに関わってきたことを図で示し説明されました。それにはマスコミや広告代理店な
どが自治体も一体となり「安全神話」という名の教育を含めた洗脳が行われ、原発の根拠なき安全性が拡大再生産されていきました。
 次は、日本各地の原発裁判に取り組んできた海渡弁護士による原発の危険性が解説されました。
 原発の構造は、電力や国が出す図や、それを引用するマスコミの報道からはかけ離れた複雑で、脆弱かつ複雑なものであることを実際の写真や見聞で説明されました。
 例えば制御棒駆動機構は、地震に遭遇すれば3秒以内で直ちに炉心挿入されるとされ、それに呼応するように一般に見られる図では高圧の空気で一気に挿入できるように書かれていますが、実際には長い距離を直径数センチのパイプで圧力を送り、ようやく挿入できる装置です。その配管は100本以上が束で引き回され、大きな揺れに遭遇すると破断してしまうような脆弱なものと指摘
されました。

.. 2012年09月30日 08:13   No.400011
++ 山崎久隆 (部長)…217回       
 また、実際に地震に遭遇した柏崎刈羽原発の当時の状態を紹介し、地盤沈下などの衝撃的な有様を裁判長以下、法廷の人々に示して、説明をされました。
 長時間ではありませんでしたが、福島原発震災以来誰もが疑問に感じてきた「地震大国がなぜ原発大国になったのか、その原発はどんな装置なのか」が明確になったと思います。
 次回以降は、いよいよ取締役の責任を巡る攻防が始まるでしょう。

第3回以降の期日が以下の通り、指定されました。

 第3回 11月16日(金) 10時30分 東京地裁103号
 第4回 12月13日(木) 10時30分 東京地裁103号
 第5回  1月10日(木) 10時30分 東京地裁103号
 第6回  2月21日(木) 10時30分 東京地裁103号

 どうぞ、多くの皆さんの傍聴をお願いします。被告や東電取締役はもちろんのこと、東電以外の原発を持つ電力会社全てに対しての大きなプレッシャーになっています。原発訴訟はこれからもどんどん起こされますが、そのうちに再稼働した原発で事故が起きたら、その責任はこれまで以上に重く問われることになる、それでも原発の再稼働をしたいですか、という問いかけになっていま
す。その訴訟で傍聴人やマスコミで常に満席になる。そのような取り組みにしていきたいと思います。
 よろしくお願い申し上げます。

.. 2012年09月30日 08:34   No.400012
++ 山崎久隆 (部長)…224回       
勝俣前会長の「異常な天災地変」解釈は誰も認めていなかった
 |  既に裁判所で敗訴していた東電の「免責論」−7月19日東京地裁判決
 └──── (たんぽぽ舎)

○ 一つの裁判の判決がひっそりと下されていた。その名も「東電株下落訴訟」
(日経新聞の命名による)。これは東電の株主が原告となった「もう一つの訴訟」である。
 7月19日、東京地裁では一人の株主が起こした訴訟の判決があり、原告が敗訴していた。相手は国。訴訟の骨子はこうだ。
「国が原子力損害賠償法の免責規定を適用しなかったため東電の株価が下落し、それにより損害を被ったので国は約150万円の損害を賠償せよ」というものだ。
 これに対して東京地裁は「国の(免責対象としない)判断には相当の根拠がある」として原告側の請求を棄却した。
 幸い、裁判所は入り口で門前払いはしなかった。ちゃんと根拠を示して訴えを退けた。
 判決理由で村上正敏裁判長は「三条ただし書き」の解釈について「施行後、国会で議論された形跡はなく、定説はなかった」としつつ、原発震災の被害者保護を図る原賠法の目的を考慮し「人類が経験したことのない全く想像を絶するよう
な事態に限られる」と判断し、そのうえで1964年のアラスカ地震や2004年のスマトラ沖地震など、過去に東日本大震災と同規模の地震や津波が発生しており、免責適用をしなかった国の判断は妥当としたのだ。
○ 東電勝俣前会長が株主総会その他の場で次のようなことを言っている。
 三条の免責を主張したら通る可能性はあると考えられるが、そうなると訴訟を起こさねばならず、被災者と東電の争いになるので、被災者救済を優先するために訴えを断念した。
 まるで被災者のために免責主張を断念したかのごとくだが、そのような訴えを起こせば東電救済スキームは当然見送られる。その上で敗訴すれば東電は経営破綻する。当時も今も、この可能性が高く、免責が通る可能性は考えられなかった。
免責主張をしないことで国の救済を引き出そうとしての発言であることは疑問の余地はない。
 なお、免責が通っていたら、あとは政治責任として国が補償をするかどうかにかかってくる。誰も補償もしないということはありえない。

○(*)原子力損害賠償法第三条には、原子力災害に伴う補償について「無過失、無限定」と規定しているものの、ただし書きとして「その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるとき」は免責するとの条項。
過去の議論では「関東大震災の3倍程度」などとするものもあるが、原子力委員会は99年に「異常に巨大な天災地変とは、一般的には日本の歴史上例の見られない大地震、大噴火、大風水災等が考えられる。」としており、そのような地震
や津波では無かった福島第一が免責を認められることはあり得ない。

.. 2012年10月04日 13:30   No.400013


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