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2012.6.27第88回東京電力株主総会報告 連載その3(1) │ 事前質問と会場質問へのとてつもないいい加減な答弁 │ 提案議案の採決、票数さえ数えず └────(脱原発東電株主運動)
営業報告や議案審議をちゃんと行うことを求める「議事運営動議」が、ことごとく否決され、営業報告と事前質問についてまともに審議することもないままに、営業報告への質疑と議案審議がごちゃ混ぜになって進行します。 猪瀬東京都副知事がもっとも多くの時間を割いて東電にせまったのは、原発のことではなく、発送電分離でもなく、国有化の是非でもありませんでした。 「再生のために信頼を取り戻し「透明性と説明責任」を果たすよう求め、社内に競争原理を導入するなどで低廉かつ安定した電力を供給し、顧客サービス第一を使命とすることを求め」て議案提案を行いました。また、火力のリプレースに際して、民間事業者を活用し高効率で環境負荷の少ないものを造るというのもありました。だからといって柏崎刈羽原発を火力に転用を、という私 たちの議案に賛成したわけではありませんでしたが。 その後の質疑を通じて最も強く迫っていたのは、新宿にある東電病院が稼働率20%程度しかないことと、これを売却対象にしていないことでした。 弾みで(?)東京都案にも賛成してしまいましたが、振り返ってみても大した議案ではないなあと感じます。 なお、東電病院のおかしさについては、既に昨年総会において、私たちの議案提案の際に、福島からの被災者により問題提起されていました。
次に、会場からの質問(私の)と回答の一部を紹介します。
質疑の詳細 天下りと株主代表訴訟
勝俣会長の回答は、退任役員に他社取締役などに就任する者がいるが、これは他社から取締役就任の要請があったからと、自らの日本原子力発電への移籍を含めて正当化しました。なお、西澤社長はどこの役員にも出ていないと勝俣会長は言うのですが、実は会場質問は清水前社長が何処に「天下り」したかでした。清水前社長は東電が出資しているアラビア石油の社外取締役ではないか と問われていたのですが、回答をはぐらかしました。 西澤社長は、株主代表訴訟に東電が補助参加することに関し「5月11日の取締役会で、(被告)各自ごとに手続きをとっている。本人を除外して決議を行い、監査役の同意を得て取得している。会社法にのっとって、適切に処理している」と回答しています。言葉通りに取れば「勝俣会長への訴訟」については「勝俣会長を除外」して取締役会で議決し、「西澤社長については西澤社長 を除いて議決し」と、これを繰り返していったことになるわけです。これでは何でも可能になってしまう茶番劇です。なお、株主代表訴訟とは今回の福島第一原発震災により、少なくても5.5兆円の損害賠償責任を負うことになった東電に対し、その原因を作った取締役が賠償することを求めて株主が取締役を訴えたのですが、これを東電が被告側に立って補助参加するということは、損 害を与えた側に与することになるわけですから大問題なのです。
.. 2012年07月20日 08:38 No.400001
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