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当時の満洲は、金融はアメリカが握り、税関は英国、郵便はフランス、鉄道は北がソ連、南は日本の満鉄で、正に東洋のバルカンだと称した人があったくらい、列国の勢力が入り乱れていたのですが、日本の勢力が満洲を足場に中国大陸に拡大するのを喜ばない欧米列強は、第一次世界大戦中に日本が日支二十一ヶ条約を結んで、中国に対して覇道的圧迫を加えて以来、中国人の内に澎湃として湧き起こった排日意識を背後から煽り立てる政策を採るに至りました。九ヶ国条約というのは、その背景をなしたものであります。支那本土における排日もかなり強烈なものでしたが、ことに日本の利害が最も密接な満洲において、張政権が欧米列国の勢力を背景に、満鉄を中心とする日本の権益を圧迫するに至ったのですから、日本としては黙っていられなくなったのは当然です。
.. 2006年07月09日 23:11 No.4002
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