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.「再稼働反対!再稼働反対!」鳴りやまないシュプレヒコール │ 言葉も交わさず醸される共感、“自然発生だから広がる” │ 西新宿から4キロ2時間 - 「素人の乱」デモに参加した └────(7月4日夕刊)
関西電力が大飯原発3号機の原子炉を再起動した1日、東京・新宿で催された「原発やめろ」デモに参加した。日曜日の夕方、あいにくの雨だったが、西新宿から歌舞伎町まで約4キロを2時間かけて歩くと、予想外の「発見」があった。
「再稼働反対、再稼働反対!」気に入った曲のフレーズのように、原稿を書いている今も、耳の奧でシュプレヒコールが鳴りやまない。ドイツ語辞典で調べると、シュプレヒコールとは、演劇用語で大人数が朗読、朗唱することを指す。思想家の柄谷行人さん(70)はデモを「動く集会」と解釈したが、「歩く合唱」と言った方が似合いそうだ。 主催は松本哉さん(37)。自身が営む東京・高円寺の雑貨店の名を使い、「素人の乱」と名乗り、東日本大震災のあと5回呼びかけてきた。柄谷さんや社会学者の大沢真幸さん、法政大教授の田中優子さんら9人が賛同人に名を連ねる。私も趣旨に共鳴したので、取材だが実家で参加することにした。 午後4時、集会場の新宿中央公園に行くと、雨のせいか人は2000人ほどだ。(主催者発表は8000人)。松本さんがマイクを握る。「世の中全体は”原発なくせ”なのに、6月8日の会見で野田(佳彦首相)は”原発は国民生活に重要な電源”と元に戻した。人のこと何も聞いていないんじゃないか?あんな態度されたら怒るでしょ?今回は反原発だけでなく、変なこと言うヤツを引きずり下 ろすため、”ふけんじゃねえ”と民衆の怖さを見せつけてやりましょう!」 松本さんの魅力はリーダー然とせず、一見いいかげんっぽいところだ(中略) デモ2日前の記者会見でこんなことがあった。6月22日以降、首相官邸前で盛り上がったデモを「60年安保以来」と評した柄谷さん。「国会だけが議会じゃない。デモは民衆が議会をやってるんですよ」と言葉に怒気が交じり始め、つい「我々はー」と、あの世代の口調になってしまったのだが、すぐ我に返って「あの....”素人の乱”といいます」と声を落とし、笑いを誘った。「柄谷さん、ここは一発ガツーンと」と促されるなど、会見を仕切る若者たちのマスコット的存在になっているのが微笑ましい。
.. 2012年07月06日 08:44 No.395001
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