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四国電力・伊方原発沖にA級活断層。1988年出力調整実験反対運動
2000年12月15日、23年間に及んだ、愛媛県伊方町民を中心とした住民が国を相手取って起こした伊方原発設置許可取り消し訴訟(四電伊方2号炉)の判決が、松山地裁で行われた。判決は、最大の争点だった「原発敷地沖のA級活断層」の存在を認めながら「原子力機器の安全を脅かすものではない」と、国側が活断層を見落としたズサンな安全審査を支持し、住民側の訴えを退けた。伊方1号炉弁護団の藤田一良団長が準備書面の中で「サタンの火」と称した原発は、その指摘通り莫大な金と巨大な権力、そして現代の魔術というべき科学技術を駆使して住民の生活と心をボロボロに踏みにじり、立ち上がれないほどに傷つけ、その後に進入してきた。
象徴的な出来事として1988年の伊方原発出力調整実験反対運動がある。全国の反原発住民5千人とも1万人ともいわれる人々が四電本社(香川県高松)を取り囲み、実験中止を訴えた運動。この際、ステッカーを張ったり、針金を一本切っただけで、反対運動をする人が警察に逮捕された。同年、伊方町の要職にあった人 物から筆者が渡された「マル秘」書類には、為政者や企業警察など核開発をもくろむ者たちによって住民を管理、弾圧して原発推進を進めるということが、伊方 町でも行われてきたことが克明に記されていた。
今、為政者や企業側は莫大な金と巨大な権力を駆使して利潤の追求と戦争に備えた国造りへとまい進しているかにみえる。住民への弾圧や自衛隊という軍隊の動員計画も想定されていることなども考えあわせると、核という地球規模の破壊的な兵器の原料となる原発を阻止することは、反戦活動にもつながっていくものであるともいえるのではないだろうか。
.. 2012年04月08日 08:37 No.378001
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