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2/29(水) ― 経産省前テントひろば 172日目 ― ───────────────────────────────────
テントは、活気に満ちた。とぐろを巻くひとなどいない。朝早く、「原発事故被害者支援法」(仮称)の制定を訴える人々が衆院第一議員会館へ向かった。テント広場は、国会前座りこみをしていたのは、このためでもあった。国家財政を優先するものは、消費税率の増加を中心課題として形成しようとする。しかし、国民の人命救助を主眼とするものは、一年たっても福島第一原発事故から目をそらすわけにはいかない。テント広場の人々も、「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク」に連帯し、汐見坂を雪の中、駆け上る。潮目を読む場所だったから、地震に耐えられる地盤ではないそうだ。 日本は、荒海の枯葉か! テントへは、フランスのラジオ局のジャーナリストが、顔を覗かす。イタリア人でロンドン在住の友人と。金曜日の下準備だそうだ。70年ころ流行した「ラジオのように」のことを伝えても、わき道にそれる暇はないという風情。真剣そのものの取材姿勢。あとで、あの在特会と警官に煮え湯を呑まされたフランクさんたちから電話が入る。 フランスのTV放送は福島の「事故収束」にフランス人が大貢献し、日本人は深くフランス政府の救援に感謝しているというメッセージを流しているという。おふたりは、今、フランスだ「海外のメディアには福島の真実を伝えてほしい、収束などとデマもいいかげんにしてほしいわよね! ゲンバってなによ?」とゆみさん。 フランスのラジオ局記者と友人を大飯原発再稼動審査書検討委員会につれてゆく。雪のため傍聴人が少ない。いかにも慣例的挨拶の応酬を批判派が傍聴席から断罪する。斑目 委員長が司会をしていたが、高校生を相手にする教員のように、威圧的な大声を出してみせる。 結局、強制的退場者はでなかったようだ。 その間、テントには、スウェーデン、オーストリアなどなどジャーナリストがおしかけてきていた。福島県が、フクシマとなり、チェルノブイリとなっても、世界は、「あっち」という風情の日本人。「野蛮な文明」と書いたのは、昔々レヴィ・ストロースだった。 しかし、フランスは、80パーセント核燃料に発電を依存し、カナダ、オーストラリア、アルジェリアなどで、ウラン採掘をしている。日本は、ヨルダンやトルコに原発輸出する。フクシマは人類史の四つ角となった。 ああ、井の中の蛙にする政府情報機関。原子力ムラとは笑わせる。あの安全審査委員会は、明治の枢密顧問官たちの亡霊にとりつかれている。フランスのジャーナリストは、眉をしかめて、退場した。テントから電話が入る。急いでテントへ戻る。 雪椿テントは天下如月尽(能見) (Q記)
.. 2012年03月03日 07:31 No.366001
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