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今年で9回目の調査 サクラの花の異常を調べる重大な意義 環境・放射能が生物にどう影響するか−貴重な情報入手
○ 2003年春に行われた浜岡原発ツアーの際に寒椿に異常な花があるのを発見し、続いて茨城県東海村でサクラの花の異常が見つかった。これをきっかけにサクラと原発の放射能との関係を調べてみようと、翌2004年からたんぽぽ舎サクラネットが中心となって、毎年日本全国で観察を続けている。
○ サクラ(ソメイヨシノ)は普通花弁5枚、萼(ガク)片5個が対照的に並んでいるが、近くでよく観察すると、花弁や萼片の数が標準より多かったり少なかっ たり、あるいは花弁の先がぎざぎざしていたりねじれていたり、様々な異常花がみられる。正常な花と何らかの異常を含む花との比率を求めて、毎年表にまとめ、すでに8年分が公表されている。 ソメイヨシノは接ぎ木で増やされるクローンのため個体差が少なく、通常寿命は60年と言われるが、弘前公園のように手入れが行き届いていると、100年を超すものが300本以上もあるなど、環境に敏感に反応し忠実にその影響を知らせてくれる。しかも長い間、人間と同じ環境に生きてきているので、サクラの花の異常を調べることは環境の生物への影響を考えるうえで、貴重な情報となるであろう。特に3・11の大震災と東電原発事故により、あろうことか日本中がまたもや被ばくの危険に見舞われてしまった。2007年7月に中越沖地震があって柏崎原発で放射能漏れが起こり、2008年4月に柏崎のサクラには異常花が目立った。まだサクラの異常花と放射能との関係は科学的証明には至っていないが、昨春は多 くの地点で異常花の増加傾向が見られた。今年はどうであろうか。各地できめ細かく放射能の測定が行われている中でのサクラの観察はこれまでにない貴重な情報が期待される。サクラの観察は測定機器を使って客観的なデーターが得られるわけではなく、あくまでも目測に頼らざるを得ないところが一番の弱点である。 データーはあくまで客観的でなければならない。丁寧に観察し、しっかりした正確なデーターを積み重ねることは放射能の危険を察知するための、誰でもできる手軽な方法となるかもしれない。
○ もう一つサクラ調査の重要な意義は、真摯に自然に向き合い、客観的な観察を続けることは様々な困難もあるが、時に新しい発見があり、このわくわく感は何物にも代えがたい喜びであり、頭を柔軟にし、既成観念にとらわれずにものの本質を見抜く力を鍛える最良の方法である。原発事故の被害も津波の被害も多くの人達が予想し警告していたにもかかわらず、そんなことは実際には起こりえないとして無視したような人達にこれからの社会を任せるわけにはいきません。自然に学び、頭を柔らかくして明るい世界を実現したいものです。
お願い:サクラ調査に興味がある方は是非ご参加ください。調査表などお送りしますので、ご連絡ください。特に福島県郡山市、いわき市在住の方、ご参加いただけると幸いです。
サクラ調査についての問合せと連絡先 サクラ調査ネットワーク 担当:柳田真 たんぽぽ舎 TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
.. 2012年02月07日 16:34 No.361001
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