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票のためなら 大矢英代(カリフォルニア州立大助教授)
目出し帽をかぶった男たちに車から引きず出される人。「街から出 ていけ」と怒りの声を上げる群衆。 米移民・税関捜査局(ICE)がカリフォルニア州各地で移民を拘 束する動画が、SNSに次々と投稿されている。 先週、米メディアは、トランプ政権が同州で大規模な移民摘発作戦 を開始したと報じた。少なくとも45日間続く見込みで、ICE職員に は「犯罪歴の有無にかかわらず、不法移民はすべて逮捕するよう指示 した」という。SNSで、私が暮らす街の動画を見つけた時には、 「ついにここにも来たか」と背筋が凍った。 報道以降、私も通勤中にバックミラーで後続車を気にかけるように なった。万が一に備え、滞在許可証とパスポートを携帯することにした。 移民、しがもアジア人の私も、いつどこで標的になるかわからない。 なぜ、不安を強いられるのか。中間選挙を見込んだ政権の思惑が透 けて見えるから、ますます怒りが込み上げてくる。 投票前に、民主党の地盤であるカリフォルニア州に打撃を与えてお きたい。移民に「犯罪者」のレッテルを貼り、社会に恐怖を植え付ける ことで支持層にアピールしたい。 そんな政権の「票取り」のために、市井の人々の日常は脅かされ、 家庭や地域が分断されている。 こんな下劣な選挙対策しかないのか。 恥ずかしくないのか。 (10月12日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)
.. 2026年10月18日 08:06 No.3562001
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