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■--未成年者の政治的活動
++ 東京新聞 (社長)…3545回          

未成年者の政治的活動
  未成年者も主権者であり人権の主体

      前川喜平(現代教育行政研究会代表)

 東京地方裁判所は25日、未成年者の選挙運動を禁止する公職選挙法の
規定は表現の自由を保障する憲法 21 条に違反するという判決を下した。
 政治参加の自由を阻む重い扉をこじ開けた若い原告たちの信念と勇気に
心から拍手を送りたい。

 日本の人権状況を一歩前進させることができた。
 政府はこの判決を踏まえて、公選法の改正案を国会に提出するべきだ。

 同時に、高校生の政治的活動を制限するよう求めた文部科学省の通知 (
2015年10月)も見直しが必要になる。この通知は、選挙運動を含む高校
生の政治的活動について、放課後や休日に学校外で行う場合であっても
「学業や生活」「学校教育の円滑な実施」に支障があると認める場合に
は、制限や禁止を含め「適切に指導を行うこと」を学校に求めている。
 文科省は学校外での政治的活動を届け出制にすることも認めている。

 日本弁護士連合会は「あるべき主権者教育の推進を求める宣言」(2016
年10月)で、右のような政治的活動の制限は「違憲・違法の疑いもあり、
見直されなければならない」と警告していた。
 未成年者も主権者であり人権の主体だ。
 選挙権はなくても参政権はある。
 文科省は今回の地裁判決や 2016 年の日弁連の宣言を踏まえ、未成年者
の政治的活動の自由を最大限に尊重するよう、通知を出し直すべきだ。
      (9月27日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より)
.. 2026年09月29日 07:45   No.3551001

++ 東京新聞 (社長)…3546回       
不気味な同盟国
大矢英代(カリフォルニア州立大助教授)

 トランプ大統領がリべラル系メディア3社を「フェイクニュース」と批
判し、ホワイトハウス取材から締め出した問題で、連邦地裁は早々に差
し止め命令を出し、「出禁」をひとまず無効化した。
 これほど早く事態が動いたのは、大手テレビ各社が団結して抗議し、大
統領のテレビ代表取材を停止(ボイコット)したからだろう。

 この決定を主導した代表取材の責任者が、保守系FOXニュースの、
しかもワシントン支局長だというから驚いた。普段は論調が真っ向から対
立する保守、リベラルメディアでも、憲法で保証された報道の自由が脅か
されれば、迷うことなく団結する。
 彼らのジャーナリスト魂に脱帽する。

 日本でも、佐藤栄作首相の退陣会見で、新聞記者たちが一斉に退出した
ことがあった。が、これは半世紀前の昔話。
 今、日本の官邸記者クラブで同じことが起きたら、米メディアのように
連帯して抗(あらが)えるだろうか。

 そんなことを考えていたら、国連出席のため、わが首相がやってきた。
 トランプ大統領との会談冒頭、早々にメディアを追い出し、米側の笑
いを取ってみせた。「ほら聞こえただろ」とせせら笑い、退席を促す大統
領。自国でメディア締め出し作戦が失敗しただけに、首相の「あしらい
方」が気に入ったようだ。
 なんて不気味な「日米同盟」の画(え)だろうか。
       (9月28日「東京新聞」朝刊17面「本音のコラム」より)


.. 2026年09月29日 07:51   No.3551002
++ 茨城新聞クロスアイ (中学生)…37回       
◆【速報】核ごみ文献調査
  茨城・常陸大宮市長が受け入れ表明 国内5例目

 原発の運転に伴う高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を
巡り、茨城県常陸大宮市の鈴木定幸市長は30日、国から申し入れが
あった文献調査を受け入れると表明した。
 29日の赤沢亮正経産相との会談で、風評被害など三つの懸念に国が対
応することを確認できたとして、調査受け入れが妥当と判断した。(後略)
             (9月30日「茨城新聞クロスアイ」より抜粋)

.. 2026年10月01日 07:47   No.3551003
++ 東京新聞 (社長)…3547回       
AIと核兵器と原発との共存がありうるのか

鎌田 慧(ルポライター)

 不思議なのだが、私自身パソコンに取り込んだことはないし、入れても
らったこともない。それでも送られてきたメールを開くと、いつの間にか
AI(人工知能)が勝手に要約している。
 AIを使う能力が全くないのに、向こうから覗(のぞ)かれているよう
で気持ちが悪い。

 米アンソロピックの研究員がAIは「2020年代の終わりまでに人類を
滅亡に追い込む」と警告して退社した。その報道後、あたかも堰を切った
かのようにAIの恐怖が伝えられている。
 同社のダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)も「人間の制御能力
を凌(しの)ぐ可能性」を指摘している。それだっだら2人が力を合わせて
対策を呼びかければいいのに、と思う。

 「『死者10億人』強力AIに警鐘」(27日、本紙朝刊)とはマイクロソ
フト創業者のビル・ゲイツ氏の規制強化の訴えだ。
 オープンAIのサム・アルトマンCEOもイーロン・マスク氏も開発
の減速を主張している。
 AIと核兵器と原発との共存がありうるのだろうか。
 すでにデータセンターによる温室効果ガス発生や水不足など、環境破壊
が指摘されている。

 自律型致死兵器の使用、AIフォース(宇宙軍)の創設。AIの暴走に
よる核爆弾の応酬、原発への攻撃。
 人間感情のないAIによってもたらされる人類の終末、それが見えて
きた。
 これから開発競争に歯止めをかけるしかない。
       (9月29日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より)

.. 2026年10月01日 08:01   No.3551004
++ 東京新聞 (社長)…3548回       
基地問題「日米深く協議を」 玉城デニー沖縄県知事最後の定例会見

【25日】沖縄県の玉城デニー知事は、任期中最後となる定例記者会見を
県庁で行った。
 新知事に就く古謝玄太氏に対し「沖縄が歩んできた歴史や、先人が受け
継いできた平和の心、ちむぐくるを尊重し、県政運営に取り組んでほし
い」と思いを託した。

 県知事選の出口調査で米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関し賛成
が5割に達したことについて「率直に受け止めたい」と話した。
 有機フッ素化合物(PFAS)や騒音、事件事故など基地から派生する
諸問題に触れ「県民にいつまで精神的な負担をかけるのか。一日も早い解
決を望まないわけがない」「人権の問題として日米が深く協議してほし
い」と訴えた。

 2期8年の「レガシー(遺産)」について問われると、中学卒業までの
子どもの医療費・通院費の窓口無料化や、関係団体と連携したコロナ禍か
らの経済の立ち上がりなどに言及。その上で、母子家庭に生まれ、高等教
育を受けたわけでもないなど「私のような多様な生まれと人生を歩んだ者
に対し、舵取りを委ねていただいた県民の力、そのものがレガシーという
ほかにない」と述べ、県民への感謝を伝えた。 (後略) 「琉球新報」
  (9月29日「東京新聞」朝刊19面「辺野古・高江リポート」より抜粋)

.. 2026年10月01日 08:08   No.3551005
++ 東京新聞 (社長)…3549回       
説明ないまま 市民困惑 常陸大宮 核ごみ調査受け入れ
  なぜここなのか/決定急すぎる

 高レベル放射焦棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査
を、茨城県常陸大宮市の鈴木定幸市長が受け入れた。市側の説明がない
ままの受け入れ表明に、住民からは不満の声が相次いだ。(福田真悟)
  (中略)
 高校3年の女子生徒(18)は「地元の衰退ぶりを考えると、補助金がもら
えたりするのは活性化にプラスになり得るけど、移住を検討する人らは
減ってしまうかも」と話す。市内で生まれ育ち、卒業後も暮らし続けるつ
もりだが「正直、決定が急すぎる。市民が納得できるように対応してほし
い」と注文した。 (中略)
 市役所前では30日、市民ら約20人が「核のごみ受け入れNO」と書い
たプラカードなどを掲げ、反対の声を上げた。中学生の孫らと同居する金
子さないさん(74)は「将来的に最も影響を受けるのは子どもたち。大人が
責任を持って監視していかないと」と話した。
      (10月1日「東京新聞」朝刊22面より抜粋)

.. 2026年10月03日 08:00   No.3551006
++ 東京新聞 (社長)…3550回       
【社説】核ごみ調査容認 住民の理解は後回しか

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を
巡り、茨城県常陸大宮市の鈴木定幸市長が文献調査の受け入れを容認
した。
 唐突ともいえる政府要望からわずか1カ月後の判断だが、住民説明の場
さえ設けられないまま。
 鈴木市長は国策への貢献や人口減少が進む市の存続策などを理由に当初
から調査に前向きだったが、大前提である住民の理解は後回しにされた
形だ。 (中略)
 今、住民の多くが感じるのは原子力施設そのものへの懸念だけでなく、
「自分たちの知らない間に物事が決められる」という不安ではないか。
 政府や市はまず、それに真摯(しんし)に向き合うべきである。
 現に核のごみがある以上、いずれ処分はしなければならない。
 だが、処分場にメドさえたたないまま原発回帰を進め、ごみを増やし続
けている状況は無責任だ。 (後略)
            (10月2日「東京新聞」朝刊5面【社説】より抜粋)

.. 2026年10月03日 08:05   No.3551007
++ 東京新聞 (社長)…3551回       
中部電力会長らを告発 「業務妨害」 浜岡不正で市民団体

 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)3、4号機の再稼働審査を巡る
基準地震動のデータ不正問題で、市民団体や研究者らが、偽計業務妨害の
疑いで中部電力の勝野哲会長=30日付で辞任=と役職員数人を東京地検
に告発した。29 日付。
 告発状によると、勝野氏らは多数の地震波から平均値に近いものを選ぶ
のではなく、都合の良いーつを選んで虚偽のデータを原子力規制委員会に
報告。新規制基準適合性審査の業務を妨害したとされる。
 代理人の河合弘之弁護士は 30 日に東京都内で会見し「1回の出来心で
はなく長期間の組織的な不正。原発の安全の基礎を揺るがす事件で強制力
のある刑事手続きで追及されるべきだ」と述べた。(中略)
(鈴木みのり)     (10月1日「東京新聞」朝刊22面より抜粋)

.. 2026年10月03日 08:11   No.3551008
++ 東京新聞 (社長)…3552回       
茨城知事、「次段階同意せず」 原発立地「大きな負担」
  核ゴミ処分場選定手詰まり

 原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向け
た文献調査を、茨城県常陸大宮市が受け入れたことに対し、大井川
和彦知事は2日の定例会見で、次の段階の「概要調査」は同意しない
意向を明らかにした。概要調査と3段階目の「精密調査」に進むには、
市町村長と都道府県知事の同意が必要とされている。 (後略)
(10月3日「東京新聞」朝刊1面より抜粋)

.. 2026年10月04日 06:54   No.3551009
++ 東京新聞 (社長)…3553回       
プロレタリア文学と現代
      斎藤美奈子(文芸評論家)

 この夏、少し渋めの仕事(?)をしていた。明治から昭和初期の短編
をまとめる仕事で、それがようやく発売された。
 『昭和文豪自選作品集』(中公文庫)。1935(昭和10)年に出版された
『文壇出世作全集』が元ネタで、ここに収録された75作中、島崎藤村
から林芙美子まで15作を選んだアンソロジーだ。作家が自ら選んだ
「出世作」ゆえ、若い頃の作品が多い。
 作業過程で感じたのは昭和初期のプロレタリア文学の破壊力である。
この系統で有名なのは小林多喜二『蟹工船』(1929年)だけれども、
労働者文学の枠を超えた傑作の多さに驚く。
 平林たい子「施療室にて」(1927年)は作者21歳の作品で、旧満州
の慈善病院に脚気(かっけ)で入院した女性の、劣悪な環境下での出産
と、その後の過酷な体験を冷徹な筆致でつづっている。
 また中野重治28歳の作品「砂糖の話』(1930年)は労働者や兵士と
して働かされた後、社会から見捨てられた単身の老人が主役である。
虐げられた人々の甘みに対する強い欲求と、平気で人権を剥奪(はく
だつ)する養老院の想像を超えた実態。
 どちらも社会保障制度が未整備だった時代の残酷さを伝えるが、
自己責任論が横行し、社会保障の見直しが進む現在、一歩間違えば
こうなると思わせる。
 さよう、1O0 年前の日本は過去ではないのだ。
(9月30日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より)

.. 2026年10月04日 07:01   No.3551010


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