返信


■--12月末には稼働原発は6基
++ 原田 裕史 (幼稚園生)…3回          

12月末には稼働原発は6基のみ、89%脱原発。
     今月中に停止する原発は大飯2号(関西電力)、玄海4号(九州電力)の2基。全原発停止は目の前に迫った。
     被曝労働(定期検査)を減らそう!再稼働をやめよ!

                              
○12月末の段階で再稼働を許さなければ稼働原発は6基のみ(全体の11%)になります。日本は「89%脱原発」状態です。

 政府・電力会社は原発のストレステストを実行し、地元合意を取り付けて再稼働を行おうとしていますが、政府の立場に立っても、ストレステストで十分な性能が無いことが確認されたり、地元合意が得られなければ再稼働はないでしょう。それにも拘わらず、各地の停止中の原発で、定期検査が行われています。現在再稼働するか否かわからない原発の定期検査が行われているのです。

○原発の定期検査には作業者の被曝が必然的に伴います。福島第一原発事故の収束作業で今年国内の被曝労働の総被ばく量は非常に増えています。稼働するか否かわからない原発の検査で被曝労働を増やしている場合ではありません。
稼働させない原発を決めて被曝を減らし、その分の人員を福島第一原発事故収束に回すなどを考えるのが順当でしょう。

 原発業界の立場に立っても、稼働することが決まってから整備をして検査をして稼働すれば良いだけです。それなのに地元合意以前に定期検査を行っているのは「絶対に稼働する」という意志の表れです。そのような態度では原発の「安全」などありえません。(正しい態度でも「安全」はありませんが)

 原発を動かすと、必ず被曝を伴います。火力発電所でも水力発電所でも事故があれば人的損害が発生しますが、事故が無くても人の命を奪うのが原子力発電所です。今後、作業者住民、全ての被曝を最小にするためには、全国の原発再稼働を許さず廃炉にすることです。

 再稼働を許さなければ、来春には全原発停止になります。再稼働反対、12月後半の諸行動に参加よろしくお願いします。
.. 2011年12月16日 09:25   No.355001

++ 藤井 悦子 (幼稚園生)…1回       
.「放射能とタブー」をはね返すエネルギーを持とう

                   学校事務ユニオン東京 藤井 悦子

 3.11以降、ずっと原発について考えていた。ともかく、正確な情報が無さ過ぎて、どういう数値で考えるか、が問題だった。政府の出す数字は、当然統制されているだろう。  
 マスコミが流すのも、おおかた怪しい数字だ。
 例えば、9月19日の「反原発集会」を報道したのはいくつのTV局か?どこの新聞か?それは、数えるほどだった。海外メデイアのほうが、よほどきちんと取り上げている。つまり、国民は、知らされていないのである。確かに、原発の全電源が止まり、放射線などがかなりの濃度で空中に広がっているとは、政治的には中々発表できないだろう。パニックを起こされては困るから
だ。
 それにしても、このマスメデイアの閉塞感は何だろう?この後におよんで、「反原発」を言わない、言わせない「空気」とは何だろう?たった一人の芸能人が「反原発」を言っただけで、仕事を干され、事務所を辞めるはめになり、仕事も来ないというのは、どういう国だろう?原発事故の処理ができていないときに選挙で推進派候補が当選するということの意味。
 深く浸透する「原発推進の意思」を感じる。地下原発推進議員連盟なるものも活動している。世間では、表向き「エコ」だの「自然エネルギー」だのの言葉が溢れているのに、いざ、1000万人署名を展開しても、反応がイマイチである。
 つまり、反対することを言いたくない空気。非政治主義の意思である。それはアメリカでは9.11以降、日本では拉致問題以降の「画一的意見統制」の流れだ。個人の意見や意思はことごとく無視され、深く浸透する思想が沈石のようにのしかかっている。私たちは、それを跳ね返すだけのエネルギーを持てるか?今、それが問われている。

.. 2011年12月16日 10:14   No.355002
++ 齋藤 (幼稚園生)…1回       
反原発 クリスマスカード アップのお知らせ 

                   資料センター《雪の下の種》 
 こんにちは。イタリアの資料センター《雪の下の種》です。いつも貴重な情報をありがとうございます。

 ODAで被災地の水産加工品を政府開発援助(ODA)として開発途上国に提供する事業のニュースにあまりに腹が立ったので、「さよなら原発くんブログ」のロゴのデザイナーに頼んでこんなクリスマスカードを作ってもらいました。

こちら

英語版も用意しましたので、外務省への抗議、途上国で活動中のNGOや現地のお知り合いへの警告等に、是非活用して下さい。

 一応、コピーライトは資料センターと作者が維持しますが、商業目的でなければ、脱原発活動資金集めも含め、利用はご自由です。(どんな使い方をしたか、ご報告頂ければ嬉しいです)

 尚、イタリア在住日本人の作者ヨシヨシさんからは、資料センターが申し出た薄謝を経産省前のテントに差し入れにまわすよう、依頼がありました。
来年1月の世界脱原発会議に合わせた一時帰国時までに実行したいと思います。

 それでは、みなさま、お風邪などにお気をつけて!

.. 2011年12月16日 10:39   No.355003
++ たんぽぽ舎 (社長)…528回       
新聞・雑誌から、2つ

 イ.ふん尿に苦しむ牛 救えないのか―みんなの広場

                  主婦 黒木真理子 (広島県庄原市)

 原発事故による野菜農家の減産の結果、堆肥の需要がなくなり、ふん尿があふれる牛舎で肉牛がもがいているという本紙記事を読みました。かわいそうでたまらず、落ち込んでいると、本欄で同じ気持ちの方の投稿が載りました。記事をいつも目にする場所に貼って祈っているとあり、私も元気を出さなくてはと励まされました。こんなに進歩した社会にあって、このような悲惨な状況を
解決する方法がないとは……。数々の災害救済の道がありながら、この牛たちの救済策はないのでしょうか。牛を飼っていた実家で牛とともに暮らした私は、牛のつらさが痛いほど分かります。

 阪神大震災後の故小田実さんのような行動力もなく、また財力もない一主婦の私は己の無力さを痛感するばかりです。どうか、この牛たちの苦しみをたくさんの人々がくみとってくれますように。そして、一刻も早く助ける方法が見つかりますように、と願っています。

               (毎日新聞12月10日『みんなの広場』)


 ロ.処理汚染水漏れ 
     東電に厳重注意 保安院

 福島第一原発の汚染水を処理した水を蒸発濃縮する装置から放射性ストロンチウムを含む水が海に漏れた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は十三日、東京電力に対し、文書で厳重注意するとともに、問題が起きた装置を止めて原因を究明するよう求めた。

 保安院の森山善範原子力災害対策監は、「今月三回、同じ設備で、しかも原因究明や対策を行っている中で漏えいした。非常に重視している」と説明。
放射性物質が原発内で管理できずに漏出したことは、政府のいう「冷温停止状態」の定義に反するはずだが、森山氏は「問題は発生しているが、中期的な安全確保、安定的な冷却という観点では問題ない」と強調した。

                   (東京新聞12月14日より抜粋)

.. 2011年12月16日 10:59   No.355004
++ 柳田 真 (大学生)…92回       
福島原発は地震で亀裂−保安院が認める。津波原因説は否定された
     原発コストは5割高
       −事故・除染費用や立地交付金など−国が認める
     2つの嘘(津波原因説・原発は安い)は崩壊−再稼働の根拠は破産

                               

○14日と15日にメディアによる2つの報道は注目に値する。それは原発推進側の2つの嘘を、それぞれ保安院と国(野田政権のエネルギー環境会議)が否定したからだ。

○1つは東電の嘘(福島原発事故は「津波原因説」)についての事実による否定だ。川内博史議員(民主党)らの追求で原子力安全・保安院がデータに基づいて地震によって原発内の主要な配管が亀裂したことを認めたこと、東電が主張する福島原発事故の津波原因説が保安院によって否定された意味はとても大きい。ずっと以前から田中三彦氏や広瀬隆さんらが繰り返し主張・指摘してい
たことだが……(もともと津波原因説には物証がなかった)。
 保安院が認めた0.3平方センチの配管亀裂から1時間あたり7トンもの水が漏洩する。こうして「日本の原発は優秀で地震にも強い」の虚構が砕かれた。原発輸出も許されない事が証明された。これは原発定検後の再稼働推進論の誤りを突き、大きな打撃を与える(東京新聞12月15日付。「こちら特報部」に詳しい解説が載っている)。

○2つめは「原発は安い」という推進派の嘘神話が3.11大惨事の重みによって、政府の会議ですら否定されたことである。「原発コスト5割増」という政府試算の発表である。
 実際はこの試算でも大甘で、誤魔化しがいくつかある。例えば、原発の稼働率を70%としてみるのは間違いだし(現在は10%強の稼働率)、原発事故の費用もこの程度で済む筈がない。今後は更に上昇し、やがて原発は一番高いという真実が人々の眼の前に明らかになる。
 それでも「原発が一番安い」という嘘神話が原発推進派自身(政府)によって否定された意味は小さくない。

 これら2つの事実を活用し、再稼働阻止に向けて前進しよう!

※「編集部より」
 上記の事実にも関わらず、政府及び経産省・保安院はストレステストの実施を唯一の「免罪符」として早ければ来春にも定期検査後、稼働待機中の原発を再稼働せんと目論んでいます。既にこの間、本紙でも「ストレステスト」の欺瞞性を明らかにしてきましたが、ストレステストの「技術的問題点」に留まらず、その実施機関や審議方法そのものの問題点もまたこの間の「意見聴取会」
等によって明らかになってきました。
 そこで来る12月26日月曜日、「ストレステスト」の内容及び審議、実施方法全般について全面的に検討し、一人でも多くの方々が「ストレステスト」の公開性・透明性を「担保」すると称して開催している「ストレステスト」の「意見聴取会」に参加し、その場であるいはメール等により「ストレステスト」の欺瞞性を暴きだし、そして原発再稼働の前提そのものを打ち壊して行く
ための理論学習会を大衆的に行いたいと思います。
 場所は「スペースたんぽぽ」、午後6時開場、7時開演予定です。再稼働に向けての正念場である「ストレステスト」そのものを、そのまま再稼働阻止の武器へと転化していくためにも多くの皆さんの参加を呼びかけます。

.. 2011年12月17日 07:55   No.355005
++ 珠巳 (幼稚園生)…2回       
12月11日 茨城県 ハイロパレードinつくば 参加者550人!
     子供が脱原発を訴え、手作りのプラカードを掲げて楽しげに参加
     最後は愛情たっぷりのけんちん汁で身も心もぽかぽか

                     脱原発ネットワーク茨城 

○12月11日、茨城県つくばセンター広場で開催された東海第二原発の再稼働中止と廃炉を求める署名を盛り上げ、脱原発を訴えるハイロパレードに実行委員として参加して来ました。

 同時開催として有機無農薬栽培で生産者直販売の野菜や飲み物などを販売しているオーガニックファーマーズ・マーケットの皆さんもいらして下さって子供が元気に走り回る和やかで温かい雰囲気でのスタートとなりました。

 集会ではチグリハーブさんのミニライブ、元筑波大教授の生井兵冶さんによる短い講演、各団体の代表者よりの訴えがあり、放射線から子供を守ろう@つくばから皆川幸枝さんからは涙交じりの母親の訴え、東海村村議の相沢一正さんからは連帯し、皆の力で目的を果たそうとの現地からの力強い言葉、HIROSHIMA SPEAKS OUTの村上啓子さんからは歴史を繰り返す事無く、前を歩く為に私達が問題に真摯に取り組む事の必要性、全国脳性麻痺者協会の副会長の里内龍史さんからは福祉の破壊と差別を生み出す原発を障害者からも反対する
という力強い宣言、常総生協の大石光伸さんからは生協の立場からも命を脅かす原発に強い怒りと東海第二原発の運転再開を差し止める訴訟への決意、原告団協力のお願いがありました。

 其々の立場から、とにかく命と人の尊厳を守りたいとの必死な思いが伝わって来ました。

○その後、脱原発ネットワーク茨城の平岡さんよりアピールがあり、パレードが出発し、沿道に人は少ないものの車の中からパレードの様子を観ている人が多数いました。

 パレードの中で一際、目を引いたのは子供達です。当日、プラカードを手作りするコーナーで作った手書きのプラカードを掲げ『げんぱつはんたい!げんぱついらない!』と、楽しげに声をあげる姿は私達をも勇気付け、絶対に原発を廃炉にし、この子達の未来を守るのだと背を強く押されて二時間程のパレードを終えました。

 パレードが終わり、撤収しながら少し疲れが出て来た頃、オーガニックファーマーズ・マーケットの方から有機無農薬野菜を使ったけんちん汁が振る舞われ、お腹も心もほかほかに満たされました。

一緒に歩いてくれた皆さん、署名をしてくれた沢山の人達、オーガニックファーマーズの方々。人間として、一番大切な事を無条件に知っている人達の温かい想いに触れ、希望に満ちたパレードでした。

.. 2011年12月17日 08:04   No.355006
++ 笠原 眞弓 (幼稚園生)…1回       
メルマガ・『無主物について』」の感想

                              

 感想です。

 いつも読ませてもらっています。朝日にこういう記事があったと友達から聞いて、「無主物」が聞き取れませんでした。それくらい日常生活になじみのない言葉ですね。

 意味が分かって、びっくりでした。すぐに浮かんだのが、サリン事件。あのサリンは、直前まで持っていた人のものですが、傘の先で突っつかれて空間にただよったと同時に、無主物になるのですよね。東電の論理では。

 四日市の公害だって、犬の糞(落差あり過ぎですね)だって、垂れ流していいことになってしまいますね。そのことを強く追及したいですね。東電の一般の人から遊離した感覚を。

 今日、東京新聞を読んでいて(我慢できなくなって、物心ついたときから読んでいた、だから、批判はあっても読み続けていた朝日からこの7月に切り替えた。文章が下手で、素人っぽいけど、それなりに一生懸命伝えようとしていると思う)、「男って、初めに結果アリなんだ!!」と納得した次第です。イギリスから原発を買うと決めて、地震に弱いとわかっても、聞かなかったことにして、 ガンガン推し進めた様子が書いてありますね。『レベル7』に。

 女性が担当していたら、きっとその時点での導入はなかったと思います。ただ女性が首相になると戦争が始まると言われた時期もありますから、全面信頼はできませんが。

 このところ見ていて、つくづく女が世界を変えるというのは本当だと思います。と、一読者のつぶやきです。

.. 2011年12月17日 08:49   No.355007
++ 山崎久隆 (大学院生)…123回       
地震で原発が損傷していた証拠
   ストレステストを経て運転再開というシナリオが崩壊

      

 放射能が炉心損傷より前に放出していたとなれば、ストレステストを経て運転再開というシナリオが崩壊する。
   この文書は3月11日に原発の状態を伝えたファックスだ。
 3月11日23時の観測では、1号機タービン建屋で放射能の濃度が急激に上がっている。
タービン建屋1階の北側で1.2mSv/h、南側で0.5mSv/hとの記録が原子力安全・保安院宛に送られている。送ったのは第一原発吉田所長。おそらく記述したのも所長だと思われる。
 この値は、1号機の内部で十分多くの放射能を放出する破損が相当前からあったことを意味している。重要なのは、この時間ではまだ燃料が露出しても、圧力容器は破損していないはずの時刻だ。津波が襲ってきたのは15時30分、23時にタ
ービン建屋に放射能が充満し始めているというのは、圧力容器損傷では説明が付かない。
 毎時1.5mSvという値は、実に1875000ナノグレイ/hに相当する。(1nGy/h (ナノグレイ/時) = 0.0008μSv/h (マイクロシーベルト/時)で換算。
これは一般の値が30〜40ナノグレイ/hだから、5万倍にも達している。
常識的には大量の放射能放出が起きたとみるべきだろう。

 そして次の記事。 福島1号機配管 地震で亀裂の可能性
こちら
 2011年12月15日 07時00分の東京新聞だ。記事本文は上記アドレスを参照。

 1号機は急激に炉内の圧力を失っていたことは、チャートの記録でもはっきりしている。特にIC(アイソレーション・コンデンサ本当の訳は「隔離時復水器」)の作動直後に圧力が急降下している。15時3分、ICは手動で止められた。
その原因は「急激な温度低下」つまり冷却しすぎだという。同時に圧力も降下している。
 これは原子炉から冷却材が蒸気となって漏れ出ていると考えれば説明が付く。
 最初の放射能放出について、解析では圧力容器損傷は地震後15時間と解析している。すなわち翌朝午前5時以降となる。
 原子炉圧力が急降下してほとんど圧力が無くなるのも翌日になってからだ。
 タービン建屋に流れ込んだ放射能は希ガスと思われる。
 このように原発は地震で破壊された。Ss(基準地震動)の1.1倍程度で全電源設備と圧力バウンダリを損傷したのが、福島第一原発だった。だからこそ一番最初に、どうして炉心崩壊までに至ったのかを分析しなければならない。
 少なくても原発の耐震性は、想定の誤りにより全機無効になったことを認めなければならない。

.. 2011年12月17日 16:08   No.355008
++ 内海洋子 (幼稚園生)…1回       
25年目のチェルノブイリ、ベラルーシ、ウクライナ訪問の報告を聞いて
   学校に食品放射能測定器が置いてある。博物館のこと、除染と農業



イ.平林祐子(都留文科大学)さんの私的な報告ですよ、と前置きされた報告、聞いている私達にとって、適切な時期に話が聞けることは大事だと思いました。なぜか。今、私個人が、福島に面していないところに立っている。このような状況で福島を思う時の手がかり(具体的な)になる、と思う。

ロ.福島大学の副学長が呼びかけ、福島県の行政関係者が復興に向けて学ぶために行かれた意味がとても大きいと思う。それと、福島自身が立ち上がるのが、希望が持てるし、望ましいあり様だと。まわりの国、他県が呼応し、今後の復興を、
政争の道具にしないで日本の未来へ何を残していくためにどう今を生きるのかのために。役立てるために。

ハ.チェルノブイリ原発事故の教訓

◯学校に食品放射能測定器がある。学校での給食、村、町での個人家庭の食物の放射能測定も無料で簡単に使用できるように、常時、専門の知識を持った、この場合、女の人(かっぷくのよいおばさん)が配備されている。大きな子供達も、小さな子供達も測って食べられるもの、食べてはいけないものということがわかる。そのように放射能が教育されている。大事なことが大事に教育されていて《生きる教育》をかいまみた。

◯博物館:原発事故の廃炉にするために、犠牲になった原発労働の亡くなったたくさんの人々の写真、甲状腺がん・白血病等の赤ちゃんや子供達の写真などがしっかりと堂々と一堂の中心に面しているようにみえました。
 いたましいけど隠さないでしっかりとそこから学ぼう、という意志が見えます。
何を大事にしているのかがよくわかる。

◯汚染状況と避難・移住:25年後だからこそわかることもあるのだと思いました。

◯除染と農業:除染も簡単ではない。学んでいく必要がある。今後のこともあり、結論を急ぐことではないと。

◯リスク・管理:原発の事故の全て、で、私が明日、あさって、まだ見えない未来へ残してはいけないとわかりました。さて。平林祐子さん、ありがとう。

.. 2011年12月17日 19:16   No.355009
++ 山崎久隆 (大学院生)…124回       
.「冷温停止」?−ウソいうな!野田首相の大まちがいを指摘する
   今も、毎時0.6億ベクレルもの放射能を放出し続ける
   原発のどこが冷温停止か!
      

◯ 12月16日に野田首相は「冷温停止」を宣言した。
 これで何か変わるのかといえば、何も変わらない。ところが翌日には福島県に対して警戒区域の線を引き直す説明をするという。
 事故の終息宣言「ステップ2」の終了という「節目」を演出したかったのだろう。細野原発担当大臣は「日本の技術力」などと言い出す始末だが、こんなデタラメ八百の原発事故を起こしておいて終息宣言を高らかにやってみても、原子力
産業界が自画自賛するくらいで、世界中が冷ややかに見つめるだけだろう。
 何のためにこのようなセレモニーをしたかといえば、原発輸出の障害になるからだろう。既にベトナムなど4カ国との原子力協定が衆参両院で承認されてしまった。
 これに合わせて終息宣言をし、原発事故の話題が報道の一面から消えることを狙ったのだろう。
 今後は「事故終息後」の話題に移る。つまり除染と居住制限だ。こちらのほうがより切実な問題だから、原発そのものへの関心は当然薄れる。運転停止中の原発を運転再開しようともくろむ政府にとっては好都合というわけ。

◯ 本来の冷温停止とは「原子炉圧力容器内の燃料温度が100度以下になる」ことをいうもちろん健全な燃料についての定義であり、福島第一のような炉心で燃料が崩壊してしまった状態では、そもそも炉心の温度管理など出来るわけが無
い。だいいち、毎時0.6億ベクレルもの放射能が依然として放出し続ける原発の、どこが冷温停止かと思う。
 通常の原発が冷温停止に至れば、原子炉の蓋を固定しているボルトを外し、燃料を交換する作業に入ることが出来る。しかし福島第一原発は圧力容器の蓋を開けるどころではない。
おそらく蓋が開けられるようになる時には関係者は誰も生きていないだろう。
百年かかるかもしれない。
 1号機に至っては、燃料はほとんど圧力容器の下に落ち、大半が圧力容器外に流出していると考えられる。冷温停止を評価することなど出来るわけが無い。
 原子炉外にある燃料は、温度さえ測定されていない。温度計があるのはあくまでも圧力容器だけ。燃料が抜け落ちていれば100度以下になるのは当たり前だろう。数メートル下の燃料を含むデブリの温度は分かっていない。

◯ 実際にはいくらでも方法はある。熱電対という温度計は放射線環境でも十分測定可能だが、誰も持って行くことは出来ない。ロボットなどを投入することも高線量下なので不可能だろう。ならば、原子炉建屋の外部に穴を掘り、建屋外部から計ればよいだろう。熱伝導は間のコンクリートなどの厚さなどは分かっているのだから、熱源の温度を推定することは出来る。
 このほか、以前に自発核分裂か臨界かで大きな騒ぎになったが、これも中性子束計測装置を原子炉建屋の外壁に設置すれば分かることだ。
 「冷温停止」などという、実態にそぐわない評価をいくらしても意味が無い。むしろ実態を正確に伝える方が遙かに役に立とうというものだ。

.. 2011年12月18日 08:19   No.355010
++ たんぽぽ舎 (社長)…529回       
12/26<学習会>ストレステスト評価による危険な再稼働への道
           〜そもそも机上のシミュレーション〜

 現在、大飯3号、伊方3号など電力会社が提出した原発のストレステスト結果が、保安院が設置した「発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価に係る意見聴取会」(ストレステストに係る意見聴取会)の場に次々と提出されています。
この会には、脱原発の立場から井野博満さん、後藤政志さんが委員として参加され、再稼働のための儀式にしようと図る保安院や電力会社、多数派の御用学者に対して、果敢に論陣を張られています。
 そこで、ストレステストの問題点は何か、意見聴取会で何が議論されているのか、一連の手続きの何が問題か、などについて学習する場を設けました。意見聴取会の積極的な傍聴や保安院への具体的な働きかけなどにつなげて、再稼働を止める力にしたいと思います。年末の押し迫った時期ですが、ぜひご参加ください。

   ◇日 時:12月26日(月)午後7時〜9時(6時30分開場)
   ◇会 場:スペースたんぽぽ
        (東京都千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4階)
        JR水道橋駅徒歩4分、TEL 03-3238-9035

   ◆問題提起:川井康郎さん(プラント技術者の会)
         小川正治さん(プラント技術者の会)
   ◆コメント:山崎久隆さん(たんぽぽ舎)
    *参加者を交えた討論
   ◇資料代:500円
  【呼びかけ】11.11-12.11再稼働反対!全国アクション実行委員会
  [連絡先]ピープルズ・プラン研究所
           (TEL)03-6424-5748 (FAX)03-6424-5749
          

.. 2011年12月18日 08:30   No.355011
++ たんぽぽ舎 (社長)…530回       
東電・福島原発事故
予見できたなら「過失」、「収束」なら刑事責任問え
地震原因説が浮上 ◇全電源喪失想定し訓練

◯ 東京電力福島原発事故で、野田佳彦首相は16日、「事故の収束」を宣言した。
現実はほど遠いが、事故への臨戦態勢が解かれたなら、東電への責任追及に本腰を入れるべきだ。「想定外の津波」を盾に同社は刑事責任を免れようとするが、放射性物質をこれだけまき散らして罪に問われないのは不可思議だ。焼き肉店の食中毒事件で強制捜査が入り、東電はおとがめなしでは、社会の倫理が崩壊しかねない。
◯ 「一電気事業者にすぎない東電のために、国は倒産しないような特別な法律までつくった。刑事責任まで問われないとしたら不自然極まりない」ルポライターの明石昇二郎氏はこう語る。明石氏は七月、作家の広瀬隆氏とともに、東電の
勝俣恒久会長や原子力安全委員会の斑目春樹委員長らに対する業務上過失致死傷容疑の告発状を東京地検特捜部に提出した。その後、特捜部からの連絡はないという。明石氏は「東電の責任をきちんと追及できるかどうか、国としてのモラルが問われている」と話す。(略)
◯ 原発事故で刑事責任が問われた例では一九九九年九月の東海村臨界事故と、二〇〇四年八月の関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故がある。東海村事故では、JCO東海事業所の従業員二人が大量被ばくで死亡。元所長ら六人が業務上過失致死罪で執行猶予付き有罪、法人としてのJCOが原子炉等規制法違反罪と労働安全衛生法違反罪で罰金刑になった。美浜事故では蒸気や高温水を浴びた作業員十一人が死傷。現場責任者ら六人が業務上過失致死傷容疑で書類送検され、五人が罰金の略式命令を受けた。遺族の一部からは「トカゲのシッポ切り」という声が上がった。(略)
◯ 刑事責任はどうか。前出のJCOが問われた原子炉等規制法違反。同法は原子炉を扱う際の規則を定めており、適正な原発の運転を欠いたとなれば、今回も適用される可能性がある。しかし、罰則は軽く、JCOでも罰金は百万円だった。
(略)
◯ より厳しい刑事罰が必要だと考えるのは、東電に対する株主代表訴訟の準備を進める河合弘之弁護士だ。同弁護士は「被ばくさせたことで傷害罪に問えるし、原発周辺に立ち入れなくなったことで救出できずに亡くなった人もいたはず。業
務上過失致死傷容疑で追及すべきだろう」と語る。(略)
 河合弁護士は「東電は福島原発で昨年、津波による全電源喪失と放射能漏れを想定した避難訓練までやっている」と明かし、「とても『想定外』と言い逃れられる状況ではない」と断じる。(略)
◯ 河合弁護士はこう語気を強めた。「これだけ被害を出して、刑事責任なしは市民感覚からいっておかしい。警察や検察が捜査に乗り出すよう、一人でも多くの被害者が声を上げる必要がある」
◯ 【デスクメモ】放射能影響研究所の元理事長らでつくる政府の部会が年二〇ミリシーベルトの放射線量でも居住可能と答申した。法定基準は年一ミリシーベルトだ。政府が違法を認めてどうする。同じ日、環境相は東電社員に除染の推進
員なる役を委嘱した。汚した当人が掃除するのは当然。なぜ委嘱なのか。正気を保つだけで疲れる国だ。(2011.12.17東京新聞『こちら特報部』より抜粋)

.. 2011年12月18日 08:55   No.355012
++ たんぽぽ舎 (社長)…531回       
ふくしま集団疎開裁判の不当判決(「却下」)弾劾!
     「12.24ふくしま集団疎開裁判緊急報告会」に参加しよう!

 ふくしま集団疎開裁判のブログに下記のような速報が出ました。

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【速報】ふくしま集団疎開裁判 決定は「却下」
ふくしま集団疎開裁判は16日、福島地裁郡山支部(清水響裁判長)により「却下」されました。決定の詳細などは、こちらで別途報告。
→裁判所の決定(2頁に「判断の理由の要約」13頁末行から最後までが判断の理由のポイント)
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 弁護団代表柳原さんからコメントはまだないと思いますが、まず不当決定に抗議しなければならないと思います。政府・東電・原子力ムラ・司法が一体となって、自分たちが創った法令を無視して、ただただ原発を守ろうとしている。福島の子どもたちを犠牲にして!

 本日の朝日新聞一面に「避難基準 年20ミリSv「妥当」」という記事がありました。細田原発相は「20ミリシーベルトで人が住めるようになるということだ」と言っています。報告をまとめた有識者会議(ワーキンググループ)の主査は長滝重信と前川和彦という悪名高い御用学者で「100ミリSvでも問題ない」と発言した人たちです。

 年間被曝線量をめぐっては、小佐古敏荘教授(内閣参与)の20ミリSv涙の抗議や、武田邦彦教授の「いま100ミリSvまでは大丈夫と言っている人に、私は長い間真逆のこと、つまり1年に1ミリSvは危ないと教えられてきた」などの一連の発言もあり、子どもを守ろうという運動も全国に広まってきました。そうしたなかでしつこく20ミリSvを強要しようとする策動に憤りを感じます。

 1ミリSvは平常時の規制値で緊急時被曝は1−20ミリSvなどと言っていますが、全くのごまかしです。ICRPのいう緊急時は2・3日長くて1週間です。10か月も放射線放出が続くことなど考慮していません。

 12月2日裁判所に提出された矢ケ崎克馬さんの意見書では、チェルノブイリ周辺国避難基準に当てはめると、原告14人の子どもたちが通っている学校はすべて移住義務区域に相当します、と言っています。年間被曝線量5ミリSv以上です。1時間当たり空間線量にすると0.571マイクロSv/hに相当します。
そもそも日本の法令では一般人の年間被ばく限度は1ミリSvです。この1ミリSvには内部被曝は含まれていません。法令では、内部被曝含めて年間被曝量1ミリSvの場所に市民を留めることは違法です。

.. 2011年12月19日 08:20   No.355013
++ たんぽぽ舎 (社長)…532回       
 これに対し、原発推進グル―プはまず除染するので待ってほしいとか、タバコやほかの発がん物質のほうが危険だとか言っています。しかし法令とはそういう論争のレベルとは別に扱うべきことです。農薬や重金属、添加物などの発がん物質にはそれぞれ規制値があります。発がん性の強さに応じて、1000ppm以上の規制値のものもあり、0.001ppmのものもあります。通常
の食品・食品原料を例にとると、たとえばリンゴではCAPTANという農薬の規制値があります。しかし、別の食品原料HにはCAPTANの規制値はありません。つまり、この農産物Hの中にはCAPTANは検出せず(ND)でなければならないのです。ND限界は0.001ppmより小さい値です。輸出国で分析し、輸出予定のH10トンを分析しCAPTANが検出されれば輸
出できません。国産のHも同様です。廃棄処分です。この場合、これは原料であり最終製品の食品では100倍に薄まるとか、この食品をたべても直ちに健康に害がないとか、誰も言いません。これが発がん性物質に対するこの国の態度です。発がん性の物質は多数ありますから、一つ一つ規制して市民の健康を守るのが法律です。農薬の基準も見直しが毎年行われ、厳しくなるものもその
逆もあります。そういう「科学的」議論と規制の変更はありますが、変更がない限りは何も言わずに守るのが市民の義務です。市民だけ法令を守らされて、作った人たちが守らないのは許されません。

 ましてや放射線被ばくは放射線に弱い子どもの命がかかっています。しかも法令では内部被曝は無視または外部被曝の10%にしか見ていません。内部被曝を100%に考慮する学者も数百倍危険という人もいます。実際チェルノブイリではベラルーシ・ロシアの多くの子どもたちにがんや白血病のみならず、あらゆる場所の癌やその他の病気(目、心臓等)も起こっています。放射線は
細胞中の水を分解して活性酸素を発生させ、このフリーラディカルが免疫機能を弱めるからと言われます。免疫機能の弱い胎児・幼児・子どもが一番危険なわけです。

 行政が法令通りに市民を守ってくれないから市民は裁判に訴えるしか方法がありません。この裁判に負けるわけにはいきません。入市被爆者は個々の裁判では長い間負けてきましたが、全国的「原爆症認定集団訴訟」になってからは勝ち続けています。ふくしま集団疎開裁判ももっと多くの市民の応援があれば勝利できます。
 そのためにスペースたんぽぽ講座に参加し、柳原弁護士と闘争方針を討議しましょう。12月24日午後6時ぜひご参加下さい。


「12.24ふくしま集団疎開裁判緊急報告会」

【報 告】ふくしま集団疎開裁判弁護団長 柳原敏夫氏
【日 時】12月24日(土)開場18:00 開演18:30〜21:00
【場 所】スペースたんぽぽ(たんぽぽ舎入居のビルの4階)

.. 2011年12月19日 08:44   No.355014
++ たんぽぽ舎 (社長)…533回       
子どもを粗末にするような国は滅びる、そのような国には未来はない
     ふくしま集団疎開裁判弁護団長・柳原敏夫氏の感想と解説

「ふくしま集団疎開裁判の会」ブログより
こちら

 本日12月16日、福島地方裁判所郡山支部で仮処分申立に対する決定が出されました。
→裁判所の決定(2頁に「判断の理由の要約」13頁末行から最後までが判断の理由のポイント)

 以下その解説を述べるにあたって、一言、弁護団長(柳原敏夫)の感想を述べさせていただきたい。

      ********************
 「子どもを粗末にするような国は滅びる、そのような国には未来はない」
これが真実であることの確認を求め、混乱と異常事態に陥っている国政の是正を「人権の最後の砦」を本来の任務とする裁判所に求めたのが疎開裁判です。
 しかし、本日、裁判所は自らその任務を放棄することを宣言しました。福島第一原発に劣らず、我が国の三権も首をそろえて混乱と異常事態に陥っていることを余すところなく証明しました。それが本日の決定の唯一の意義です。
 これに対しては、私たちは2世紀以上前のアメリカ独立革命の人権宣言の初心に返って、「子どもを粗末にするような国は廃炉にするしかない。未来は子どもを大切にする国作りの中にしかない」ことを宣言する。

 「政府は人民、国家または社会の利益、保護および安全のために樹立される。いかなる政府も、これらの目的に反するか、または不十分であると認められた場合には、社会の多数の者は、その政府を改良し、変改し、または廃止する権利、いわゆる革命権を有する。この権利は、疑う余地のない、人に譲ることのできない、また棄てることもできないものである。」(米国ヴァージニア憲法3条)
      ********************

 結論となる主文は「本件申立を却下する」というものです。

 決定中には「判断理由の要約」として、以下が記載されています。

 「放射線による影響を受けやすい児童生徒を集団で避難させることは、政策的見地からみれば、選択肢の一つとなり得るものである。しかし、債務者には、郡山市に居住する他の児童生徒が存在する限り、教育活動を実施する義務があり、教育活動の性質上、債権者らに対する教育活動のみを他の児童生徒に対する教育活動と区別して差し止めることは困難である。債権者らの申立の趣旨は、事実上、債権者らが通学する小中学校の他の児童生徒に対する教育活動をも含め当該小中学校における教育活動の実施をすべて差し止めること等を求めるものと認められるから、その被保全権利の要件は厳格に解する必要がある。しかるに、債務者による除染活動が進められていることや放射線モニタリングの結果などを考慮すると、現時点において、警戒区域でも計画的避難区域でもない郡山市に居住し債権者らと同じ小中学校に通学する他の児童生徒の意向を問うことなく、一律に当該小中学校における教育活動の実施の差止めをしなければならないほど債権者らの生命身体に対する具体的に切迫した危険性があるとは認められない。また、債権者らに対する損害を避けるためには、債権者らが求めている差止め等が唯一の手段ではなく、区域外通学等の代替手段もある。したがって、本件申立てについては、被保全権利が認められない。」

.. 2011年12月19日 10:45   No.355015
++ たんぽぽ舎 (社長)…534回       
2 今回の決定の骨子は次のようなものです。
(1) 債権者らは、債権者らを避難させることを求めているが、実質的には、各学校における他の児童生徒の教育活動の差止めを求めているから、その被保全権利の要件は厳格に解する必要がある。
(2) 現時点で、他の児童生徒の意向を問うことなく、一律に各小中学校の教育活動の実施の差止めをしなければいけないほど、債権者らの生命身体に対する切迫した危険性があるとは認められない。その理由は、(1) 空間線量が落ち着いてきている、(2) 除染作業によって更に放射線量が減少することが見込まれる、(3) 100ミリシーベルト未満の低線量被曝の晩発性障害の発生確率につ
いて実証的な裏付けがない、C文科省通知では年間20ミリシーベルトが暫定的な目安とされた、D区域外通学等の代替手段もあること、等である。

3 裁判所は、まず、被保全権利がないこと、すなわち、子供たちに切迫した健康被害の危険がないことを理由に、申立を却下しようと考えたのだと思います。しかし、その点だけでは決定理由を書けなかった。そこで、他の子供達についても避難させようとしているなどということを持ちだして、「被保全権利の要件を厳重に解する必要がある」などということを言い出したのです。確か
に、私たちは、14人の子どもの避難だけではなく、他の子供達の避難も実現したいと思っていました。しかし、それは、裁判所の決定が出た後の行政交渉で実現できることであって、司法で実現できることではないし、司法判断の対象になるものではないと位置づけていました。個人の権利救済を目的とする民事訴訟手続においては、それは当然のことです。審理の対象は、申立人の子供
たちの健康被害を避けるために、申立人の子供たちを避難させる必要があるかどうかだけなのです。他の子供達に対する事実上の影響の問題を司法判断に持ち込み、厳しい要件を課したのは、民事訴訟の原則に違反するものであると考えます。

4 100ミリシーベルト以下での低線量被曝のリスクが証明されたとはされていないことや文科省の20ミリシーベルトの判断を理由に子どもの健康のリスクを否定した内容は、結局、行政の判断に追随しているだけであり、司法の役割を全く果たしていないというしかありません。チェルノブイリでの避難基準との比較、ベラルーシやウクライナの子供たちの現状、福島の明日は今のベ
ラルーシやウクライナであること、多くの子供達が被害を受ける危険があることを、裁判所はどう考えたのでしょうか。科学的な証明のためには膨大なデータの収集が必要であり、そのためには長い時間がかかります。児玉龍彦東大教授が言っておられるように、科学的に証明できてから対策をとっても遅いのです。ことは子供たちの生命、健康の問題です。予防原則が徹底されなければな
りません。我が国の政府は、国民に対し、年間20ミリシーベルトまでの被曝をさせる意思です。ウクライナやベラルーシでは、年間5ミリシーベルトを超える地域は強制避難地域とされました。それでも大変な健康被害が生じています。我が国における子供たちの保護が、旧ソ連各国よりもはるかに劣っていること、そのことを我が国の司法すら安易に追認することに驚きを禁じえません。

5 司法の仕事は、苦しみの中で救済を求めている市民を救うことであって、市民を苦しめる行政の行為にお墨付きを与えることではありません。

 今回の裁判所の決定に対し、私たちは十分に検討の上、今後の道を探りたいと考えます。

.. 2011年12月19日 10:59   No.355016
++ たんぽぽ舎 (社長)…535回       
新聞・雑誌報道から、1つ
 
 「冷温停止状態」を通り越し「事故収束」!?の首相発言
   作業員「政府ウソばかり」
   「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」

 「冷温停止状態」を通り越し「事故収束」にまで踏み込んだ首相発言に、福島第一原発の現場で働く作業員たちからは、「言っている意味が理解できない」「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」などと、あきれと憤りの入り交じった声が上がった。
 作業を終え、首相会見をテレビで見た男性作業員は「俺は日本語の意味がわからなくなったのか。言っていることがわからない。毎日見ている原発の状態からみてあり得ない。これから何十年もかかるのに、何を焦って年内にこだわったのか」とあきれ返った。
 汚染水の浄化システムを担当してきた作業員は「本当かよ、と思った。収束のわけがない。今は大量の汚染水を生みだしながら、核燃料を冷やしているから温度が保たれているだけ。安定状態とは程遠い」と話した。
 ベテラン作業員も「どう理解していいのか分からない。収束作業はこれから。今も被ばくと闘いながら作業をしている」。
 原子炉が冷えたとはいえ、そのシステムは応急処置的なもの。このベテランは「また地震が起きたり、冷やせなくなったら終わり。核燃料が取り出せる状況でもない。大量のゴミはどうするのか。状況を軽く見ているとしか思えない」と憤った。
 別の作業員も「政府はウソばっかりだ。誰が核燃料を取り出しに行くのか。
被害は甚大なのに、たいしたことないように言って。本当の状況をなぜ言わないのか」と話した。

                (東京新聞電子版12月17日付けより)

.. 2011年12月19日 11:06   No.355017
++ 原田裕史 (小学校中学年)…16回       
.「事故収束?」嘘言うな!
   国民の怒り、福島県知事、事故調査委も反発。細野原発相が陳謝

 東京電力福島第一原発が冷温停止「状態」に達したと政府「事故収束」を宣言したが、これに対する怒りと反発が相次いでいる。
 原子炉には人が近づける状態では無く、詳細が不明なまま。屋根も壁も無く、放射性物質の放出すら続いている。被害者の救済も進まず将来の見通しも無い状態での「収束宣言」はあまりに非道である。
 国会に設置されている事故調査委員会の黒川清委員長は16日に行った記者会見で、正当性が無く、国民と受け取り方にギャップがあると異議を唱えた。佐藤雄平福島県知事は18日の細野剛志原発事項担当相との会談で「収束という言葉自体、県民は『福島県の実態を本当に知っているのか』と思っている」不快感を伝え、細野原発相は陳謝した。
 19日正午には野田首相の街頭演説が東京新橋駅前で予定されていたが、そこには原発反対の国民がTPP反対も合わせて大勢詰めかけた。
たんぽぽ舎 原田裕史

.. 2011年12月20日 08:28   No.355018
++ M子 (幼稚園生)…1回       
.『原発いらない!子どもをまもれ!』コールに現れない野田首相
   新橋駅前の首相演説に参加して・感想

 昨夜突然、野田首相が新橋駅前で演説をするという情報を聞き、1時に新橋駅前SL広場前に行った。
電車を降りると女性の演説が聞こえ、原発反対の声が上がっていると思いドキドキしながら広場へ行くと、演説の主は蓮舫大臣、脱原発の声は殆ど上がっていなかった。
 それもそのはず、ちょっとでもプラカードを掲げようものなら異常な数の警察・公安・SPが直ぐに取り囲むという状況だった。私は知った顔を探して、演説を聞く群衆の中を割って入って行ったが、静粛に演説を聞いている状況にじれったくなり、反原発らしい人を見つけて一緒に『原発輸出をやめろ!』と叫んでいた。
そうする内に、あちこちからプラカードが次々と挙がり、原発いらないコールが始まった。みんなちゃんと準備していたんだと思い、嬉しさと共になんだか笑みがこぼれた。

 あとは、野田首相の出番を待つばかりとなったその時、金正日総書記が死去したという理由で首相は官邸に戻ったとの説明が行なわれた。代理の人が何かを話して、演説は終了となったが、その間ずっと『原発いらない!子どもを守れ!』大コールが街宣車と報道陣の前で続いていた。道行く人はビックリした顔でみたり、コールに加わったりと自然発生的なコールに心が熱くなった。

 首相は結局現れなかったが、首相が現れていたら私たちの声を直に聞いてどのように思っただろうか。
 原発事故は収束した。原発輸出を推進する。避難区域の縮小などと、まるで民衆の声を無視した野田首相には、是非ともまた街頭演説を企画していただきたい。

 もっとたくさんのコールの声-市民の声を贈りたいから。

たんぽぽ舎ボランティア M子

.. 2011年12月20日 08:34   No.355019
++ 原田 (小学校低学年)…7回       
浜岡原発全部止めても、電気は余っています。
    中部電力が関西電力と九州電力に電力融通

 中部電力が本日(19日)から関西電力に電力融通を始めたようです。中部電力が17日に来年3月まで続けると発表しました。中部電力は既に今月1日から九州電力に対して電力融通をしています。中部電力は送電線で西日本の各電力会社と結ばれていますので、関西電力や九州電力が電力不足であればその分を供給することができます。中部電力は浜岡原発を全て停止してもなお2社に電力を融通する余力があるのです。


山谷支援年末・助け合い運動にご協力ください。21日(水)必着

 野宿者の命を救い、凍死者を防ぐ山谷支援を今年も行っています。
たんぽぽ舎宛に衣類(成人男性用)、毛布、お米などを送って下さい。
受付期間は12月21日(水)必着でお願いします。
〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル5F たんぽぽ舎
※現金カンパは12月21日までに「山谷支援カンパ」と明記し、郵便振替でお願いします。(口座番号:00180-1-403856 加入者名:たんぽぽ舎)

.. 2011年12月20日 12:03   No.355020
++ 槌田 敦 (小学校中学年)…13回       
毒物をまいて「無主物」という東電の主張のまちがい…続
   汚染者負担の原則が大事(原稿)−公害裁判の基本  
 
そもそも、水俣第一訴訟の前年の1972年、OECD(経済協力開発機構)は、公害対策をして出費した企業と公害対策をしないで費用を節約した企業の不公平を解決するため、汚染者が汚染により生じる費用を支払うという原則(poluter‐pays principle PPP)を勧告した。
 日本では、この原則を、企業と企業の関係だけではなくて、被害者と加害者の関係にも適用し、「汚染原因者の負担」という意味で多くの公害裁判で使われることになった。
 汚染による損害の「支払い」の原則だけではなく、支払いを含む広義の「負担」の原則なのである。今回の福島第一原発事故による災害についても、この汚染者負担の原則により、解決が進められることになる。
 「汚染者負担の原則」は、具体的には、刑法と民法の適応で実施される。
刑法第211条1には、「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者」に対する罪が規定されている。元チッソ幹部2人に有罪判決が出たと同じように、多数の東電幹部の有罪判決となるであろう。
 また民法第709条には、「故意または過失によりて他人の権利を侵害したる者はこれによりて生じたる損害を賠償する責めに任ず」とあり、また同法第710条には、「前条の規定によりて損害賠償の責めに任ずる者は財産以外の損害に対してもその賠償をなすことを要す」とある。この条項によって精神的苦痛に対する慰謝料の請求が可能となる。
 この問題は次章で詳しく論ずることにして、まず、東電への賠償請求を整理するために、汚染日本で暮らすために必要なことを考えたい。(以下、略)

.. 2011年12月21日 08:36   No.355021
++ たんぽぽ舎 (社長)…536回       
12月の学習会・デモ等の予定〜5つ 参加歓迎

 ◯『放射能と食の安全について』ヒバク=自然被曝+外部被曝+内部被曝
  日 時:12月22日(木)18:45(開場18:30)〜21:00
お 話:槌田博さん(放射能汚染食品測定室)
  会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
  参加費:1000円

 ◯東電前「年末ジャンボアクション」〜柏崎刈羽原発を廃炉に!@12・23〜
東電への責任追及の手を緩めない!
  日 時:12月23日(金・休)18:00〜20:00(予定)
  東電本社前へ集合

 ◯優しく心と体を強くするヨーガ教室〜毎週土曜日開催中〜
  日 時:12月24日(土)朝10:00〜12:00
講 師:河野秀海先生(インド中央政府科学技術省公認療術師、
元浄土真宗寺院副住職etc)
  会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
  参加費:1500円
  詳細・ご予約は『優しく心と体』で検索!
  Eメール:kokorokaradayoga@gmail.com

 ◯福島の子どもを守ろう!疎開裁判から考える
  日 時:12月24日(土)18:30(開場18:00)〜21:00
  お 話:柳原敏夫さん(ふくしま集団疎開裁判弁護士団)
  会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
  参加費:500円

 ◯ストレステストのインチキ・地震でこわれた福島第一原発
  「津波対策で再稼働」は根拠を失った
  日 時:12月26日(月)19:00(開場18:30)〜21:00
お 話:プラント技術者の会、山崎久隆
  会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
  参加費:500円

.. 2011年12月21日 09:01   No.355022
++ 塚越 都 (幼稚園生)…3回       
子どもを守るだけでなく、放射能汚染の時代を生き抜く力を!
   お母さんお父さんのための保育付き講座に参加して   

 小児科医、山田真さんの講座に動画撮影のお手伝いで参加しました。
この講座の特徴はなんと言っても保育。当日はお母さんお父さんに連れられて22人の子どもたちが、保育士やボランティアの方と一緒に約3時間の長丁場でしたが静かに遊んでいました。
 山田真先生は、能力主義や優生思想に対して積極的に反対しており、予防接種を進めないなど、とてもユニークな先生です。
 そして、放射能への対応については、子どもの目線で考えていらっしゃることが良くわかり、子どもたちへの深い愛情を感じました。
 子どもの目線というのは、子どもを守るだけでなく、これからの放射能汚染時代を生き抜いて行くための力を付けさせなければいけないという事です。
 チェルノブイリ原発事故から25年経ったベラルーシの学校では、給食の放射線量を子どもたちに測らせて、食べてよいか判断させるそうです。
 山田先生のお話から私が理解したことは、子供たちへの謝罪や申し訳ないという気持ちでは、彼らが楽になるわけではない、汚染を許した私たちが出来る事は、これからの時代を生き抜くためのすべを、子供たちへ伝えることだと思いました。
 また、放射能の安全数値は人それぞれ個体差により違う。身体的影響が出る人もいればでない人もいるが、影響が出る人が過敏なのではなく、出ない人が不過敏なんだという意識をもつことにより、より被曝について問題意識を持つことが出来るというお話も伺いました。
 放射能のしきい値は無く、自分が自分の体に責任を持って、自分で判断するしかないということ。その判断の基準を子供達が持てるよう、正しい情報を与え自分の信念を持って生きる生き方を見せることが、私たちがしなければいけないん
だと思います。
 最後に、更なる事故原発を防ぎ、未来の人の負担を少しでも軽くするために、私たちがすべきこと。全ての原発を廃炉にする事です。
 無くせない放射能とは違い未来を守るために絶対にやらなければいけないことです。
 今後も保育付き講座では、いろいろな企画をしているそうなので期待しております。
 ※編集部・注
  (来年1月〜2月にも、「お母さんお父さんのための保育付き講座」が企画される予定、内容が決まり次第、メールマガジンでお知らせします)

.. 2011年12月21日 09:16   No.355023
++ たんぽぽ舎 (社長)…537回       
内部被ばく軽視の源は放影研
  原爆調査で米に追随し被害を隠した
琉球大名誉教授「医の安全神話」に対して警告

 福島第一原発の事故で、放射性物質を体内に取り込む被害が現実化し始めた。
しかし政府は、この内部被ばくを軽視する傾向を崩していない。矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授によると、広島・長崎の原爆被害の調査に当たった放射線影響研究所(放影研)の情報操作が、こうした偏向を生み出しという。同氏は警告する。
「福島で広島・長崎の悲劇を繰り返してはならない」放影研は一九七五年、被爆者の健康を調査する日米共同の研究機関として発足した。前身は、米国が四七年に設けた原爆傷害調査委員会(ABCC)だ。(略)
 米国は、原爆を残虐兵器とみなされないために犠牲者を隠し、原子力の平和利用名目で日本に商業原発を押し付けるため、内部被ばくを見えないようにした。
この悪名高いABCCを丸ごと引き継いだのが放影研だ」この結果、五七年に施行された旧原爆医療法は、米国の内部被ばく隠しに追随する被ばく者認定基準を設けた。「初期放射線だけに被ばくを限定し、被ばく範囲を爆心地から二キロ以内にした。内部被ばくは一切無視した」(略)
 先月末、放影研の隠蔽体質を象徴するような問題が発覚した。原爆投下後に高い残留放射線が見つかった長崎市西山地区の住民からセシウム検出など内部被ばくの影響を確認していたにもかかわらず、八九年で健康調を査打ち切っていたのだ。(略)
 内部被ばく軽視の姿勢は、米国が主導する国際放射線防護委員会(ICRP)の手でグローバルスタンダード化した。原爆やチェルノブイリ事故の内部被ばくデータは公式記録から徹底的に排除され、犠牲者は切り捨てられた。(略)
 「内部被ばくは、がんだけでなく、下痢や鼻血、のどの腫れなどさまざまな症状の原因になる。それなのに、医者たちの間で『福島事故での低線量被ばくで今ごろ、健康被害がでるはずがない』という医の安全神話が形成されてしまってい
る。病人の心配を笑い飛ばすのではなく、命を救うために原因を虚心坦懐に科学してほしい」(2011.12.16東京新聞『こちら特報部』より抜粋)

.. 2011年12月21日 09:50   No.355024
++ 柳田 真 (大学生)…93回       
食品基準100ベクレル(厚生省案)をどう考えるか?
     500ベクレルの暫定基準値がそもそも滅茶苦茶だった。

                               
 20日、厚労省案の食品基準100ベクレルが出された。(この数値自体の妥当性についての分析は明日、専門家の手による評論をお知らせできる予定です。)

 そもそも「暫定基準値500ベクレル」そのものが不当なもので滅茶苦茶高い(人体に悪影響を及ぼす)ものであった。今回の5分の1の100ベクレルへ減らしたというが、新設の乳児用食品は50ベクレルだから、全部を50ベクレルとすればもう少し評価できたのに。乳幼児に悪いものは少年・少女にも悪いのである。

 今後、放射能レベルが下がることを見越して出してきた数字だろうから、後だしジャンケンみたいだ。また500ベクレルの暫定基準値を経過措置と称して半年〜9ヶ月も延長するのもおかしな話だ。厚労省が国民の健康を守る気があるなら暫定基準値は即刻廃止すべきだ。


 ○食品基準100ベクレルに厳格化
  厚労省案 乳児用・牛乳50ベクレル 来年4月から適用

 食品に含まれる放射性物質をめぐり、厚生労働省は20日、現行の暫定基準値に代わる放射性セシウム(半減期は約30年)の新たな基準値案をまとめた。従来の5分類から変更することが決まっている4分類のうち「一般食品」は1キログラム当たり100ベクレル、「牛乳」と新たに設ける「乳児用食品」が同50ベクレル、「飲料水」は同10ベクレル。

.. 2011年12月22日 08:43   No.355025
++ 柳田 真 (大学生)…94回       
 暫定基準値は「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」が同500ベクレル、「牛乳・乳製品」「飲料水」が同200ベクレル。(略)新基準値の設定にあたり、厚労省は基準値の算定根拠となる年間の被ばく限度線量を、現行の「年5ミリシーベルト」から5分の1の「年1ミリシーベルト」に引き下げた。「飲料水」は、全ての人が摂取し、代替品がない点などを踏まえ、世界保
健機関(WHO)の基準に従い、年間の被ばく限度線量を0.1ミリシーベルト、基準値を1キログラム当たり10ベクレルとした。残りの0.9ミリシーベルトを「一般食品」に割り当てた。年代や男女別、妊婦など10区分に細分化し、各区分の平均的な食事の摂取量や、放射性セシウムによる影響の受けやすさを加味して許容できる限度値を算出。最も低い限度値は、食事量が多い1
3〜18歳の男性で1キログラム当たり120ベクレルとなったが、より安全な基準にする必要があるとして一般食品は1キログラム当たり100ベクレルとした。さらに子どもは放射性物質の影響を受けやすいとされる点に配慮。粉ミルクやベビーフード、服薬補助ゼリーなど、乳児しか摂取しない「乳児用食品」や、子どもの摂取量が特に多い「牛乳」(化工乳、乳酸料を含む)は一般
食品の半分となる同50ベクレルに設定した。厚労省は、仮に新基準値上限の食品を一年間食べ続けることも考えにくいため、実際には0.7ミリシーベルトをかなり下回るとみている。

【解説】チェルノブイリ原発事故後、周辺の子どもは、白血病や甲状腺がんのリスクが高まったとのデータもある。このため厚労省は、年齢や男女の違いによる食事量を基に、放射線の影響の受けやすさをきめ細かく分析。暫定基準値の際には「成人」「幼児」「乳児」の3区分だけだったが、「1〜6歳」「7〜12歳」「妊婦」など10区分とした。(略)厚労省は年明けにも、家庭の食卓に実際に並ぶ料理のサンプル検査も始め、日々の食事を通じて放射性物質が体内にどれだけ取り込まれているかを把握する方針。こうした検査で新基準値が妥当かを確認し、結果を消費者に分かりやすく伝える努力が必要だ。

                  (茨城新聞12月21日付より抜粋)

.. 2011年12月22日 08:59   No.355026
++ 安田 節子 (幼稚園生)…1回       
食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について
     国民の内部被曝を許容する政府の姿勢・基準は
                    今後改めさせねばならない
     乳幼児食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ

              (食政策センター・ビジョン21)

○厚生労働省は、一般食品は現在の暫定基準値の5分の1に当たる、1キログラム当たり100ベクレル、乳児用の食品と牛乳は50ベクレルなどとする方針を発表。厚労省によると、世界保健機関(WHO)の基準を踏まえ、年間被曝許容上限1ミリシーベルトのうち0.1ミリシーベルトを「飲料水」に振り分け、1キロ当たり10ベクレルと設定。その上で食品中の放射性セシウムに
よる年間被曝を残る0.9ミリシーベルト以内に抑えられるよう、平均食品摂取量などを考慮し、「一般食品」はセシウムで100ベクレルとした。「乳児用食品」と「牛乳」はセシウムで50ベクレルとした。

 5分の1になったから、よかったと思う向きが多いかもしれない。しかし、暫定基準を正式の基準に改め、今後長く運用される基準としてみると、国民の内部被ばくを許容する政府の姿勢が見て取れるのだ。

 ICRPの勧告をもとに、日本では、法律で定めた公衆の年間被曝限度は外部被ばく、内部被ばく合わせて1マイクロシーベルト(自然放射線被ばくと医療被曝を除く)となっている。暫定基準値はこれを大幅に上げて設定された。
内部被曝だけで17マイクロシーベルトを許容し、これを4つの核種グループに割り振り、セシウムは5マイクロシーベルトとした。5つの食品ジャンルに1マイクロシーベルトづつ割り当て導き出したのが500ベクレル/kgの基準だ。暫定基準は通常の食品安全基準とは異なり、安全を担保するものではない。非常時のがまん値なのだ。今回それを5分の1の100ベクレルに引き下げるというが、依然高すぎる。この規制値で出回る食品を国民が今後ずっと食べ続けるなら、内部被ばくによって計り知れない数の健康被害を生み続けるだろう。放射線にはこれ以下なら安全という閾値は存在しない。閾値の定められない汚染物は食品に残留してはならないのが食品衛生法の原則だ。非常時の暫定から通常規制にもどすのだから、国民の内部被ばくを防ぐ基準にならなけれ
ばおかしい。飲料水はWHO基準の10ベクレル採用というが、WHOは放射能関係の基準策定においては、IAEAの了解を得なければならない協定が結ばれており、そのためWHOの基準は推進の立場にたっていると批判されている。飲料水はアメリカの0.111やドイツの0.5のように、コンマ以下でなければいけないだろう。

.. 2011年12月23日 11:29   No.355027
++ 安田 節子 (幼稚園生)…2回       
○ドイツ放射線防護協会は内部被ばくは年間0.3ミリシーベルト以下としている。そして、日本政府に対し、乳児、子ども、青少年に対しては4ベクレル/kg以上のセシウム137を含む飲食物を与えないように、成人は8ベクレル/kg以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しないことを推奨している。

 日本の高い数値設定には希釈率0.5を採用していることがある。汚染された食品だけを口にするわけではないとし、汚染されていない食品を食べることで汚染が薄まる「希釈」を考慮しているのだ。この希釈政策を停止するよう、ドイツ放射線防護協会は11月27日に緊急勧告を発している。放射線防護においては、汚染されたものを汚染されていないものと混ぜて希釈し通用させる
ことを禁止する国際的合意がある。日本の瓦礫処理や食品基準はこれに接触すると指摘。

 チェルノブイリ以降、わかってきたのは幼いものたちがこれまで考えられていた以上に感受性が高く低い線量で影響を受けていることだ。このことを考慮して乳児用食品は大人の半分の50ベクレルにしたと厚労省は説明しているが、先の明治の粉ミルク「ステップ」で判明した30.8ベクレルくらいの汚染があっても今後ずっと許容されることになる。ミルクは薄めて飲むからというが、小さな体にそれだけを飲むのだし、体内被ばくは避けられない。乳児用食品は限りなくゼロに近い基準であるべきだ。日本では汚染されていない原料の入手は可能なのだから。

 基準値が緩いと、汚染の低いものと混ぜることで基準を容易にクリアーできてしまう。厳しい基準ではそれが困難になる。なによりも放射性物質について、希釈すれば安全という誤った認識は払拭されなければならない。そして内部被ばくを容認するような基準は改めさせねばなりません。

.. 2011年12月23日 12:01   No.355028
++ 広瀬 隆 (小学校低学年)…8回       
インターネット放送について
     「福島原発事故『収束宣言』大嘘の皮を剥ぐ」

                               

 今年は本当に色々とありがとうございました。
 
 12月23日の夜9時に週刊朝日のインターネット ustreamに、私が登場する番組について、視聴方法をお知らせします。お時間のある方は、ぜひ御覧になってください。ustream なので、後日にも見られると思います。

【番組名】週刊朝日UST劇場
「福島原発事故『収束宣言』大嘘の皮を剥ぐ」広瀬隆
こちら
【出演者】山口一臣(前週刊朝日編集長)、成瀬久美(アシスタント)
【放送日時】12月23日(金)21:00〜22:00
番組は下記のようにすれば、無料で見られるそうです。
●下記のURLをクリックしてください
こちら

 生放送なので、放送前には何も映っていませんが、放送開始時間(23日21:00〜)になると自動的に番組が始まります。


 ロ.「12.23原発さよならデモ@草加」
   「12.25クリスマス脱原発浦安パレード」

(1) 「12.23原発さよならデモ@草加」
12月23日(金・休)
14時 東武伊勢崎線草加駅前集合
14時半 デモ出発東口ロータリーから、旧日光街道の古い煎餅屋さんなどがある商店街を通る1
時間弱のコースです。
注:原発と関係のない、特定の政治団体や政治的テーマに関するのぼりや旗・プラカード等はご遠慮下さい。
問合せ:白田(sirotama@kbf.biglobe.ne.jp)


(2) 「12.25クリスマス脱原発浦安パレード」
12月25日(日)13時 新浦安駅前広場集合 雨天中止
パレード出発 14時
●脱原発宣言を、浦安市民に向かって行います。お時間がある方は是非パレードに参加して下さい。
新浦安駅前交差点→美浜→入船→→イトーヨーカ堂→日の出おひさま公園解散
☆連絡先 浦安市脱原発宣言実行委員会 稲井邦利 tatujin-inai@auone.jp

.. 2011年12月23日 16:48   No.355029
++ たんぽぽ舎 (社長)…538回       
新聞・雑誌報道から

 「問題なし」結論が先にあり
   ―福島の子ども被ばく調査
   調査対象は10月以降、事故当初3月から9月は無視した調査

 福島県郡山市は八日、小中学生を対象に、十月五日から三十三日間測定した累積放射線量を保護者に通知した。平均値は0.12ミリシーベルトで、これは年換算で1.33ミリシーベルト。最大値は0.45ミリシーベルトで、年換算では4.98ミリシーベルトにも達した。(略)

 専門家の評価の根拠を市学校管理課に尋ねたが、「総合的な判断」の一点張り。「平常時の法的な上限は一ミリシーベルトだが、今は平常時ではない。除染などによって、1ミリシーベルトに近づけようと努力している」と繰り返した。そもそも、なぜ十月なのか。事故発生から数カ月間はどうだったのか。福島県が子どもと妊婦計約三十万人に、個人線量計を配布すると発表したのは六
月。県が購入日として、一台あたり一万五千円を上限として市町村に補助する事業だ。郡山市は八月の臨時議会で予算を計上。保護者の意向確認やアドバイザーの人選などに時間がかかったため、配布は十月にずれ込んだ。三月から九月までの被ばくの影響については「(内部被ばくを検査する)ホールボディカウンターを導入して対応する」と説明するが、その時期は「早くても来年
夏」。福島市は十月二十八日、小中学生を対象九月の約一カ月間実施した累積放射線量の測定結果を保護者に通知した 。平均値は出しておらず、最大値の0.6ミリシーベルトが3人。0.5ミリシーベルトが11人、0.4ミリシーベルトが44人など。医師らでつくる市健康管理検討委員会の評価は「健康に影響を与える数値ではない」。(略)

 郡山市では、児童や生徒ら14人が市に疎開する措置を求め、福島地裁郡山支部に仮処分を申し立てている。警戒区域と計画的避難区域以外では自主避難任せで、あくまでも”定住政策”にこだわる国や行政への批判は根強い。福島子どものいのちを守る会代表の佐藤幸子さん(53)は「本気で子どもを守る気持ちはないのだろうか。最近の線量を測定して、大丈夫というようなパフ
ォーマンスはやめてほしい」お憤りを隠さなかった。

         (東京新聞12月14日付け『こちら特報部』より抜粋)

.. 2011年12月23日 18:37   No.355030
++ たんぽぽ舎 (社長)…539回       
新聞・雑誌から
 イ.脱原発を国策にして原発からの計画的な脱却を 
   負の遺産である放射性廃棄物処理の問題に真面目に取り組むべき
   チェルノブイリ被害視察の福島県調査団―清水修二団長に聞く

 福島県のチェルノブイリ原発事故調査団が十一月、深刻な被害を受けたベラルーシ、ウクライナを視察した。現場には石棺で覆われた事故炉が残り、放射性物質で汚染されたとされる地域にはなお、ベラルーシだけで約百十四万人が住み続ける。福島第一原発事故で放射線による汚染との"共存"を強いられた福島県はチェルノブイリから何を学ぶのか。調査団長の清水修二・福島大学副学長に聞いた。
 「チェルノブイリ原発から約三十キロのベラルーシ東南部コマリン村では、学校に放射性物質についての情報センターが設けられ、子どもたちが各家庭の食料品を持ち寄っては測定器に入れ、放射線量を調査していた。測定器は円換算で一台数十万円ほど。福島市長にさっそく、測定器を福島市内すべての学校に設置してはどうかと提案した。ベラルーシでは農地の除染は行っていない。一方で平均十一ヘクタールごとの区画に分けて詳細な汚染地図を作り、汚染の状態と土壌の性質を見た上で、作目を選びながら耕作を進めていった。ゼロか百かという考え方ではなく、これは福島の農業復興にとって参考になる。(村域の一部が警戒区域に指定されている)川内村の遠藤雄幸村長が"(毎時放射線量が)一マイクロシーベルトでも村に戻れますか"と質問したのに対し、ベラルーシの専門家は、被ばくリスクのほとんどは内部被ばくによるもの、と説明していた。内部被ばく
の大半は食物経由で、空間線量による外部被ばくに比べ、コントロールしやすい。
学校など身近な場所で、自分で測って納得できる仕組みをつくることが重要だ。(中略)福島第一原発事故で、一万人を超える子どもたちが福島県外に出て行ってしまい、事故前約二百二万人だった県の人口は百九十九万人を割ってしまった。
避難した人としない人などの人間関係の分断も起きている。"脱原発"を国策に位置付けて原発からの計画的な脱却を図り、負の遺産である放射性廃棄物処理の問題に真面目に取り組むべきだ」
(11.12.19. 東京新聞『こちら特報部』より抜粋)

.. 2011年12月23日 19:19   No.355031
++ たんぽぽ舎 (社長)…540回       
ロ.再稼働推進論に打撃 耐震指針見直しも
  大量水漏れ裏付け 炉心溶融の引き金か―「国会事故調 徹底調査を」
 
 東京電力が声高に主張し続ける「津波原因説」に風穴があいた。経済産業省原子力安全・保安院が、福島第一原発1号機の原子炉系配管に地震の揺れで亀裂が入った可能性のあることを認めたのだ。地震で重要機器が損傷したとなれば、津波対策だけでお茶を濁そうとする原発再稼働計画は破綻する。なぜ保安院は、今になって全原発が長期間停止しかねないような見方を示したのか。
 今月六日、東京・永田町の衆院第一議員会館。民主党の川内博史衆院議員は、保安院の担当者と向き合っていた。いずれも元原発エンジニアで、福島第一原発の設計にも携わったサイエンスライターからの田中三彦、沼津工業高等専門学校特任教授の渡辺敦雄の両氏が同席していた。保安院から示されたのが「福島第一原発1号機 非常用復水器(IC)作動時の原子炉挙動解析」。最後にこう結論付けていた。「破損による漏洩等の可能性が議論されているため、漏洩を仮定した感覚解析を行った。漏洩を仮定した感度解析を行った。漏洩面積0・三平方センチ以下の場合は、原子炉圧力・原子炉水位のp解析結果と実機データとに有意な差はない」難解な表現だが、要するに、地震によって原子炉系の配管に0・三平方センチの亀裂が入った可能性があるということだ。0・三平方センチというと、ごくわずかな印象を受けるが、「ヘアクラック(髪の毛のひび)」という言
葉もある原発の世界では非常に大きな穴だ。一時間当たり何トンもの水が噴き出し、炉心溶融につながる冷却材喪失事故の引き金にもなる。
川内氏は「東電は事故原因を津波と決め付けてきたが、地震による重要機器の損傷の可能性を否定できなくなった」と力を込める。
"物証"ない津波原因説
 可能性ではあるが、津波原因説も一つの仮説にすぎない。"物証"がないからだ。
原子炉内は今後十年、あるいは二十年は人が立ち入ることはできない。仮にカメラなどで確認できたとしても、断熱材などで覆われた配管の細部までは分からない。「だからこそ、あらゆる可能性を否定してはならない」(川内氏)(略)で
は、なぜ東電や保安院は「津波原因説」に固執するのか。地震の揺れは、1号機では耐震設計の基準値内だった。この程度の揺れで配管が損傷したとなれば、「ストレステスト(耐性評価)」はもちろん、現行の「耐震設計審査指針」の全面見直しはすべての機器の取り換えが必要になるかもしれない。再稼働をもくろむ保安院、責任回避に躍起の東電は、そう簡単には「地震原因説」に乗れない。
【デスクメモ】今回の件でよくわかったのは、東電が発表する"原子炉の状態"とは、計算の結果にすぎず、入力条件を変えてしまえば、どんな結果でも導き出せるという事実だろう。つまり誰も真実をわかっていないのだ。政府は、これで冷温停止状態を宣言するというのだからあきれる。暴走としかいいようがない。(.
『こちら特報部』東京新聞12.15.より抜粋)

.. 2011年12月23日 20:07   No.355032
++ たんぽぽ舎 (社長)…541回       
ハ.日本版ピュリツァー賞「原発崩壊」樋口さん受賞

 原発労働者を四十年近く撮り続けてきたフォトジャーナリスト 樋口健二さん(七四)が、「平和・協同ジャーナリスト基金(PCJF)」の第十七回大賞を受賞した。同賞は市民が選ぶ日本版ピュリツァー賞と言われ、反核・平和、協同
・連帯、人権擁護などに寄与したジャーナリストらに贈られる。樋口さんは一九七四年から電力会社の下請けや孫請けなどとして働く被曝労働者をカメラで追い続けてきた。七七年には報道カメラマンとして初めて定期検査中の原発内部に入り、パイプや床などに付着した放射能を雑巾などで拭き取る労働者の生々しい姿を撮影した。(略)樋口さんの地元、東京都国分寺市では「写真展を開催する市民実行委員会」(委員長・汐見稔幸白梅学園大学学長)が結成され、来年三月二十七日〜四月一日に同市東元町二の「カフェスロー」で写真展が開かれる。(略)
樋口さんは「『原発崩壊』は、ぼろ雑巾のように捨てられた被曝労働者たちの鎮魂の書です。原発をやめて、あるべき本当の日本をつくりたい」と挨拶した。
(11.12.15.東京新聞より抜粋)

.. 2011年12月23日 20:44   No.355033
++ 菅井益郎 (幼稚園生)…2回       
ずる賢い東京電力-2割もの電気料金値上げなど許されない
 値上げの前にやるべきことをしていない−経産大臣発言  
きわめて不十分な損害賠償しか支払っていないのに、料金値上げとは余りに傲慢な態度
                (たんぽぽ舎アドバイザー)
○昨日東京電力は来年4月から企業向け電力料金の20パーセント値上げ、続いて来年早い時期に一般家庭用も10パーセントの値上げを申請する、と発表した。原発が停止して火力発電の燃料費が上がったためだという。原発は安全でコストが安く、また電力の安定供給義務を果たすために建設してきたのではなかったのか。
事故を起こせばその損害は計り知れず、また放射性廃棄物の処分の見通しが立たぬ以上建設すべきではない、という住民や市民の反対運動を無視して福島と新潟に17基もの原発をつくってきたのは誰か。
○3・11地震に際しては事故対策の欠如から重大事故を起こし、大量の放射能をまき散らし、近隣地域だけでなく福島県全体、遠くは300キロメートル以上離れた地域まで放射能で汚染し、東日本全体を危険な放射能汚染にさらした。数万人の人々の住む家を奪い、不自由な避難生活を強いていることに対して東電経営者はまったく反省がない。この原発惨事の直接の当事者である現経営者はもとより、原発推進路線をとってきた歴代経営者、またその先兵として働いてきた労働組合幹部たち、全従業員もそれぞれ応分に、すべてが責任を負わなければならない。
彼らは他の企業に見られない厚い福利厚生を享受し、年金を得てきたといわれる。
総括原価方式のもとではそれらはすべて私たちの電気料金で賄われてきたのである。
○枝野経済産業大臣は「徹底的な経営合理化の後に値上げは議論に上る」といっている。枝野経産相の、値上げの前にすることをしていない、という指摘はその通りである。枝野経産相も彼自身の言葉に責任を持って対処してもらわねばならない。一方東電は「値上げは権利」(『朝日』12月23日)と主張しているそうだが、それは放射能で汚染されたすべての人々、避難を余儀なくされている人々、仕事を奪われ、また財産を奪われた人々、自然の中に生きてきたあらゆる動植物を含めて事故前の状態に復した上で言えることである。きわめて不十分な損害賠償や補償金の支払しかしていないのに、料金の値上げとはあまりにも傲慢な態度である。
東電の経営方針に賛同して投資した者、融資した金融機関が責任を負うのは当然で、彼らは被害を受けた総ての人々への支払を優先すべきであり、自分たちの資金を真っ先に保全しようとするのはモラルハザードそのものである。東電はあ
らゆる資産を売却し、歴代の経営者は生活に必要最低限の資産を残して被害者に対する賠償にあてるべきである。一般の従業員やOBも給与や退職金、企業年金を減額するなどしてそれぞれ相応に負担しなければならない。それは東電の関係者
に限らず、原発を推進してきた自民党の歴代内閣の大臣や政治家たち、産業界の幹部、御用学者、マスコミ関係者、裁判官など、原発推進の「七位一体」の構成員すべてについても同様である。
○東京電力が今なすべきことは、電気料金を値上げして東京電力という企業組織を守り、投資家を守ることではない。政府がなすべきことは自らの責任を明らかにするとともに、重大事故を起こした東京電力に対しては最後まで責任をとらせ、
破綻処理した後に国営化し、同時に現在の電気事業法を抜本的に改めて電力の地域独占を解体するとともに送配電部門の公営化に向かって動き出すことである。

.. 2011年12月25日 08:28   No.355034
++ 田中一郎 (幼稚園生)…1回       
放射能と食の安全について、槌田博講演を聴いて
  飲食のベクレルを被曝のシーベルトへの換算の簡便法  
  乳幼児食品の50ベクレル/Kgは大きすぎ.10ベクレル未満またはゼロにすべ

                      東京  

 ○12月22日(木) 日午後6時45分から水道橋のたんぽぽ舎・スペースたんぽぽ
にて、生活クラブ連合会品質管理部の槌田博氏を講師に招いての「放射能と食の安全について」と題した集会がありました。槌田博さんは著名な物理者・槌田敦氏の息子さんで、なんとなくお父さんの面影のある方でした。この12月まで生活クラブでの仕事が猛烈に忙しくて,とても講演を引き受けられなかったのですが、今般、たんぽぽ舎
との「約束」を優先して集会に来ましたとのことでした。実は生活クラブの商品は、たんぽぽ舎にある放射能測定器で調べてもらっていたとのことです。

 槌田氏のお話の内容は省略しますが、一つだけ簡単にご紹介をしておきますと,飲食の放射能汚染を示すベクレルという単位を、人間の被ばく単位であるシーベルト単位に換算するときの簡便法として,1回の食事の(放射性セシウム)ベク
レル×1/50=マイクロシーベルト(50Bq=1μSV)、これを1年間毎日食べ続けた場合の
被ばく線量は、ベクレル×1/50=ミリシーベルト/年とすればいいそうです。
これは簡便法として覚えておくと便利です。

 たとえば,1kg当たり500ベクレルの汚染肉を100g食べた場合の被ばく線量は、500ベクレル×1/10(1kgに対して100gだから1/10)×1/50=1マイクロシーベルト。 これを1年間,毎日100gずつ3度の食事で食べ続けた場合の1年間の累積被ばく線量は、500ベクレル×1/10×1/50=1ミリシーベルト

○ 集会での槌田氏のお話はとても興味深いものでしたし,講演が終わったあと1時間以上にわたって会場の皆さんと質疑応答・意見交換もする設営になっていましたので、とても有意義な時間だったように思います。

 それともう一つ,槌田博氏は,今回厚生労働省から出てきた新規制の数値のうち、飲料水の10ベクレル/kgは、その実効性を確保するのが相当に難しいかもしれないとおっしゃっていました。飲料水と言えば,単に水道の水やミネラルウォーターのみならず,様々な飲料類が該当するため、膨大の量の商品を放射能測定にかけなければいけないが,測定限界を10ベクレル未満に設定して精緻な計測をするには、相当台数の測定器が必要で,それはほんとうに用意されるのだろうか,やや疑問・心配との主旨です。言われてみれば,その通りですね。今後の展開が見ものです。(⇒ この部分がその後違うことがわかりました。新規(案)上では「飲料水」とは,「直接飲用する水,調理に使用する水,及び水と代替関係が強い飲料茶」に限定され,全ての飲料ではないそうです。但し,爽健美茶のようにお茶が少ししか入っていないものは「飲料水」にするかどうかは不明)
 それと私は,乳幼児食品の50ベクレル/kgは数値が大きすぎるように思います。
10ベクレル未満,またはゼロにすべきでしょうし,多くのお母さん達もそう思っているのではないでしょうか。
 そのためには,原発・核燃料施設は,即時廃棄です。

.. 2011年12月25日 08:35   No.355035
++ たんぽぽ舎 (社長)…542回       
福島第一 炉内確認まで10年、燃料の取り出しなど最長40年
   新技術開発がなければもっと遅れる-政府と東京電力が工程表発表

政府と東京電力は二十一日、福島第一原発1〜4号機の廃炉に向けた工程表を発表した。原子炉内の溶けた核燃料の状態を把握するだけでも十年近くを要し、燃料の取り出しや、建物の解体まで含めると最長四十年かかるとする内容だ。
 工程表は三期に分かれる。第一期は、原子力建屋内のプールに入った使用済み核燃料の取り出し開始までの二年間。十年後までの第二期は、格納容器に溶け落ちた核燃料の取り出しに着手するまで。第三期は、核燃料の回収を終え、建屋解体が終るまでの三十〜四十年後までとした。
 使用済み核燃料の取り出しは、最も多く入っている4号機から始め、3、1、2号機の順で行う。
 原子炉内の核燃料取り出しで焦点となるのは、燃料から出る高い放射線を遮るため格納容器を水で満たし、圧力容器を水没させる「水棺」が実現できるかどうか。1〜3号機とも格納容器は損傷しており、損傷場所を調べて補修し、2016年度から水張りを実現させる、としている。
  (中略)
 こうした技術開発が進まなければ、工程表通りにいかなけない恐れもある。
 枝野幸男経済産業相は「否定しない」と認めつつ、「実現可能な工程表と目標年限を定めた。実現していく十分な可能性がある」と強調した。
(東京新聞12月22日より抜粋)

.. 2011年12月25日 08:54   No.355036
++ たんぽぽ舎 (社長)…543回       
学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
                  ―そもそも机上のシミュレーション』
   参加のお誘い

 明日、12月26日(月)に「11.11−12.11再稼働反対!全国アクション」主催による学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道―そもそも机上のシミュレーション』とタイトルでの学習会を開催します。

 この間5回にわたって開催された「発電用原子炉施設の安全性に関する総合評価に係る意見聴聞会」に実行委に仲間が数名参加し、「反対派」委員である後藤委員、井野委員の発言に対してはエールを送り、保安院の傀儡と化した他の委員に対しては不規則発言を繰り返し、その欺瞞性を暴く闘いを繰り返してきました。

 そもそもこの聴聞会はストレステストの評価の透明性を「担保」する目的で「広く」一般民間人にに対しても門戸が開かれているのだが、参加者の殆どは電力会社、プラント会社等の原発村関係者ばかりのいわゆる「さくら」ばかり。不規則発言をしようにもネクタイ族に挟まれて、中々そのチャンスが見いだせない。しかし、何人かの仲間が確実に場外から「推進派委員」とりわけ「議長役」を仰せつかった岡本委員に対して鋭い指摘の矢を浴びせていく。

 聴聞会後の短い時間に後藤・井野委員と話す時間を持てたが、ああした援護射撃でも官僚だけが集まったシャンシャン会議では有効なそうだ。

 それにしてもこのストレステストの評価方法は酷い。保安院は管理側であるにもかかわらず完全に電力会社の下僕と化した代弁を繰り返し、実質提出されたストレステストの評価を行うJNESも原発メーカーOBばかり。この体制でまともな安全審査などできやしない。そもそもストレステストの範疇や、方法論、評価基準でさえ曖昧なまま、ひたすら「ストレステストの報告は概ね妥
当」の着地点だけがハッキリしている。後藤・井野委員も当然このことに対して鋭い質問を発しているが、官僚特有ののらりくらいり戦術で正面切って回答しようとしない。

 このままでは折角「公開性」と「透明性」を担保するという名目で開かれた公聴会そのもので、彼ら保安院の出来レースを許しかねません。そのためにも公聴会内部で奮闘する後藤・井野委員とどう連帯し、公聴会を「暴露の演壇」と化すか、後藤・井野委員のお仲間である「プラント技術者の会」の井川さん、小川さん両氏をお招きして、ストレステストの「技術的側面」よりもその「実体構造」に焦点を当て、公聴会内外における運動の道を探るべく勉強会を行いたいと思います。

 スペースたんぽぽの今年最後の学習会となりますが、皆さんのご参加をお待ちしております。

日 時:12月26日(月)開場18:00 開演19:00
場 所:スペースたんぽぽ(たんぽぽ舎入居のビルの4階)
こちら
資料代:500円

.. 2011年12月26日 15:17   No.355037
++ 山崎 久隆 (小学校中学年)…10回       
原発再稼働などとんでもない
     「Ss」の1.1倍で壊れる原発

                たんぽぽ舎 劣化ウラン研究会

○耐震設計とは

 原発の耐震性能を決める手法をまず簡単に説明する。
 
 原発の耐震性を決めるための基礎になる「揺れの大きさ」を「基準地震動・Ss」という。耐震設計審査指針が改定された2006年から適用されており、原発の耐震性能を評価する基準の揺れの大きさを加速度で表現したものだ。それまでの耐震設計審査指針では「設計用最強地震」に対してS1、それより大きい「設計用限界地震」についてはS2という基準が使われていた。Ssの考え
方はS2に近いが同じでは無い。

 現在の一般建築物においても「レベル1(希に発生する地震動)」「レベル2(極めて希に発生する地震動)」という基準を使っている。おおむねレベル1は200ガルで、損傷を受けないこと。レベル2は400ガルで、倒壊しないことなどとなっている。以前は原発が一般建築物の「3倍程度強固に作っている」と宣伝していた根拠は、このレベル1の3倍程度でも破損せず、レベル2の3倍程度でも倒壊しないという趣旨だったと考えても良いだろう。(3倍というのは単純に600ガルと言うことではない)

 地震とは、地下数百キロからゼロキロの間にあるであろう震源断層が活動することにより生ずる。揺れは地盤を通って原発の基礎に到達し、さらに原発内部に侵入して構造物や機器類を揺らす。その際重要なのは、構造物が耐えられるかどうかだ。そのためには耐震力のある設計が必要だ。

 理学的にいえば、地震が起きることも、その大きさも、一定の確率の下でしか評価できない。最大限、ある断層が「100%動く」とは言えても、いつ、どれだけの大きさの地震として、と問われれば「わからない」としか言えない。そのため「30年以内に99%」などと表現している。

 しかし構造物を作るのに確率は役に立たない。揺れの大きさを特定しないと設計が出来ない。そのため工学的に「割り切りが必要」と裁判所の法定で堂々と言ったのが斑目春樹原子力安全委員会委員長った。ただし、この発言には重大な前提が欠けていた。それは「割り切りが必要な場所」などに、そもそも立地してはならないことだ。「原子力施設の立地指針の判断目安」(64年原子力委員会決定)に、はっきりそう書いてあるのだから反論の余地は無い。

 基本的考え方の冒頭に「大きな事故の誘因となるような事象が過去においてなかったことはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこと。また、災害を拡大するような事象も少ないこと」とあるのだから。

 日本で最も巨大かつ頻繁な海溝型地震を起こすとされる場所に、原発を建てることを許可した理由を釈明すべき立場の安全委員長が、「割り切り」と言ったのは浜岡原発に対してだ。驚くべき開き直りと無責任さは、この国の原子力行政のデタラメぶりを象徴するものだ。

.. 2011年12月26日 15:24   No.355038
++ 山崎 久隆 (小学校中学年)…11回       
○原発の地震動評価手法

 原発などの構造物は、一定の条件の下に定める工学的基盤、いわゆる「解放基盤面」において、どれだけの揺れを想定するかにより耐震設計が決まってくる。これは原発ごとに決められる。

 「解放基盤面」を決めるのは、地下の地盤の堅さであり、地震の横波と呼ばれるS波(剪断波とも言う)が地中を伝わる速度が毎秒700メートル以上の地盤を「解放基盤面」としている。この値は全国の原発で共通で、従って解放基盤面が地下196メートル以上の場所にある福島第一や、地下8.6メートルのところにある女川原発などの違いが出る。一般的に地下浅いところにある
ということは固い地盤がすぐ下にあると言うことであり、100メートル以上も離れている場合は軟弱な地盤であると言えるだろう。

 解放基盤面では、地震の際には上に地盤が乗ったまま揺れることになるので、地震の波が地表面に反射して跳ね返り、基盤面の揺れが干渉により変化する。上部地盤の影響を受けてしまうと揺れの大きさや周期などを元に建屋内部の影響を計算し評価することが困難なため、上部地盤を取り除いた「仮想的な地盤」をコンピュータ上で作る。地盤を「はぎ取って」地震波形を作ることになるので、それを「はぎ取り波」という。

 この波は単純に「地震加速度600ガル」などという数値ではない。これでは設計は出来ない。ここで言う600ガルというのは、周期0.1秒における地震加速度でしかない。実際に設計する際には、基準地震動の波形を作らなければならない。特に0.3秒や1秒付近の周期でどれだけの大きさの速度、加速度になるかは重要だ。この周期は配管などの構造物や建屋の固有周期が多く存在しているので、共振により損傷することも考慮しなければならない。それら「卓越周期」「周期ごとの加速度、速度」「変位量」などが分からなければ設計は出来ない。これらを代表して「周期0.1秒の加速度」をSsの数値として発表しているに過ぎない。

 なお、中越沖地震を踏まえて現在の柏崎刈羽原発のSsはぎ取り波は実に2280ガルにもなっている。これらを踏まえて以下をお読みください。

.. 2011年12月26日 15:52   No.355039
++ 山崎 久隆 (小学校中学年)…12回       
○福島第一のSsと実測値

 福島第一はSs600ガルに対して実測値は675ガル、さらに震源域に近かった女川ではSs580に対して636ガル、いずれも実測値がSsを上回った。しかし柏崎刈羽原発が2007年に中越沖地震で記録した1699ガル(Ssは以前は600ガル)という大きな差は無かった。

 そういう意味では、地震動の大きさは基準地震動を超えたが、そのために機器類が破壊されることは本来は無いはずだった。東電も中間報告で「地震の大きさはほぼ想定通り」と書いたくらいだ。

 実際、柏崎刈羽では、2700カ所以上の機器類の破損があった。津波は無かったが地震動だけでも原子炉を破壊する危険性はあった。3号機の起動変圧器は炎上し、外部電源も失われた。非常用ディーゼル発電機も起動したものが多かったが、全体的に電力不足に陥り、タービン駆動給水ポンプを動かすために補助ボイラーが起動したが、1から5号機と6,7号機でそれぞれ一台しか使用できなかった。そのため運転していた3、4号機で一台を取り合う結果となり、起動変圧器が炎上していた3号機を優先したため4号機の冷温停止には丸2日掛かっている。これなど、後一歩深刻な事態に陥っていたら、メルトダウンにはならなかったとしても燃料が露出し損傷する事態に至っていたかもしれない。

 しかしこれが教訓にはならなかった。見過ごされた問題は、地震だけで十分深刻な事態になっていたことだ。

 いまストレステストが各地の原発で行われているが、そのうち一次テストの結果が公表された大飯原発3、4号機と伊方原発3号機では、最も厳しい配管類についてもSsによる揺れに対して約1.8倍程度の「余裕」があることになっている。

 福島第一原発でも現在の大飯原発などで実施されているテストで使われている計算手法を使えば。同程度の「余裕」があるという結果になると思われる。従って1.8倍程度の「余裕」は、もはや余裕ではないと考えるべきなのではないだろうか。だからこそ福島第一のストレステストこそ一番に行うべきだったのだ。

 福島第一原発で観測した揺れはSsの1.1倍ほどだった。それが多くの機器類を破損させ、おそらく冷却系配管の一部を破壊した。それが正確に評価できるテストでなければ意味は無い。

 具体的にどこがどのように破壊されたかは依然として不明だが、1号機では隔離時復水器(IC・非常用復水器と誤って表記されることが多い)につながる配管、あるいはICそのもの、2、3号機はおそらくECCS系の配管や再循環系配管、これまでのバックチェックでも一番弱いとみられている原子炉隔離時冷却系配管が損傷しているかもしれない。

 この原子炉隔離時冷却系・RCICというのは、電源喪失を起こした際に最後まで冷却水を炉内に送るためのタービン駆動ポンプがつながっている系統で、本来ならば電源喪失後も最後まで破壊されないように、最も強固に作るべきものだと思うのだが、実際には安全保護系の中では最も脆弱である。つまりSsに匹敵する地震に襲われると最初に破壊されるのが最後まで駆動を期待さ
れているポンプだという、実に信じられないほど強度不足の装置なのだ。

 こんな指摘をすれば、以前の東電は「そのような事態になればECCSが働く」「必要なポンプ駆動用電力は非常用ディーゼル発電機で供給する」と答えていた。

 今回の事故の謎(たくさんあるがそのうちのひとつ)は、RCICがどうして止まったか(または止めたか)が分からないことだ。地震による損傷が原因の一つである可能性は高いと思われる。

.. 2011年12月26日 16:26   No.355040
++ 柳田 真 (大学生)…95回       
原発予算4,200億円(案)反対=>震災復興費へまわせ
     野田(民主党)内閣の原発推進路線を打ち破ろう

                             
 民主党野田内閣の来年度予算案(2012年度)が24日、閣議決定された。一般会計90兆円余、税収が42兆円、国債が44兆円。つまり、半分強は国債(借金)で賄うという3年連続の異常予算。

 原発推進予算は、4,188億円。震災からの復旧・復興費用は新たな特別会計で3兆7,754億円。うち、除染・汚染廃棄物処理など原子力災害復興関連費が4,811億円。(原発災害復興は巨費がかかる!)

 問題は原発推進予算の4,200億円だ。3.11福島大惨事を経験して前菅内閣は脱原発をきめたはず。しかるに、野田内閣は原発予算をほとんど前年並みで、削減していない。全く“脱原発”になっていない不当な予算案だ。私たちは原発推進予算4.200億円に大反対し、それらを震災復興費へまわすことを要求する。

.. 2011年12月27日 08:26   No.355041
++ たんぽぽ舎 (社長)…544回       
「脱原発」意志しめさず 野田内閣 12年度予算案決定
     原発関連4188億円、再生エネは原発の半分(2100億円)

 政府は24日午前の臨時閣議で、東日本大震災と東京電力第一原発事故後、初の予算となる2011年度予算案を閣議決定した。注目の原子力予算は前年度からほぼ横ばいで、野田政権の「脱原発」の意志は明確に示されなかった。
一方、予算案では歳入に占める国債の割合が過去最悪となり、借金依存の構図が一層強まった。

 12年度の主な原子力予算は、安全・事故対策の研究開発費を大幅に増やすなどの変化はあったものの前年度予算より1・1%減の4188億円と横ばい。原発の代替電源として期待されている再生可能エネルギー関連は、技術開発費を増やしたが、総額は11年度の補正予算などを加えても2100億円余と原子力の半分にとどまった。

 政策仕分けで在廃を含めた検討が提言された高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)は前年度比二割減の175億円。「安全の確保できるぎりぎりまで絞った。」(財務省)結果という。(中略)

 政策的な削減は、原発推進の研究開発費を86億円と半減したことや、原子力関連シンポジウムでの「やらせ」問題を受けた原発推進広報費の全廃(11年度は15億円)などにとどまった。

 再生エネでは、普及を促す電力の固定価格買い取り制度が来夏に始まるため、同じ効果を持つ導入補助金を大幅に削減。経産省の当初予算で比べると、関連予算の総額は二割減の809億円となった。ただ11年度第三次補正予算で住宅用太陽光発電の導入補助金を1200億円近くも計上しており、他省庁分も含めると再生エネ関連は2100億円程度となる。

                 (東京新聞12月24日付けより抜粋)

.. 2011年12月27日 08:49   No.355042
++ たんぽぽ舎 (社長)…545回       
東電前 年末ジャンボ・アクション
     熱気と元気にあふれた集会
     東電柏崎・刈羽原発2基の即時停止を求める

 12月23日、夕方、寒風、吹きさす中、東電前アクションの呼びかけに応じて、今年度、最後となる東電前抗議行動が行われた。この日は3連休の初日、クリスマス気分に浮かれる街で、一体どのくらい人が集まるのかと思ったが、東電のあまりの無責任さは、クリスマスの気分を吹き飛ばし、約180名が東電本社前に集まった。参加者は寒さをものともせず、警察の嫌がらせにもめげず、自作プラカード、ライト、ドラム等で自分の思いを表した。賑やかなドラムの音をバックに、福島からの参加者を始め、次々とマイクで福島の被災者に対する賠償や柏崎・刈羽原発の停止を東電本社に向けて訴えた。その後、東電前アクションによる、自作劇、有志によるフラメンコダンスが披露された。

 激動の2011年ももうすぐ終わろうとしている。東電は未だ、原発を停止しようとはしていない。地震はいつくるかわからない。しかし、参加者のこの熱気、元気さに希望がある。3.11以降、わずか3人の若者の行動で始まった東電前アクション。これまでなかったような若者の活躍が目立った1年でもあった。全原発停止まであと7基。原発ゼロを目指し、東電の責任逃れを許さ
ず、抗議行動を続けることを誓って行動は終了した。

☆なおその後、たんぽぽ舎へ戻り、たんぽぽ舎と東電前アクションの合同忘年会を2時間弱楽しみ交流しました。

.. 2011年12月27日 09:04   No.355043
++ たんぽぽ舎 (社長)…546回       
学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道
                  ―そもそも机上のシミュレーション』
     で討論・確認された再稼働阻止にむけた具体的活動方針

 昨日26日、スペースたんぽぽで開催された学習会『ストレステスト評価による危険な再稼働への道―そもそも机上のシミュレーション』には約50名の参加のもと、年末最後の学習会に相応しい熱気にあふれた討論の中、いよいよ正念場を向けえた原発の再稼働阻止にむけた幾つかの具体的な方針が提起されました。

 詳細な報告は別稿にゆずるとして、ここでは討議された方針の一部を紹介することで学習会の報告としたいと思います。

 論議された具体的活動方針

 ○意見聴取会の傍聴と議論内容の周知・拡散を
  ・意見聴取会に合わせて経産省前でのビラまき等を含む
  ・意見聴取会に向けた大衆的な取り組み、聴取会前後での意思一致と意見
   交流
 ○EPZ(30km圏内緊急時計画区域)の自治体、運動体への働きかけ
  当該地域への働きかけと共闘に向けて一歩前に踏み出そう
 ○JNES(独立行政法人原子力安全基盤機構)、御用委員の追及
  ・JNES、御用委員の問題点の情報周知・拡散
  ・保安院へ抗議・質問のメール、ファックスを集中送付

.. 2011年12月28日 09:00   No.355044
++ 山崎 久隆 (小学校中学年)…13回       
.「もんじゅ」と永平寺
     「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名への懺悔
     住みやすさランキング1位の裏側にあるもの

                たんぽぽ舎 劣化ウラン研究会


 住みやすさランキングというものがある。第一位は福井県、二位富山県、三位は石川県だそうだ。北陸三県が上位を占めた。出身者としては何となく面映ゆいところだが、この地域には、ある事情がある。

 福井は若狭湾に電力二社の原発13基と日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」が建っている。それに伴う交付金は半端な金額ではない。2010年度で204億円、市町村と福井県はほぼ半々。石川県にも北陸電力唯一の志賀原発が二基、能登半島のど真ん中に建っている。その交付金は2010年度で25億円にもなる。

 住みやすさの中には、インフラ整備や公共事業の多さというものもあるのだろうから、原発交付金がなにがしかの「貢献」をしてきたと思われる。ちなみに北陸電力の本店は第二位の富山県にある。北陸三県の一人あたり所得額は全国で9から20位くらい。トップ3では無い。従って他地域に比べて特に収入が多いというわけでは無い。一方、冬は雪が降り、夏は暑い日もある。エネル
ギー消費量は住戸の床面積が比較的広い(1位富山2位福井9位石川)こともあり、他地域に比べると多くトップ3を独占し、福井、石川、富山の順である。

 住みやすさランキングが高い理由は、おそらく就業率の高さ(2位福井、5位富山、6位石川)、比較的長い労働時間による平均収入の高さが所以だろう。高額所得者は少ないが、困窮世帯も少ないということだ。自ずと平均化するから、町に高級品を扱う店は少なく、比較的に低価格の商品が多く並ぶ。地元産の農産物はいわゆる「有機農産物」など付加価値の高い商品でも断然安
い。地産地消の良い面が出ている。

 原発推進は地元に行けば分かるが、空気のようなものであり、反原発運動は息の詰まるような閉塞感の中で取り組まれてきた。町民の多数が本人、家族、親戚のどこかで原発や電力につながっている。若狭湾の多くの町はそうだ。 

 その町の真ん中に立つ、曹洞宗の総本山、道元が1244年に開創した古刹、永平寺が主催して11月2日に一つのシンポジウムが開かれた。発言者として招かれたのは小浜市の明通寺(真言宗)住職の中島哲演さんと福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さんらだ。「いのちを慈しむ〜原発を選ばないという生き方」は、まさに反(脱)原発講演会なのだが、永平寺は、現在の日本原子
力研究開発機構、当時は動力炉・核燃料開発事業団が福井県に建設した「ふげん」(もちろん普賢菩薩に由来)と「もんじゅ」(文殊菩薩に由来)の命名にかかわった経緯があるという。いわば「名前使用権」を認めたと言うことらしい。法的な裏付けがあるわけでは無いが、お墨付きにはなっていた。

 このシンポジウムを運営する「禅を学ぶ会」事務局長で永平寺の布教部長の西田正法さんは「原発に対する認識が足りなかった私たちの責任は重く、間違いだった。懺悔することから始めたい」。「使用済み核燃料を残し、DNAに作用する放射線という危険をはらむ原発は、子孫への負の遺産となる。命を長い時間の視座に置く仏教の教えと相反する」「今の生活を見直すきっかけにしてほしい」と呼び掛けている。(毎日新聞2011年10月14日大阪朝刊より)

.. 2011年12月28日 09:22   No.355045
++ 山崎 久隆 (小学校中学年)…14回       
 これについては何年も前から「偽「もんじゅ」と批判をしてきた槌田敦さんの存在を忘れてはならないだろう。「ひらがな「もんじゅ」はそもそも偽物。智慧どころか愚かさの象徴」と喝破していた。高速炉「もんじゅ」そのものは、文殊菩薩のお導きか?今止まっているが、他の13基ある原発の一部がまだ動いている。定期検査のために全部止まるにはあと一ヶ月程度かかる。それまでの間、神経をすり減らして生きなければならない人たちが大勢いる。3.11以前ならば最悪でも福井県の一部が被災するだけと思っていた人も多かっただろう。しかしこれからの季節の風は日本海側から太平洋に向けて卓越する。もし大規模放射能放出事故が起きれば、わずか30キロ先にある琵琶湖に大量の放射能が降り注ぐ事態になる。

 琵琶湖沿岸や琵琶湖の水を使う滋賀県だけではなく、京都、大阪の人々にとっても死活的重大な問題だ。これがリアリティを持って関西の人々にも迫ってきている。琵琶湖のある滋賀県では、断固運転再開反対で活動が始まっている。既に差止の仮処分申請も行われた。嘉田知事も運転再開には慎重で「卒原発」との立場だそうだ。橋下前大阪府知事らは関西広域連合を動かし、原発再稼働に待ったをかけるという。市民グループも次々に反対の声を上げ始めている。

 原発運転再開をもくろむ電力をはじめとした企業や国にとって、立地自治体を丸め込むならば、手慣れた手法でいくらでも工作するのだろうが、遙かに離れた自治体の長が次々に叛旗を翻すのに何ら打つ手を持っていないらしい。後は国と経済界だのみ、電力危機キャンペーンに、ストレステストの結果と安全性のお墨付きがあれば、運転を強行できるだろうと踏んでいる。

 こんなバカげた連中に、危険な原発をいじらせていては福島原発震災を繰り返すだけだ。直ちに原発の運転を全部停止させ、電力ではなく公害などの社会問題の専門家とNGOのメンバーと地域住民で、この「巨大な核のゴミ」をどうするか、検討し始める必要がある。

.. 2011年12月28日 09:31   No.355046
++ 山崎久隆 (大学院生)…125回       
基準「100ベクレル」は妥当か?−食品や飲料水の新基準について
   全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」、ゼロベースに、
   少なくとも5ベクレル以下に
                       
 食料品や飲料水からの放射線被曝限度をどのように捉えるかについては、既に一定の基準がある。いろいろな場面や物質から様々に被曝するのが現実の社会なので、全体を足して1ミリシーベルトを限度とした場合、個々の限度は10マイクロシーベルト(100分の1ミリシーベルト)相当に割り当てると考える。
 例えば「飲料水から10マイクロシーベルト」「主食から10マイクロシーベルト」「副食から10マイクロシーベルト」「空間から10マイクロシーベルト」「医療用線源から10マイクロシーベルト」などという具合にである。
 この逆算から出てくる一つの被曝源が「震災廃棄物」であり、それを処理処分した場合の被曝線量を10マイクロシーベルトに抑えるには100ベクレル/kgとすると決めたのがクリアランスレベルの考え方を踏襲したものだ。実際にそうなるかどうかは条件が多岐に変化するため分からないが、この程度に抑えておけば、悪い条件が重なっても10マイクロシーベルトを超えないだろう
と判断したと言うことだ。
 問題は多く、私は反対だが、クリアランスレベルは既に2004年に導入されている。原子炉等規制法の改正として実施されているので、今回の原発震災によって決められたということではない。キロあたり8000ベクレルとか、10万ベクレルなどといった恐ろしい環境省の「暫定処理基準値」のほうは、これに照らせば違法であると言わざるを得ない。(放射性廃棄物として適切な
施設で焼却するか、または密封管理した専用処分場に処分する)
 食品の限度を100ベクレル/kgにした場合、どの程度の被曝量に相当するのか、これについてはおおむね飲食物の摂取で「1ミリシーベルトには達しない」ということで導入されるようだが、これは今までの考え方からは10倍以上も高すぎる。
 「厚労省は、仮に新基準値上限の食品を一年間食べ続けることも考えにくいため、実際には0.7ミリシーベルトをかなり下回るとみている。」という厚労省の「解説」が茨城新聞に載っていたが、これも間違った考え方である。基準値というのは、これを超える場面も想定をして、悪い条件が重なっても十分安全側に入る程度に設定しなければならない。つまり、規制値一杯の食品ばか
り食べたとしても目標の被曝限度の10分の1(厚労省の言い方に沿うならば100マイクロシーベルト)程度に収まるようにすべきなのだ。
 安全規制値とは、そのような考え方で決めるものなのである。
 さて、この「100ベクレル/kg」にしろ「500ベクレル/kg」にしろ、これはいわば「我慢量」である。原発震災により日本中に拡散した放射能を誰がどれだけ「引き受けるか」という問題だ。極めてパーソナルな問題であると同時に、責任を分担すべき人とそうでない人がいるだろう。そこをはき違えてはならない。

.. 2011年12月29日 08:05   No.355047
++ 山崎久隆 (大学院生)…126回       
 「未来の世代にツケを回すな」これは反原発運動がチェルノブイリ原発事故の頃に私たちが主張したスローガンだったが、いつしか「未来の世代に負担を残すな」という言葉が「高レベル放射性廃棄物処理処分」の場面でNUMOにより主張されだした。この本末転倒振りに唖然としたが、今度は未来の世代を「過度に」被曝させるような「被曝基準」を政府自ら作り出した。それも「安
全基準だ」として。
 依然として安全神話が形を変えて再生産されてるだけで無く、とうとう自ら言っていることの論理矛盾にも気づかなくなっているらしい。
 成人、子どもたち、乳幼児、産婦別に、さらに「水<牛乳<主食<野菜類<魚肉類<その他」という段階を設けた摂取限度をもうけるべきだろう。
 既に原発を作り続けてしまった世代からの、最後の罪滅ぼしが出来るとしたら、未来の世代を可能な限り「飲食物を通じてはゼロ被曝」に近づける努力をこそ今すべきなのだ。特に学校給食のように、子どもたちが摂取するシーンでは、ゼロベース、現実的には少なくても5ベクレル以下を測定できる装置で「測定限界以下」とするべきだ。40ベクレル/kgはやはり10倍高すぎる。
 全体としては「まだ10倍以上は高すぎる」これが今回の「100ベクレル/kgなどの新規制値」に対する私の意見である。

☆2011.12.22発信「地震と原発事故情報その278」掲載の安田節子さんの文章もご参照下さい。
☆1/18学習会もあります。
 2012年1月18日(水)18:30〜「牛乳が汚染−食の安全対策」
 お話:安田節子さん

.. 2011年12月29日 08:14   No.355048


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