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■--試論「廃原発事始め」第64回
++ 藤岡彰弘 (大学院生)…128回          

試論「廃原発事始め」第64回
 | 「一般送配電事業者」への新たな支援策…
 | 「レベニューキャップ」制度
 | 国が認めれば上限予測の中になんでも予想経費として盛り込める
 | 電気消費者はさらに高くなる電気料金を
 | 知らぬ間に支払わさせられる
 └──── 藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)

【3】「存原発」の現在と、高市政権の「存核」、「存軍」政策

〔6〕「電力システム改革」を意図的に中途で終わらせた経産省・資源エ
ネルギー庁は、2023年に「レベニューキャップ」制度を開始し、電力供
給の安定化を掲げながら、直接的に旧一般電力会社グループの資本増強
を支援しはじめます。

◎ 2020年、送配電部門と発電部門、小売部門との「法的分離」が実施
されました。
 それぞれ別会社に別れたものの、実体としては同じグループ会社として
残ったままで「発送電分離」は終わってしまいました。
 そんな中途半端な分離でなく、送配電会社も発電・小売り会社もそれぞ
れ全く別の会社にする「所有権分離」にまで至らなければ、「電力システ
ム改革」の目的は達することができません。
 発電と小売り部門にはとりあえず自由競争がもたらされた一方で、送配
電部門は「一般送配電事業者」と呼ばれ、そのまま地域独占の事業を続け
ることになりました。

◎ この「一般送配電事業者」である「東京電力パワーグリッド」や「北
陸電力送配電」は、電力会社と小売会社の双方から自社の送配電網を使用
する利用料を受け取っています。
 この利用料が「託送料金」です。送配電事業に関わる諸経費や諸々の税
金などで計算される「託送料金」に、2022年から資源エネルギー庁は、
福島第一原発事故への「賠償負担金」や「廃炉円滑化負担金」、さらには
「再生エネルギー発電促進賦課金」を含ませることを認めました。

◎ これだけでも特別な優遇策なのですが、2023年からは新たな支援策
として「レベニューキャップ」制度を導入したのです。
 「レベニューキャップ」制度とは、「一般送配電事業者」が申請した送
配電網の維持・管理・増設などにかかる諸費用の合計の上限予測を、国が
5年ごとに承認し、その範囲内で料金(託送料)を設定する仕組みです。
 
.. 2026年09月19日 08:01   No.3546001

++ 藤岡彰弘 (大学院生)…129回       
 逆に言うと、国が認めさえすれば、上限予測の中になんでも予想経費と
して盛り込むことができるのです。

 これでは、形を変えた総括原価方式となってしまいます。
 資源エネルギー庁は、予測できないような自然災害に備えることができ
るとか、再エネの増加分に対応するにはこの形がいいとして導入を進め
ました。
 しかし私が思うに導入の理由はそんなことよりも、
 一つには、老朽化が進み始め鉄塔や送電線の膨大な取り換え工事に、
 二つには、洋上風力に対応する海中にまで伸びる送電工事に、
 三つには、送電会社間に求められている連携線の大幅拡充に、それぞれ
莫大な資金がこの数年中に必要とされることにあります。

◎ そしてこの「レベニューキャップ」制度は、一般送配電事業者の発注
先であるゼネコン各社や機械・金属会社等、受注企業や、金融資本に
とっても願ってもない制度であるに違いありません。もちろん一般送配電
会社が安定的に収益を上げられれば、グループの持ち株会社や、発電・小
売り会社にとっても望ましい限りです。
 ただし、そのために電気消費者は、さらに高くなる電気料金を知らぬ間
に支払わさせられることになるのです。        <次回に続きます>

.. 2026年09月19日 08:09   No.3546002
++ 藤岡彰弘 (平社員)…130回       
試論「廃原発事始め」第65回
 | 原発建て替え(リプレース)を直接支援するために
 | 「RABモデル」と呼ばれる事業者優遇制度の導入が画策
 | 電気料金に上乗せして、消費者から前払いで回収する仕組み
 └──── 藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)

【3】「存原発」の現在と、高市政権の「存核」、「存軍」政策

〔7〕 原発建て替え(リプレース)を直接支援するために、
「RABモデル」と呼ばれる事業者優遇制度の導入が画策され
ています。
 この制度導入に前向きな高市政権発足以後の、「存原発」のため
の「事業環境整備」のありようを振り返ります。

◎「RABモデル」とは、まだ稼働していない建設段階の原発の費用
(金利や建設費用の一部)を、電気料金に上乗せして、消費者から前払
いで回収する仕組みです。イギリスでは、水道事業などに用いられて
きたこの仕組みを、サイズウェルC原発建設の際に適用させました。
原子力業界では広く知られていたこの「RABモデル」を、関西電力
は、厚かましくも自らのリプレース事業に導入させようとしているの
です。
◎2025年10月に高市政権が発足しました。その後11月には、美浜
原発のリプレース工事のための地質調査が始められます。これは露骨
な「催促」のサインではないでしょうか。関電は、リプレースのため
の資金確保策をいまだにはっきりと提示していません。投下しただけ
の収益確保の「予見性」にこだわっているからとみられていますが、
どこの民間事業に初めから儲けが約束されている事業があるでしょう。
「RABモデル」だけです。
◎2026年3月、電気事業法改正案が閣議決定されます。法律案には、
「経産大臣が、一般送配電事業者の送電線等の整備計画や、大規模
発電事業者の大規模電源の整備計画を認定し、電力広域的運営機関
(OCCTO)が財政投融資等を活用し、整備等に必要な資金の貸し
付けを行う。」と明記されました。
 送配電事業者への優遇策である「レベニューキャップ」が保障され、
政府資金の活用も保障されることになったのです。

.. 2026年09月20日 07:15   No.3546003
++ 藤岡彰弘 (平社員)…131回       
◎4月には、原子力規制委が、三菱重工開発の「次世代革新炉SRZ−
1200」は、現在の規制基準で審査ができると報告します。
 この「SRZ−1200」こそ、関電美浜原発のリプレース炉とされて
いるものなのです。そしてこの直後に関電は、原発の建て替えに必要
な投資を含め、2026年度からの15年間で累計15兆円の投資を行う
経営計画を発表します。
 建て替えはまだ決定段階ではないが、森望社長は「一定の前提を置い
たうえで、15兆円の中に建て替えの費用は含まれている」と述べました。
 6月5日、経産省総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会で、
廃炉を決めた原発を2040年代まで2〜5基、50年代までに11〜14基、
建て替える目標案を決定します。
 その後も、「GX実行会議」や「原子力閣僚会議」が重ねられ、7月
末には「次世代革新炉」の早期導入に向け、事業者の「予見性」を高
める「研究開発」や「投資判断」を加速する措置をとることや、原子
力部材企業を支援し、産学官が連携して原子力人材の育成を強化する
方針が決定します。事態は、関電と三菱、経産省の思惑通りに進んで
います。とんでもないことです。
 許すまじ!高市政権の「存原発」政策!
                        <次回に続きます>

.. 2026年09月20日 07:20   No.3546004


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