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■--あいまいさの罪と「誤ったメッセージ」
++ 山崎久隆 (社長)…2116回          

あいまいさの罪と「誤ったメッセージ」
 | 高市政権の非核三原則対応を批判する
 | 政権にいま求められているのは非核三原則を堅持する意思を
 | 国内外に対して明確な言葉で示すこと
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

1.はじめに

 高市早苗首相は非核三原則のうち「持ち込ませず」の扱いについて明
確な立場を示さず、2026年8月の広島、長崎の会見でも「予断すること
は差し控える」との主張を繰り返した。
 政府は安全保障関連三文書を年内に改定する方針を示しており、非核三
原則の記載ぶりが焦点の一つに位置づけられている。
 首相自身は、三原則を「政策上の方針として堅持している」と述べる
一方、将来にわたる維持を明言する姿勢は見せていない。
 この姿勢は政治的に慎重なものと思う人がいるかもしれない。
 しかし抑止論の立場から見れば、その評価は誤りだ。

 抑止において最も重要なのは、相手にこちらの意思と能力を正確に伝え
ることであり、伝達があいまいであれば、能力や意思の実態がどうであれ
抑止は成立しない。
 在日米軍の縮小・撤退論に対して、保守派や安全保障専門家が長年主張
してきた論理も、この観点からのものだった。防衛姿勢の後退が「誤った
メッセージ」として周辺国に伝わり、抑止力を損なうとの主張である。
 ところがこの論理は、高市政権自身の対応にもそのまま当てはまる。
 政権が三原則の扱いを「堅持する」ことを明言せず宙づりにし続ける態
度は、抑止破綻のリスクを高めるからだ。

2.抑止論における伝達の明確性

 抑止が機能する条件としては、能力、意思、伝達の三要素がしばしば挙
げられる。
 核心は伝達にある。意思がどれほど固くとも、相手に正確な形で届かな
ければ抑止は成立しない。
 沖縄の米軍基地縮小をめぐる議論では、海兵隊の撤退や機能縮小が防衛
意思の弱体化と受け取られ、在日米軍の抑止力を低下させかねないとの主
張が、日米双方の関係者から繰り返し示されてきた。

 ここで問うべきは、その当否ではなく前提にある論理構造である。
 対外的な姿勢の変化が相手国の解釈を経て安全保障環境に影響を及ぼす
との因果関係だ。
 能力の後退だけでなく、過度な増強や前進配備であっても同じことが
言える。
 姿勢の揺らぎだけで相手に誤ったシグナルを送りうる。
 
.. 2026年09月08日 05:27   No.3541001

++ 山崎久隆 (社長)…2117回       
 この考え方こそが論理の核心にある。

3.高市政権の態度が生む不確実性

 ここで論点を反転させよう。
 首相が非核三原則について「予断せず」と述べる理由が、国内政治にお
ける選択肢を狭めない柔軟性の確保だとしても、保守派の支持を意識した
ものだとしても、あるいは米国側の歓心を買う趣旨であるにしても、対外
的な受け止められ方は全く別のものになる。
 中国、朝鮮民主主義人民共和国、ロシアの側から見れば、政権トップが
「国是」としている防衛政策の根幹に関わる政策について明言を避け続け
る状態は、少なくとも二通りに解釈されうる。

 第一に、日本が近い将来に核政策の転換へ動く予兆としての態度で
ある。
 第二に、政権内部で方針が定まらず、今後の対応を外部から読み取れない
状態にあるという解釈である。

 抑止論の立場に立つ限り、このどちらの解釈も望ましい結果をもたら
さない。
 前者は相手側に先んじた対応を促す動機を与え、後者は日本の意思決定
能力そのものへの疑念を招く。

 実際、中国はすでに前者の解釈を公然と採用している。
 中国外務省は2026年8月6日の報道官談話で、高市政権が軍備増強を
進め、米国に核の傘の強化を求め、非核三原則の見直しを画策していると
批判し、政権を「再軍事化の野心を隠そうともしていない」と非難した。
 国営新華社通信も同日、日本の核開発への野心に警戒すべきだとする論
評を配信している。

 さらに中国は同年4月末のNPT再検討会議の場でも、高市政権による
非核三原則見直しの検討を取り上げ、各国に日本への監視強化を呼び
かけた。
 政権が国内向けには「予断せず」と言葉を濁している間に、対外的には
すでに核政策転換の兆候として受け止められ、国際的な監視と警戒の対象
になりつつある。
 姿勢の揺らぎが誤解を招く元凶になるとの論理を字義通りに適用するな
ら、明言を避け続ける現状こそが、核抑止上もっとも危うい状態だ。

4.地方議会の反応が示す実証的な裏づけ

.. 2026年09月08日 05:33   No.3541002
++ 山崎久隆 (社長)…2118回       
 この不確実性は、抽象論にとどまらない。参議院事務局の集計による
と、高市政権が発足した2025年10月21日から2026年7月28日までの
間に、少なくとも36都道府県128議会が非核三原則の堅持を求める意見
書を国会に提出した。
 これは、地方議会からの意見書の受理が始まった2000年7月以降の政
権として最多の水準である。

 長崎市議会は2026年1月、安保三文書改定に伴う見直しを「到底受け
入れられるものではない」とする意見書を賛成多数で可決し、長崎県議
会、広島県議会、広島市議会はそれぞれ同様の意見書を全会一致で可決
した。
 これほどの規模の議会反応は、政権のあいまいな態度が、すでに国内の
政治的安定性を損ない始めていることの現れである。国内における動揺
は、対外的な不確実性の裏返しでもある。

 抑止の実効性を重んじる立場であれば、この種の動揺こそもっとも警戒
すべき兆候のはずだが、見直し推進派の側からその点を問題視する声は
ほとんど聞かれない。
 この沈黙は、推進派が抑止の目的よりも、三原則見直しに重きを置いて
いることを示唆している。

5.推進派の論理が抱える内部矛盾

 非核三原則の見直しを推進する提言は、「持ち込ませず」を「撃ち込ま
せず」へ改めることで、中国に対する抑止を強化できると主張する。
 この提言の作成に加わった一人である山崎幸二・前統合幕僚長は、安保
三文書改定に向けた政府の有識者会議のメンバーにも名を連ねている。
高市首相自身も、2024年に編著として刊行した書物のなかで、非核三原則
を日米同盟にとって「邪魔」だと表現し、安保三文書からの記述削除を求
めていた経緯がある。

 この主張が成立するためには、政策変更が相手に対して明確な意思表示
として伝達されることが前提となる。
 ところが対外的に伝わっているのは単なる「あいまいさ」だけだ。

 見直し推進派の論理をそのまま適用すれば、現状の高市政権の態度こそ
が、彼らの立場から見ても抑止に有害な状態である。
 推進派が自らの論理に忠実であるなら、まず批判すべきは見直し反対派
ではなく、政権自身の「あいまいさ」であるはずだ。
 この点にこそ、現在の論争全体が抱えるご都合主義が露呈している。

6.後退の代償…このまま突き進めばどうなるか

.. 2026年09月08日 05:42   No.3541003
++ 山崎久隆 (社長)…2119回       
 非核三原則の見直しに賛成するか反対するかという対立軸とはまた別
に、政権が態度を明確にしないまま論点を宙づりにし続けた場合、抑止論
の立場から見ても最悪の事態を招く。

 基地縮小論争において保守派・安全保障専門家が繰り返し用いてきた
「誤ったメッセージ」の論理は、皮肉にも、彼らが支持する高市政権の現
在の対応にこそ、もっとも鋭く突き刺さる。抑止を語る資格は、都合の良
い場面でのみシグナルの明確性を求める姿勢からは生まれない。

 ここで強調すべきは、非核三原則が実務上どれほど形骸化しようとも、
その現状からの後退を制度として認めてはならないという一線である。
 「持たず、つくらず」はNPT第2条に基づく日本の法的義務であり、
選択の余地がない。
 しかし「持ち込ませず」は法律ではなく政策上の方針にすぎず、それゆ
えに一段と危うい。

 政策の水準で維持されてきた原則だからこそ、宣言的にそれを緩めた瞬
間、対外的には撤回されたのと同じ重みを持つ。
 あいまいさが続く現状でさえ、中国からは「再軍事化の野心を隠そうと
もしていない」と名指しで批判され、NPT再検討会議の多国間の場で、
監視を強化すべき対象国だとの主張につながっている。

 原則の後退を制度として確定させると、相手側の最悪の解釈を追認し、
すでに始まっている緊張の連鎖をさらに加速させる結果しか生まない。
 政権のあいまいさを問わずして見直しの是非のみを論じることは、これ
までの議論が積み重ねてきた論理の水準に、推進派自身が全く達していな
いことを露呈するものであり、危険な言葉遊びを繰り返しているにすぎ
ない。

 抑止のために必要なのは、シグナルの空白を埋めることであって、原則
そのものを空洞化させることではない。
 政権にいま求められているのは、宙づりにされた態度を正し、非核三原
則を堅持する意思を国内外に対して明確な言葉で示すことである。

.. 2026年09月08日 05:48   No.3541004
++ 藤岡彰弘 (大学院生)…116回       
日本国民は…」から憲法の条文が始まっていることを考えれば
 | 違憲状態にあることを訴えるにとどまらず国民にはこの違反した
 | 状態をもとに戻す責任がある
 | 連載を再開するにあたって…試論「廃原発事始め」第58回
 └──── 藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)

 前回(第57回)で連載を中断してからすでに4か月近くが過ぎてしま
いました。
 1年前の連載の始め、1の章では「原発になぜ固執するのか、できる
のか?」と題して、政府や電力会社の原発にこだわり続ける姿勢を「存
原発」と規定し、それに抗して原発全廃をめざす姿勢を「廃原発」とし
て対置することを提起しました。
 「存原発」も「廃原発」も私の造語です。

 私のように、学者でも、専門家でもなく、何かの運動や組織の代表で
もない人間が、何かわかったような顔をして、こうして物を書くなどと
いうことは、とてもおこがましいことだと自覚しております。
 ただ、40年ばかりも志賀(能登)原発の反対運動に関わり続け、思い
続けて来たことがたまり積もってしまったことに免じて、私の「机上の
空論」に、どうかもうしばらくお付き合いいただければ幸いです。

 さて、1の章の後、2の章では「電気ハ誰ノモノデスカ?」と題して、
電気に係る事件史の中に、「廃原発」への手がかりを探すことを試みま
した。
 電気の発送配電が事業としてはじまってから今に至るまでを、約20年
ごとの歴史として振り返ろうとしたため、思わず長期の連載を重ねてしま
いました。
 そのため、この1年ほどの間に起きた重要な事件や、事柄にも触れない
ままとなっています。

 今後は、「存原発」の現在のありようについてと、高市政権が発足して
いく中で、あからさまに軍備を増強し、核武装の意思さえうかがわせてい
る、いわば「存軍」・「存核」ともいうべきありようについて考えていきた
いと思っています。

 次回からは「『存原発』の現在と、高市政権の『存核』・『存軍』政策」
と題して3番目の章を書き進めていきたいと思います。
 ご存知のように、高市政権は自らの政権の最大目標に憲法9条の改
「正」を掲げています。

.. 2026年09月08日 07:40   No.3541005
++ 藤岡彰弘 (大学院生)…117回       
 いうまでもないことなのですが、日本国憲法第9条の1項は、「日本
国民は」で始まり、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の
行使は、永久にこれを放棄する」といういわゆる「戦争放棄」を明文化
したものです。
 加えて2項は、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこ
れを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とあり、現状の自衛
隊の装備は明らかにこれに違反しています。

 「日本国民は」から憲法の条文が始まっていることを考えれば、違憲
状態にあることを訴えるにとどまらず、国民にはこの違反した状態をも
とに戻す責任があるといえるのではないでしょうか?

 すなわち「存軍」に対する「廃軍」です。
 そんなことを言ったって、ここまで来てしまっているのにしょうがな
いではないかと、思われる方も多いでしょう。
 しかし、核兵器に対しての「核廃絶」というスローガンは理不尽で
しょうか?
 「廃核!」に呼応する「廃軍!」が大事なのだと私は思います。

.. 2026年09月08日 07:46   No.3541006
++ タク (社長)…4605回       
東武線・東向島駅の歴史
「愛妾」にちなむ地名から付いた珍名称。東向島←玉ノ井←白鬚。東武鉄道 伊勢崎線
。東向島駅←玉ノ井駅=1987年12月21日(復活)◇玉ノ井駅←白鬚駅=1924
年10月1日/所在地:東京府東京市本所区寺島村(現墨田区東向島 4−29−7)/設置
者:東武鉄道/開業日:1902年4月1日。住民要望の「玉ノ井」は復活ならず。

「東武鉄道」が1902(明治35) 年4月、北千住駅から吾妻橋駅(現とうきょうスカ
イツリー駅)まで延伸した際に「白鬚駅」として開業した途中駅。称呼由来は隅田川に
架かる白鬚橋です。

1905(明治38)年7月に休止し、3年後の1908(明治41)年4月に廃止してい
る (東武鉄道は当駅を白鬚駅開業の1902年としているので継続・改称駅とした)。
1924(大正13)年10月、花街・玉ノ井の進出によって賑わいを見せたことから「
玉ノ井駅」として復活し営業を再開します。

地名・玉ノ井は「悪代官がこの地に囲っていた愛妾の名と伝えられる」(東武鉄道HP)
という。しかし戦時の娯楽御法度に伴い、不要不急駅とされ、1945 (昭和20)年
5月に休止となります。

終戦後の1949(昭和24)年10月に「玉ノ井駅」は復活しました。だが、地名は1
965(昭和40)年の住居表示の施行で東向島に変更されました。そこで1987 (昭
和62)年12月、新町名にちなんで、現在の「東向島駅」に改称しました。向島は「
浅草から見て、 隅田川の向こう側にある町」を指します。

東武鉄道が1989(平成元)年5月、当駅高架下に東武博物館を併設する際、地元から
は玉ノ井駅の復活 改称を申し入れましたが、その願いは叶わなかった。「玉ノ井駅名
変更を荷風とともに嘆く」(読売新聞投書欄要旨)などの要望もあり、現・東向島駅の駅
名標には、いまでも「東向島駅(旧玉ノ井)」 と玉ノ井の表示が併記して掲げられてい
ます。

「京成電気軌道」(現京成電鉄) でも1928(昭和3)年4月に「白鬚線」 (向島〜白
鬚間=1936年廃線)を開業した際、東武鉄道・玉ノ井駅との交差地点に「京成玉ノ
井駅」を設けたが利用者が少なく、1936(昭和11)年2月に8年間で路線そのもの
を廃止しています。

.. 2026年09月08日 08:39   No.3541007
++ タク (社長)…4606回       
海流について
海水の温度・塩分差は深層海流を、洋上の風は表層海流を生みます。洋上を渡る風は海水を動かす原動力になります。ここに地球の自転の影響も加わり、海中の浅いところに表層海流が生まれます。

また、温度が低く、塩分が濃い海水は密度が高いため沈もうとし、逆に密度が低い海水は浮かぼうとするため、これが原動力となって海中の深いところに深層海流が生まれます。海流は、地球の自転の影響で北半球では時計回りになります。

貿易風や偏西風など年間を通じて一定方向に吹く風は、海面で摩擦を起こし表層海流を生みます。このとき、海流の進行方向は、地球の自転の影響を受け、北半球では右向きへ作用する力が働き時計回りの海流ができやすくなります。

同じ理屈で、南半球では、反時計回りの海流ができやすくなります。海水は海の深層を流れる地球規模の海洋循環があります。塩分の濃い大西洋の海水は、北部で冷やされると深く沈み、深海を南極海へと巡ります。

また、南極海でも、氷ができる時に塩分が濃縮された冷たい海水が沈みます。海氷は真水なので、まわりの海水は塩分が濃集して重くなるのです。合わさった流れは、太平洋やインド洋を巡るうちに暖められて表層へ戻り、北大西洋で再び冷やされ深層に沈みます。

この海洋循環のことを熱塩循環と呼んでいます。ちなみに、このひと巡りには、なんと2000年もかかります。暖流と寒流の違いですが、赤道地域でできるのが暖流、極域でできるのが寒流です。

赤道地域で太陽の熱で暖められた海水が高緯度地域へ移動するのが「暖流」です。日本で有名なのは「黒潮」です。対して、北極や南極のまわりで冷やされた海水が中緯度へと移動するのが「寒流」です。日本で有名なのは 「親潮」です。栄養に富み魚がよく育つため 「親」の名がついています。

海流は、地球上の暑い地域の熱を寒い地域に届けています。もし、海流が止まると、地球の寒暖の差が激しくなり、人間が住みにくい環境になります。また、熱塩循環によって深海へ酸素が運ばれているため、その供給が止まると深海の生物は死滅してしまいます。

海流との因果関係は分かりませんが、1億年前、2.5億年前に、海中の広範囲で酸素が欠乏した「海洋無酸素事件」が起こり、生物の大量絶滅が起こったと考えられています。

【お知らせ】
『兵法は妙法を出ず』をnoteで公開しています。

.. 2026年09月08日 20:02   No.3541008
++ タク (社長)…4607回       
木星とガリレオ惑星
太陽系でいちばん大きな惑星は、木星です。太陽とほぼ同じ成分です。地球などの岩石惑星とは違い、そのほとんどがガスでできています。ガスの約9割は水素で、残りはほぼヘリウムです。

木星の中心には、金属や岩石があると考えられています。 しま模様は、メタンやアンモニアなどを含む雲です。雲の厚さや、含まれる元素の違いなどによって色が異なると言われていますが、正確には分かっていません。

しま模様の色が淡くなったり、風によって模様の形が変わることもあります。「目」みたいな部分は、巨大な大気の渦です。大赤斑と呼ばれ、台風に似た現象が起きていると考えられています。約6日の周期で左巻に回転しており、最大風速は時速数百kmにもなります。

ガリレオ衛星とは、60個以上ある木星の衛星の中で、 ガリレオが発見した4つの衛星を「ガリレオ衛星」と呼びます。この発見などをきっかけに、ガリレオは地動説を唱えるようになります。

イオ。いちばん木星に近いガリレオ衛星。活動中の火山がたくさんあります。エウロパ。氷でおおわれた衛星。氷の下に水がある可能性があり、生命の存在も期待されています。ガニメデ。:直径は5262qで、水星 (4880km) より大きく、太陽系でいちばん大きな衛星です。

カリスト。いちばん木星から遠いガリレオ衛星。表面には、たくさんのクレーターがあります。天動説=太陽や惑星などが、地球のまわりをまわっているという考え方。地動説=地球や惑星などが、太陽のまわりをまわっているという考え方。

【お知らせ】
『兵法は妙法を出ず』をnoteで公開しています。
陸軍大将・石原莞爾のあまり知られていない少年から青年時代を、石原莞爾平和思想研究会 副会長である早瀬利之がわかりやすくまとめた作品です。
プロローグは無料で、第1章からは単品購入またはマガジンでお読みいただけます。
ぜひご覧ください。
(https://note.com/hayasetoshiyuki/n/n0d3a856633cd...)
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https://taku-nakajo.wixsite.com/taku
石原莞爾平和思想研究会
https://sumomonger319.wixsite.com/kanji

.. 2026年09月09日 18:41   No.3541009
++ 山崎久隆 (社長)…2120回       
25年目の「対テロ戦争」と中東の現状
 | 覇権主義の破綻
 | 過激主義の再生産
 | そして日本の沈黙
 └────山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

1 はじめに
 2001年9月11日に発生した米国の「同時多発テロ事件」から四半
世紀が経過した。
 事件直後、米国は「対テロ戦争」を宣言し、自らの安全保障と「自
由主義的民主主義」の拡散を掲げて中東地域への大規模な軍事介入を
断行した。
 しかし25年の歳月を経て顕在化したのは、秩序の再編や回復とは
ほど遠い、中東地域に対する深刻な構造的破壊と暴力の蔓延、それの
終わりの見えない悪循環だった。
 そこで、中東研究の専門家岡真理、高橋和夫、中田考の各氏による
論説および分析をもとにし、米国の覇権主義と新自由主義的枠組みが
もたらした構造的な破壊を検証する。
 さらに、イラク崩壊後の「イスラム国」(IS)の台頭、イラン攻撃に
よるホルムズ海峡の不測の危機、ならびに日本を含む国際社会の無関
心と米国の新たな軍事行動が持つ構造的問題点について示し、現代に
おける911事件の教訓を明らかにする。

2 覇権的介入と新自由主義が招いた「疎外感」

 911事件の背景には、冷戦終結後に米国が推し進めた一極集中型の
グローバル覇権と、新自由主義的な市場統合が存在する。
 国際政治学者の高橋和夫が指摘するように、冷戦後に期待された
「平和の配当」は第三世界や中東地域にはほとんど分配されず、むしろ
途上国政府に対して経済安定化(総需要抑制政策)と市場の自由化を柱
とする「構造調整プログラム」の実行を求める要求を通じて、地域社
会における経済的格差と民衆の貧困化を深刻にした。
 中東各地に底流する反米感情は、宗教的敵対心や「文明の衝突」な
どではなく、米国の覇権的利害のために現地で親米権威主義体制が維
持され、人々の自決権と経済的機会が長年にわたり奪われ続けたこと
に対する、抑圧への異議申し立てであった。

3 イラク崩壊と「IS」の台頭 過激主義の再生

.. 2026年09月13日 06:14   No.3541010
++ 山崎久隆 (社長)…2121回       
 米国の「対テロ戦争」における最大の戦略的な誤りは、911事件の
実行犯の多数がサウジアラビア出身者であったにもかかわらず、アフ
ガニスタンへの武力行使に留まらず、2003年のイラク戦争へと軍事
介入を拡大させた点にある。
 現在ではあまりにも明白な事実であるが、虚偽の根拠として使われ
た大量破壊兵器の製造・保持のリスクに対抗することを口実として強
行されたフセイン政権の打倒および解体、そして旧体制関係者の完全
排除(脱バアス党化)は、治安機関や行政組織をも無化し、国家とし
ての統制力を壊滅させ、その後の決定的な権力の空白を生み出し、加
えて宗派間対立さえ煽り立てた。
 この事態に対し、岡真理は、過激主義の台頭を宗教の「本質」や
「病理」に還元する西側の言説(ディスクール)そのものを強く批判
する。
 岡の分析では、覇権主義的な軍事介入や無差別殺戮、そして生活基
盤の破壊によって人々の尊厳と、生存すら奪われる事態そのものが
「第一の暴力」であり、それがさらなる暴力や過激主義を選択させる
構造的環境を強制的に作り出す構図があった。
 また、西欧が自らの武力行使を「正義」や「文明」として語り、軍
事介入によって殺戮される現地の人々の苦痛と生を不可視化してきた
構造も同時に解明されている。
 追放された旧フセイン政権の軍事及び情報要員が武装勢力と結合して
結成された「イスラム国」(IS)の台頭は、米国による統治能力と社会
的尊厳の破壊が、武装勢力に対して軍事力と組織構築の基盤を自ら提
供したことを示す典型的な反証となっている。
 また、イスラーム法学者の中田考の見解によれば、それまでの西欧
的な近代国家モデルが、外部からの武力によって強圧的に破砕された
結果、現地住民が依拠すべき法的秩序と統治機構が全滅し、そこから
過激な「絶対的正義」を掲げる暴力機構が代替勢力として台頭する必
然的環境が整えられたとされる。 すなわち、米国による「力の秩序
形成」の自己正当化を追求したことが、反米過激主義を物理的かつス
ローガン的に拡大再生産する持続的な温床として機能したのである。

4 対イラン軍事介入とホルムズ海峡危機

.. 2026年09月13日 06:19   No.3541011
++ 山崎久隆 (社長)…2122回       
 武力による体制転換(レジーム・チェンジ)を至上命題とする米国
の覇権的介入策動は、イランを巡る軍事衝突とホルムズ海峡封鎖の危
機で、現代的課題へと引き継がれていった。
 米国およびイスラエルによる対イラン攻撃は、現地の安定化をもた
らすどころか、イランの国家機能を流動化させ、中東全体を未曾有の
戦場へと変貌させた。
 高橋和夫が論じる通り、地域のアクターを「悪」として一方的に孤
立化・排斥し、強権的な軍事威嚇に依存する対中東外交の破綻は明白
である。
 外交的チャネルを遮断されたイランが、自衛および報復措置として
世界原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の通航阻止へ踏み切ったのは、
力による外交がいかに破局的な経済安全保障上の危機を自ら招き寄せ
るかを示している。
 対話を通じた相互安全保障の構築を放棄した過剰な介入政策は、国
際社会全体を巻き込む連鎖的リスクの発生源となっている。

5 国際社会の無関心と「新たな戦争」の破綻

 人道的な大惨事と秩序の破壊に対し、日本を含む国際社会が示した
態度は極めて深刻であり、それは倫理的麻痺と対米追従として現れた。
 日本はエネルギー資源の9割以上を中東に依存しながらも、米国の
武力行使に対して国際法上の検証さえ行うことをせず、これを事実上
容認し続け、問題を根本的に解決させようとする主体的な外交をも放
棄してきた。
 国際法秩序の形骸化と他者の苦痛に対する無感触は、米国による
「新たな戦争」の冷酷な実態を覆い隠し、悪化させている。
 無人兵器(ドローン)やスタンドオフ兵器を多用する現代の軍事行
動は、攻撃側の自国兵士の損害を皆無にする一方で、現地の非戦闘員
を不可視化された形で殺戮する。
 生身の人間が受ける惨劇は「副次的な被害」や「統計的損害」などと
して抽象的な概念へと置換され、戦争の決定権を持つ国家や、それを
支え、支援する市民も倫理的責任感を著しく麻痺させてきた。
 先制攻撃の常態化と軍事技術への過度な依存は、軍需産業の維持や拡
大に加え、テロの再生産が循環し続ける「暴力の無限ループ」を作り出
し、固定化させている。

6 国際社会は何をすべきか

.. 2026年09月13日 06:25   No.3541012
++ 山崎久隆 (社長)…2123回       
 911同時多発テロ事件から25年を経た現在、米・トランプ政権や
ロシア・プーチン政権による武力と覇権主義によって他地域・他国の
社会的秩序を力づくで改変・解体する試みは例外なく破綻し、復讐の
連鎖で新たなテロの温床を自ら拡大し続けている。
 本来、追悼と悲劇の記憶を教訓化し、不当な暴力の連鎖を断ち切る
場であるべきニューヨークの「グラウンド・ゼロ」や国連の壇上にお
いて、未だに軍事威嚇と覇権主義の正当化が反復されている現状は、
人類の歴史的教訓からの重大な逸脱と言わざるを得ない。
 真の国際安全保障を達成するためには、不公正な新自由主義的格差
と構造的暴力の是正に真摯に向き合い、軍事介入の即時停止と、現地
の歴史や社会の中で醸成された自律的秩序を尊重した多角的かつ平和
的対話の枠組みを構築していくことが、現代社会に課された最低限の
義務である。

参考文献

1.岡真理(2008)『アラブ、祈りとしての文学』みすず書房。
2.岡真理(2023)『ガザとは何か〜パレスチナを知るための緊急講義』
        大和書房。
3.高橋和夫(2013)『イランとアメリカ〜歴史から読む「愛と憎しみ」
        の構図』朝日新聞出版。
4.高橋和夫(1992)『アラブとイスラエル:パレスチナ問題の構図』
        講談社現代新書。
5.中田考(2015)『イスラーム国の衝撃』太田出版。
6.中田考(2024)『イスラームから見た西洋哲学』河出新書。

.. 2026年09月13日 06:32   No.3541013


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