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テント日誌 11/28(月) テントの照明完備と駆けめぐるニュース ―― 経産省前テントひろば 79日目 ――
11月28日(月)、鉛色の曇天がたれ込め、寒々しい雰囲気は冬の到来を感じさせる。しかし、意外に暖かい。深夜の不寝番もそんなに寒さを感じはしなかった。 それにしても1週ぶりの泊まり込みで、寝袋、毛布、敷物、布団がいっぱい増えていることに驚く。こんなにも差し入れが届いているのだ。 昨日の電源関係のセッティングに続いて、今日は照明のセッティングがなされる。これで2つのテントは会議であれ食事であれ、灯りに煩わされることはない。 午前中に川俣町の牧場主Yさんが来訪。当時豚を1万頭飼っていたという。 一応全部 避難させはしたが、それでも結局ダメになったという。辛い思いがあり多くは語らなかったが、内にこめた無念さや怒りが伝わってくる。農水省へ行く途中に立ち寄ったのだという。 愛媛県松山市の女性が2時間ほどテント前で座り込み、カンパもいただく。 帰り際「伊方原発をなくしたい」と涙目で、周囲の人達に分かれを告げていく。 午後からはテント前で賑やかな歌声が。若い女性の一団に小父さんたちが加わって、青空歌声喫茶よろしく大声張り上げて唄っている。久し振りの発声も楽しかった。
夜、福島第一原発の吉田所長の入院・退任のニュースが伝わってくる。詳細は個人情報のため非公表だという。先日のマスコミ取材時に事故後の被曝線量について聞かれた折、「個人情報」ということで答えなかったことへの「AERA」の疑問というか批判を目にしたばかりであった。 すぐに作業員はどれほどの被曝をし、どれほどの症状を呈しているのだろうかと、考えさせられる。個人情報ということで闇に葬られるケースも多いのだろうか。さらには、伝え聞いている、山下の福島県立医大副学長就任以降の福島医療界への深い憂慮と、高放射線量地域に押しとどめられている子どもたちのことが頭を駆けめぐる。
テント内では夜更けまで次から次へと熱い議論が交わされていく。
( 文責 Y・T )
.. 2011年12月01日 07:46 No.351001
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