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再審法と市民運動 鎌田 慧(ルポライター)
1年2カ月前、わたしはこの欄で「再審法」改正で証拠の全面開示と 検察官の不服申し立ての全面禁止を決定した、と書いた。4月1日、 エープリルフールの願いだった。 その3週間前、「狭山事件」の石川一雄さんが、62年間、無実を訴え続 けながら急逝した。再審開始の朗報を聞けないままの無念の死だった。 再審制度を見直す刑事訴訟法改正案で、最大の問題だった検事抗告は 「全面禁止」ではなく「原則禁止」とされた。その違いは「十分な根拠が ある」と検察官が判断した場合には抗告できる、との抜け穴の設置である。 もうーつの課題である、検察官が入手し、保管する「証拠」を再審 請求者に「全面開示」する、は再審請求理由に関係するものだけに、と 限定された。 さらにそれ以外にも冤罪(えんざい)者への支援運動や報道に使用する ことには規制を強め、違反は罰金刑とする、との改悪である。 これは袴田事件で敗退した検察側の総括の結果とも言える。 しかし「附帯決議」には、弁明っぽく書き加えられている。 「誤判による有罪判決を未然に防止し、冤罪被害者を生まない刑事司法 を実現していくためには、通常審における適切な証拠開示制度が必要不可 欠であり、その運用状況を踏まえつつ、不断の検討を行っていくこと」。 これを厳格に実行させて、道を拓(ひら)いていこう。 (6月16日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より)
.. 2026年06月18日 08:03 No.3502002
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