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■--「工程未完成」でも六カ所再処理工場竣工の奇怪
++ 山崎久隆 (社長)…2009回          

「工程未完成」でも六カ所再処理工場竣工の奇怪
 | またしても規制委が規制を止めて推進へ
 | ガラス固化できない再処理工場の現状 (上)(2回の連載)
 | 白金族も崩壊熱もない模擬廃液での検査など実施自体が無意味
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

見出し紹介
◎安全審査の骨抜き
◎「模擬廃液」という詐術
 以上、(上)に掲載
 以下、(下)に掲載
◎耐震不足の隠蔽と高濃度汚染による修理不能の現実
◎破綻を証明する「暫定操業計画」
◎利権のために突き進む


 原子力規制委員会(規制委)は、再処理工場の竣工に向けた審査におい
て、危険な高レベル放射性廃液を処理するガラス固化施設の処理能力(成
立性)について、竣工前の使用前検査の対象から除外する方針を明らかに
しました。
 これは、動くかどうかも分からない未完の設備を事実上不問にした
まま、工場を合格させようとする極めて不当な審査方針です。

 これに関しては、まず2026年4月7日に日本原燃(原燃)が規制庁と
の面談において安全機能は使用前事業者検査で確認するが、生産機能であ
る処理能力は竣工後の確認運転で確認していくとする見解を表明しました。
 その後、2026年4月27日の第580回設工認審査会合において原燃が
上記の方針を示した資料を提出し、規制庁側もこれを容認する姿勢を
示しました。

 これは、新規制基準(2013年策定)の規則において、処理能力の確認
は技術基準規則の要求にないため、竣工後に事業者自身が確認すればよい
ものと考えたからです。
 2026年5月18日に「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」が提出した
最新の「再度の抗議・要請書」により、国、規制委、原燃が一体となって
進める竣工隠しの欺瞞と、六ヶ所再処理工場が抱える致命的な危険性が
浮き彫りになったのです。

◎安全審査の骨抜き

 高レベル放射性廃棄物のガラス固化設備は、不安定で極めて危険な廃液
を固体化して安定管理するための、工場全体の安全系システムです。
 しかし規制委は、竣工前に実施する「使用前事業者検査」において、
ガラス固化の処理能力の審査を除外しました。
 これは、生産機能(処理能力)は竣工後の任意の確認運転で検証すれば
足りると主張する原燃に対し、規制委が妥協したことが原因です。
.. 2026年05月26日 05:25   No.3492001

++ 山崎久隆 (社長)…2010回       
 この主張に対し、1万人訴訟原告団は、生産機能と安全機能は一体不可
分であると真っ向から批判し、こうしたやり方は認められないと主張して
います。
 再処理施設は、ガラス固化の安全性が担保されて初めて生産設備として
成立するのであり、安全審査から処理能力を除外することは、過去のパブ
リックコメントにおける規制委自身の回答「ガラス固化の性能は使用前事
業者検査で確認する」という方針にも反する、違法かつ不当な解釈である
としています。

 この結果、流下不良や炉内設備の損傷を隠したまま竣工を強行すれば、
工場内に崩壊熱を発し続ける極めて危険な高レベル放射性廃液が未固化の
まま大量に滞留することになります。
 冷却が止まれば瞬時に沸騰、突沸し、未曾有の放射性物質放出事故を
招く、爆弾を抱え込むことに他なりません。

◎「模擬廃液」という詐術

 さらに許しがたいのは、使用前事業者検査の方法です。
 日本原燃は、実廃液と模擬廃液で運転方法に違いはないとして、放射性
物質や白金族元素を含まない模擬廃液での検査でお茶を濁そうとして
います。
 しかし、原告団が厳しく指摘するように、六ヶ所のガラス固化技術は
未だに確立されていません。
 過去のアクティブ試験では、以下のような致命的な失敗を連発して
います。

・2007〜2008年:白金族元素(ルテニウムなど)が炉底部に堆積・固着
し、試験の中止が連発
・2008年11月:炉内を棒で撹拌した際、炉内の耐火レンガ約6kgが
割落・損壊
・2009年1月:建屋の配管から高レベル廃液149リットルが漏えい
・2013年2月:溶融炉の注入ノズル内に異物が詰まり固化中止

 過去の失敗はすべて、実廃液特有の白金族の沈降や、放射性物質の崩壊
熱による偏流が原因で起きています。
 白金族も崩壊熱もない模擬廃液での検査など実施自体が無意味であり、
法令の網をくぐってでも早期に竣工という『実(じつ)』を取りたいという
原燃の焦燥感と、不当な検査潜脱の手法が透けて見えます。  (下)に続く

.. 2026年05月26日 05:31   No.3492002
++ 小山芳樹 (平社員)…142回       
『原発は不完全なシステム』
 | 原発事故は社会と環境に回復不可能なダメージを与える
 | 大量に発生する核のゴミは人間の手にあまる
 | (東海村再処理施設の高レベル放射性廃液の放射能量は
 | 広島型原爆の35000発分…セシウム137換算)
 | 7/4「こんなにあぶない!東海第二原発」講演と映画に参加して
 └──── 小山芳樹(たんぽぽ舎)

 7月4日(土)、曇り空。北千住「シアター1010」にて開催され
た。主催は、「とめよう!東海第二原発 東京東部連絡会」。70名以上
参加の盛況。
 最初に、堀切さとみさん制作の『原発の町を追われて〜
双葉町の15年』を上映。
 集団避難した双葉町の人々を撮影、当時の井戸川双葉町長も語って
いる。

講演は、宮武宇也(みやたけひろあり)(「東海第二原発 地域科学者・
技術者の会」代表)さん。
 メインテーマは『原子力発電の「不完全」さとは?』
1.原発事故は社会と環境に回復不可能なダメージを与える
→厖大な放射能物質汚染を中心に
2.生み出される大量の核のゴミは人間の手にあまる
→危険な東海村再処理施設を中心に
 スクリーンの映像を中心に、ていねいに説明。
東電福島第一原発過酷事故を経験したにもかかわらず、なぜいまだに
原子力発電に固執し続けているのか→「原子力発電でお金を稼ぐ仕組
み」ができている、「原子力利権集団」が国を操っているのでは?と
宮武さんは問いかける。

終了後、北千住駅前において「東海第二原発をうごかすな!」の
スタンディングを実施。横断幕をいくつも広げ、カンバンを持ち
リレースピーチをおこなう。

 来る8月22日(土)は、いばらき大集会が茨城県東海村で開催されま
す。東京からは、昨年同様、バスを仕立てて「東海村核関連施設見学
ツアー」(終了後、いばらき大集会に参加)を行います。
 主催は、「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」。
 お申し込みは、TEL 090-9309-6722 です。ぜひご参加ください。


.. 2026年07月07日 05:48   No.3492003
++ 山崎久隆 (社長)…2056回       
東海第二原発が抱える問題点 (中)
 | 海抜20mの巨大防潮堤工事で欠陥と不正が発覚(内部告発)
 | 防潮堤は津波の直撃から原発を守る最前線の盾
 | その土台がスカスカで岩盤にも固定されていない状態
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
    
3.これまでのトラブルや事故の多さ
 市民団体がまとめたデータでは、東海第二は運転開始以来、法律や
通報基準に基づくトラブルが累計261件に上るとされている。これは
国内の他の軽水炉と比較しても多く、機器の経年劣化や保守管理の不
徹底を示す証拠でもある。
 原電は、この261件という数字の大部分は、安全機能に直接影響を
与えないマイナーなものを透明性確保のためにすべて公表してきた
結果であるとしている。
 原子力国際評価尺度(INES)で「レベル1(逸脱)」以上に該
当する重篤な事象の割合は他原発と大差ないと主張するが、最近に
なって火災が増えていることが明らかになっている。

4.東日本大震災で被災し、今なお「欠陥工事」で迷走する防潮堤
 東日本大震災の際、東海第二は自動停止したものの、敷地を襲っ
た海抜5.4mの津波によって、3基あった非常用海水ポンプのうち
1基が水没して完全に機能喪失に追い込まれた。
 残された2基のポンプと非常用ディーゼル発電機で綱渡りの冷却を
続け、冷温停止にこぎつけるまでに「3日半(約82時間)」もの時間
を要した。
 原電は新規制基準に基づく対策として、想定される最大津波高
17.1mを上回る海抜20mの巨大防潮堤の建設を進めている。
 しかし、この工事が現在、極めて重大な問題を起こしている。
 防潮堤を支えるためには、地下50〜60mにある強固な岩盤(久米
層)まで、コンクリートの巨大な壁(地中連続壁)を、すき間なく
打ち込む必要がある。
 ところが実際の工事現場では信じられないような欠陥と不正が相次
いで発覚した。
 コンクリートの骨組みとなる巨大な「鉄筋かご」を地面に掘った
穴へ吊り下ろす際、途中で引っかかって下まで降りない「高止まり」
が発生した。
 これにより、一番の生命線であるはずの最下部(岩盤との接合部)

.. 2026年07月12日 08:17   No.3492004
++ 山崎久隆 (社長)…2057回       
に鉄筋が全く届いていない。
 穴を掘る過程で周囲の土砂が崩れて混ざり合ってしまったため、
流し込んだコンクリートの内部に泥水や土が入り込み、強度のない
空洞(ジャンカ)だらけの状態になっていることが明らかになった。
 防潮堤は、津波の直撃から原発を守る最前線の盾だ。
 その土台がスカスカで岩盤にも固定されていない状態では、大地震
や津波が来た瞬間に防潮堤そのものが根元からひっくり返り、原発を
直撃する凶器になりかねない。
 この深刻な欠陥工事は現在も規制委による審査が続いており、工事
のやり直しを含めて一体いつになったら完成するのか全く見通しが
立たない泥沼の状態に陥っている。

5.東海再処理工場との複合災害リスク
 敷地からわずか2.7kmに位置する日本原子力研究開発機構
(JAEA)の核燃料サイクル工学研究所(旧東海再処理工場)に
は、2026年3月末時点で約352立方mの高レベル放射性廃液が貯蔵
されている。この廃液は、放射性崩壊熱による沸騰や、放射線分解
によって発生する水素の爆発を防ぐため、常に外部から冷却し続け
る必要がある。
 地震や津波で東海第二と同時に被災し、この工場の全電源や冷却
機能が失われた場合、福島第一原発事故を遙かに凌駕する大量の放
射性ルテニウム、セシウムやストロンチウムその他の核種が環境中
に放出される危険性がある。そのため高レベル廃液をガラス固化す
る計画だが、その装置は安定した稼働はできない。
 政府やJAEAの発表では2038年度までにガラス固化を終える
としているが、実態は技術的な限界からスケジュールを維持できず、
当初計画から10年延期せざるを得なかった。
 住民や専門家から「未だに完了への見通しが立っていない、実質
的な頓挫である」と批判されている背景には、ガラス固化技術その
ものが未成熟で危険であるという事実がある。(下)に続く

 (2026年6月1日発行『市民の意見』、発行:「市民の意見30の
会・東京 TEL03-6435-2030」の了承を得て転載)

.. 2026年07月12日 08:22   No.3492005


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