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■--緊急地震速報の後
++ 今井孝司 (部長)…201回          

「…緊急地震速報の後、10秒後ぐらいで揺れがきました
 | 大きな横揺れが20秒ぐらい続いた感じ…」
 | 青森県東部沖の地震(M7.7 最大震度5強)(4月20日)を
 | 実体験した際に思ったこと
 └──── 今井孝司(地震がよくわかる会)

 まずは携帯電話から緊急地震速報が流れてきました。
 不安感をあおる音は、都市伝説的に「ゴジラ音楽」と関係があるといわ
れたりもしますが、作曲者みずからが、「候補としてはあったが、恐怖心
をあおる面がある」としてはずしていると語っています。
 その当たりの経緯は以下のとおりです。
「緊急地震速報チャイムの誕生秘話」(伊福部達:いふくべとおる)
https://jas-audio.or.jp/journal-pdf/2013/03/201303_004-010.pdf

 去年の12月に青森県東方沖地震を経験したばかりなので、またかとい
う感はありましたが、速報の後、10秒後ぐらいで揺れがきました、縦揺
れはほとんどない、横揺れでした。
 体感としては、大きな揺れが20秒ぐらい続いた感じ。自宅にいたの
で、すぐにNHKをみると、三陸沖の地震であることがわかりました。
 そして、ちょっとすると、絶叫調のアナウンサーの声で、「津波警報が
発令されました」となり、あとは皆さんがテレビ等でみたとおりとおもい
ますので、割愛します。
 青森市は震度4でありながら、結構な揺れを感じたのは、自宅が築50
年というのも関係しているかもしれません。二階にある重い家具等は、
一階か小屋にもっていったほうがいいかも知れません。

 去年12月に経験した地震と比較してみます。
 発 生 日   M  最大震度  震源深さ
 2025/12/08  7.5  6強    54km
 2026/04/20  7.7  5強    19km
 今回の地震のエネルギーは前回12月の2倍ぐらいです。
 震源深さが19kmと浅いのが今回の地震の特徴であると思います。
 以上、今回の地震について、雑感を述べてみました。
.. 2026年04月27日 06:02   No.3478001

++ 今井孝司 (部長)…202回       
6月25日に岩手県沖の地震(M7.2・最大震度6強)発生
 | 政府の地震調査委員会の小原一成委員長
 | 「青森沖から三陸沖にかけ地震活動活発化 備えを」(NHK)と発言
 | 踏み込んだ表現で地震防災に警鐘をならしたのでは
 └──── 今井孝司(地震がよくわかる会・青森県在住)
 
 2026年6月25日午前7時30分ごろ、岩手県沖地震が発生しました。
気象庁マグニチュード7.2、モーメント・マグニチュード(Mw)
6.8、青森県の階上(はしかみ)町で最大震度6強、震源の深さは44km
でした。
 後発地震情報発表はMwが7.0以上という基準があり、今回は6.8
と基準を下回り、発表は見送りとなりました。

 東通村の東通原発(東北電力)、むつ市の中間貯蔵施設、六ケ所村の
核燃料サイクル施設、宮城県の女川原発、福島県の福島第一原発、福島
第二原発で、異常は確認されませんでした
 被害状況は「9人けが、建物被害116棟」(東奥日報6月26日)で
した。
 震度6強という強い地震であるにも関わらず、被害が比較的少なか
ったのは、深夜ではなく、朝方起きたためではないかという筆者の
推測です。

 地震当日の夕方に行なわれた、政府の地震調査委員会の臨時会合で、
委員長の注目発言がありました。
 小原一成委員長が「青森沖から三陸沖にかけ地震活動活発化 備え
を」(NHK)という意味の発言をしました。「地震活動活発化」と、オブ
ラートな表現ではなく直截に語っているように思います。ほとんどの
テレビニュース、新聞等においても、タイトルに「活発」というワード
が含まれていました。

 委員長の発言を裏付ける臨時合会の資料(以下にURLを示す)
から、活発というワードが含まれる部分を抜粋します。
https://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2026/20260625_off_iwate_1.pdf
 「今回の地震の震央付近(領域a)では、2025年11月4日から
まとまった地震活動が見られるようになり、2025年11月9日にM6.9
の地震(最大震度4)が発生した。2026年4月20日には、M7.7の
地震(最大震度5強)が発生し、地震活動がさらに活発になっていた。」

.. 2026年06月28日 08:01   No.3478002
++ 山崎久隆 (社長)…2064回       
「南海トラフと猛暑」日本の複合リスクは原発依存地域に集中
 | 原発依存率が高い地域ほど単一の震源域が引き起こす
 | 複合災害によって供給と安全の両面で失うものが大きくなる
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 ※この文章は、7/11発信【TMM:No5406】★1.熱波被害は独仏で
  同水準 脱原発と原発維持は無関係(上)に続くものです。

☆日本の複合リスクは地震・津波と猛暑が重なったときの原発依存地域

◎ ここまで見てきたのは気候要因単独の話です。
 しかし日本の場合、原発の脆弱性を論じる際に熱波だけを切り離して
考えることはできません。
 日本には、フランスやドイツにはほぼ存在しない地震と津波が、破壊的
な形で冷却機能そのものを奪いかねないリスクとして重なっています。

 政府の地震調査委員会は2025年9月26日、南海トラフ地震の30年以
内の発生確率について、従来の「80%程度」の表現を見直し、算出方法
の違いにより「60〜90%程度以上」と「20〜50%」の二つの数値を併
記する形に改めました。
 どちらの数値を採るにせよ、地震本部は南海トラフを引き続きリスク区
分の最高ランクに位置づけており、いつ発生してもおかしくないとの評価
は変わっていません。

◎ 政府が2025年3月に公表した被害想定では、最大クラスの地震・津
波が発生した場合、死者数は最悪のケースで約29万8000人、災害関連
死が5万2000人、経済被害は約292兆円(国家予算の2.4倍)に上るとさ
れています。
 この南海トラフの震源域は、静岡県沖から九州の日向灘沖まで帯状に広
がっており、まさに原発依存率の高い西日本の電力会社の供給圏と
重なります。

 関西電力は2024年度実績で原子力が電源構成の4分の1を占め、全機
再稼働の効果で非化石電源比率が34.1%に達しており、資源エネル
ギー庁の資料でも関西・九州エリアは他地域より火力依存度が低く原子力
依存度が高い構造であることが確認されています。

 四国電力は伊方発電所1基への依存度が構造的に高く、九州電力も玄
海・川内の両原発を運転計画に組み込んでいます。
 70%に達するフランス全体での原発比率に対し、日本のこれらの地域
は単一の企業が少数の原発に依存していることで、より集中度の高い脆弱
性を抱えています。

.. 2026年07月16日 19:46   No.3478003
++ 山崎久隆 (社長)…2065回       
◎ ここで問題になるのが複合災害です。
 フランスの原発が緩やかな河川の水温上昇の環境変化で、数週間単位で
出力制限や停止に追い込まれるのに対し、日本の原発は突発的事象、つま
り南海トラフ巨大地震により津波の遡上、外部電源の同時喪失、複数号機
の同時被災で、はるかに急峻かつ深刻な形で冷却機能喪失リスクに直面
しています。
 これはまさに福島第一原発事故で現実化した事態です。

 さらに、猛暑と地震・津波が時期的に重なった場合、または地震後の停
電と猛暑が重なった場合には、代替の火力・水力による電力供給が同時に
制約を受けている状況下で、住民の冷房利用がままならないまま避難を強
いられることで、人的被害を大幅に増幅させる複合シナリオが想定され
ます。

◎ 伊方原発は細長い佐田岬半島の付け根に位置し、半島部の住民避難路
が限られていることは既に裁判でも争点となってきた事実であり、地震と
津波が同時に道路インフラを損壊させた場合、原発事故対応と住民避難が
競合する構造的な問題を抱えています。

◎ もう一つ見落とされがちなのは日本の「電力系統問題」で、
ヨーロッパのような国境を超えた系統に支えられていない点です。
 ドイツが脱原発後も送電線を通じてフランスなど近隣国と電力を融通し
合い、需給を1日単位、1週間単位で調整できるのに対し、日本の各電力
会社は基本的に自社の発電設備と地域間連系線のみに依存しており、とり
わけ東電などの50サイクル圏と関電などの60サイクル圏の間をつなぐ
広域的な相互扶助の余地はヨーロッパほど大きくありません。

 東日本大震災の時、東電管内を中心に計画停電が実施された際、比較的
余力のあった関西圏からの送電が限られていたため広域連携に限界があ
り、それを教訓に東西連携線の強化は進められていますが、まだとても十
分とは言えず、南海トラフ地震が起きたら電力不足になる西への連携が課
題になりますが、その対策も十分ではありません。

.. 2026年07月16日 19:51   No.3478004
++ 山崎久隆 (社長)…2066回       
◎ 原発依存率が高い関西・四国・九州のような地域で、南海トラフ地震
の共通の震源を持つ巨大地震が発生した場合、複数の電力会社が同時に、
しかも猛暑による需要ピークと重なる時期に、原発を一斉に失う事態は決
して非現実的なシナリオではありません。
 さらに福島第一原発事故の後、日本国内の54基すべての原発が安全点
検のため停止に追い込まれた前例は、一つの重大事故が規制上の判断を通
じて国内の原子力発電能力全体を同時に奪い得ることも示しています。

◎ 以上を踏まえると、「日本は原発を手放さなくてよかった」との評価
は、熱波による穏やかな自然現象への耐性が示す限られた土俵においてさ
えファクト(事実)が存在しないうえ、日本固有の地震・津波リスクと
いった深刻な複合災害の可能性をも完全に度外視した議論だといえます。
 原発依存率が高い地域ほど、単一の震源域が引き起こす複合災害に
よって、供給と安全の両面で失うものが大きくなる。
 これが、印象論が意図的に、あるいは無自覚に見落としている、
日本固有の脆弱性の核心です。

.. 2026年07月16日 19:57   No.3478005
++ 山崎久隆 (社長)…2076回       
2026年熊本地震M7.1発生
 | 10年前に割れ残った日奈久断層系の活動か
 | 南に約65kmの川内原発(九州電力)は止めてください
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 2026年熊本地震の本震のデータです。

 発振時刻 2026/07/28 16:27:00
 震央北緯32.6 東経130.7
 深さ10km マグニチュード7.1
 観測最大加速度1667.4ガル
 速度131.2cm/S
 記録地点三角観測点(震央距離14km)

 防災科研データ強震観測網Kik-netより筆者作成

 今回の地震は、10年前に発生した熊本地震の際に動いた日奈久断層の
南側の「割れ残り」で発生したと考えられているようです。
 「割れ残り」は、過去の地震で破壊されずに残った領域を指し、次回の
地震で再び破壊される可能性があります。

 さて、今回の地震も、日奈久断層系の一部が活動したと考えられて
おり、さらに「割れ残り」があると考えられています。
 地震本部による断層についての評価では、この断層は日本で36指定さ
れている「Sクラス」に分類され、活動可能性が3%以上あるとされる
断層の一つです。

 その南端の方角に川内原発(九州電力)があります。
 川内原発は現在1、2号機が共に稼働中ですが、今回の地震では、日奈
久断層系の活動が続く危険性が指摘されています。
 2016年の熊本地震では、最初の大きな地震(前震)からおよそ28時間後
に二度目の大きな地震(本震)が発生しました。そのことを考えても、予防
的に川内原発は止めておくべきであると考えます。
 九州電力、原子力規制庁、そして鹿児島県は、そうした対応をするべき
であると強く訴えます。

.. 2026年07月30日 05:26   No.3478006
++ 川上直子 (小学校中学年)…12回       
地震が今も続いています
 | 川内原発今すぐ止めろ!の声を今すぐ全国から届けましょう
| 取り返しがつかないことになる前に! 
 └──── 川上直子(メールマガジン読者)

 熊本地震のの報道二ュースでは、原発報道がありません。
 地震が今も続いています。
 川内原発今すぐ止めろ!の声を今すぐ全国から届けましょう。
 今日私は川内原発に『今すぐ止めてください』の電話を掛けました。
社員の人がでました。全国から電話なりメール、出来る方法で止める
まで、声を届けましょう。2,3日後に集会をやる前にまた大きな
地震が来てしまったら、取り返しがつかないと思います。
 たんぽぽ舎から、再稼働阻止ネットから、全国の人に呼びかけたら
いいとおもいます。
 ぜひよろしくお願いします。もっと広く声をあげる方法があれば、
九電に止めるよう働きかけたらいいと思います。明日も電話してみます。
      (7月31日投稿)
               
 ※10年前の熊本地震(2026年4月14、16日)(平成28年)から
M7クラスの地震が頻繁に起こっている。みんな心配しています。
 地面のずれが空からの写真にくっきりと見えている。
 このまま終わるとは思えない。今回の震源日名久断層帯はまだまだ
先まで延びているのだから。(編集部)

.. 2026年08月02日 07:14   No.3478007
++ 山崎久隆 (社長)…2077回       
.「内部の耐火レンガ」は耐震評価の対象から
 | 意図的に外されている
 | 巨大なリスクの六ヶ所再処理工場をあきらめ、
 | 「核燃料サイクル」を中止すべき (下) (了)
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

3.地震で壊れる恐れ+汚染されて「修理もできない」物理的限界

 工場の設備そのものにも、隠された致命的な欠陥があります。
 第一に、耐震不足の隠蔽です。原燃はガラス溶融炉について「想定され
る地震に耐えられる」と説明していますが、その評価対象はなんと外側の
金属フレーム(ケーシング)やボルトだけであり、過去に割落事故を起こ
した「内部の耐火レンガ」は耐震評価の対象から意図的に外されています。
 現在の新規制基準(700ガル)に対する補強工事も施されておらず、
さらに大きな地震が来れば炉内部が崩壊する危険を抱えています。

 第二に、修理が不可能という点です。過去の試験によって、溶融炉の内
部は近づくだけで即死するほどの超高線量汚染区域(レッドセル)に
なっています。
 長年の高熱で内部のレンガや機器がどれほど劣化・破損していても、
人間が近づいて点検することも、壊れた部分を修理することも物理的にで
きません。
 「点検も修理もできない老朽設備」に本物の廃液を流し込もうとするこ
と自体、極めて無責任なギャンブルです。

4.政治に揺れ、言っていることがコロコロ変わる「山中規制委員長」

 この危険な手抜き審査に対し、むつ市の中間貯蔵施設への燃料搬入遅れ
について青森県知事など地元から不信の声が上がると、原燃は「本物の廃
液処理を完成前に前倒しでやることも検討する」と二転三転し始めました。
 ここで露呈したのが、安全を守る責任者である規制委山中伸介委員長の
無責任な姿勢です。

 山中委員長は当初、「工場内に大量の廃液が残っているのは非常にリス
クが高い」と懸念を示していました。
 しかし、廃液処理を前倒しすることで「2026年度完成」との原燃の目
標が遅れる可能性が出てくると、一転して「廃液処理を急いで進めなけれ
ばならないという認識はない」「残った廃液をきれいにしてから検査して
という指示はしていない」と自ら発言を撤回したのです。

.. 2026年08月09日 05:36   No.3478008
++ 山崎久隆 (社長)…2078回       
 事業者の完成時期の都合に合わせて、規制側がハードルを上げたり下げ
たりする姿勢は、規制機関としての自壊であり信頼を完全に失わせるもの
です。

5.稼働してもプルトニウムの使い道がない

 そもそも、そこまでして再処理工場を動かす理由があるのでしょうか。
原燃の計画では、工場を動かして今後4年間で約5.9トンのプルトニウ
ムを取り出すとしています。
 しかし、取り出したプルトニウムを燃料(MOX燃料)に加工する施設
はまだ完成しておらず、稼働するのは早くても2030年度です。
 しかも、加工できる量は年間わずか2トン程度で、燃料にして原発へ
運ぶまでに約4年もかかります。

 つまり、せっせと再処理工場を動かしても、出来上がったプルトニウム
の使い道(消費先)はどこにもありません。
 日本は国際社会に対し「目的のないプルトニウムは持たない」と約束し
ていますが、この計画は危険なプルトニウムと、処理できない高レベル廃
液(爆弾)を六ヶ所村にひたすら溜め込むだけの結果になります。

6.偽りの「完成」ではなく政策の転換を

 現在行われている「実廃液処理の前倒し検討」などの議論も、本質的な
安全対策ではなく、地元の批判をかわしながら完成したと形だけを取り繕
うためのパフォーマンスに過ぎません。
 ガラス固化の技術が確立しておらず、一度壊れたら修理もできない
以上、国と規制委が今すぐ行うべきことは明確です。
 まず、「模擬廃液で十分」とする手抜き方針を撤回し、本物の廃液を
使った全工程の検査を完了させることが可能か検討する。
 そして、炉内部のレンガを含めた溶融炉全体の耐震性を一から厳格に評
価し直す。

 しかしここまでも巨額の費用が掛かっているうえ、将来発生するとみら
れる日本海溝沿いから千島海溝沿いにかけてのマグニチュード9クラスの
巨大地震に耐えられるとも思えませんから、このリスクが巨大な六ヶ所再
処理工場を潔く諦め、破綻した「核燃料サイクル」を中止し政策転換する
ことです。
 「動かないものを、動いたことにして突き進む」かつて幾度も繰り返さ
れてきたこの無責任な構造を、私たちはこれ以上許してはなりません。

.. 2026年08月09日 05:42   No.3478009
++ 山崎久隆 (社長)…2110回       
浜岡原発基準地震動不正の深層 (上) (2回の連載)
 | 規制側を欺き早期再稼働を企図した中部電力
 | 欺かれる規制委員会と廃炉推進機構
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

◎ 中部電力浜岡原発3・4号機の審査において、耐震設計の土台となる
基準地震動の代表波選定で長年にわたりデータ捏造が行われていた問題
は、NHK『クローズアップ現代』(8月24日放送)などの報道により動
機についても語られるようになってきました。
 規制対応の裏で都合の良いデータだけを作り出す構造的、組織的な偽造
実態は、規制庁が内部申告を受けて聞き取りを開始した2025年5月以降
も改ざんが続けられていたことも含め、まだ解明すべき事実が数多く残さ
れています。

 浜岡原発をめぐる不祥事はこれにとどまりません。
 2025年11月には、安全性向上対策工事の一部で取引先との精算が長期
間放置され、しかも原子力部門の役員がこの事実を取締役会に長期間報告
していなかったことが発覚し、電気事業法に基づく報告徴収命令を二度に
わたり受けています。

 さらに2026年8月には、浜岡1・2号機の廃炉作業において、解体実
績を書き換えて認可法人へ費用を請求していた不正行為も発覚しました。
 再稼働へ向けた審査の偽装、社内ガバナンスそのものの機能不全、そし
て廃炉に伴う資金管理の不正操作、入口から出口、さらには経営監督の中
枢にまで及ぶ不正の数々は、中部電力が原発を所有し運転する資格を根本
から失っていることを明白に示しています。

1.基準地震動策定におけるデータ改ざんの深層

 浜岡原発3・4号機の新規制基準適合性審査を巡り、2026年1月5日
に公表された基準地震動のデータ不正操作問題は、その後の規制委の検査
等により、深刻な組織的病理が浮き彫りとなりました。
 耐震設計の根幹である基準地震動は、プレート境界や活断層から発生す
る揺れを数多くのケースでシミュレーションし、評価に用いる代表波を選
定して基準地震動を確定し、設計と施工を行う際の基準をつくる重要なプ
ロセスです。
 2019年1月の審査会合で中部電力は、統計的グリーン関数法を用いた
地震動評価について、計算条件の異なる20組の地震動を計算し、それら
の平均に最も近い波を代表波として選ぶ旨を説明していました。

.. 2026年09月05日 05:29   No.3478010
++ 山崎久隆 (社長)…2111回       
 しかし実際には、2018年以前から、20組の地震動とその代表波の
セットを一つではなく、それらを多数作成し、その中から自社にとって都
合の良いセットのみを選び出す手法(方法[1])が用いられていました。
 加えて2018年頃以降は、あらかじめ平均に最も近い波ではない代表波
を意図的に選定し、その代表波が20組の平均に最も近くなるよう残りの
19組を後から作り出す、逆算的な手法(方法[2])が採られていました。
 2026年3月末時点の報告では、代表波225ケースのうち少なくとも
108ケースでこの不正が確認されました。その後の調査でも状況は悪化の
一途をたどっています。

 同年7月に規制庁がまとめた報告では、これまで説明のなかった第三の
手法によるものが新たに40ケース判明し、確認済みの不正は少なくとも
148ケースに拡大しました。
 残る77ケースについては手法さえ確定できないまま追加調査が続いて
おり、不正の全容は今なお明らかになっていません。

 中部電力自身も、まとめた数字が調査のたびに動いていることを見ても
分かるとおり、何をしていたのかを検証できなくなっていて、調査能力そ
のものへの疑念を深めるものです。
 この不正操作の背景には、2016年3月の審査会合で敷地近傍の褶曲群
A−17グループの扱いについて慎重な検討を求められ、同年6月の会合
ではこれをA−17断層として評価し直した経緯があります。

 さらに2018年5月の審査会合では、震源断層上端の深さを従来の8キ
ロメートルから5キロメートルへ設定し直すよう求められ、地震動の再計
算を迫られました。
 まさにこの2018年、逆算的な手法(方法[2])による不正操作が本格
化したものと確認されています。

 断層モデルの追加や震源設定の厳格化を求められるたびに、耐震補強工
事や設計変更で誠実に応えるのではなく、計算手法やデータ選定の工程を
不当に操作することで、基準地震動がそれまでより大きくなる事態を避け
ようとしていたのです。
 社内調査に対し担当者は「時間的制約があった」「揺れを小さく見せた
かった」などと供述しており、再稼働を急ぐ社内の空気が不正を招いた構
図が浮かびます。

.. 2026年09月05日 05:35   No.3478011
++ 山崎久隆 (社長)…2112回       
 加えて、社内で問題や懸念を指摘する声がありながらも、それが黙殺さ
れ、修正されないまま審査書類として提出され続けていたことは、安全文
化が機能を失っていたことを物語ります。
 極めて重大なのは、外部通報を受けた規制庁が2025年5月から聞き取
り調査を開始した後にもデータの組み替えを続けていた事実が、2026年
に規制委に報告されたことです。

 規制側が調査を開始した最中ですら、不正を止めようとしなかった事実
は、同社の企業体質の危険な実態を物語っています。
 規制委の委員からは「辻褄合わせのようなことをしていて、頭を抱えて
しまう」などと批判をしています。山中伸介委員長は「審査はすべてやり
直し」と発言し2023年9月に一度は確定した基準地震動の前提そのもの
が崩れました。                (下)に続く

.. 2026年09月05日 05:41   No.3478012


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