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ロシアで原発基数が減少する一方、合計出力は増加 | 北極圏での陸上炉廃止と洋上炉への置換 | 老朽炉の更新が目的 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
IAEA(国際原子力機関)によると、2026年2月15日現在の世界で 稼働中の原発は413基、総出力は3億7,714.7万kWであり、前年12月よ り2基減少したものの、出力は116.7万kW増加しました。 この変動の主な要因は、ロシア国内での原子炉の入れ替えにあります。
◎ビリビノ原発の全基廃炉と北極圏の電熱供給 2025年末、北極圏(チュクチ自治管区)のビリビノ原発2、3、4号 機が廃炉となり、計3基減少しました。同原発は北極圏へ電力と熱を供給 する目的で1974年〜1977年に営業運転を開始しましたが、老朽化によ り1号機が2019年に閉鎖。残る3基も2025年末をもって運転を終了しま した。
◎世界初の洋上浮揚式原発「アカデミック・ロモノソフ」 ビリビノ原発の廃炉に伴い、電熱供給を変わって行っているのは洋上浮 揚式原発「アカデミック・ロモノソフ(全長144m、幅30m、排水量2 万1,000トン)」です。この船はKLT-40S型原子炉(出力3.5万 kW)を2基搭載しており、2020年5月からペベクで営業運転を開始し ました。 船自体に動力はなく、サンクトペテルブルクでの建造後、北極海航路を 約5,000kmにわたって曳航され現地に到着しました。 現在はロシア版の小型モジュール炉(SMR)として、3〜5年間燃料 交換なしで連続稼働できる設計により、地域の電熱供給源として運用され ています。
◎安全性の懸念と「洋上のチェルノブイリ」という批判 洋上原子炉は砕氷船と同様のリスクを抱えていますが、地域唯一の電熱 源であることから、軽微な故障やトラブルがあっても運転を優先させるの ではないかという懸念が示されています。 過去の原子力砕氷船での事故背景もあり、グリーンピースなどの環境団 体は本船を「洋上のチェルノブイリ」と呼び、批判を続けてきました。
◎大型新設炉「クルスクII−1号機」の運転開始 一方で、2026年1月にはクルスク州のクルスクII発電所1号機が運 転を開始しました。同機は最新の加圧水型軽水炉(VVER-TOI、 V-510型)で、出力は125.5万kWです。
.. 2026年02月17日 05:26 No.3429003
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