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究極のダブルスタンダード 大矢英代(カリフォルニア州立大助教授)
他国に侵攻し、その国の指導者を一方的に拉致し、自国の法廷で裁く。 そんな暴挙がまかり通るなら、「法の支配」も「国際秩序」も地の底ま で落ちたということだ。 日本のメディアを見ても、米国の顔色をうかがってか、「国際法違反 の疑い」などとお茶を濁す表現ばかりが並ぶ。 日本政府は抗議声明すら出さない弱腰ぶり。仮に、中国政府が台湾の総 統を拉致し、中国の国内法で裁いたらどうなるか。 プーチン大統領がゼレンスキー大統領を拉致したらどうか。 国際社会は黙ってはいないだろう。 ダブルスタンダードが放置されれば、トランプ政権の横暴は歯止めを失 うだろうし、世界は無法地帯になりかねない。 「国際法違反」を批判されると、「ベネズエラ市民が喜んでいる」など と持ち出す人がいる。メディアでも、民主化を望む人々の声が繰り返し伝 えられている。 だが、民主化を支援することと、主権を踏みにじり大統領を拉致するこ とは、まったくの別問題である。 そもそもこの拉致の背景にあるのはベネズエラの石油を狙う米国の策 略であり、「民主化」などというのは建前にすぎない。 こんな暴挙が許されるのなら、どこかの国がホワイトハウスに乗り込 み、トランプ大統領を拉致しても、「民主化」の名目さえ掲げれば正当化 されるのか。無茶苦茶だ。 (1月12日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」よ り)
.. 2026年01月22日 10:03 No.3413001
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