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当初「2030年以降」と予測される開始時期が、2年前倒しになる可能 性が出てきました。審査さえ通れば即実施という、極めて緊迫したスケ ジュールです。
◎コストと安全性の問題点
既報の点を含め、改めてコストと安全性の問題を整理します。 この計画には、莫大なコストと重大なリスクが伴います。
1.巨額の燃料費負担 ウラン燃料に比べMOX燃料の価格は約10倍です。この差額(年間約 146億円、20年で約3,000億円)はすべて電気料金として消費者に転嫁さ れます。 2.プールの満杯化を加速 MOX燃料は使用後の交換体数が約1割増え、さらに崩壊熱が高いため 冷却に数十年の時間を要します。島根2号機の燃料プールが満杯になる時 期を確実に早めます。 3.安全性の低下 MOX燃料は中性子の性質が異なるため制御棒の効きが悪く、出力制御 の余裕が小さくなります。万が一の事故の際、放出されるプルトニウムや アクチノイド核種による公衆の健康被害は、ウラン燃料のみの場合よりも 深刻になります。 4.さらに加えて、中部電力浜岡原発用に製造され、2009年から16年も の長期間 保管された燃料体が、同じ沸騰水型軽水炉とはいえ、島根原発 2号機にそのまま転用できるのでしょうか。 原子炉は、ひとつひとつ設計(出力や炉心の大きさ)が異なります。 浜岡4号機(大出力炉)用に最適化された燃料を、出力の異なる島根2 号機に入れることは、自動車でいえば「別の車種のエンジンパーツを無理 やり取り付ける」ようなリスクを孕んでいます。 浜岡を島根用に作り替えることになるのかが焦点の一つになると思い ます。 核出力の分布や燃焼度の管理など、物理的にも安全性に問題があるので はないか、過去に関西電力高浜原発でMOX燃料体の製造工程の欠陥によ る健全性に疑いが生じたこと、さらに異常燃焼が起きた可能性が指摘され ており、世界的にも沸騰水型軽水炉でのMOX使用実績が乏しいことも合 わせて、安全性を再検証する必要があるのです。 ◎今、計画を止めるべき理由 電力会社間の「プルトニウムの融通」という不透明な取引によって、島 根原発の安全性が損なわれようとしています。燃料の転用計画が浮上した 今、これまで以上に厳しい監視と、立地・周辺自治体への働きかけが 重要です。
.. 2026年01月24日 08:56 No.3411009
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