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■--廃原発watchers 能登・富山
++ 藤岡彰弘 (高校生)…60回          

試論「廃原発事始め」 第26回
 | 「原子力の平和利用」の道は、冷戦による不安と、
 | 「科学技術立国への野望と、再び軍事大国をめざす欲望とで
 | 敷き詰められていた」その道の始まりをたどる
 └──── 藤岡彰弘(廃原発watchers 能登・富山)

【2】電気ハ誰ノモノデスカ?―電気に関わる事件史の中に、
廃原発への手がかりを探す
 ハ.(「電源防衛戦」に併行する歴史語り)その1
 「原子力の平和利用」の道は、冷戦による不安と、科学技術立国への
 野望と、再び軍事大国をめざす欲望とで敷き詰められていた。
 その道の始まりをたどる

・占領政策の「逆コース」はどのように起きていったのだろうか?

◎ 「原子力の平和利用」なる文言は、今ではほとんど使われなくなって
いますが、「核兵器廃絶」と対置されるものとして、いまだに命脈を保ち
続けています。
 日本の原発研究・開発は、「原子力の平和利用」を基調に、1955年の原
子力基本法公布と日米原子力協定の調印から始まっていきますが、敗戦か
らそれまでの約10年間、ことに本節が扱った「電源防衛戦」の前後
2〜3年は、その後の原発研究・開発のありようを大きく決定づけた時代
でもありました。
 先に紹介した山岡淳一郎さんの『日本電力戦争』、田中聡さんの『電源
防衛戦争』、山崎正勝さんの『日本の核開発』、山本義隆さんの『核燃料サ
イクルという迷宮』といった著作を参照して、その頃のことを考えていき
たいと思います。

◎ 一言で言うなら、「原子力の平和利用の道」は、アメリカの占領政策
の「逆コース」が起点なのだといえます。
 「逆コース」とは1948年にアメリカ陸軍長官ロイヤルが、「日本を反共
の防壁に」と提唱したことをきっかけに、これまでの日本に対する徹底し
た非軍事化路線を、経済的自立と防衛力整備の方向に大きく転換して
いったことを指します。

◎ その背景として言われるのは、1949年の中華人民共和国の成立と朝
鮮戦争の勃発、東欧諸国の相次ぐ共産化と1948年のソ連によるベルリン
封鎖です。
 これらによってアメリカ資本は、ヨーロッパと東アジアで市場を大きく
失ってしまいました。
 「逆コース」は、もうこれ以上「失地」を増やせないというアメリカ資
本の強い焦りが生んだのだ、ともいえると思います。
.. 2026年01月14日 06:54   No.3405001

++ 藤岡彰弘 (高校生)…61回       
◎ そして私は、もう一つその背景に、アメリカという国が核兵器を
持ってしまったが故の「核の脅威」があったと思うのです。
 日本への原爆投下によって、アメリカは最強の地位を世界に
示しました。
 しかしそれは同時に、ソ連の猛追によっていつ破られるかもしれないと
いう危うさを含むものだと、政府や資本家はもちろん、民衆もうすうす感
じていたのです。
 そこに巻き起こってきたのが「赤狩り」(Red Scare=共産主義の
恐怖)だったのではないでしょうか。

◎ 「ソ連のスパイが核の秘密情報を手に入れたらどうなるのか」という
脅迫観念にアメリカという国中が支配されてしまったのだと思います。
 それは、日本への原爆投下を、「犯罪行為」だったとして率直に受け止
めようとする宗教家たちを中心とした動きまで、共産主義を利するからと
押しとどめてしまいました。
 いわく「もし原爆を投下しなかったら、日本本土への上陸作戦で、さら
に100万人の犠牲者が出ただろう」という、実際には根拠のない空説が、
人々の間に浸透していったのです。
 恐るべきことに、アメリカではいまだに多くの人々が、その空説を真実
だと誤解し続けているのです。         <第27回に続きます>

.. 2026年01月14日 07:00   No.3405002
++ 山崎久隆 (社長)…1900回       
島根原発2号機のプルサーマル計画の問題点 (その1)
 | 莫大な費用がかかるだけ
 | リスクは高く利益はない計画 (3回の連載)
 └────  山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

◎中国電力のプルサーマル計画とは
 中国電力が2026年中に、島根原発2号機でのプルサーマル計画実施
に向け、原子力規制委員会に対して「原子炉設置変更許可申請」を行う
方針であることが報じられました。
 電気事業連合会(電事連)の「プルトニウム利用計画」では、「島根
2号機は、地域の皆さまのご理解をいただきながらプルサーマルを実施
することとしている(プルトニウム0.3トン換算)。
 導入時期は未定であるが、できるだけ早期に実施できるよう取り組む」
(2025年2月14日公表資料)とされてきたため、いずれ申請が行わ
れることは自明でした。
 しかし、プルサーマル計画は巨額の費用がかかる割にリスクばかり
が大きく、電力会社にとってもメリットはありません。
 国の原子力政策、すなわち「核燃料サイクル計画」を強行しようと
した結果、こうした矛盾した事態を招いているのです。

◎世界の動向
 プルトニウムを商業用原発で使用している国は、現在、日本、フラ
ンス、スイス、オランダ、ロシアに限られています。ロシアについては、
ベロヤルスク4号機(高速炉)においてフルMOXによる発電を継続
しているのが例外的です。
 現在、日本国内に商業用のMOX燃料を製造する施設はありません。
青森県六ヶ所村に日本原燃が製造施設を建設中であり、竣工時期を
「2027年度中」としていますが、実現の見通しは立っていません。
 現状、日本は世界で唯一商業用MOX燃料の輸出が可能なフランス・
オラノ社の施設に依存していますが、同社の製造能力も決して高くは
ありません。
 プルサーマル計画はいくつかの国で実施されていますが、その規模
や状況は国によって大きく異なります。

.. 2026年01月18日 08:21   No.3405003
++ 山崎久隆 (社長)…1901回       
◎世界のMOX燃料実施国と規模
 現在、商業炉でMOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料)
を利用している主要国は以下の通りです。
■フランス(大規模):世界最大の実施国であり、20基以上の原子炉
でMOX燃料を使用しています。
■日本(中規模):玄海3号、伊方3号、高浜3・4号では実績があり、
今後も再稼働する複数の原子炉への導入を計画しています。
■スイス・オランダ(小規模):スイスでは2基、オランダではボル
セラ原発(1基)で継続的に使用されています。
■ロシア:ベロヤルスク4号機(BN-800)で、2022年より炉心
全体の100%をMOX燃料とする「フルMOX」運転を世界で初めて
実施しています。

◎日本の製造施設とMOX燃料供給源
 国内に稼働中の製造施設がないため、日本が使用するMOX燃料は
すべてフランス・オラノ社のメロックス工場に依存しています。同社
は西側諸国で唯一、商業用MOX燃料の輸出が可能な施設ですが、世界
の需要が集中しているため、発注から日本への輸送までには非常に
長い期間を要します。
◎ウラン燃料とMOX燃料のコスト比較
 もともとウラン燃料の使用を前提に設計された島根2号機でMOX
燃料を使用した場合、どの程度のコスト増になるのでしょうか。
 原子力資料情報室の論文「MOX燃料のコストはおいくら?」に
基づき、MOX燃料体とウラン燃料体の価格差を「10倍」として
試算します(燃料1体あたり約170kg、ウラン価格15万円/kg、
MOX価格150万円/kgと仮定)。

すべてウラン燃料の場合(4サイクル運転)
年間燃料コスト:140体×170kg×15万円=約35.7億円
プルサーマル実施の場合(MOXは3サイクル運転)
年間交換体数:156体(ウラン94体+MOX62体)
ウラン燃料代:94体×170kg×15万円=約24.0億円
MOX燃料代:62体×170kg×150万円=約158.1億円
年間燃料コスト合計:約182.1億円

.. 2026年01月18日 08:29   No.3405004
++ 山崎久隆 (社長)…1902回       
 プルサーマルを導入した場合、年間の燃料コスト差は146.4億円に
達します。
これを20年間続ければ2,928億円となり、島根2号機の建設費
(2,100億円)さえも上回る計算です。
 問題は費用だけではありません。再処理の目途が立たないため、
MOXの使用済み燃料は発電所内に貯蔵し続けるほかありません。
 さらに、年間交換体数が140体から156体へと約11%増加する
ため、島根2号機の使用済み燃料プールは、ウラン燃料のみの場合
より1割早いペースで満杯になります。
 また、MOX燃料は崩壊熱が高いため、プールでの冷却期間が数十
年単位で長くなる可能性があり、リスクも増大します。
 福島第一原発事故において4号機の燃料プールが危機的状況に陥った
際、もし大量のMOX燃料が貯蔵されていたら、東日本は壊滅的な被害
を受けていたかもしれません。

◎安全性についてのリスク
 MOX燃料はウラン燃料に比べ、中性子の性質が異なるため制御棒
の効き(反応度価値)が悪く、炉心の安定性に課題があります。遅発
中性子割合が小さいため、出力制御の余裕が少なく、出力分布が不均一
になりやすい特性を持っています。
 また、燃焼が進むと放射毒性が著しく高まり、プルトニウムやアク
チノイド核種の放出量が増加します。万が一の事故の際、放射線被ば
くによる健康影響(潜在的ながん致死リスク)はウラン燃料よりも
深刻になります。特にプルトニウムは少量でも高い内部被ばくリスク
をもたらすため、公衆への長期的影響が懸念されます。
 莫大なコストを消費者に転嫁し、地域の安全を脅かすプルサーマル
計画に未来はありません。(続く)

.. 2026年01月18日 08:39   No.3405005
++ 山崎久隆 (社長)…1903回       
2026年1月16日現在の原発稼働状況
 | 稼働中原発は13基…美浜3、大飯3、4、高浜1、2、3、4
 | 島根2、伊方3、玄海3、4、川内1、2
 | (女川は東北電力、美浜、大飯、高浜は関西電力、
 | 島根は中国電力、伊方は四国電力、玄海、川内は九州電力)
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

電力会社 号 機 状 態  運転開始日  停止日  出力(万kW)
東北電力 女川2 定検中       2026.01.14    82.5
関西電力 美浜3 運転中 2025.05.21         82.6
     大飯3 運転中 2024.04.07 118
大飯4 運転中 2025.02.20 118
高浜1 運転中 2024.08.28   82.6
高浜2 運転中 2025.02.10    82.6
高浜3 運転中 2025.06.01    87
高浜4 運転中 2024.04.24         87
中国電力 島根2 運転中 2024.12.07         82
四国電力 伊方3 運転中 2024.10.18        89
九州電力 玄海3 運転中 2025.06.04         118
玄海4 運転中 2024.06.03        118
川内1 運転中 2024.08.29         89
川内2 運転中 2024.09.14         89
合 計 14基中 運転中13基 停止中1基   1242.8/1325.3
*女川2は1月16日に定検入り。2025年10月には制御棒の動作確認
試験中に不具合が発生、2025年5月には水素検出器の一部で異常値
が確認されている。特重の完成は遅れており、2026年10月には5年
の猶予期限が切れるため止まる。
*伊方3は12月25日に原子炉起動、27日に送電開始した。
*川内1号は12月19日に原子炉臨界、21日送電開始。

.. 2026年01月18日 08:46   No.3405006
++ 山崎久隆 (社長)…1904回       
*高浜1は11月30日に原子炉起動。2号機と共に運転開始50年超の
老朽原発
*玄海4は、主蒸気隔離弁に漏えいがあったことから当該弁を取り替え
同種弁は洗浄し10月20日再稼働。
*高浜4はSG管4本を施栓して10月16日再稼働した。次回でSG
 交換の予定。
 24年11月で運転開始から50年を超えている老朽炉。「長期施設
管理計画」に基づき配管溶接部分の超音波検査などを実施する予定。
*運転開始日は営業運転開始の日なので原子炉起動の日とは
 一月程度違いがある。
 新規制基準適合性審査を終えて運転開始していない原発は、現時点
では柏崎刈羽6・7号機、東海第二、泊3号機の4基である。
*運転可能な14基の原発のうち稼働中は13基(93%)、
 その出力は1325.3万kWに対して1242.8万kW(94%)

.. 2026年01月18日 08:51   No.3405007
++ 上岡直見 (社長)…433回       
原子力規制委員長の記者会見「他の原発についての見直しはしない」
 | (浜岡原発のデータ不正事件に関して)
 | 規制委の体質は変わらない=
 | 「電力事業者から出てきた書類をフリーパス」
 └──── 上岡直見(環境経済研究所)

 2026年1月14日の原子力規制委員長の定例記者会見で、浜岡原発
のデータ不正事件に関して、複数の記者から「水平展開(他の原発に
ついても審査の見直し)をしないのか」という質問があった。
 これは社会常識として「他の原発は大丈夫なのか」という疑問が
出るのは当然である。
 これに対して委員長は、バックチェックをするような水平展開は
しない、審査の見直しは行わない、各事業者に注意を促し、自主的な
チェック・説明をお願いする」と回答した。
 特に1月20日に再稼働予定の柏崎刈羽についても記者から質問が
あったが、柏崎刈羽は安全上もセキュリティ上も問題があるとは考え
ていないと回答した。
 結局、事業者から出てきた書類をフリーパスという規制委の体質が
変わらない姿勢を示した。

※議事録がまだ上がっていないので動画で見て下さい。
定例記者会見 YouTube動画
https://www.youtube.com/live/QnsMNLB1CuY 24:00頃から

.. 2026年01月18日 09:14   No.3405008
++ 山崎久隆 (社長)…1908回       
使用済核燃料の「乾式貯蔵」に反対する
 | 原発延命・核のごみ固定化・自治への侵害…
 | これら「三重の問題」が問われている
 | 核燃料サイクルの失敗を認めた上で原子力に依存しない社会への
 | 真の転換を始めること
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 現在、政府と電力会社が進める「乾式貯蔵」の拡大は、単なる燃料保管
の手段変更ではありません。
 それは破綻した国策のツケを立地地域に押し付け、原発を永続的に動か
し続けるための極めて危うい選択です。
 以下の理由から、乾式貯蔵の導入には強く反対するものです。

1.破綻した「核燃料サイクル」の身代わり

 「使った燃料を再処理して再利用する」という核燃料サイクルを国策と
してきました。
 ところが、その中核を担うことになっている六ヶ所再処理工場は、相次
ぐトラブルで27回も完成が延期されています。
 これまでに実際の使用済燃料を使って行った「アクティブ試験」の影響
もあって、再処理施設の内部は既に高線量の汚染が存在します。そうした
設備が多数存在するため、人が近付くことさえ困難になっているのです。

 このことから、新規制基準適合性審査において新たな知見を得て基準地
震動をかさ上げし、耐震補強などを行おうにも、耐震補強などの対策が事
実上不可能な場所が沢山あるのです。
 既に240立方mも溜まっている高レベル放射性廃液のガラス固化試験を
実施する目途すら立っていないのが現実です。

 本来、燃料の行き場がなくなった時点で、原発政策は立ち止まって見直
すべきでした。
 しかし、政府はこの「失敗」を直視せず、乾式貯蔵という一時しのぎの
「箱」を増設することで、問題を先送りし続けています。

2.原発を止めないための「延命装置」

 原発の運転を続けると、建屋内の燃料プールはやがて満杯になります。
満杯になれば物理的に運転を止めざるを得ません。この「物理的限界」を
回避し、原発を動かし続けるためのバイパスとして用意されたのが乾式
貯蔵です。
 例えば伊方原発3号機では、この施設の導入によって24年以上もの運
転延長が可能になるとされています。
 つまり、乾式貯蔵は「安全な保管」のためではなく、さらなる核のごみ
を生み出し続けるための「原発延命装置」に他ならないのです。

.. 2026年01月20日 05:23   No.3405009
++ 山崎久隆 (社長)…1909回       
3.「行き場なき固定化」事実上の最終処分場化

 「将来は再処理工場に搬出する」という説明は、今や空手形に等しい
ものです。
 再処理の目途が立たず、最終処分場も決まっていない現状で乾式貯蔵を
認めることは、その土地を「事実上の最終処分場」として受け入れるよう
強要することを意味します。
 根拠のない期待に依存し、地域に核のごみを半永久的に留め置く決定
は、将来世代に計り知れない負担を強いる無責任な行為です。

4.自然災害リスクを軽視した安全性評価

 日本は地震・津波だけでなく、火山噴火や火砕流、そして近年の異常な
酷暑など、過酷な自然災害が重なるリスクを抱えています。
 現在の安全評価は、これらの「複合災害」や「熱波による冷却不全」の
リスクを十分に包括していません。
 設計上の想定を超える事態が起きた際、誰がどのような責任を取れるの
か、住民の命に直結するリスクが制度的に軽視されたまま計画が強行され
ている現状は看過できません。

5.形骸化する住民自治と「犠牲のシステム」

 福井県などの事例に見られるように、乾式貯蔵の建設同意を巡る議論
は、知事の政治的判断や国との駆け引きの道具にされています。
 そこには、その土地に住み続ける住民の真の合意や、自治の本質的な判
断は介在していません。
 電力の恩恵を都市部が享受し、リスクと負の遺産だけを地方に押し付け
る。この構造は、哲学者の高橋哲哉氏が指摘する「犠牲のシステム」その
ものです。乾式貯蔵の拡大は、この不条理な構造をさらに固定化・強化し
てしまいます。

6.今こそ政策の転換を

 乾式貯蔵は、原発を動かし続けるための「延命策」そのものであり、
地域を核のごみで縛り付ける「足かせ」です。
 このような乾式貯蔵計画の即時停止を求めます。
 必要なのは、これ以上核のごみを増やさないという決断を下し、核燃料
サイクルの失敗を認めた上で、原子力に依存しない社会への真の転換を始
めることです。

.. 2026年01月20日 05:32   No.3405010


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