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.五輪汚職で起訴の角川歴彦前会長は無実 | 特捜幹部が報道各社に任意聴取をリーク | 「記者たちにしゃべったから証拠隠滅の恐れ」 | メディア利用の検察の“策”で226日間監禁 | 「メディア改革」連載第182回 └──── 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)
◎日本の新聞・通信社とテレビ局は最も大事なことを伝えない。特に、 報道各社にとって不都合が真実は揃って隠蔽する。ジャーニーズ事件で 問題になった「マスコミの報道しない罪」が、東京五輪・パラリンピッ クのスポンサー選定を巡る汚職事件で贈賄罪に問われた出版大手KADOKAWA 元会長・角川歴彦氏の逮捕・長期勾留問題にもある。
82歳の角川氏は、否認した場合に身柄拘束が長引く「人質司法」で 精神的苦痛を受けたとして、昨年6月、国に2億2000万円の損害賠償を 求めた訴訟を東京地裁(中島崇裁判長)に起こしている。刑事裁判の被告人 が裁判中に国賠訴訟を起こすのは異例のことで、人質司法違憲訴訟と 位置付けている。
◎刑事裁判は昨年10月8日から東京地裁刑事第17部(仲尾佳久裁判) で始まった。 この日の公判は9月3日午後2時から5時まで、地裁104号法廷で 開かれた。午後1時10〜30分に傍聴整理券が配られ、くじに当たり 取材できた。弁護側の最終弁論があった。
検察側が2週間前に行った最終陳述について、「故意を裏付ける何の 客観的証拠もなく、社員たちの虚偽供述・法廷証言に基づき、無実の 角川さんを犯人にでっちあげた」と主張した。検察側は前回公判で 懲役3年を求刑した。
また、「角川氏は代表権のない取締役会長で、会社の事業の決定に関与 しておらず、社内規定でも、個別案件の報告を受ける立場になかった。 会社トップとして賄賂を指示したという地検特報部の見立ては誤っており、 失当」と述べ、無罪を主張した。
82歳の角川氏は最終意見陳述で「検察の主張する起訴内容はすべて虚偽。 全く身に覚えがないことを認めることは、私のかけがえのない人生を 毀損させ、人間しての尊厳を侵すことになる」と強調した。
.. 2025年09月07日 08:18 No.3320001
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