|
|
二つ目の自己矛盾は、2008年10月に埋立免許を得た後、2019年から 2021年にかけて、毎年、ボーリング調査を実施すべく、山口県「一般海 域の利用に関する条例」に基づき、占用許可申請を出したことである。 中電の得た埋立免許は、その後期限が切れかけても伸長を繰り返して現 在にまで続いている。 したがって、中電の主張に基づけば、2008年10月埋立免許取得以降現 在に至るまで、埋立施行区域は排他的水面であり続けていることになる。
ところが、山口県「一般海域占用許可基準」に「一般海域は公共用物」 と明記されていることが示すように、山口県「一般海域の利用に関する条 例」もまた公共用水面にのみ適用し得る条例であり、したがって、占用許 可申請は公共用水面でしか行なえない。 したがって、中電の主張に基づけば公共用水面でなくなったはずの埋立 施行区域で、公共用水面でしか申請し得ない占用許可の申請を出したこと になり、これもまた自己矛盾を犯していることになる。
「1(2)埋立工事は許可使用であり、自由使用を排除できない」こと及 び中電の犯している二つの自己矛盾を踏まえれば、中電の「排他的埋立」 の主張が誤りであることは明らかである。
注1:公物管理法のうち適用除外規定があるのは港湾法、漁港漁場整備法、 適用除外規定がないのは河川法である。 注2:本項に述べた公有水面埋立法についての見解を詳しく知りたい方は、 拙著『埋立と漁業の法律問題』(日本評論社,2025年)を参照ください。
.. 2025年09月23日 08:37 No.3319011
|