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朝食と夕食の比率を変えて、肥満者の体重減少を狙った研究があります。朝、昼、夕の摂取エネルギーを700、500、200(M)にした群と、200、500、700(kg)にした群とで、明らかに朝の食事にウエイトを置いた前者の群の方が体重減少や腹囲の減少が見られました。
また、肥満の疫学調査で、夕食の高カロリー摂取が肥満のリスクになることがわかりました。さらに、朝食を抜いて昼・夕の2食にした場合、朝食を欠食することによって昼食時や夕食時に食欲が増進することになり、高カロリーの食品を摂取しやすくしてしまいます。あるいは朝食を欠食することによって活動量が低くなる傾向があります。
これらのことから、朝食を抜くことは、やはりメタボリックシンドロームの危険因子になってきます。また別のWEB調査研究では、20代、30代、40代、50代の男女それぞれ150名、合計1200人に、1日の食事を100としたときの朝食:昼食:夕食の割合について質問しました。その結果から、平均的に20:35:45となりました。
この夕食の45のうち1を朝食に回し、朝食: 昼食:夕食の割合を30:35:35にするだけでも、おそらくより健康的になることが推測されます。朝から昼にウエイトを置いた食事パターンと、昼から夕にウエイトを置いた食事パターンでは、末梢時計の位相が大きく変わる可能性があります。
後者のパターンでは、末梢時計の夜型化を助長し、主時計との位相差が大きくなり、このことが肥満要因や健康に悪い影響を及ぼす要因になる可能性があります。厚生労働省発行の令和元年版「国民健康・栄養調査報告」によると、エネルギー比率で朝・昼・夕の割合は、24% 30% 46%であり、やはり朝食は夕食の半分程度です。
高度肥満者や肥満者は朝食の割合が低く、夕食の割合が高いという結果も出ています。また、朝食の割合が低い人は、トーストのみ、ジュースのみ、菓子パンのみの食事でも朝食と認めるという傾向が見られました。
一方、そうではなく、朝食というのは和食のご飯・味噌汁・焼き魚という組み合わせや、洋食のトースト・卵・サラダという組み合わせなどが典型的なパターンであると認識している人は、食の割合が低い人から高い人まで多く見られました。
.. 2025年08月25日 05:14 No.3309001
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