|
国内のテロやクーデターなどには石原莞爾ははっきり反対しています。日中戦争が始まった時も、石原莞爾は即座に困ったことが起きたと言います。ソ連をはじめとするヨーロッパ諸列島に対抗することがアジアの解放になるので、アジアの民族内で戦争するのは全く筋違いだというのが石原莞爾の基本的な考え方です。
だから、日中戦争が起きたときに石原莞爾は大反対しますが、このこともあって、第二次世界大戦が始まる半年以上前に軍人を辞めさせられるのです。石原莞爾の考え方の基本は世界最終戦争です。この世界最終戦論について簡単に述べてみます。
第一次世界大戦は、ヨーロッパ諸民族でやっている戦争なので、世界大戦と称することはできないでしょう。そして、この戦争の後、西洋文明の中心はアメリカに移りました。次いで来たるべき決勝戦争は、日米を中心とするものにして、これこそが本当の世界大戦になるであろう。
こういう大戦争が起きたときには、いままでの我が陸軍のやり方とは全く違った、空軍をもってする決勝戦争になるであろう。そして、人類の闘争力の最大限をここで持ち帰るような、人類の最後の大戦争に広がるであろう。
そして、この大戦争によって、世界はやっと統一せられ、絶対平和の第一歩に入るべし。これが石原莞爾の考えた世界最終戦論で、基本的な考え方になっているわけです。これは日蓮宗的な末法的な考え方も革命的な考え方も入っているようです。
さらに石原莞爾はこういうことを言っています。「しからば、この最終戦争の起こる時期、1、アジア諸民族の団結。すなわち東亜連盟の結成を成就し終わったときにこの戦争をやろう」ということです。言い方を換えれば、東亜連盟という石原莞爾の理想とするアジア民族の統一体ができないうちは、この最終戦争をやってはいけないということです。
「2、アメリカが完全に西洋の中心たる地位を占めたとき。3、決戦用兵機が飛躍的に発達し、特に飛行機は無着陸にて容易に世界を一周し得ること。航空機を使う空軍の組織がそこまでできないうちは戦争をやるな」ということになります。
しかも、石原莞爾はもっと具体的に、昭和15年(1940)の時点から30年内外にこの戦争は起こるであろうと言っていたのです。そして、これが人類最大の戦争になると言っている。
.. 2025年07月02日 05:07 No.3281001
|