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■--東電柏崎刈羽原発の耐震性問題と津波問題
++ 山崎久隆 (社長)…1751回          

東電柏崎刈羽原発の耐震性問題と津波問題 (下)(了)
 | 甘すぎる地震想定と津波対策 新たな知見で津波を考える
 | 液状化は柏崎刈羽原発の大きな欠陥
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

4.能登半島の最大地震評価評価

◎ 地震本部が長期評価で連動して動くとした能登半島北部から佐渡島
にかけての海底断層の「門前断層帯、能登半島北岸断層帯及び富山トラ
フ西縁断層」は差し渡し193kmあると東電は認識している。(地震発生
層は門前断層帯、能登半島北岸断層帯を3〜18kmとし、富山トラフ西
縁断層帯を既許可と同じ6〜17kmとする。連動を考慮したケースの断
層長さは地震本部(2024)より193kmと設定する。(断層面積3782平方キロ))。

◎ 加えて「能登半島北岸断層帯と富山トラフ西縁断層」の間には20km
以上の間隔がある。
 さらに能登半島北岸断層帯にも3つのセグメント(猿山沖、輪島沖、
珠洲沖)があり、その間も数キロ開いている。
 この連動で発生する地震は、東電も最大規模でマグニチュード8.4
(竹村1998)と推定されることは否定していない。

◎ しかし東電はマグニチュード7.7として評価している。その間の
エネルギーの差は16倍にもなり、東電の想定が過小評価である。
 これについて規制庁は明確に回答はしなかった。東電に対して地震の
規模を含め津波評価を再度説明することを課題としているので、次回の
会合を見守るという。なお、次回会合日程はまだ決まっていない。

5.東電の地震、津波参考ケースM8.4の評価

◎ 東電は「参考ケース2 M8.4」として、同じ193kmの断層につ
いてM8.4で評価した応答スペクトル線図を公表しているが、これは、
全体としては既許可のF-B断層による地震のそれに包絡している(内
側に入っている)として、既許可を超えるものではないと結論づけている。

◎ しかし長周期側(ゆっくり揺れる周期、1秒以上の周期で揺れる
地震動)は既許可とは僅かしか差がない。
 地盤の液状化や地滑り、大きな配管や建屋に与える影響は長周期側が
卓越している。これが基準地震動に影響を与えないとする評価は正しい
のか、大いに疑問である。
 穿っていうならば、既許可に影響を与えないように応答スペクトルや
規模を定めたのではないかと疑う。

.. 2025年05月11日 10:16   No.3251001

++ 山崎久隆 (社長)…1752回       
6.地震に伴う地殻変動の評価について

◎ 能登半島地震では地殻変動により4m以上の隆起が発生した。
 柏崎刈羽原発の周辺の断層においても、同様に離水ベンチの高さを考
えれば、同様規模の地殻変動は否定できないと考えるが、その影響は
一切評価されていない。

◎ これは大きな欠落であり、このことで原発の地盤が変位して主要配
管に影響が出たり制御棒駆動に影響を与えたりする可能性はないか。
 規制庁はこの点についても、東電の解析では、そうした懸念は認め
られないとしており、独自に評価する姿勢は見られない。

◎ この地域では、今後も大規模な地震が起こり得る。
 その際、M7.7とM8.4では約11.2倍もの開きがある。
 地盤への影響は、地震のエネルギーが大きい場合、非線形(規模に
比例するのではなく二乗に比例するなど)の影響を与えることが明らか
になっている。
 M7.7とM8.4の差を考慮するならば、既許可の範囲に収まるとは
到底思えない。

◎ 液状化は柏崎刈羽原発の大きな欠陥である。
 2007年の中越沖地震でも、敷地内の「土捨て場」の法面が崩れ、敷地
内でも激しい液状化が見られアスファルトが車両が走れないほど崩壊した。
 これがマグニチュード6.8で起きた現象である。
 次に何が起きるのか、真剣に考えなければならない。

     (初出:2025年4月25日たんぽぽ舎発行「金曜ビラ」)

.. 2025年05月11日 10:36   No.3251002
++ 上岡直見 (社長)…412回       
5/25[柏崎刈羽原発の再稼働を問う〜原発事故と
 | 地震・豪雪の複合災害で避難は可能?]などお知らせ
 └──── 上岡直見(環境経済研究所代表)

 新潟県が柏崎刈羽原発の再稼働を前提として動きを強める中、特に
避難問題をめぐって市民側の集会が開催されました。

1.2025年5月25日[院内集会&政府交渉 柏崎刈羽原発の再稼働を
 問う〜原発事故と地震・豪雪の複合災害で避難は可能?]
2.2025年5月30日[連続オンライントーク第15回:柏崎刈羽原発 事
故時の被ばくシミュレーションはどうなっている?]

 また、原発の設備自体の危険性について専門的な解説がありました。
◎ 2025年5月30日 連続オンライントーク「改良型沸騰水型原子炉(A
BWR)の危険性-経済性重視の「改良」の実態」
 後藤政志(原子力市民委員会委員、元原子力発電設計技術者)

.. 2025年06月04日 05:37   No.3251003
++ 山崎久隆 (社長)…1755回       
稼働中原発は13基…女川2、大飯3、4、美浜3、高浜1、
 | 2、3、4、島根2、伊方3、玄海4、川内1、2(女川は
 | 東北電力、大飯、美浜、高浜は関西電力、島根は中国電力、
 | 伊方は四国電力、玄海、川内は九州電力)
 | 2025年6月1日現在の原発稼働状況
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

電力会社 号機 状態 運転開始日  停止日 出力(万kW)
東北電力 女川2 運転中 2024.11.24        82.5
関西電力 美浜3 運転中 2025.05.21 82.6
   大飯3 運転中 2024.04.07      118
   大飯4 運転中 2025.02.20 118
   高浜1 運転中 2024.08.28      82.6
   高浜2 運転中 2025.02.10 82.6
   高浜3 運転中 2025.06.01 87
   高浜4 運転中 2024.04.24      87
中国電力 島根2 運転中 2024.12.07      82
四国電力 伊方3 運転中 2024.10.18      89
九州電力 玄海3 定検中 2025.03.28 118
   玄海4 運転中 2024.06.03     118
   川内1 運転中 2024.08.29      89
   川内2 運転中 2024.09.14 89
合 計 14基中 運転中13基 停止中 1基  1207.3/1325.3

*美浜3は5月21日に原子炉起動、22日に臨界、23日に運転開始。
*高浜3は6月1日に原子炉起動、2日に臨界、4日に運転開始予定。
*運転開始日は営業運転開始の日なので原子炉起動の日とは
一月程度違いがある。
*運転可能な14基の原発のうち稼働中は13基(93%)、
 その出力は1325.3万kWに対して1

.. 2025年06月04日 05:42   No.3251004


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