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東電柏崎刈羽原発の耐震性問題と津波問題 (下)(了) | 甘すぎる地震想定と津波対策 新たな知見で津波を考える | 液状化は柏崎刈羽原発の大きな欠陥 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
4.能登半島の最大地震評価評価
◎ 地震本部が長期評価で連動して動くとした能登半島北部から佐渡島 にかけての海底断層の「門前断層帯、能登半島北岸断層帯及び富山トラ フ西縁断層」は差し渡し193kmあると東電は認識している。(地震発生 層は門前断層帯、能登半島北岸断層帯を3〜18kmとし、富山トラフ西 縁断層帯を既許可と同じ6〜17kmとする。連動を考慮したケースの断 層長さは地震本部(2024)より193kmと設定する。(断層面積3782平方キロ))。
◎ 加えて「能登半島北岸断層帯と富山トラフ西縁断層」の間には20km 以上の間隔がある。 さらに能登半島北岸断層帯にも3つのセグメント(猿山沖、輪島沖、 珠洲沖)があり、その間も数キロ開いている。 この連動で発生する地震は、東電も最大規模でマグニチュード8.4 (竹村1998)と推定されることは否定していない。
◎ しかし東電はマグニチュード7.7として評価している。その間の エネルギーの差は16倍にもなり、東電の想定が過小評価である。 これについて規制庁は明確に回答はしなかった。東電に対して地震の 規模を含め津波評価を再度説明することを課題としているので、次回の 会合を見守るという。なお、次回会合日程はまだ決まっていない。
5.東電の地震、津波参考ケースM8.4の評価
◎ 東電は「参考ケース2 M8.4」として、同じ193kmの断層につ いてM8.4で評価した応答スペクトル線図を公表しているが、これは、 全体としては既許可のF-B断層による地震のそれに包絡している(内 側に入っている)として、既許可を超えるものではないと結論づけている。
◎ しかし長周期側(ゆっくり揺れる周期、1秒以上の周期で揺れる 地震動)は既許可とは僅かしか差がない。 地盤の液状化や地滑り、大きな配管や建屋に与える影響は長周期側が 卓越している。これが基準地震動に影響を与えないとする評価は正しい のか、大いに疑問である。 穿っていうならば、既許可に影響を与えないように応答スペクトルや 規模を定めたのではないかと疑う。
.. 2025年05月11日 10:16 No.3251001
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