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■--司令塔なき万博
++ 東京新聞 (社長)…3253回          

司令塔なき万博
  夢洲の開発とIRありきの維新政治に振り回された

斎藤美奈子(文芸評論家)

 13日、大阪・関西万博が予定通り開幕した。
 並ばない万博といっていたのに長蛇の列、大屋根リングでは雨をしの
げないなど、すでにトラブル続出の由。もっとも当該万博の問題点は
とっくに出そろってもいた。
 この件については、5人の論者による共著、松本創編『大阪・関西万
博「失敗」の本質』(ちくま新書)に詳しい。出版されたのは昨年8
月。この時点で「失敗」は予見されていたわけだ。

 開催まで1年を切ってもパビリオンの建設が着工できない。夢洲(ゆめ
しま)は廃棄物処理に使われていた人工島で、万博開催の決定後、一気に
埋め立てた軟弱地盤。孤島であるからアクセスは悪く、公共交通機関の
パンクも早くから指摘されていた。

 加えて運営者の問題である。1970年の大阪万博以来、国家的イベント
を仕切ってきたのは電通だった。
 ところが電通は東京五輪の談合が摘発されて手を引き、次が期待され
た吉本興業も、松本人志スキャンダルなどで自社のパビリオン以外は完
全撤退。万博協会と大阪府市の「素人集団」が穴を埋めるハメになった。
オペレーションの悪さはそのせいか…。
 でもまあ初日、未完成のパビリオンは5館だけだった。現場のがんば
りの賜物(たまもの)だろう。
 夢洲の開発とIRありきの維新政治に振り回された結果の万博。
 半年間、せめて大事故が起きないことを祈る。
  (4月16日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より)
.. 2025年04月17日 07:28   No.3231001

++ 北海道新聞 (中学生)…35回       
核のごみ処分場、北海道が見直し意見
  地域頼みの選定、困難と判断

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に
向けた後志管内寿都町と神恵内村の文献調査報告書をめぐり、北海道が
調査主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)に対して「選定プロセス
の見直しが必要」という意見表明に踏み切ったのは、調査実施の可否を
地域にゆだねる現行制度では処分地選定は困難と判断したからだ。
 ただ国主導で適地を選ぶには課題も多く、見直しに向けた動きが出る
かは不透明だ。(後略)
               (4月17日「北海道新聞」より抜粋)

.. 2025年04月19日 08:35   No.3231002
++ 毎日新聞 (社長)…450回       
商品券問題 自民政治の本質 抵抗感薄く
  歴代「愛用」/裏金と「根は一つ」
  期待一転…石破内閣支持率急降下

 イシバよ、お前もか-なんて声も聞こえてきそう。真冬に逆戻りした
ような石破茂政権の前途である。
 「裏金」問題で火だるまの自民党の「救世主」として期待されるも、
例の商品券問題で内閣支持率は急降下。今や「トランプ関税」騒動にこ
の問題も押し流され気味だが、きちんと押さえておきたい。商品券問題
とは何だったのか? (中略)

 「繰り返しますが、5回目の挑戦で首相になった石破さんです。この
くらいの支持率低下では辞めません。そもそも『次』が問題です。(いず
れも経済安全保障担当相だった)高市早苗氏や小林鷹之氏の名前が挙がり
ますが、高市氏は『右』過ぎて広い支持は得られにくい。小林氏はまだ
キャリアを積まなければ。そんな心配より、石破さんは今のトランプ関
税問題を乗り切ることが必要です。そして夏の参院選がどうなるか。全
てはそれ次第です」

 <国民との信頼関係において、政治家はどんなカネをどういうふうに
使うべきなのかについては、不断の見直しが必要ではないか>と自著
「保守政治家」に記した石破氏。
 国民の信頼を取り戻せるかどうか。
 たかが10万円、されど10万円の、高い代償である。 【吉井理記】
(4月16日「毎日新聞」夕刊2面「特集ワイド」より抜粋)

.. 2025年04月19日 08:41   No.3231003
++ 東京新聞 (社長)…3254回       
減税ポピュリズム??
                   三木義一(青学大名誉教授)

 「ご隠居、枝野さん言っちゃいましたね。減税ポピュリズムに走るな
ら別の党を創れ、だって」
 「困ったことじゃ。確かに、政権交代後きちんと税財政の立て直しを
するためには安易に減税は言えない。しかし、立憲さんの方針の給付付
き税額控除も減税の一種で、減税=悪ではないので、何を減らし、何を
増やして立て直すのかの議論が欲しいの」

 「立憲さんは増税政党レッテルが貼られ、給付付き税額控除も名前が
難しくみんなに知られていないので、議員さんたちも困っているんだろ
う。これまでと違う政治を実施できそうな政党なので党を割らずに政権
交代を実現してほしいの〜」
 「で、どっしろと?」
 政権交代して、自民党時代の垢(あか)を流すのは当然として、負担の
実態を国民自身にも分かるような仕組みにしないと」
 「負担の実態? 重いことは分かってますよ」

 「そうかの〜。みんな税金は嫌いだから、増税に反対するが、保険料
は分からんから沈黙しておる。
 国税は財務省、地方税は総務省、保険料は厚労省なので、全体像がわ
からん。130万円の壁のような、収入が増えると手取りが減るなどという
おかしな制度がいまだに直せない原因も、本来一本化しなければいけな
い制度がバラバラで、国民には分からないからだ」
 「なるほど、枝分かれが良いわけじゃねえんだ」
(4月17日「東京新聞」朝刊17面「本音のコラム」より)

.. 2025年04月19日 08:50   No.3231004
++ 東京新聞 (社長)…3255回       
原発 民意示す機会認めず 新潟県議会
 柏崎刈羽の再稼働を問う県民投票条例案否決

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働の是非を問う県民投票条例
案について、県議会は18日の臨時会本会議で採決し、過半数を占める自
民党会派などの反対多数で否決した。条例制定は県内有権者の12人に1人
に当たる14万3196人分の有効署名で請求されたが、県民一人一人が意思
表明したいとの思いは届かなかった。花角英世知事は「県民に信を問う」
と述べており、具体的な手法が問われる。(荒井六貴、浜崎陽介)

 柏崎刈羽原発の再稼働には、県の同意が主な手続きとして残る。県民
投票に否定的な意見を示してきた花角知事は採決後、報道陣の取材に
「市町村長との意見交換や公聴会、意識調査などを検討し、県民の多様
な意見を見極めていきたい」と述べた。
 採決は議長を除く52人の議員のうち、自民31人や公明党会派2人ら
計36人が反対。立憲民主党や国民民主党の議員らでつくる野党系の第2
会派9人と無所属系の第3会派6人ら計16人が賛成した。第2、第3会
派が共同で出した修正案は否決された。 (後略)

※用語解説
 東京電力柏崎刈羽原発 1〜7号機があり総出力は821万2000キロ
ワットで、一つの発電所としては世界最大級。新潟県柏崎市に1〜4号
機、刈羽村に5〜7号機が立地し、首都圏に送電してきた。東電は6、
7号機の再稼働を目指し2013年9月、原子力規制委員会に新規制基準の
審査を申請。2017年12月に適合と判断された。東電は2024年4月、7号
機に核燃料を装填(そうてん)したが、テロ対策施設の完成が2029年8
月に延期され、設置猶予期限の今年10月から完成までは稼働できない。
6号機は施設が未完成でも、猶予期限の2029年9月までは稼働できる。
(4月19日「東京新聞」朝刊1面より抜粋)

※Webは 新潟県民14万3196人の思い届かず…柏崎刈羽原発の再稼働
を問う県民投票条例案否決 自民など反対多数

.. 2025年04月20日 08:11   No.3231005
++ 東京新聞 (社長)…3256回       
否決 怒号と失意 柏崎刈羽 県民投票条例案
  自民会派内からも再稼働慎重論

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働の是非を巡り、約14万3000
人分の署名で請求された県民投票条例案が、18日の県議会で否決された。
反対理由を述べる県議に、ほぼ満席の傍聴席から怒号が飛び、結果には
失意の声が漏れた。一方で、反対した最大会派の自民党の県議からで
さえ、再稼働への慎重な意見が聞かれた。(浜崎陽介)

 「うそ言うなよ」「責任取れよ」。条例案への反対を表明する県議
に、傍聴人から批判の声が上がる。県議会特別委員会では18日午前か
ら、各会派の代表者が賛否の理由を述べた。何度も声を上げた傍聴人が
委員長から退場を命じられ、騒然となる場面もあった。

 賛成の立場で最後に討論に立った馬場秀幸県議(無所属)が「二者
択一であっても、多様な意見を聞くことと矛盾しない。反対理由で感
情論に流されるとか、フェイクニュースにだまされるとか言われるが、
住民投票だけの問題ではない」などと訴えると、傍聴席で大きな拍手
が起きた。
 新潟県村上市から傍聴に来た無職佐藤八重子さん(69)は署名集め
に協力したといい「呆然(ぼうぜん)としたし、がっかりした。県議
会は県民を第一に考えているのか」と失望した様子。反対理由で「高度
な専門知識を有する複雑なテーマで県民投票にそぐわない」と指摘され
たことに、阿賀野市の警備員坂井五郎さん(72)は「県民に対する愚弄
(ぐろう)。福島の事故以降、県民は原発や事故をしっかり勉強して
きた」と嘆いた。 (後略)
(4月19日「東京新聞」朝刊23面より抜粋)

.. 2025年04月20日 08:16   No.3231006
++ 東京新聞 (社長)…3257回       
米ハーバード大学の独立と基金

前川喜平(現代教育行政研究会代表)

 米ハーバード大学がトランプ政権と対決している。
 政権は、複数年で約90億ドル(約1兆3千億円)の財政支援を打ち切
るぞと脅しながら、イスラエルのガザ攻撃への抗議行動の取り締まりや
多様性・公平性・包摂性(DEI)の取り組みの廃止などを迫ったが、
同大学はこれを大学の独立を侵すものとしてきっばりと拒否する学長声
明を発表し、学問の府としての務持を示した。あっぱれな態度だ。
 政権はすぐさま報復として、約22億6千万ドル(約3200億円)の財政
支援の凍結を決めた。
 こんな「いじめ」を受けても同大学が立っていられるのは、約532億
ドル(約7兆6千億円)の基金があるからだ。毎年10%以上の運用益を
出しているという。

 日本では、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が考案した10
兆円の「大学ファンド」が動き出している。
 しかしこの基金は個々の大学のものではない。科学技術振興機構が運
用して数校の「国際卓越研究大学」を支援する。
 昨年認定された東北大に続いて東大、 京大、東京科学大などが認定を
目指しているが、そのためには学外者を入れた「運営方針会議」の下で
「稼げる大学」にならなければならない。
 大学の独立どころか、政府への従属を強める仕組みなのだ。
 ハーバードのように政権と対決することは不可能だろう。
       (4月20日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より)

.. 2025年04月22日 07:51   No.3231007
++ 東京新聞 (社長)…3258回       
◆アスベスト対策のこれから
  原発の廃棄物も大地震のとき外に出てくる

        鎌田 慧(ルポライター)

 能登半島地震の被害が続いている。福島原発事故の被災者の生活も復
活途上である。
 工場排水や大気汚染もふくめて、日本は「公害列島」と言われてきた。
これから大地震の発生が予測される。30年前の阪神・淡路大震災のとき
に倒壊したビルのうち吹き付けアスベスト(石綿)があった建物は多数。
 が、当時は政府や自治体もその飛散を想定していなかった、と熊本学
園大の中地重晴教授がシンポジウムで報告している(「安全センター情
報」2024年12月号)。
 そして石川県珠洲市の被災ホテルでも「青石綿」が地面に落下、飛散
したままという。
 阪神・淡路大震災の後の解体、処理作業で多くの労働者が中皮腫や肺
がんを発症した。それでもその後のボランティアたちにどれだけ徹底し
ていたかは疑間だ。
 「津波や浸水で倒壊した建物は湿気があるが、乾燥すると解体・撤去
時にアスベスト粉じんが発生する」とNPO法人「中皮腫・じん肺・ア
スベストセンタ ー」の永倉冬史事務局長」 が指摘している。
 大手機械メーカーのクボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)でアスベスト
被害が問題化した「クボタショック」から20年。
 「奇跡の鉱物」として日本経済を拡大させてきた石綿は、いま「キ
ラーダスト」 とされている。
 原発の廃棄物と石綿は残り続け、大地震のとき、外に出てくる。
 対策をどうするか。
   (4月22日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」より)

.. 2025年04月24日 08:01   No.3231008
++ 毎日新聞 (社長)…451回       
【近事片々】より

 ・が、慌てずに。「混乱にチャンスあり」と説く語録に知恵借り。
  成果急ぐ相手には亀の歩みでじらす手練手管を。
 ・「人生100年」の健康長寿社会、じわり想定内。
  パーキンソン病改善に一歩。高齢者向けNISA検討。
              (4月17日「毎日新聞」夕刊1面より)

.. 2025年04月24日 08:07   No.3231009
++ 東京新聞 (社長)…3259回       
新潟県の柏崎刈羽原発再稼働の是非を間う県民投票条例案
  そう簡単に再稼働ができるとは思わないでね

斎藤美奈子(文芸評論家)

 条例制定の直接請求に必要な3万6千筆(有権者の50分の1)の4倍
近い14万3千筆の署名が集まったにもかかわらず、新潟県議会は18日、
東京電力柏崎刈羽原発再稼働の是非を間う県民投票条例案を否決した。
 反対した自民党は「高度な専門知識を有するテ ーマで二者択一になじ
まない」。素人は黙っとけと言わんばかりだ。
 ったく、なーに言ってんだか。新潟県民をナメたらあかんで。

 そもそも条例に基づく住民投票が日本ではじめて行われたのは、1996
年、新潟県巻町(現新潟市)での、東北電力巻原発建設計画の是非を問
う町民投票だった。
 投票率88%。反対61%、賛成39%。2003年、東北電力は巻原発の計画
を断念したが、そこまでには紐余曲折があった。
 さらに同県は2004年に中越地震を、2007年に中越沖地震を経験し、
後者では問題の柏崎刈羽原発が火災事故を起こした。

 3・11以前からのこうした蓄積と経験があるから、みんな詳しいの
よ原発には。
 7日の本紙デジタル版で山川剛史記者が新潟県民は意識が高いと書い
ていた通りで、だから署名も集まった。
 新潟県議会が条例案を否決したのは、県民投票の結果が予想できるから
だろう。
 つまり恐れているのだ有権者を。
 ま、これしきのことで諦める県民ではない。
 そう簡単に再稼働ができるとは思わないでね。
         (4月23日「東京新聞」朝刊17面「本音のコラム」より)

.. 2025年04月26日 08:18   No.3231010


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