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日本が中国に学ぶために海を越えた歴史は古く、奈良時代・平安時代にまで遡ります。中国は隋・唐時代です。実質十数回に及んだ遣唐使は、1回の派遣で約500人が大海原の荒波を越えて中国をめざしました。
航海知識の未熟さから難破が相次ぎ、中国に到達できたのは7世紀から9世紀の250年間で約6000人と見られています。この数を、少ないと見るか、多いと見るか、見解は分かれますが、いずれにしても日本人は命を賭けて中国文化の吸収につとめたのです。
現在は、中国と日本の間は飛行機であっと言う間です。法務省発表の統計では、日本に留学に来た外国人登録者総数の1位が、中国人留学生です。中国経済が低迷しているなか、今後、中国からの留学はさらに多くなるだろうと予想されています。
これだけ多くの留学生交流が実現して、日中の相互理解が進まないはずがないと思いたい。どちらの留学生にも、言いたい事は、「歴史の真実」という既成概念の落とし穴にはまるな、ということです。
日中の歴史文化は、お互いの歴史文化を同種と思う錯覚から、日本人は中国を、中国人は日本人をよく知っていると思い込んでいます。謙虚に双方の国の歴史文化を見つめて欲しいのです。違うところを確り見て、見抜く力を留学中に心して培って欲しいのです。
その上で日中交流史の遺産を継ぎ、さらなる前進をして欲しいのです。今、日本の大手企業の3分の2は、中国に進出していると言われています。中国歴史文化を真摯に学んだ姿勢や、中国語ができるということは、現地採用のための最大の強みです。
このことにおいては、若者だけではないリタイアされた中高年の方が、第二の人生を中国に求めるケースも少なくないのです。かつて日本に留学に来た中国人は、活躍の場を、そのまま日本に求めて就職するケースが多かったのだが、ここ数年は、再び中国に戻って世界経済の渦の中に飛び込む中国人が増えました。
中国の大都市には、世界経済を動かす巨大な市場があります。しかし、経済は日本ほどに成熟していないから、そこにはたくさんの空白があり、可能性が潜んでいます。日本で得られない発展の天地が横たわっているからこそ、若者に有難い環境となっているのです。
.. 2025年03月15日 09:32 No.3209001
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