|
石破首相の消費税見直し論 前川喜平(現代教育行政研究会代表)
格差が大きいと消費税はその逆進性が顕在化する。結果として低所得 者に厳しい制度になってしまってはいないかという疑間が生じる。 消費税についての議論もタブー視してはいけない。 法人税減税にめぼしい意義は見いだせず、もしも経済的格差の拡大を 是正する方向性を考えるのであれば、消費税の逆進性をどう軽減するか を議論すべきではないか。
これは石破茂首相が自分で本に書いたことだ。それを指摘したのは 21日の衆院予算委員会での共産党田村智子議員。田村氏は勤労者世帯の 年収別税負担率のグラフを示しつつ、低所得者ほど消費税の負担が重い ため、低所得世帯と中所得世帯の税負担率がほぼ同じで、税負担の累進 性がなくなっていると指摘。今こそ消費税の減税を議論すべき落と 主張した。
「著書を精読いただきまして誠に恐縮であります」とごまかすしかな かった石破首相は、賃上げや給付で対応すると答弁しつつ、自らの消費 税見直し論を自ら封じた。 毎日報じられでいる「103万円の壁」の引き上げや高校無償化の所得 制限撤廃は、実は高所得層により多くの恩恵を及ぼす政策だ。本当に 格差を是正するなら、大企業への法人税減税の見直し、所得課税の 「1億円の壁」の撤廃、低所得層への給付増などに加え、消費税減税は 避けて通れない課題だろう。 (2月23日「東京新聞」朝刊17面「本音のコラム」より)
.. 2025年03月02日 08:55 No.3201001
|