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○国は2017年に避難住宅の提供を打ち切りました。それでも私が避難 住宅から退去できなかった理由は、避難元の放射能汚染にあります。 昨年1月、いわき市の自宅の土壌測定をしましたが、依然として 40,000Bq/平方mの放射線管理区域の基準を越えていました。 平時であれば子どもが立ち入るはずもなく、放射線業務従事者であ っても飲食が禁止される放射能汚染の中で、私は妻子と共に日常生活を 再開するなど考えられません。 この裁判を起こす直前、東京都の担当者は、「鴨下さんは、裁判を起 こして原告団長をやってるくらいですから、裁判を起こされても、それ が原因で病気になるようなことはないでしょう」という言い方をしてい ました。でも私はこの裁判を起こされて以降、心身を病み、自殺率が高 いことで知られる双極性障害も発症し、正に死ぬほどの苦しみを味わい ました。巻き込んでしまった妻もPTSDを発症し、今も服薬治療中です。
○何故、私は東京都と争わなければならないのでしょうか? 私たちが住んでいたのは、国が管理する国家公務員宿舎です。都の担 当者は、東京都が国から損害金を請求されたために、本来起こしたくな い裁判を起こすことになった、と話していました。 この裁判に至る経緯の中で、居住者である私達を無視して、国と東京 都の間で一体どのような取り決めが為されたのか、是非明らかにしてい ただきたいのです。
○主治医によれば、私の癌は10年以上前に始まったものだそうです。 手術を終え、半年間の過酷な抗がん剤治療を耐えてなお、今も私を脅か しているこの病が、福島原発事故に起因するものではない、ということ を、一体誰が証明できるでしょうか。私は、自分や家族がこんな気持ち にならないためにも、被曝を回避したかったのです。
.. 2025年03月02日 08:19 No.3193005
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