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■--民をだまし大地と海を汚した
++ 冨塚元夫 (社長)…481回          

「民をだまし大地と海を汚した東京電力と政府の責任を問う!!
 | 「本件事故(東電福島第一原発過酷事故)は人災である
 | 防げた事故を怠慢(国・東電の)によって起こしてしまった」
 | 2/5井戸川裁判第31回口頭弁論に参加して
 └──── 冨塚元夫 (たんぽぽ舎)

 「…井戸川裁判(福島被ばく訴訟)は、日本で初めて原発立地自治体の
元首長による原発裁判が2015年5月20日東京地裁に提訴して以来、これ
まで10年にわたり30回の口頭弁論がもたれてきました。
 今回の原告井戸川さんの主張は集大成と言えるものです。
 これをもって、井戸川裁判は結審となり、あとは7月30日の判決を待
つことになります。
 どうか皆さま、万障繰り合わせて歴史的な最終弁論へ傍聴をお願いし
ます。…」

◎ 上記の「井戸川裁判を支える会」の呼びかけに応じて、2月5日(水)
は地裁103号法廷を満員にする傍聴者約100人が集まりました。
 前日の子ども脱被ばく裁判総括集会に参加した、福島の原告や西日本
の支える会の数人が参加しました(子ども脱被ばく裁判の会共同代表
水戸さんも傍聴)

 この日井戸川さんは最終準備書面40、41、42、43(の一部)合計4000頁
の書面を大変重くて苦労しながら持参しました。
 それを120頁のパワポ資料に圧縮して、法廷で約1時間プレゼンしな
がら、意見陳述しました。昨日も作業をしていたので、残念ながら子ど
も脱被ばく裁判の総括集会には参加できなかったと言いました。
 この日も原告席は一人に対し、被告席には国・東電の弁護士が12人
いました。
 被告側弁護士は最終準備書面を提出したが、陳述はしませんでした。

◎ 井戸川さんの主張はこれまでの口頭弁論で強調してきたことで、
概略は下記のとおりです。
 冒頭の証言にあるように、井戸川さんは当時双葉町災害対策本部長と
して「発電所破壊事件」において国らが、密室で決めた数値、指示等は
全て不当なので、双葉町災害対策本部においては機関決定・認諾して
いません。

《避難エリア、20ミリシーベルト、中間指針、中間貯蔵施設等の
違法な強制》
.. 2025年02月16日 07:43   No.3193001

++ 冨塚元夫 (社長)…482回       
 政府の事故後の対応は嘘だらけです。100ミリシーベルト以下では発症
しないという嘘。
 合同対策協議会で決めるべきこと(避難の決定、解除、ヨウ素剤服用
の指示等々)を放棄した(原発事故災害対策特別措置法違反)
 東電は事故前原告に《止める、冷やす、閉じ込める》と約束した発電
所の安全対策は嘘でしたとまず謝罪すべきだ。
 勝手に壊した原発で計測不能な放射性物質を放出しておきながら、
被ばくの健康被害はないと言いふらす学者、芸人、および国際機関らは
被ばくを体験していない。

◎ 東日本を汚染させた事態を隠蔽している。事故直後、アメリカは米軍
等に対し原発から半径80kmの外に避難するよう呼びかけた。
 「事故前に東電と原子力安全・保安院は大津波を想定しており、十分
に対応する時間があったのにしなかったのは大変遺憾だ」と事故後、枝
野官房長官は述べた(2011年8月25日朝日新聞夕刊)
 政府(菅内閣)は原子力災害対策特別措置法で決められた原子力災害
現地対策協議会を作らず、事故現地に無断で違法な組織を内閣府に作り、
そこで全て決めた。

◎ ベントをする前になんの情報もくれず、双葉町民を違法に被ばくさせた。
 風向きを示すスピーディー情報も隠蔽した。
 原子力安全・保安院が確認していた年間1ミリシーベルト基準を事故
後に適用させず、20ミリシーベルトの違法な基準で、住民を被ばくさせ
た。また賠償基準にも20ミリシーベルトを適用して賠償額をきめた。
これは詐欺である。

◎ 20ミリシーベルトで住民の避難を妨害した。これは公務員職権濫用
罪にあたる。
 本件事故は人災である。防げた事故を怠慢によって起こしてしまった。
 事故後の対策は、原災法・災害対策基本法に基づかないその場しのぎ
で、住民の健康・財産を奪う人権無視の政策で、さらに責任逃れのため
に嘘の上塗りを行った。
 政府の罪は重大だ。


.. 2025年02月16日 07:48   No.3193002
++ 鴨下美和 (小学校低学年)…9回       
2/20『東京都による避難者追出し訴訟』
 | 控訴審第一回期日は、いきなり結審!
 | 裁判長は避難者側の人証申請を全て却下! 判決は5月8日(木)に!
 | 5分に凝縮された鴨下祐也氏渾身の意見陳述
 └──── 鴨下美和(ひなん生活をまもる会)

◎ 皆さま、いつも福島原発事故被害者を応援くださり、ありがとうご
ざいます。
2月20日に東京高裁101号法廷で開かれた、東京都による避難者追出
し訴訟の第一回口頭弁論期日で、被告とされた鴨下祐也氏は、がん闘病
中の体で証言台に立ち、意見陳述を行いました。
 意見陳述は、以下をご参照下さい。
https://drive.google.com/file/d/1TJ_oVA8qH4Z7Jo0q2b3VgMc_Oy82PlQ5/view?usp=sharing
(10分の原稿を用意していましたが、裁判長の指示で5分に制限された
原稿となります)

◎ しかし、この意見陳述の直後、裁判長はこちら側からの人証申請を
全て却下し、突然、結審を言い渡しました。
 乱暴にも、控訴審最初の期日を、いきなり結審としてしまったのです。
 この三角比呂裁判長は、2023年12月には福島原発被害東京訴訟の控訴
審で不当判決を下しています。
 その際にも避難者側の人証申請を全て却下し、当事者の声を全く聞か
ぬまま、判決は最高裁のコピペという酷い内容でした。

◎ 何故、20も部がある東京高裁で、わざわざ同じ部(裁判長)に当
たるのか。確率的にも首を傾げたくなるような東京高裁ですが、5月8
日(木)11時20分には判決が下されることになってしまいました。
 皆様に応援いただいていたのに、戦う時間も手段も奪われてしまった
こと、とても悔しく思います。

 せめて鴨下祐也氏が法廷で訴えた意見陳述を皆さまに広めていただ
き、法廷外から原発事故避難者を守る運動を盛り上げていきたいと思い
ます。
 また5月8日の判決日には、是非ご参集くださいますようお願い申し
上げます。

≪事故情報編集部≫より
※鴨下祐也氏の意見陳述は、改めて次回のメールマガジンにも掲載する
予定です。

.. 2025年03月01日 07:19   No.3193003
++ 鴨下祐也 (中学生)…35回       
原発事故さえなければ必要のなかった避難、
 | 味わうことのなかった恐怖は、今も続いています
 | 東京都による避難者追出し訴訟 第一回控訴審(結審)意見陳述
 | 都の担当者は、本来起こしたくない裁判を起こすこと
 | になった、と話 (2月20日 東京高裁第八民事部にて)
 └──── 被告:鴨下祐也

○本日は意見陳述の貴重な機会を与えていただき、御礼申し上げます。
 先週、隣の103号法廷で、私が原告団長を務める福島原発被害東京
訴訟の3次、4次提訴の原告本人尋問が行われましたが、尋問予定の5
名中、3名が出廷できないという異例の事態となりました。
 欠席の理由は、入院、感染症、そして急性心筋梗塞です。尋問を受け
た方も、避難してから2度がんを患い、体調が思わしくないと話されて
いました。

○私自身、ステージ3の大腸癌で、昨年は10回の入院を経験し、うち2
回は緊急入院。更に今は心臓にも異常が見つかり検査中です。決して
高齢者が多い訴訟でないにもかかわらず、特に癌と心臓病が多いと感じ
ます。原告に限らず避難元のいわき市や福島県全体でも、急性心筋梗塞
死の割合が全国平均の2倍を超えており、今では自治体が注意を呼びか
けています。
 私は博士の学位を持つ科学者で、放射性物質の扱いについても若干の
知識を持つ者です。そのため原発事故の前後で、放射線被曝に対する国
の対応や数値の扱いが、全く杜撰になってしまったことに衝撃を受け
ました。
 国民に危険を伝えず、むしろ隠蔽しようとする国や東電の態度にも憤
りを覚えましたし、学位を持ちながら科学者としての矜持を棄て、言葉
巧みに歪んだ安全論を広める者らが猛威を奮うことも許せませんでした。
 国は、風評加害者という言葉まで作って、真実に蓋をしようとしてい
ますが、私は科学を学ばせてもらった者の使命として、せめて科学的に
明らかになっている事実はきちんと伝え、避けられる危険は避けるよう、
促すべきだと思っています。

.. 2025年03月02日 08:07   No.3193004
++ 鴨下祐也 (中学生)…36回       
○国は2017年に避難住宅の提供を打ち切りました。それでも私が避難
住宅から退去できなかった理由は、避難元の放射能汚染にあります。
昨年1月、いわき市の自宅の土壌測定をしましたが、依然として
40,000Bq/平方mの放射線管理区域の基準を越えていました。
 平時であれば子どもが立ち入るはずもなく、放射線業務従事者であ
っても飲食が禁止される放射能汚染の中で、私は妻子と共に日常生活を
再開するなど考えられません。
 この裁判を起こす直前、東京都の担当者は、「鴨下さんは、裁判を起
こして原告団長をやってるくらいですから、裁判を起こされても、それ
が原因で病気になるようなことはないでしょう」という言い方をしてい
ました。でも私はこの裁判を起こされて以降、心身を病み、自殺率が高
いことで知られる双極性障害も発症し、正に死ぬほどの苦しみを味わい
ました。巻き込んでしまった妻もPTSDを発症し、今も服薬治療中です。

○何故、私は東京都と争わなければならないのでしょうか?
 私たちが住んでいたのは、国が管理する国家公務員宿舎です。都の担
当者は、東京都が国から損害金を請求されたために、本来起こしたくな
い裁判を起こすことになった、と話していました。
 この裁判に至る経緯の中で、居住者である私達を無視して、国と東京
都の間で一体どのような取り決めが為されたのか、是非明らかにしてい
ただきたいのです。

○主治医によれば、私の癌は10年以上前に始まったものだそうです。
手術を終え、半年間の過酷な抗がん剤治療を耐えてなお、今も私を脅か
しているこの病が、福島原発事故に起因するものではない、ということ
を、一体誰が証明できるでしょうか。私は、自分や家族がこんな気持ち
にならないためにも、被曝を回避したかったのです。

.. 2025年03月02日 08:19   No.3193005
++ 鴨下祐也 (中学生)…37回       
○私自身は、避難指示がなかったばかりに事故後の2年間、避難が叶わ
ず、妻子を逃がすのがやっとでした。
 だからこそ、自宅が安全になるまでは避難を続けたかったし、まだ汚染
の酷い場所へ人々を戻らせるべく、国や東京都が避難者を追い込んでい
ることが耐えられませんでした。
 例え低線量であっても放射線被曝は有害です。この14年間で、それを
裏付ける論文は更に増えています。
 どうか被曝を回避する手段を、これ以上被害者から奪わないでください。
 そして、家を追い出したり、訴訟を起こすことで、これ以上被害者に
二重三重の苦しみを与えないでください。
 この裁判では、私だけが訴えられましたが、今も怯えて暮らしている
避難者たちは皆、この裁判を固唾を飲んで見守っています。
 原発事故さえなければ必要のなかった避難、味わうことのなかった
恐怖は、今日も続いています。
 どうか、最新の知見を以て放射線被曝の害を理解し、私たちに これ
以上の被曝や恐怖を与えないようにしてください。
 ありがとうございました。
https://drive.google.com/file/d/1TJ_oVA8qH4Z7Jo0q2b3VgMc_Oy82PlQ5/view?usp=sharing

.. 2025年03月02日 08:24   No.3193006
++ 山崎久隆 (社長)…1729回       
川内原発差し止め訴訟で原告敗訴
 | 鹿児島地裁判決のなにが問題か
 | 人格権、生存権を認めない判決の不当性 (上) (2回の連載)
 | どれほど厳格な基準を設けても事故のリスクをゼロにはできない
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

第一 ≪過酷事故を起こしたら事業者と国の責任が問われる≫

 鹿児島地裁は2月21日、九州電力川内原発差止訴訟で原告敗訴の判決
を出した。
 判決では川内原発の安全性が確保されているという前提に立ってお
り、事故発生時の事業者および国の責任について十分な検討を行って
いない。
 福島第一原発事故の教訓を踏まえれば、事故を起こせば国と事業者に
は極めて大きな責任が及ぶことは自明であり、その対策の評価や基準の
是非などに触れていないこと自体が、3.11を経た現代において批判に
耐える判決とは到底言えない。
 以下、具体的に指摘する。

1.事業者である被告・九州電力の責任

(1) 原子力損害賠償の無限責任
 「原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)」により、原発事故によ
る損害賠償責任は原則として電力会社(事業者)が無限責任を負うとさ
れている(原賠法第3条)。
 これについては、福島第一原発事故を基本に置いて考えるべきである。
 過酷事故後の東電の実態を見れば明らかなとおり、実際には事業者が
単独で事故の損害を賠償することなど極めて困難だ。最終的に公的資金
による救済が実施されたことでも明らかなとおり、巨額の税金投入が必
至の事態になる。
 新たに法律「原子力損害賠償支援機構法」を作り、損害賠償を行なう
ことになった。
 廃炉関連費用は、少なくてもこれまで23兆円かかっており、これから
も増える。
 これら費用を電力会社が全部負担することなど不可能だ。川内原発で
も同様の事故が発生すれば、九州電力がこれら事故に伴う損害賠償を単
独で全て負担できるとは到底考えられず、結局は国民負担となる。

(2) 事業者はリスク認識が決定的に欠如している
 事業者は「規制基準に適合している」として、地震・火山リスクの評
価結果を審査会合等で国に提出し、規制庁に対して説明した。これらの
対策を十分取っている旨説明しているが、実態は自然災害を過小評価し
ている。

.. 2025年03月04日 05:20   No.3193007
++ 山崎久隆 (社長)…1730回       
 福島第一原発事故では東電が「想定していた津波」でさえ過酷事故が
発生した。
 事業者がリスクを十分に認識せず、コスト優先で安全対策を怠った場
合、その結果責任は極めて重大であるのに、判決ではこれらの判断を避
けている。

(3) 被害者への賠償の不確実性
 福島第一原発事故では被害者への賠償が長期化し、多くの被害者が最
低限の補償さえ受けられていない。多くの裁判では、全て事業者の賠償
責任は認定されている。
 九州電力が仮に賠償責任を負ったとしても、経営が破綻すれば被害者
が適切な賠償を受けることができなくなる可能性が高く、賠償能力を超
える事態が出現する。

2.国(被告国)の責任

(1) 規制機関の監督責任
 原子力規制委員会が「安全基準を満たしている」と判断しても、事故
が起きれば責任は国にある。
 福島第一原発事故では、国が事業者の安全対策を適切に監督しな
かったことが事故を招いた要因の一つとされている。
 最高裁判決(2022年6月17日)でも少数意見ながら、三浦守裁判官が
「国は東京電力に対し、福島第一原発の防潮堤設置を指示できたのにし
なかった」として、責任を認める意見を出している。
 本件判決のように「安全基準を満たしている」との判断を理由に運転
を認めてしまえば、福島第一原発事故と同じ過ちを繰り返すことになる。

(2) 事故後の責任回避の可能性
 福島第一原発事故では、国が事業者の賠償を肩代わりする一方で、裁
判では政府関係者の責任が認定されていない。
 本判決が示すように「原子力規制委員会の判断が不合理でなければ原
発は安全」という考え方では、将来事故が起きた際も国は責任逃れをす
るであろう。
 国が原発の安全性を保証する以上、事故時には全面的に責任を負うべ
きであるとの立場から、国の判断の合理性を裁判所は判断するべきで
ある。

3.責任の所在が不明確なまま原発を運転するリスク

 本件の判決は、事業者は「原発は安全であり、事故は起こらないよう
に国の規制に沿っている」と主張したことについて、国は「規制基準を
満たしているから問題ない」と判断したというものに過ぎない。
 その対応や判断が妥当なものであるかどうかを評価し判断するのが裁
判所の役目であるはずが、まったくといって良いほど判断していない。
 

.. 2025年03月04日 05:27   No.3193008
++ 山崎久隆 (社長)…1731回       
 これでは「国の指示通りの事業者には問題がない」といっているに過
ぎない。訴えた意義さえも無駄だといっているに等しい。

 福島第一原発事故が「想定内」の地震・津波で発生したように、どれ
ほど厳格な基準を設けても事故のリスクをゼロにはできない。
 そのことを裁判所は認定した上で、その合理性、妥当性を判断しなけ
れば、裁判の意味がないのである。
 事故が起きた際の責任が不明確なまま、川内原発を運転し続けること
は、将来の甚大な被害と国民負担を招くことについて「仕方がない」も
のなのか、それとも「そうした危険性はない」と判断したのか、その根
拠を挙げて指摘するべきである。  (下)に続く
           (初出:2月28日発行、たんぽぽ舎「金曜ビラ」)

.. 2025年03月04日 05:33   No.3193009
++ 山崎久隆 (社長)…1732回       
川内原発差し止め訴訟で原告敗訴
 | 鹿児島地裁判決のなにが問題か
 | 人格権、生存権を認めない判決の不当性 (下) (了)
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

第二 人格権・生存権を軽視する判決は問題である

 本判決では、原告の人格権・生存権に基づく訴えも退けている。
 しかし、過去の判例と照らし合わせても、人格権・生存権の保護が
不十分であるといわざるを得ない。

1.人格権の軽視が問題である

 大飯原発差止福井地裁判決(2015年4月11日・樋口秀明裁判長)

 福井地裁は「大きな自然災害や戦争以外で,この根源的な権利が極め
て広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事
故のほかは想定し難い。」「具体的危険でありさえすれば万が一の危険
性の立証で足りるところに通常の差止訴訟との違いがある。」「生命を
守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそ
れがあるときは,その侵害の理由,根拠,侵害者の過失の有無や差止め
によって受ける不利益の大きさを問うことなく,人格権そのものに基づ
いて差止めを請求できる」

 加えて、原発は代替性のある発電手段(電気を生み出すための一手段
たる経済活動)に過ぎず、他に代替が効かない人格権の侵害とは比較で
きない(憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきもの)と
している。
 これに対し、川内原発の判決は「規制委員会の判断が不合理でない限
り、人格権侵害の危険はない」としている。
 これは大飯原発判決と矛盾する考え方である。
 原発事故のリスクがある限り、人格権を侵害する可能性があるという
判断がより妥当である。

2.生存権を否定する判決だ

 高浜原発差止仮処分大津地裁決定(2016年3月9日・山本善彦裁判長)

 大津地裁は、原発の運転と生存権(憲法25条)について、地震や津波
などの自然災害、及び人為的な事故のリスクを詳細に評価し、住民の生
命・身体の安全を脅かす要因となり得ると判断した。

.. 2025年03月06日 05:40   No.3193010
++ 山崎久隆 (社長)…1733回       
 決定では、基準地震動を超える地震動が大飯原発を襲う可能性がある
こと、基準地震動以下の地震動によってすら、外部電源や主給水ポンプ
が破損し、原子炉の冷却ができなくなる可能性があること、使用済み核
燃料が堅固な容器で覆われていないことで、住民の生存権を脅かす危険
性があると判断した。

 また、伊方原発訴訟の最高裁判決(*)との関連では、原発の安全性
について、被告である行政側に「判断に不合理な点のないことを相当の
根拠・資料に基づき主張・立証する必要」があるとしており、「立証を
尽くさない場合」には、「判断に不合理な点があることが事実上推認さ
れるものというべき」と判断した
 本件では「生存権に具体的権利性が認められない」として門前払いに
しており、原発事故が起これば住民の生存が脅かされることからも、生
存権を無視すべきではない。

*伊方原発訴訟最高裁判決 1992年10月29日
 「審査において看過し難い過誤、欠落があり、被告行政庁の判断が
これに依拠してされたと認められる場合には、原子炉設置許可処分は
違法と解すべきである。」
       (初出:2月28日発行、たんぽぽ舎「金曜ビラ」)

.. 2025年03月06日 05:45   No.3193011


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