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ガザ攻撃にひとり抗議 作家・柳広司さんに会いに行く デモや抵抗 ムダじゃない
ようやく、ようやく—である。5万人近い死者の上に、ひとまずパレ スチナ自治区ガザ地区の停戦が実現した。この1年3カ月「ジョー カー・ゲーム」などで知られる作家・柳広司(57)は、東京・麹町のイス ラエル大使館前に立ち続けた。新著を出したばかりの作家に思いを 聞いた。
イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦交渉が大詰めを迎えた14日。 この日も寒風吹きすさぶ中、柳さんはひとり大使館前の路上にいた。 掲げるのは「ガザに平和を Peace for Gaza」と記した手製のカード。 マイクも拡声器も使わない作家の声が、静かなオフィス街に響く。 「…イスラエル軍の攻撃によって、ガザでは4万6000人以上が殺され ました。7割は、子供や赤ん坊、女性たちと報じられています。これは 戦争ではありません。虐殺です」(中略)
国際刑事裁判所(ICC)は昨年11月、戦争犯罪容疑でイスラエルのネ タニヤフ首相に逮捕状を出した。加盟国の日本にも、逮捕する義務があ る。 (中略)
初老の女性が通り過ぎざま、小声でつぶやいてくれたのだ。 「ごくろうさま」 ただ一言だったが、柳さんの言う通り、行動はムダではないことを実 感したのだった。 停戦が報じられた後、柳さんからメールが届いた。 「ガザで失われた多くの命を考えると、手放しに喜ぶわけにはいきま せんが、ひとまずほっとしています…フクシマ、沖縄もそうですが、何 らかの形でこの問題には死ぬまで関わっていくことになると思います」 ガザに平和を。【吉井理記】 (1月28日「毎日新聞」夕刊2面より抜粋)
.. 2025年02月04日 05:59 No.3184001
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