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体内リズムはどのくらい光を浴びたか等によって制御されます。眠りにつく時間を身体に知らせるメラトニンというホルモンの働きです。メラトニンは脳内の松果体という分泌器で合成されます。分泌量は日中少なく、夕方になると増え、夜に最多になります。
光を浴びすぎるとメラトニン分泌にブレーキがかかり、身体はまだ昼間だと勘違いします。寝室が明るすぎると眠りが悪くなるのはそのせいです。逆に暗いと、脳はメラトニンを増やそうとし、身体も今は夜だと思い込みます。
だが分泌量を左右するのは浴びた光の量だけではありません。どういう種類の光なのかも関係があるのです。ブルーライトは、パソコンやスマートフォンのLEDディスプレイやLED照明に多く含まれる波長が380〜500mの青色光にはメラトニンの分泌を抑える特殊な効果があります。
人間の目の中にブルーライトにだけ強く反応する細胞が存在するのですが、私たちの祖先にとってブルーライトは晴れ渡った空から降ってくるものだったからです。この細胞が脳に「メラトニンを作るのをやめろ」「さあ起きろ、油断せず警戒を怠るな!」と告げるのです。
私たちの祖先にとってブルーライトは昼間活発に行動するためのものだったから、あなたや私もブルーライトで元気になってしまうのです。眠りにつく前にスマホやタブレット端末を使うと、ブルーライトが脳を目覚めさせ、メラトニンの分泌を抑えるだけでなく、分泌を2〜3時間遅らせるのです。
つまりブルーライトがあなたの体内時計を2〜3時間巻き戻すのです。少し大げさに言うと、海外旅行に移動したような時差ボケが起きているようなものです。そのうえ、スマホがストレスを生み、ストレスが睡眠を妨げます。
それでも足りないみたいに、アプリやSNS、ゲームなど、ドーパミンと関係するあらゆる刺激によって脳が目覚めてしまうのです。理論上は、寝る前にスマホを使うと、そういった原因で眠りにつきづらくなるのです。
しかし理論が必ずしも現実と一致するわけではありません。本当にスマホが私たちの睡眠を妨げているのだろうか。そう、妨げている。600人近くの被験者を観察した研究がそれを証明しています。スマホなどのスクリーンを見ている時間が長い人ほど、よく眠れなくなるのです。特に、夜遅くにスマホを使うと影響が大きかった。
.. 2025年01月22日 05:22 No.3173001
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