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今、ガザは? UNRWAは、ガザ市民の「心の支え」 | 「(ガザは)軍事占領という服従状態、その上、封鎖され…二重苦」 | 中東ジャーナリストの川上泰徳氏(元朝日新聞記者) | 「命をまんなかに」考える!(19) (下) (了) └──── 高橋典久(宮城県柴田郡村田町民)
◎ 中東ジャーナリストの川上泰徳氏(元朝日新聞記者)は、次のように 述べています。(川上泰徳著『中東の現場を歩く』合同出版)
ガザは占領されている上に封鎖されている。占領を終わらせるために オスロ合意のような中東和平交渉があるが、オスロ合意が破綻して 以来、進んでいない。 その上に、2007年からイスラエルによる封鎖が続いている。
占領とは主権を奪われて、他国の支配のもとに置かれていることで、 ガザで自治が始まっても、主権がないため、経済開発も、貿易も、外交 も、イスラエルの同意がなければできない。 そのように軍事占領という服従状態にあり、その上に、封鎖されて、 人の往来も、物資の搬入も、厳しく制約されている。二重苦である。封 鎖は、国際人道法に違反する「集団懲罰」に当たるとされる。…
封鎖解除については、2010年6月に欧州委員会がイスラエルに全面的 な封鎖解除を求める決議を出した。 国連人権高等弁務官事務所でもガザの封鎖は非人道的として解除を求 めている。 封鎖によって、ガザの病院は、医療機器は壊れたままとなり、医薬品 も不足することになり、生命を日々おびやかされることになる。
イスラエルが封鎖を継続していることは、ガザに対して暴力をふるい 続けている状態と同じである。 現実には、占領はもちろん、封鎖までもが日常化しているため、パレ スチナ側からロケットが飛んでから初めて、イスラエルは「暴力だ」と 騒ぎ、「報復措置」を声高に言う。 欧米や日本のメディアもパレスチナ側がロケットを打つことが紛争激 化の原因だと報道する。
しかし、封鎖そのものが非人道的な暴力であるから、それに対してパ レスチナ側からは早晩、暴力が起こるのは避けられない。 そのことは分かっているのに、2007年以来、8年(2023年10月7日で 16年)にわたって、ガザが封鎖状態に置かれ、それを国際社会が放置して いるのは、信じられないことである。
.. 2024年12月27日 05:35 No.3161001
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