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■--12月8日集会アピール
++ とめよう! 原発依存社会への暴走 関電包囲大集会 (幼稚園生)…1回          

.12月8日集会アピール
 | 「とめよう! 原発依存社会への暴走 関電包囲大集会」
 | 老朽原発では圧力容器が脆化し配管や送電ケーブルの損傷も進む
 | 使用済み核燃料は行き場がない
 └──── 「とめよう! 原発依存社会への暴走 関電包囲大集会」
        参加者一同

◎ 原発は、地震や津波などの自然災害に脆弱で、現在科学技術で制御
できる装置でないことを、発生後13年半を経た東電福島第一原発事故お
よび本年元日の能登半島地震が、大きな犠牲の上に教えています。
 原発が、過酷事故を起こせば、人の生業(なりわい)を奪い、避難の
苦汁を強い、関連死する方も多数におよびます。

 巨大地震の発生が危惧される今、原発の早急な全廃が求められます。
 それでも、自・公政権は、数を頼んで成立させた原発推進法(いわゆ
る「GX束ね法」)の実態化のために、「原発の最大限活用」を謳う第
7次エネルギー基本計画の策定を進めています。

◎ 一方、原発依存経営にのめり込む電力会社は、加圧水型原発だけで
なく、沸騰水型原発である女川2号機を10月29日に、島根2号機を昨・
12月7日に再稼働させました。
 人の命と尊厳を蔑ろ(ないがしろ)にした「原発依存社会」への暴走
です。
 とくに、関西電力では、来年、稼働可能な原発7基の内の5基が運転
開始後40年を超える老朽原発となります。
 すでに50年を迎えた高浜1号機およびもうすぐ50年超えの高浜2号
機、美浜3号機は超老朽原発です。

◎ 老朽原発では、圧力容器が脆化し、配管や送電ケーブルの損傷も
進んでいます。危険度急増の老朽原発の即時廃炉を求めましょう。
 ところで、原発を運転すれば使用済み核燃料が発生します。その使用
済み核燃料を保管するプールが満杯になれば原発を運転できなくなるた
め、電力会社や政府は、放射線量と発熱量が減少した使用済み核燃料を
乾式貯蔵に移して、プールに空きを作ることに躍起です。
 しかし、使用済み核燃料の行き場として、原発推進勢力が稼働を願望
していた青森県の再処理工場の完成は、8月23日、27回目の延期とな
り、使用済み核燃料は行き場を失いました。
.. 2024年12月17日 05:48   No.3155001

++ 山崎久隆 (社長)…1703回       
稼働中原発は11基…女川2、大飯3、美浜3、高浜1、3、
 | 4、島根2、伊方3、玄海3、4、川内1(女川は東北電力、
 | 大飯、美浜、高浜は関西電力、島根は中国電力、伊方は四国電力、
 | 玄海、川内は九州電力)
 | 2024年12月15日現在の原発稼働状況
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

電力会社 号機 状態 運転開始日  停止日 出力(万kW)
東北電力 女川2 運転中 2024.12.05        82.5
関西電力 美浜3 運転中 2024.11.21 82.6
   大飯3 運転中 2024.04.07      118
   大飯4 定検中 2024.12.14 118
   高浜1 運転中 2024.08.28      82.6
   高浜2 定検中 2023.11.06 82.6
   高浜3 運転中 2023.12.25      87
   高浜4 運転中 2024.04.24      87
中国電力 島根2 運転中 2024.12.07      82
四国電力 伊方3 運転中 2024.10.18      89
九州電力 玄海3 運転中 2024.02.02      118
   玄海4 運転中 2024.06.03     118
   川内1 運転中 2024.08.29      89
   川内2 定検中 2024.09.14 89
合 計 14基中 運転中11基 停止中3基  1035.7/1325.3

.. 2024年12月17日 05:54   No.3155002
++ 山崎久隆 (社長)…1704回       
女川原発と島根原発に迫る大地動乱
 | 半島部に建つ原発からの避難はとても困難
 | 再稼働強行を強く批判し、運転停止と廃炉を求める (上)
 | (2回の連載)
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 今年10月から12月にかけて、東日本では東北電力女川原発2号機が、
西日本では中国電力島根原発2号機が、それぞれ再稼働した。
 原子力関係者にとって沸騰水型軽水炉(BWR)の再稼働はいわば
「悲願」である。
 これまでは西日本で再稼働してきた原発が全て加圧水型軽水炉(PW
R)だったが、東日本大震災後13年余を経て立て続けに東電福島第一原
発と同型の沸騰水型軽水炉が再稼働したことで「大きく前進した」と考
えている。
 世界では圧倒的にPWRのシェアが大きく、BWRは少数派。前者は
約300基に対して後者は約40基しかない。日本では東電が17基もBWRを
建設したこともあり半々程度だった。

 しかし東日本大震災以後、再稼働した12基は全てPWRで、現時点は
12対2、新規制基準適合性審査を受けている原発を含めても16対11
である。
 言い換えるならばBWR型が再稼働しなければ、2030年に20から23%
の電力を原発で作るという、第6次エネルギー基本計画の達成は到底不
可能だ。
 従って、BWR再稼働は国の政策でもあった。安全性などの考慮は
最初から存在しないのである。

★2024年能登半島地震の教訓は

 今回再稼働した2つの原発には共通点がある。それは、半島部に建つ
原発で、周辺住民の避難はとても困難だということだ。

◎東北電力女川原発2号機

 2024年11月15日に再稼働した。津波対策として海抜29mの防潮堤を建
設するなど、安全対策に巨額の投資をし、沸騰水型軽水炉として初めて
再稼働した。

◎中国電力島根原発2号機

 2024年12月7日に原子炉を起動した。福島第一原発事故の翌年に定期
検査のために停止して以来、12年10カ月間止まっていた。地震や津波に
よる重大事故を防ぐ安全対策工事を進め、11.9mの津波対策として15m
の防潮堤を建設した。
 半島部に建つ原発が、地震や津波でどのような被害を受けるか、その
ことを示したのが能登半島に建つ北陸電力志賀原発だ。

.. 2024年12月24日 05:13   No.3155003
++ 山崎久隆 (社長)…1705回       
 2024年1月1日に発生した能登半島地震において、志賀原発周辺も震
度7の大きな揺れに遭遇した。その影響で道路は寸断され、地盤が隆起
したことで船舶の接岸も不可能になった港が多数生じた。
 こうした現実を目の当たりにして、原子力防災の実効性に深刻な問題
が生じたと誰もが思った。
 ところが原子力規制委員会は、これについて「能登半島地震への対応
に問題はない」と述べ、大幅な見直しにはならない考えを示した。
 多数の家屋倒壊や道路寸断が発生したことを踏まえた見直しの必要性
を問われても、「現在の指針や自治体が策定する地域防災計画で対応で
きる」と述べるだけだった。(東京新聞2024年1月17日『原子力災害対
策指針を見直しへ…でも規制委は大幅変更を否定 能登半島地震で「避
難の前提」総崩れになったのに』より)

 能登半島の地形と地質から、こうした問題が生じることは分かって
いた。
 しかし4mも地盤が隆起したり、高規格の道路である「のと里山海
道」が全面的に使えなくなる、能登空港へのアクセスが完全に遮断され
るなどは想定もしていなかった。これらが原子力防災での避難の基幹施
設だった。
 加えて、21箇所設置されていた「屋内退避施設」のうち、6箇所が損
害を受け、2箇所が破壊されて使用不能になった。
 これは、原発から20km以上も離れたところで発生した地震の影響で
ある。原発の直下で起きれば、これより遙かに多くの被害があったこと
は想像に難くない。

 原子力規制委は課題として捉えたのか。そうではなかった。
 地震と原発事故の「複合災害」に対する見解は『各地域の地域防災計
画・避難計画においては、家屋倒壊が多数発生する場合には、地震に対
する避難行動を最優先で行い、地方公共団体が開設する近隣の指定避難
所で屋内退避するほか、当該指定避難所への屋内退避が困難な場合に
は、UPZ外に避難することとしていることから、複合災害時の基本的
な対応は示されている。』というものだ。
 施設が破壊され道路が寸断し、港も使えない。そんな現状は無視され
たのだ。             (下)に続く
     (初出:2024年12月発行「月刊たんぽぽ舎ニュース」No348)

.. 2024年12月24日 05:19   No.3155004
++ 山崎久隆 (社長)…1706回       
女川原発と島根原発に迫る大地動乱
 | 半島部に建つ原発からの避難はとても困難
 | 再稼働強行を強く批判し、運転停止と廃炉を求める(下)(了)
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

★女川原発の防災体制の問題点

 女川原発の場合、原発が半島基部に建っている。さらに町の中心部は
低い土地にあるため、津波により水没してしまう危険性が高い。
 実際、2011年3月11日の東日本大震災では、低い地域が水没し、住民
の多くは高台に避難し、原発も高台にあるため364名が原発に避難した。
 周辺の道路が寸断され、物資が不足する厳しい状況であり、他に避難
できるところがなかった。
 原発は海抜14.8mに位置していたが、地震の衝撃で1m地盤沈下した
ところへ13mの津波が押し寄せた。

 2号機の原子炉建屋が浸水し、熱交換器や冷却ポンプ室が水没した。
 しかし非常用ディーゼル発電機と外部電源が一系統残っていたため、
福島第一原発事故のような被害は免れた。
 津波があと数メートル高かったら、福島第一原発と同じ運命を
たどっていた可能性が高い。

 女川原発の重大事故時の避難計画では、原則として船で避難した後、
自治体が準備したバスなどで内陸部の避難所へ向うとされる。
 天候状況などによってはヘリも活用することになっているという。
津波に襲われて船で避難できるというのは、幻想に過ぎなかろう。

 日本海溝沿いの地震は、2011年の東日本太平洋沖地震だけではない。
 更に北側の千島列島にかけての海溝沿いや、海溝の先の「アウターラ
イズ」と呼ばれる地震など、多数の地震の巣がある。
 30m級の津波が来ないという保障などない。

★島根原発の防災体制の問題点

 島根原発の5キロ圏内人口は約1万人だが、30キロ圏内には約46万人
が住む。
 県庁所在地の松江市に加え鳥取県側にも境港市があるため、東海第
二(92万人)、浜岡(90万人)に続き日本で三番目に人口が多い。
 しかも半島の先端部に建つ原発で、アクセスが悪い。放射性物質の拡
散状況によっては原発事故時の支援さえも難しい。

.. 2024年12月26日 05:25   No.3155005
++ 山崎久隆 (社長)…1707回       
 防災体制についても大きな問題がある。
 島根県東部は2021年7月6〜12日にかけ梅雨前線の活発化で線状降水
帯が発生、記録的大雨に見舞われた。
 島根原発がある島根半島では土砂崩れや冠水が相次ぎ、海沿いに点在
する集落をつなぐ道路は寸断され孤立する地区もあった。
 原発の東13kmほどの松江市美保関町北浦地区にある「松江鹿島美保
関線」脇の斜面が、延長30m、高さ25mにわたって崩落し、1カ月以
上、通行止めが続いた。ここも重要な避難道路の一つだ。

 能登半島では2024年1月1日に発生した地震に加え、9月の集中豪雨
と線状降水帯の発生により土砂崩れが多発し、主要避難道路が寸断され
たが、似たような状況は島根半島でも起きていた。
 原発事故は地震と津波の発生がきっかけになる可能性は高い。日本で
はこれまで原発が地震に遭遇した際、大きな損傷を受けたり、基準地震
動を超えたりするケースが続出した。そして2011年3月11日に東北地方
太平洋沖地震で福島第一原発がレベル7の事故を起こした。

 島根原発の近傍には、大きな活断層が存在していることが分かって
いる。
 宍道(しんじ)断層だ。
 この断層について中国電力は、島根原発建設時には活断層と考えてい
なかった。
 3号機の調査で無いはずの断層が確認された。そのときは8kmとさ
れていた。
 変動地形学者の中田高氏や渡辺満久氏らが、この断層はもっと大きい
と指摘していたが、設置許可時には原発に影響のない断層とされていた。

 しかし研究者らによる宍道断層の調査が重ねられた結果、断層の規模
がはるかに大きいことが明確になったことで8kmから10km、さらに
は22km(2008年3月中間報告書)と変転し、現在はこれが39kmの長
さになり、それに合わせて基準地震動も820ガルにまで高くなっている。

 中国電力と国の立地評価のいい加減さに呆れるばかりだが、宍道断層
が実際に活動した場合、39km以内で活動する保障もない。
 こうした「断層値切り」「過小評価」は何処の原発でも起きていた
が、島根原発の場合は存在すら否定していたのだ。
 こうした問題を抱えていながら再稼働を強行したことに対し強く批判
し、運転停止と廃炉を求める。
(初出:2024年12月発行「月刊たんぽぽ舎ニュース」No348)

.. 2024年12月26日 05:32   No.3155006


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