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ありがとう、菅直人さん−原発を止めた総理大臣 | 東電福島第一原発事故時、「東電の現場からの撤退」に反対した | 首相(当時)の判断で中部電力浜岡原子力発電所に停止要請した └──── 上岡直見(環境経済研究所代表)
◎ 菅直人元首相は2023年秋から引退を表明していたが、今回の衆議院 解散を前に2024年10月8日の記者会見で正式に引退を発表した。 民主党政権は2009年9月から2012年10月までだが、そのうちまともな 民主的政権と言えるのは菅直人内閣(第1次・第2次)の2010年6月か ら2011年9月だけではないだろうか。
菅直人内閣での最大のできごとは、何といっても東日本大震災と福島 第一原発事故である。 地震直後の菅直人氏の「半泣き会見」は多くの人に強い印象を残した。 この時点では福島第一原発の深刻な事態は明らかになっていなかった が、これだけ国民と危機感を共有する姿勢を示したのは、日本の憲政史 上で菅直人氏だけではないか。
またこの時の枝野官房長官は、緊急時にもかかわらず記者会見では終 始温厚な態度で、質問を打ち切らずていねいに答え、高い評価を受けて いる。 これに対して2016年の熊本地震の時、当時自民党政権の菅義偉官房長 官が、しどろもどろで「震度7強」などと荒唐無稽な数字を口走ったの とは雲泥の差である。もっとも最近の枝野氏は精彩を欠くが。
◎ 当時の3月15日未明に東京電力が現場からの撤退を示唆した際に、 菅直人氏が「撤退はあり得ない」と強く指示したことがその後の展開を 大きく変えた。 菅直人元首相の指示がなければ、すなわち事故時に自民党政権で あったら、あるいは民主党であっても他の首相の政権であったら、東電 の言いなりでさらに被害が拡大したことは確実である。 後に推進派が「菅直人元首相のミスリードで被害を拡大した」などと デマを流したが、事実は全く逆である。
.. 2024年10月12日 07:14 No.3120001
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