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建設撤退 東芝巻き添え 地球上で最も高価な原発 米国ボーグル原発−2基で4兆6000億円も−東芝破綻
米南部ジョージア州で原発新設が原因で電気料金が急上昇し、市民が 怒りを爆発させている。 原発大国の米国で34年ぶりに建設許可された原子力業界期待のプロ ジェクトだったが、予期せぬトラブルで工期や費用が膨らんだ。それ は日本の名門企業を揺るがす事態にも発展した。
米原子力規制委員会(NRC)がボーグル原発3、4号機の増設計画 を承認したのは2012年だった。 メーカーは米ウェスチングハウス(WH)。 「原発ルネサンス(復活)」(米エネルギー省)と期待を集めたもの の、実際に工事が始まるとトラブルの連続だった。
米エネルギー省は2023年3月に公表した報告書で、ボーグル原発の工 事の遅れの主な原因を分析している。 まず現場の作業で不具合が多く、再工事に時間を要してしまった。 下請け業者から部品や材料の納入が遅れたり、納入品が基準を満たし ていなかったりすることもあった。 建設作業員の生産性が想定より低かったうえ、的確な作業指示やスケ ジュール管理ができなかった。 必要な労働者をなかなか確保できず、新型コロナウィルス禍が人手不 足に追い打ちをかけた−としている。
一方、根本的な原因として、米国では原発の新規建設計画に30年以上 の空白期間があり、現場の細かなノウハウが失われていたとの指摘も ある。 ボーグル原発工事の遅れはWH社の経営を圧迫。2017年3月、WH社 は経営破綻に追い込まれた。
そのWH社の親会社だったのが日本の東芝だ。 世界的な原発需要の拡大を見込み2006年に数千億円を投じて買収した が、福島第一原発事故の影響もあり経営の足を引っ張られた。 経営破綻を受け、東芝はWH社がボーグル原発から撤退するために37 億ドル(現在のレートで約5500億円)の債務保証を支払ったが、この際 の損失が、後に日本で大騒動となる「東芝破綻」の要因となった。
.. 2024年10月10日 08:29 No.3119001
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