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■--世界の英知集め廃炉を
++ 東京新聞 (社長)…3150回          

世界の英知集め廃炉を     寺田暁弘(東京都八王子市)

 東京電力は、福島第一原発2号機の溶融核燃料(デブリ)を採取する作
業に失敗した。パイプをつないで格納容器に差し込みデブリを取り出す
計画だったが、パイプの並び順が違うことに気付き中断した。
 お粗末な話だ。外注任せで確認を怠りながら「初歩的ミス」と言い繕
う東電の無責任な体質は相変わらずだ。
 こんな調子でいつまでも国民に負担を強いて、廃炉できるのか疑問だ。
 1〜3号機のデブリ総量は推定880トンと言われているのに、わずか3
グラムのデブリ採取にすら失敗した。
 東京電力任せでなく、世界中から英知を集め考えなければ、廃炉は不
可能ではないのか。
 国内の原発でまた事故が起きれば、電力会社はもちろん日本政府にも
事態は収束できないだろう。原発の在り方を考えるべきだ。
        (9月25日「東京新聞」5面「発言」読者とともに)
.. 2024年09月28日 09:23   No.3110001

++ 東京新聞 (社長)…3151回       
遺骨土砂使用に怒り    比嘉順子(沖縄県うるま市)

 沖縄の山野や森の奥のガマ(自然壕)に分け入り、暗闇の中で帽子に付
けた小さなヘッドライトで照らし、目を凝らす。
 戦没者の骨片を小さなクワとねじりカマを使って探す。
 映画のタイトルである「骨を掘る男」別名ガマフヤー(壕を掘る人)の
具志堅隆松氏である。
 28歳から40余年もの間、遺骨収集に携わり、石灰岩のかけらと土色に
染まる遺骨を瞬時に見分ける。
 頭、足、腕、乳歯や臼歯、兵士、老若男女…。上半身がなく下半身が
残る遺骨は女学生の手りゅう弾自決が推測されるという。

 これまで400柱余を探し出し、埋まっていた遺骨に日の光を当てている
ことに深く感銘した。「あと10センチで出会えるかもしれない遺骨の声
なき叫びを拾いたい」との思いで掘り続けている。
 映画では漆黒の闇に紛れて立つ姿がなぜか仙人のように見えた。
 沖縄戦の激戦地となった遺骨の埋まる南部の土砂を辺野古新基地建設
の埋め立てに使用するらしいが、戦没者を奈落の底に突き落とす行為
で、怒り心頭に発する。
           (9月25日「東京新聞」5面「発言」つながる
            オピニオン 琉球新報より)

.. 2024年09月28日 09:30   No.3110002
++ 東京新聞 (社長)…3152回       
どっちになっても
             大矢英代(カリフォルニア州立大助教授)

 米大統領選挙投開票日まで1カ月余り。「もしトラ(もしもトランプ
氏が再当選した場合)」やハリス氏の生い立ちなど、大統領選の話題で
盛り上がる日本の様子を、海の向こうの米国から見ていると、ちょっと
奇妙に思えてくる。
 投票権もない人たちがなぜ他国のリーダー選びにこんなに関心を寄せ
るのか。

 もはや言うまでもない。大統領選の行方が気になって仕方がないの
は、それが米国だからである。
 国際情勢に関心を持つなと言っているわけではない。
 ただ、世界的な選挙イヤーの今年、南アフリカ総選挙(5月)、メキ
シコ大統領選(6月)など、世界各国で主要な選挙が行われてきた
 が、それらに対する日本人の関心度は米大統領選のそれの比ではない。
米大統領選1カ月後には、ガーナ大統領選があるが話題にすらなってい
ない。

 新しい米大統領が誰になるのかで日本の行く末が決まってしまうと
思っている、日本人の対米追従の姿勢の方が選挙戦よりも気がかりだ。
 今度の自民党総裁選はなんと候補者9人全員が改憲派。憲法への自衛
隊明記や緊急事態条項の創設など、どっちが米大統領になっても、日本
政府は米政府の国策を支える道を一直線に進むだろう。
 私たちは、主権なきこの国をどうするのか。
 まずは自分たちの土台の話をしよう。
      (9月23日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)

.. 2024年09月28日 09:37   No.3110003
++ 週刊新社会 (中学生)…32回       
証拠捏造(ねつぞう)の袴田事件
  証拠は「捜査機関(注)による偽造の疑い」(判決文)
               沈思実行(210)
鎌田 慧(ルポライター)

○ 今月26日、静岡地裁は、死刑囚・袴田巖さんの再審判決で、無罪判決
を出す。それにはまちがいはない。
 しかし、問題なのは、検察側が抗告しないかどうかだ。
 10年前の2014年3月、静岡地裁は再審開始決定を出した。
 が、検察側が抗告して、東京高裁が再審決定を取り消した。そのため、
10年間も無罪判決が引き延ばされてきた。
 それでも、袴田さんは「これ以上、拘置を続けるのは耐え難いほど正義
に反する」との村山浩昭裁判長の英断によって、即時釈放となった。

 47年ぶりに姉ひで子さんと暮らせるようになった。判決文に、証拠は
「捜査機関による捏造の疑い」があると断じている。袴田さんは無実の
「死刑囚」として、巷(ちまた)の人たちに見守られながら街を闊歩
している。不思議だ。
 事件発生は1969年6月。清水市(現静岡市)で発生した「味噌工場」
専務一家4人の殺人と放火事件だった。その容疑者として従業員の袴田
さんが逮捕されて、すでに58年2ヶ月がたった。

○ 最高裁で死刑が確定してから袴田さんは、まるで死刑執行の恐怖
から逃れるように、意識が世間から乖離して夢の中にいるようだ。
 村山裁判長によって、「偽造」と判断された証拠とは。味噌タンクの
中に隠されていた、5点の衣類である。
 最初の「証拠」は袴田さんのパジャマだった。
 ところが、それには4人を刺殺したにしては、血痕の付着がなかった。
 それで後から「証拠」とされたのが下着など5点の衣類だった。

 しかし、それらは1年以上も味噌に漬けられていたというにしては、
血液の赤みが残っている、というものだった。本来なら、酸化して黒ず
むはずである。
 そればかりか、袴田真犯人を証明するために出してきたのが、味噌漬
けになっていた半ズボンの「とも布」である。袴田さんの実家から押収
した生地と同一のものだ、と鑑定された。
○ しかし、その「とも布」も家宅捜査の時に警察官がもちこんだ
ものだった。
             (9月18日「週刊新社会」第1371号より)
(注):「捜査機

.. 2024年09月29日 08:46   No.3110004
++ 東京新聞 (社長)…3153回       
◆核燃料、初の中間貯蔵開始 東電柏崎原発使用済み69体搬入

 青森県むつ市にある国内唯一の中間貯蔵施設で、「最長50年」を期限と
する使用済み核燃料の一時保管が26日、始まった。原発外の専用施設での
燃料保管は初めて。再稼働に備え、保管場所の逼迫解消を進める東京電力
柏崎刈羽原発(新潟県)の燃料69体を同日、受け入れた。施設からの搬出
先となる再処理工場は未完成で、「仮置き」が恒久化する懸念が残る。
 使用済み燃料は全国の原発で増え続けている。むつ市の施設を運営する
「リサイクル燃料貯蔵」(RFS)は東電と日本原子力発電が共同出資。
2社の燃料を最大で5千トン受け入れる。

 燃料69体を入れた、長さ約5・4メートル、直径約2・5メートル、
重さ約120トンの金属製の容器1基を積んだ専用の運搬船は24日、柏崎原
発敷地内の港を出発。26日朝、むつ市の施設近くの港に入り、同日午後、
容器を輸送車両で敷地内に運び込んだ。検査を経て10月末に正式に操業を
始める。東電は2025年度に容器2基(燃料138体相当)、26年度に5基
(345体相当)を移送する計画。 
(9月26日 18時03分 東京新聞(共同通信)配信)

.. 2024年09月29日 08:52   No.3110005
++ 茨城新聞クロスアイ (小学校高学年)…23回       
風化防止訴えデモ行進 臨界事故 30日で25年
  東海村で市民団体 茨城

 茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事
故から30日で25年を迎えるのに合わせ、同村内で29日、事故を教訓と
し、原子力問題を考える集会やデモ行進が行われた。
 同村石上内宿の石神コミュニティーセンターで開かれた集会で、参加
者は事故の風化防止や原発再稼働の反対を確認した後、JR東海駅まで
デモ行進した。

 集会は原水爆禁止日本国民会議や茨城平和擁護県民会議など六つの市
民団体が主催。各団体の関係者や村内外の住民約200人が参加した。
 「臨界事故を語り継ぐ会」の大泉実成さん(62)=同県日立市=は、事
故でJCOの作業員2人が死亡し、自身の両親も被ばくした後に健康被
害に苦しんだことに触れ、「原子力事故の深刻さや被害者救済の難しさ
を知ってほしい」と訴えた。

 臨界事故と2011年の東京電力福島第一原発事故で多くの被ばく者が出
たことから、これ以上の被ばくへの恐怖をなくすため、日本原子力発電
東海第二原発をはじめとする原発の再稼働阻止を目指すなどとした「集
会アピール」が読み上げられた。
 集会後、参加者は「原発はいらない」と書かれた横断幕を掲げ、「臨
界事故を忘れないぞ」などとシュプレヒコール、東海駅までの2.3キロを
行進した。  (中略)

 犠牲の2人追悼

 同村舟石川駅東3丁目の村産業・情報プラザで開かれた集会では、脱
原発と再生可能エネルギー推進により事故を繰り返さないとする
アピールが採択された。  (中略)
 臨界事故の犠牲となった作業員2人に対し、参加者82人が黙とうをさ
さげて追悼した。
 田村武夫(茨城大名誉教授)集会実行委員長は「政府は脱炭素を理由に
原発依存の方向性を打ち出したが、日本は再生エネルギーで十分な電力
が賄えるとの研究報告がされている」として、原発ゼロを訴えた。

 その後、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の吉原毅会長が講演。
 「原発推進は原子力に関わる人々の地位や財産を守りたい気持ちが原
因」と述べ、コストも高いとした上で、代替電源として農地を利用した
太陽光発電「ソーラーシェアリング」の可能性を指摘した。
 集会には前東海村長の村上達也氏も駆け付けた。県内27市町村の首長
もメッセージを寄せた。 9月30日

.. 2024年10月02日 05:16   No.3110006
++ 毎日新聞 (社長)…422回       
【近事片々】より

 ・「平和」を巡る討論が熱帯びる国連総会。
 ・「国際法に違反しても処罰されない…多くの国がやりたい放題だ」
    (事務総長)
  「死んでいるのはガザの子供だけではない。国連システムもだ」
    (トルコ大統領)
 ・「歴史の転換点」と警鐘を鳴らすも、去りゆく米大統領に指導力
  乏しく。秩序揺らぐ世界はどこへ向かう。
              (9月26日「毎日新聞」夕刊1面より)

 ・固執した「証拠」は「捏造」と指弾され、主張した「犯罪」は
  「冤罪」と断じられた。無実の人の人生を奪った「犯罪」に、その
  自覚はないか。  (9月27日「毎日新聞」夕刊1面より)

 ・5度目の挑戦でつかんだ自民党総裁の座。
  裏金問題で失った信頼を取り戻せるのか。その手腕が問われている。
 ・本当に「派閥なき総裁選」だったのか。実力者の影もちらついた。
  党役員や閣僚の人事で答えが出される。
 ・「防災省」創設が語られる中、被災地の困難は続く。
  能登豪雨の発生から1週間。
             (9月28日「毎日新聞」夕刊1面より)

.. 2024年10月02日 05:26   No.3110007
++ 東京新聞 (社長)…3154回       
東海村で原子力安全対策懇談会
  住民代表が不安の声「再稼働は恐怖でしかない」
  防潮堤や避難計画で議論

 日本原子力発電東海第二原発など原子力関連施設が集積する茨城県東
海村で2日、住民や有識者による原子力安全対策懇談会が開かれ、東海
第二の防潮堤の施工不良や村の広域避難計画について議論した。
 住民代表の委員からは、原発事故時の避難の困難さを念頭に「(東海第
二の)再稼働は恐怖でしかない」との声も聞かれた。(竹島勇)

 懇談会は、1999年に村内にある核燃料加工会社「ジェー・シー・
オー(JCO)東海事業所」で起きた臨界事故を受け、村が2000年4月に
設置。住民や有識者計15人で構成し、毎年開いている。(中略)
 原電側は、昨年6月に防潮堤の基礎部分でコンクリートの未充填(
じゅうてん)などの施工不良が見つかり、一部工事がストップしている
ことや、その対策のため、今年9月としていた工事完了時期を2026年12
月に延長したことなどを説明した。(中略)

 一般公募の女性委員は、計画で自家用車での避難が原則とされている
点を「渋滞して避難しきれない」と指摘。「村で安全神話を教えられて
きたが、JCO事故が起こった。(東海第二の)再稼働は決まっているん
でしょうか」と語気を強めた。(中略)
 反原発を訴える阿部功志村議(無会派)は懇談会傍聴後、本紙の取材に
「議会でもただしたが、委員をどう選んでいるのか不透明。原子力関連
施設に勤務経験のある3人が実務経験者枠となっているが、利害関係者
で中立とはいえない」と話した。
            (10月3日「東京新聞」茨城版より抜粋)

.. 2024年10月06日 08:18   No.3110008
++ 東京新聞 (社長)…3155回       
原発再稼働なしでも電力に余力 猛暑の今夏 節電要請なし
  市民団体「太陽光発電が寄与」 石破首相、「脱原発」の主張後退

 記録的な暑さになった今年の夏、政府の消費者への節電要請はなかった。
 電力供給の余裕を示す「予備率」が落ち込む日はあったが、需給逼迫
の警報や注意報も発令していない。東京エリアでは、東京電力が柏崎刈
羽原発(新潟県)の再稼働に向けた手続きを進める中、原発が動いていな
くても乗り切った。(鈴木太郎) (後略)
             (10月3日「東京新聞」朝刊1面より抜粋)

.. 2024年10月06日 19:18   No.3110009
++ 東京新聞 (社長)…3156回       
 ◆「なぜ」の追求を
  ジャーナリストの役割のひとつは 「ウオッチドッグ(番犬)」である
             大矢英代(カリフォルニア州立大助教授)

 米国でジャーナリストの教科書とも言われている「エレメンツ・オ
ブ・ジャーナリズム」(ビル・コバッチ、トム・ローゼンスティール
著、和訳「ジャーナリストの条件」、翻訳、澤康臣)の中で、著者のベ
テラン記者ふたりは、ジャーナリストの役割のひとつは「ウオッチ
ドッグ(番犬)」であると書いた。
 「この社会の多数派である市民に代わって、権力を持つ少数派を監視
し、暴政を防ぐ」。

 使命を怠った結果、どうなるのか。
 最たる例が、袴田さんの冤罪(えんざい)事件である。
 先週の再審無罪判決を受けて、本紙を含め一部のメディアが一連の
事件報道において警察や検察に肩入れした報道を行ったとして謝罪記事
を掲載した。謝罪は大事ではある。
 しかし、これで終わらせてはならない。
 なぜ、報道機関は軒並みそろって権力に偏ったのか。
 なぜ、弁護側の視点が欠けたのか。
 なぜ、冷静な判断ができなかったのか。
 各報道機関は当時の担当記者やデスク、警察・検察などに聞き取りや
調査をして、「なぜ」の追求を徹底してほしい。

 脅しを伴う非人道的な取り調べやねつ造。
 菟罪という公権力による重大な人権侵害にメディアが加担してし
まった過去を消し去ることはできない。
 しかし、二度と繰り返さない選択はできる。
 謝罪は一歩目。メディアの二歩目を読者は待っていると思う。
  (9月30日「東京新聞」朝刊17面「本音のコラム」より)

.. 2024年10月06日 19:25   No.3110010


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