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爆発的な変化を理解するのに不可欠な「指数関数」についてです。私たちが世の中の急激な変化に直面したとき、その背後に指数関数が隠れているケースが非常に多いのです。コロナ禍やシンギュラリティ(技術的特異点) など、変化のスピードが非常に速い出来事の核心には、指数関数があります。
指数関数は、いわば人類を翻弄する「スピード狂」のような存在です。指数関数は、「掛け算」を深く追究することで生み出された関数です。理解のために、ドラえもんのひみつ道具 「バイバイン」 (てんとう虫コミックス『ドラえもん』 第17巻、第1話)に登場してもらいましょう。
バイバインは液体状の薬品で、何かに振りかけると、それが5分ごとに2倍の数に増えていくというものです。のび太君は、栗まんじゅうを食べてもなくならないようにできないかとドラえもんに相談し、バイバインを出してもらって栗まんじゅうに振りかけました。
すると、栗まんじゅうが増えていくので最初は喜んだのですが、途中から食べきれなくなってごみ箱に捨ててしまいます。それを知ったドラえもんは大慌てになりました。なぜ慌てたのでしょうか?具体的に、栗まんじゅうがどれくらいの勢いで増えていくか。
最初は1個だった栗まんじゅうは、5分後に2個に増えます。そして10分後には、2個ある栗まんじゅうのそれぞれが2個に分かれるので、合わせて4個 (2×2=4) になります。15分後 には、4個ある栗まんじゅうのそれぞれが2個に分かれるので、合わせて8個 (2×2×2=8) になります。
8個くらいならのび太君でも食べられそうですが、ここからが問題です。5分経過するごとに栗まんじゅうは16個、32個と倍々ゲームで増えていくので、その個数は急激に増加していきます。
計算してみると、たった2時間半で約10億個に達し、5時間で約100京個を超えてしまうのです(京は、1のあとにゼロが16個続く数)。のび太君の胃袋に収まり切らないどころか、地球を埋め尽くしてしまいます。
.. 2024年09月19日 08:33 No.3105001
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