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◎ 問題は、原発などの大規模な発電所が不足しているのではなく、電力 システムの問題なのだ。 特に、再生可能エネルギーの大きな供給力を有するのは北海道や九州 で、消費地から遠い。従って、これらの電力を広域的に融通するシステム を構築すれば有効活用ができる。 また、日中に発電する太陽光については、蓄電システム(バッテリー だけではない。物理的な蓄電システムもある)を構築すれば夜間も使える。
◎ 電力のリスクは、発電所不足にあるのではない。台風や地震に脆弱な 広域に張り巡らされた送電システムや、老朽化した火力、大規模発電所 に依存している供給システムにある。 これを解決するには、小規模で環境負荷の少ない発電所と、蓄電シス テムの接続、コンパクトな送電網の構築が喫緊の課題だ。 日本のように、地震や台風災害の多発する国では、大規模な発電所が 停止するリスクがそのまま大規模停電の引き金になる。
◎ 北海道で最大震度7の北海道胆振東部地震が起こったのは、2018年 9月6日3時7分。この地震にともない、北海道エリアにおいて、3時 25分、日本で初めてとなるエリア全域におよぶ大規模停電(ブラック アウト)が発生している。 台風被害では、2019年9月23日に千葉でブラックアウトが発生した。 台風15号は千葉県房総で鉄塔2基、多数の電柱をなぎ倒し、約100万戸 の停電が発生、千葉県内では16日になっても6万戸が停電したまま。 東電は他電力会社の応援を含め16,000人で復旧作業を行ったが完全復旧に 3週間を要している。 こうした自然災害に原発も極めて脆弱である。
◎ 原発そのものに重大な損害がなくても、原発の基礎盤付近で120ガル 程度の揺れが観測されれば自動停止する。 安全のため自動停止する設計になっているので、安全上止めなければ ならない。その後点検して、安全確認後に運転開始できても1週間程度 は止まっている。 地震被害で電力が必要な時期に原発は動かない。南海トラフの地震な どが発生すれば、西日本全域の原発は止まると考えられる。 浜岡や伊方は甚大な被害を受ける危険性が高いし、福井県や九州の原発 も危険にさらされるだろう。
.. 2024年09月22日 07:05 No.3103004
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