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■--原子力損害賠償法に上限おかしい!
++ 山崎久隆 (大学生)…94回          

法案可決に抗議する

◎東電は免責になるか?
 「原子力損害賠償支援機構法案」という名の東電救済法案が国会に上程された。
このような恐ろしい法案は早々に廃案にすべきだ。
 このような法案を作った背景には、原子力損害賠償法免責条項の適用を主張しない代わりに賠償責任を負うとした東電のしたたかな戦略があると思われる。
 東電の勝俣会長は、株主総会において今回の原発震災は、原子力損害賠償法の第三条ただし書きにある「その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるとき」は免責に当たるとする条文を盾に、「東電も免責になると考えられる」などと答弁した。これを適用されれば、被災者を救済できないから、
敢えてこの条文適用を主張せず、被災者に補償をすると言い出した。しかしこれは全くの間違いである。そもそも東電は免責になどならない。
 異常に巨大な天災地変とは、少なくても福島第一原発を襲った津波や地震動そのものが「異常な」ものでなければならない。地震そのものがどんなに大きかろうと、
あるいは人類史上最大の津波が発生した地震であろうと、それに直接遭遇し被災しない限りは「異常な天変地変」に遭遇したなどと言えない。しかるに、東電は単に
東北地方太平洋沖地震のエネルギーがマグニチュード9であるから、免責に当たるなどと言い出した。全くのデタラメである。
 原倍法の立法段階で、免責についてどのように考えられていたか、参考となる文献がある。ジュリスト190号の加藤一郎「原子力災害補償立法上の問題点」で
ある。少し長いが引用する。
 (2)免責事由
 「一般理論からすれば、不可抗力が一般的な免責事由になる。不可抗力としては、戦闘行為(たとえば爆撃)地震、風水害などが考えられるが、その内容は必ずしも
明確でない。地震の例をとれば、第一に、一般に起りうる程度の地震で原子炉が破壊されたとすれば、それは不可抗力ではなく、はじめからの設計や管理に瑕疵があったことになり、現行法の下でも責任が生じうるであろう。その場合に、どの程度の地震が一般に起りうるものと考えてよいかという基準の問題が起るが、原子炉では、ひとたび事故が起れば大災害の生ずるおそれがあるから、少なくともわが国でわれわれの経験した最大の地震にも堪えうるようになっていなければいけないし、さらに、それに相当の余裕を見て科学的に予想しうる最大の地震にも堪えうるようにしておくべきであろう。この
ように同じく不可抗力といっても、原子炉のように危険性が大きくなれば、その範囲を狭めて考えていくのが合理的だと思われる。
.. 2011年08月06日 07:23   No.309001

++ 山崎久隆 (大学生)…95回       
 第二に、それでも、われわれの予想をこえるような大地震が起きれば、それはいちおう不可抗力といわざるをえない。それも、そもそもそういう危険のある施設を
作ったために被害が起ったのだから、設置者が責任を負うべきだという絶対的な無過失責任も立法論として考えられるが、因果関係の点からいえば、その場合には、
施設の設置と損害の発生との間の因果関係が不可抗力によって中断されているとも見られるから、少なくとも一般理論からすれば責任を認めることは困難であろう。」
 では、東日本太平洋沖地震は「我々の経験した最も大きな地震を超えたか」が問題である。先に述べたように、地震のエネルギー自体は問題ではない。海溝地震で
ある以上、震源は海の下。最も強大なエネルギーは海底に生じた。その結果巨大な津波は発生したいが、最も高い波が襲ったのは宮城県であり、福島ではない。福島第一原発を襲った津波の波高は東電自身が13m程度と見なしており、最大級の宮古における波高の半分程度だ。また、地震動は600ガルであり、これは福島第一原発が見直された耐震設計審査指針に基づき自ら設定した基準地震動とほぼ同じである。
 津波も地震も、およそ常識的な範囲であり、とても「我々の経験した最も大きな」ものなどではない。第一、これよりももっと大きな揺れにより被災した柏崎刈羽原発(中越沖地震)では炉心溶融は起きていない。さらにもっと高い津波に襲われた女川原発でも炉心は破壊されていない。何処をとっても「免責」になどなるわけがない。

.. 2011年08月06日 07:29   No.309002
++ 山崎久隆 (大学生)…96回       
◎東電を破綻処理せよ
 福島第一原発が炉心溶融を起こした最大の理由は、地震と津波への備えがそもそもなっていなかったからだ。地震に遭遇した段階で、既に外部電源を全て失った。
送電線が全て遮断され、以後10日間も復旧しなかった。さらに非常用ディーゼル発電機はタービン建屋の地下にあり、津波の浸水で壊滅した。この津波、13mもあったから電源が破壊されたというわけではない。敷地標高はわずか10m、つまりこれを超える津波が侵入したら持たなかったのだから、10mだろうと13mだろうと何ら違いは無い。また、確率的安全性評価においては、既に明確に示されていたことだが、敷地内にある海水ポンプが冠水したら、もはや原子炉を冷やすことは出来なくなる。これは津波波高わずか6mで達してしまう。
 福島第一原発はそもそも6m程度の津波で破壊される原発だった。
 設置許可申請書には、想定する津波高を「3.1m」としている。もともと3m程度の津波しか対策していなかった。それを2002年に過酷事故対策の一環として行われた土木学会の再調査において、津波波高を「5.7m」と修正したが、それに対して設備の対策はなぜか海水ポンプをわずか「20センチ」かさ上げしただけであった。
これでは何もしないに等しい。つまり、もともと3mにしか耐えられない設備を作っておきながら、それをある日突然「5.7m」に耐えられると机上の空論を書き上げたということになる。
 そのうえ地震動についてももともと300ガル程度の揺れしか想定せずに作った原発を「600ガルの基準地震動にも耐えられる」という評価結果をでっちあげていたが、その化けの皮がはがれ、実際に600ガルに襲われて、もろくも崩壊していった。
 東電のデータ偽造、ねつ造事件は2002年に大きな問題になり、全原発停止に至ったのだが、同時にこのような「偽装」をしていたことは保安院から指摘されなかったため、放置された結果が最悪の原発震災であった。
 これは重過失以外の何物でも無い。東電を破綻処理し、解体後に新しい体制に作り替えなければ、また繰り返されるだけだ。

◎発送電分離は東電から
 東電を解体し、必要な資産売却を行えば、10兆円程度の補償は可能になる。特に送電施設などは大きな試算価値があり、少なくても関東一円に電力を供給する事業
つまり送電事業は何ら打撃を受けているわけではない。
 発送電分離をした後に、原発は破綻処理会社に移行し、火力などの発電設備を持つ発電会社を別に作り、送電会社との間で通常の売買契約を結べば良い。損害賠償は破綻企業が東電の資産を売却した資金をもとに引き継ぐ。発送電会社や発電会社は資産を取得する際に生ずる負債を債券化して売り出せば良い。もともと損失など出ない会社だったのだから、そのうえ原発を切り離しているのだから、債権が売れないはずはない。発送電会社が適切な価格で自然エネルギーからの買い取りを行うよう、この社債は政府が条件を付けて引き受ければ良い。
 原倍法に上限を設けるなどと言う愚かなことを自民党や民主党は考え出したらしいが、それをさせてはならない。いまですら賠償を値切ることを平気で始めている東電が、そのまま温存されたうえに原倍法に上限が出来るようなことになれば、以後、原子力災害は際限なく繰り返されるだけだ。
(注)以上の文章は、「原発いっしょになくそうよせあつめ新聞」の巻頭言なので、「発行後、数日後に掲載」のルールのため、執筆後数日経過しての掲載です。
−編集担当。

.. 2011年08月06日 07:35   No.309003
++ たんぽぽ舎 (社長)…283回       
.「スペースたんぽぽ」もう原発やめよう・8月の学習会のお知らせ
     放射能が食物・水・大地・海を汚染した!
       参加歓迎・豊富な資料と討論

 ◇1 初めてデモに参加した人をフォローする学習会
   放射能と原発の基礎知識、デモ参加の感想、
   心得・今後等を話し合う。
・日 時:8月16日(火)18:30開場、19:00開会、21:00まで
・お 話:放射能や原発に詳しい人
 ・参加費:500円

◇2 ストレステストの総合批判
    原発の再稼働に反対
 ・日 時:8月18日(木)18:30開場、19:00開会、21:00まで
 ・講 師:山崎久隆(たんぽぽ舎) 真下俊樹(欧州の核に詳しい)
 ・資料代:500円

◇3 第2回お母さんお父さん向け保育付き放射能講座
    食品を検査して
・日 時:8月22日(月)13:30開場、14:00開会、16:30まで
・講 師:鈴木千津子(たんぽぽ舎) 小倉志郎(原発技術者)
      中村徹(たんぽぽ舎・保育士) 大竹なのは(保育士)
・資料代:800円

◇4 耳なしウサギの警告と放射能を防ぐ知恵について
 ・日 時:8月26日(金)18:30開場、19:00開会、21:00まで
 ・講 師:小若順一(食品と暮らしの安全誌(月刊)発行人)
 ・資料代:1000円


小出裕章さんの4つの小冊子の紹介(たんぽぽ舎発行)

  どれも今回の事故を鑑みると「そうですよね」という内容ばかりです。

 △1「大事故の前に原子力から撤退を」−日本の原子力推進策は破綻した−
                32頁 400円(パンフNo53 2003年初版)
   小出裕章さんのたんぽぽ舎初めてのパンフです。
   京大原子炉実験所に勤めた頃の事から、原子力推進政策の破綻を、廃棄物・地震・六ヶ所問題やチェルノブイリ事故、そして核の問題まで含め、明解に解いています。

 △2「人類の歴史と核」 −貧困に苦しむ人々とエネルギー浪費をする人々−
            36頁 400円(パンフNo66 2007年初版)
   ・人類に誕生とエネルギー消費
   ・JCO事故の恐ろしさと放射線被曝
   ・原子炉の考案とマンハッタン計画
   ・死の灰を作り出す原子力発電
   ・貧困に苦しむ人々とエネルギー浪費をする人々

 △3「地球温暖化問題の本質」−「原子力発電所」を正しく呼ぶと「海暖め装置」−
          28頁 400円(パンフNo67 2007年初版)
   ・「炭酸ガス増加」と「温暖化」どちらが先か
   ・「原発推進」の言い分
   ・ごみ(放射性廃物)の問題
   ・原発は地震に耐えられるか
   ・「原子力発電」でなく「海 暖め装置」
   ・ねずみ算式に増えるエネルギー消費

 △4「危険な原発に、迫る地震の脅威」−プルサーマルはさらに危険を増やす−
         28頁 400円(パンフNo80 2010年初版)
   ・原発は危険
   ・あらゆる被曝は危険を伴う
   ・すべては核開発のツケ
   ・プルサーマルはさらに危険を増やす
   ・地震の脅威
   ・なすべきは原発廃絶

.. 2011年08月07日 08:14   No.309004
++ たんぽぽ舎 (社長)…284回       
2つのご案内です

 ◎8/24マスコミ市民フォーラム夏季公開シンポジューム

  3・11 原発報道はこれでいいのか!?
  小出 五郎 さん(元NHK解説委員)
  柴田 鉄治 さん(元朝日新聞論説委員)

 8月24日(水)午後6:30から午後8:30まで
 渋谷区神宮前区民会館4F(原宿駅下車7分)
 元NHK解説委員の小出五郎さんと、元朝日新聞論説委員の柴田鉄治さんによる講演、対談です。
 資料代500円。
 主催:NPO法人マスコミ市民フォーラム。
 お問い合わせ TEL 03-3497-8333 FAX 03-5414-5382

 ※注、メールマガジン読者の伊藤大介氏からの掲載依頼原稿です。

◎『さようなら原発南部アククション9.16鎌田慧講演会』

9/19集会と1000万人署名を成功させるための東京南部・大田のとりくみです。
  400人の参加をめざします。

  ところ:大田区産業プラザ PIOコンベンションホール  京急蒲田駅徒歩3分
 と き:9月16日(金)18:30から20:30まで
 内 容:講演-鎌田 慧
     報告-母親たちから
  福島原発事故の避難者から
 参加費:500円(高校生以下は無料)
 主 催:原発なくそう大田実行委員会
 連絡先:酒井夕起子(i女性会議)080-3012-8410
     開田泰憲(新社会党)090-5396-5147
     山内正紀(社民党)090-7808-8096
    FAX 03-3454-0259

※注、メールマガジン読者の石河康国氏からの掲載依頼原稿です。

.. 2011年08月07日 08:25   No.309005
++ たんぽぽ舎 (社長)…285回       
セラフィールドのMOX燃料工場が閉鎖

 ◎英のMOX工場が閉鎖へ 福島原発事故の影響で

【ロンドン共同】英中西部セラフィールドの原子力施設にあるプルサーマル発電用のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料製造工場が近く閉鎖されることが3日、分かった。工場を所有する英政府の外郭団体、原子力廃止措置機関(NDA)が明らかにした。 
 NDAは、福島第一原発事故の影響で、顧客である日本の電力会社が行うプルサーマル計画の先行きが不透明になったことを理由に挙げている。
 NDAによると、同工場側と日本の電力会社各社との間で、使用済み燃料の再利用とMOX燃料製造に関する大枠の合意があったが、特別な事情がある場合、合意の見直しが可能との条項があるという。(8/4ロイター=共同より抜粋)

 ◎北電のプルサーマル計画に影響か 英国のMOX燃料工場が閉鎖

 英国セラフィールドにあるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料工場が閉鎖されるとの発表を受け、泊原発(後志管内泊村)3号機でプルサーマル発電を計画する北海道電力は3日夜、「詳細な内容の把握を急ぎたい」(広報部)とコメ
ントした。北電は1995年、英国原子力廃止措置機関(NDA)のMOX燃料工場に、泊原発から出た使用済み核燃料35体(約21トン)を運び込み、再処理という工程を経てプルトニウムを抽出し現地に保管している。このプルトニウムに、ウランを
混ぜてMOX燃料に加工する予定だったが、今回の閉鎖でプルトニウムの行き先が宙に浮いた。核兵器の原料になるプルトニウムを余分に持たないと日本は国際公約しているため、北電は「英国に新しくMOX燃料加工工場ができるという話も
ある。状況を注視している」と話す。一方、北電は英国とは別に、フランスにも使用済み燃料を運び込み、同国内の会社で再処理を終えている。同国の別の会社にMOX燃料への加工を委託しており、近く製造が始まる。
 (8/4北海道新聞より抜粋)

.. 2011年08月07日 08:48   No.309006
++ たんぽぽ舎 (社長)…286回       
保安院もやらせ

 これでは泥棒を捕まえてみればお巡りさんだった、ということではないか。
中国電力と四国電力が、プルサーマル計画に関し、国が過去に主催したシンポジウムをめぐり、経済産業省原子力安全・保安院から、参加者の動員や「やらせ質問」を依頼されていたことを発表した。質問が反対派に偏るのを避けるため、肯
定的な質問をしてもらうのが目的だったという。
 原発の構造や設備などを審査し、安全を確保する役目の保安院が、プルサーマル計画推進のために、世論を誘導しようとしたのあれば極めて罪深い。国民の信頼を取り戻すには、事実関係を徹底的に調査し、保安院のあり方を早急に見直すしか
ない。
 発端は九州電力が、関連会社に玄海原発の再稼働を支持するメールを投稿するよう依頼した「やらせメール」問題だった。事態を重く見た経産省が、電力各社に調査を指示したところ、今回の「やらせ依頼が」判明した。民意を軽視するのが、「原子力ムラ」の体質なのだろうか。国民の不信感は深まるばかりだ。
 もともと、原発推進にアクセルを踏む資源エネルギー庁と、安全確保のためにブレーキを踏む役目の保安院が、経産省内で併存していることに無理があった。
実際、政策の意思決定に関わる幹部職員は、数年のサイクルで本省、エネ庁保安院間を異動する。これでは、保安院が厳格な独立性を保つのは難しいはずだ。
 東京電力福島第一原発の事故で、電力会社、政府双方に対する国民の視線は厳しさを増すばかりだ。点検を終えた原発も再稼働出来ない事態が続いている。
今回の問題で、再稼働へのハードルはさらに高まったといえるだろう。
                   (7/30毎日新聞より抜粋)

.. 2011年08月07日 09:09   No.309007


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