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フォッサマグナとは 「フォッサマグナ」とは、本州の中央部の火山が南北に並んで本州を横断している細長い地帯のことを言います。ナウマンはフォッサマグナの範囲として、日本海側の新潟県糸魚川市~高田平野付近から、太平洋側の静岡県旧清水市(現・静岡市清水区)~神奈川県足柄平野付近に至るまでの広い地域を示しています。
北から見ていくと、新潟県、長野県、山梨県、神奈川県、静岡県、東京都です。さらに関連する府県を入れると、富山県、岐阜県、群馬県を含む関東から中部日本となります。東西に長く延びている日本列島は、このフォッサマグナ地域を境にして、地質的に分断されています。
そして、フォッサマグナ地域とその東西では、地層や岩石などの地質がまったく異なっています。すなわち、フォッサマグナ地域の東西では約1〜3億年前の古い岩石が分布しているのに対し、フォッサマグナ地域の内部は、約2000万年前以降の新しい岩石でできているのです。
そして、現在ではボーリング調査によって、フォッサマグナは地下6000m以上もの溝であることがわかっています。3000m級の山が二つも重ねられるほどの深さです。おおまかにいえば、この溝を覆い隠すように堆積物が積み重なったのが、現在の中部日本なのです。
人間でいえば背骨のど真ん中にこのように巨大な溝を抱えているのですから、日本列島を理解するうえで、フォッサマグナを無視することなどできないのは道理です。日本列島の過去と未来は、フォッサマグナを抜きにしては語れないのです。
とくに2010年以降になって、フォッサマグナについて国内外のさまざまな研究者たちが議論を始めています。フォッサマグナへの関心が活性化してきているように感じます。 新しい手法によって日本列島の研究が進み、もう一度、日本列島の成り立ちを考え直そうという時期に来ているからだと思います。
しかし、フォッサマグナについては依然として、その成り立ちも、そもそもどこからどこまでがフォッサマグナなのかさえも、はっきりとわかっていないのが現状です。今後、南海トラフや東京直下型地震が発生したら、日本列島はどのようになってしまうのであろうか。
.. 2024年08月11日 09:04 No.3078003
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