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野田数氏という曲者 こんな人物が進める水道民営化は地獄への道
前川喜平(現代教育行政研究会代表)
東京都水道局が2022年度から23区内の料金滞納者への催告を訪問から 郵送に変更したため、水道停止件数が10万5千件から18万件に増加した (25日本紙)。その催告業務を行う東京水道株式会社の社長は、小池都 知事の元側近・野田数氏だ。この人物が相当の曲者なのだ。
野田氏は2000年に小池氏の秘書になり、2009年に都議になった。都議 としての「業績」として同氏は、朝鮮学校への補助金を停止させたこと や都教委作成の歴史教材「江戸から東京へ」に「大東亜戦争」と書かせ たり南京事件の記述を削除させたりしたことを挙げている。民族差別と 歴史改竄(かいざん)主義の塊のような人物だ。 2012年には都議会で、日本国憲法を無効とし大日本帝国憲法の復活を 求める請願の紹介者となり、その採択に賛成した。憲法99条の憲法尊重 擁護義務に反する行動だ。
2016年の都知事選では小池氏の選対本部責任者を務め、小池都知事就 任後はその特別秘書になった。 2019年4月に現職に就いたが、この人事を「天下りの極み」と言って 小池都知事を攻撃した萩生田光一氏が、今や小池氏を全面支援している。 野田氏は日本版「水メジャー」を目指すと公言している。 旧憲法を信奉する同氏に、憲法25条の生存権を保障する使命感など皆 無だろう。 こんな人物が進める水道民営化は地獄への道だ。 (6月30日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)
.. 2024年07月02日 05:17 No.3050001
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