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■--オーストラリアの首相
++ 上岡直見 (社長)…356回          

[オーストラリアの首相「原発は経済的破滅」野党公約を酷評]
 | 「時事通信」の記事紹介
 └──── 上岡直見(環境経済研究所代表)

 オーストラリアの現政権(労働党)は原発停止政策を実施している。
 アルバニージー首相は、野党(保守連合)の原発推進政策の公約を
「経済的破滅」と反論した。
 発電コストは再生可能エネルギーの2〜3倍と試算している。

以下、6/20「時事通信」の記事
【シドニー時事】オーストラリアのアルバニージー首相は20日、野党・
自由党などの保守連合が原発導入を次期総選挙の公約に掲げたことにつ
いて、「すべてのエネルギーで最も高くつく。経済的破滅となる」と酷
評した。
 労働党政権は原発に頼らず、再生エネルギー拡充で脱炭素化を進める
方針を改めて強調した。スカイニューズの番組で語った。

 保守連合は19日、政権を奪還すれば従来の原発禁止政策を転換し、
7カ所に新設する計画を公表した。
 ただ、具体的な費用は示していない。
 豪連邦科学産業研究機構(CSIRO)の試算によると、原発1基の建
設費は最大170億豪ドル(約1兆8000億円)で、発電コストは再生エネル
ギーの2〜3倍とされる。
 アルバニージー氏は「(計画実現なら)つけを払わされるのは納税者
だ」と主張した。
.. 2024年06月22日 08:21   No.3040001

++ 木原壯林 (社長)…271回       
岸田政権の「原発依存社会」に向かう暴走をとめよう!
 | 反原発運動の高揚によって、原発のない、人が人間らしく
 | 暮らせる社会を実現しよう
 | 夏から秋・冬に向かって闘争を組む
 └──── 木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)

◎ 6月16日投開票の沖縄県議選は、極めて残念な結果になりました。
人の命や尊厳を蹂躙して、大企業の目先の経済的利益のみを優先し、
軍事費倍増、原発依存社会へと暴走する金権政権による「政権との
パイプ」宣伝に惑わされる人々が、戦争の犠牲、基地の犠牲を押し付け
られ続けてきた沖縄でも増加していることには、悲しみを覚えます。
 井戸謙一弁護士の名言「天災は忘れたころにやってくる、原発過酷事故
は安全神話に騙されたときにやってくる」が頭をよぎりました。戦争も
「ナショナリズムに騙されたとき」にやってきます。

◎ ところで、岸田政権は、5月15日、エネルギー基本計画の見直しに
着手しました。今年度末までに「脱炭素・AI時代に対応するために、
原発・再エネの最大限活用」を進めるとする第7次エネルギー基本計画を
決定し、「原発依存社会への暴走」を加速させようとしています。
 既存原発の再稼働、原発の40年超え運転をさらに進め、60年超え運転
も拡大し、原発リプレースも俎上に上らせようとしています。原発を
「ベースロード電源」と定め、石炭火力まで維持しようとする、世界でも
稀な時代遅れの政策です。

◎ 今、世界は原発縮小、自然エネルギーへの転換に向かっています。
 世界の反原発運動が脱原発に向かわせているのです。それでも、岸田
政権は、「原発依存社会」に向かっての暴走を加速しています。
 それは、福島第一原発事故の大惨事の教訓を生かさず原発維持に
奔走し、再生可能エネルギーへの社会・産業構造の切り替えに失敗し、
資本主義経済の視点からも世界の後塵を拝している原発関連産業への
テコ入れのためです。軍事費倍増政策と根っこは同じです。

.. 2024年06月23日 08:24   No.3040002
++ 木原壯林 (社長)…272回       
◎ 【なお、自然エネルギーのみを利用すれば、燃料費はほぼゼロです
から、コストは原発に比較して圧倒的に安い(使用済み核燃料の処理、
保管費、事故対策費を無視しても、1/4以下)のは当然です。
 また、自然エネルギーのみの利用は、生態系を守り、持続可能な地球
環境を維持する最良の手段です。
 さらに、自然エネルギーは、供給が国際情勢の影響を受け難い自前の
エネルギーです。大地震が発生しても過酷事故に至ることもありません。
このような視点からも、原発依存の理不尽は明らです。】

◎ 老朽原発の運転継続に血道をあげ、原発依存社会に暴走する関西
電力、原子力規制委、日本政府を許してはなりません。さらなる反原発
運動の高揚によって、原発のない、人が人間らしく暮らせる社会を実現
しましょう!

◎ 去る6月15日の「老朽原発うごかすな!実行委員会」では、『・能登
半島地震の衝撃はいまだ人々の脳裏にある。地面の隆起や地割れの映像を
見るたびに、あの上に原発があったなら、と誰もが思う。「鉄は熱いうち
に打て」のとおり、この衝撃があるうちに、地震問題をクローズアップ
して原発全廃への流れ を作りたい。 ・秋から冬にむけて、なんらかの
集会は「やる」と言う方向性を出す必要がある。 例えば、「(地震
問題を)放っておけば、次は若狭だ(若狭がやられる)」ということを
強く押し出し、若狭と大阪で集会を。若狭から大阪をつなくリレーデモ
を。』などの意見が出、夏から秋・冬に向かって闘争を組むという方向で
集約されました。

◎ 次回(第111回)実務担当者会議では、6月30日の「さよなら!志賀
原発全国集会in金沢」への最大限の結集を得るための活動について討論し
ます。
 また、6.15「老朽原発うごかすな!実行委員会」での決定を受けて、
今夏から今冬にかけて実施する「老朽原発うごかすな!原発全廃」の
行動を具体化するために討論したいと考えます。

.. 2024年06月23日 08:33   No.3040003
++ 柳田 真 (社長)…878回       
東海第二原発の防潮堤欠陥工事を追及しました
 | 衆議院会館に24名が集まり、規制庁ヒアリング
 | 披田信一郎、山崎久隆、永野勇の3者が報告・6/25に参加して
 └──── 柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)

◎6月25日(火)13時30分から17時まで、衆議院第二議員会館で、東海第
二原発の防潮堤の欠陥工事について、原子力規制庁への院内ヒアリング
をおこないました。
 前段は、参加者24名で、事前学習会を行い、その後、規制庁職員4人
との質疑応答を行い、最後に参加者で院内集会の意見交換会をしました。

◎事前学習会では、2人の報告

1.披田信一郎さん(7頁+資料4枚)
 ・東海第二原発の鋼製防護壁の基礎建設での施工不良の実態
  東海第二の「要」=防潮堤建設での施工不良は必然だった

2.山崎久隆さん(8頁)
 ・能登地震と「東海第二原発再稼働」 何処にどんな問題があるのか
  60年超運転で上昇する過酷事故リスク

◎ 東海第二防潮堤問題での規制庁ヒアリング院内集会

 東海第二原発は、茨城県東海村に所在し首都圏に一番近くそして30k
m圏内に92万人が暮らしているという日本一の人口密集地にある原発
です。
 東海第二原発では、再稼働を目指し安全対策工事が実施されています
が、昨年6月に安全対策工事の要である防潮堤基礎工事において、内部
告発により不良箇所が発覚し昨年の6月より該当部の工事を中断中。
現在、審査会合で審査されています。

【6/18の審査会合で、原子力規制庁が日本原電に不良該当部の
 建て替えを求めた】

 ≪欠陥工事(施工不良箇所)とその内容≫

 ・取水口部分の防潮堤基礎となる2つの基礎のコンクリート未充填
 ・鉄筋の変形
 ・北基礎の一部鉄筋が所定の深さまで到達していない

◎質疑応答
 規制庁との質疑応答では、主に永野勇さん(6頁+資料4枚)のレジ
メにもとづいて行われました。

 ・防潮堤の欠陥工事について、日本原電の回答と規制庁の態度について

山崎久隆さん:日本原電の福井県敦賀原発2号機(特に活断層問題)に
      ついて規制庁がハッキリせず、あいまいな態度を(日本原電
      に対して)とったがゆえに、ズルズルと引き延ばされた。
      規制庁はダメなものはダメというべきだ。
     

.. 2024年06月27日 04:18   No.3040004
++ 柳田 真 (社長)…879回       
規制庁が日本原電を延命させている。

江尻さん(茨城県議会議員):日本原電が東海第二原発の防潮堤工事に
      着工して中断まで1年半あった。この間に規制庁は検査を
      したかどうか。正式に記録を残す検査をいつ、したのか?
      聞きたい…

規制庁の回答:検査していない。使用前検査はしていない。

永野 勇さん:日本原電は、経理的基礎があるのかどうか−追加の大幅
       な工事をやるとなると莫大な金額になると思うが…
 規制庁からの明確な回答はなかった…

.. 2024年06月27日 04:25   No.3040005
++ 上岡直見 (社長)…357回       
「柏崎刈羽原発再稼働による経済効果を検証する」
 | 市民検証委員会の記者会見全体動画と資料の紹介
 └──── 上岡直見(環境経済研究所代表)

 【TMM:No5037】(2024年6月17日)で、東京新聞の「こちら特報部」(6/
16東京新聞)の「原発再稼働に「都合のいい試算」を公表した新潟県の思
惑」記事を紹介しました。
 記者会見の全体動画と資料(明日香寿川氏・東北大学、藤堂史明氏・
新潟大学)の報告資料が公開されました。
 他の地域でも共通の考え方なので紹介します。

市民検証委員会ウェブサイト
https://shiminkenshouiinkai.jimdosite.com/

.. 2024年06月27日 04:35   No.3040006
++ 柳田 真 (社長)…880回       
『原発はやっぱり割に合わない』−国民から見た本当のコスト−
 | 大島堅一(立命館大学国際関係学部教授、現在は龍谷大学)著
 | 東洋経済新報社 2013年1月3日発行
 | 【書籍紹介】おススメの本です。
 | 秋に、たんぽぽ舎にて大島堅一氏の講演会予定
 └──── 柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)

 私は福島第一原発事故以前から、仮に事故が起こらなかったとして
も、国民にとって「原発は割に合わない」電源だと考え、そのような研
究を発表してきました。
 実際、福島第一原発事故という深刻な事故が起こってみると、原発が
割に合わないことは、いっそう明瞭になりました。(中略)
 全く割に合わないものが、割に合うかのように見える「からくり」
が、社会には潜んでいます。
 まずは、この「からくり」を知ることが必要です。
 そのうえで、その「からくり」をなくさなければなりません。
 そうでない限り、今までどおりのやり方で、いつまでも原発は続いて
しまいます。(後略)            (「はじめに」より抜粋)

目次紹介

はじめに
第1章 世界史的事件としての福島第一原発事故
    福島第一原発事故とはどんなものだったのか
第2章 なぜ日本は原発大国になったのか
    著しく優遇されてきた原子力政策「安全神話」
    「安価神話」が作られていった背景
第3章 「原発が最も安い電力」というからくり
    安価神話についての検討
第4章 原発の本当のコスト
    社会コストを考えれば「原発の経済性」はない
第5章 使用後の核燃料をどうするか
    「10万年後の安全」は保証できるのか
第6章 日本のエネルギーのこれから
    「人間の復興」はエネルギー政策転換に向けた第一歩

.. 2024年07月02日 04:28   No.3040007
++ 披田信一郎 (小学校低学年)…7回       
東海第二原発の防潮堤建設での施工不良問題 (1)(4回の連載)
 | 全長1700mの防潮堤が3つの違う工法で建設されることとなった
 | 取水口上部の防潮堤(鋼製防護壁)部分はもっとも難易度の高い工法
 └──── 披田信一郎(東海第二原発の再稼働を止める会)

【1】問題の深刻さをとらえるためのポイント

 「東海第二原発の安全性対策工事の<要>である取水口上部の防潮堤
(鋼製防護壁)」と、原電自身が書いている(「広報誌テラ」<資料>)
ように、この「要」の建設工事で問題が飛び出してきたことは、東海第
二原発の問題の集約的な矛盾の発露といえると思われる。それはなぜ
か、というところから問題を見ていきたい。

1.津波に弱い立地
2.地盤が問題の立地
3.敷地も狭く、後付けの施設作りや工事の困難さ
4.原電自身の経営・財務基盤が弱く、
  再稼働のために無理をしていること

◎ 新規制基準適合性審査の中で津波対策としての防潮堤建設は、当初
から、土積みのまさに防潮「堤」で行こうとした最初の設計が不十分と
規制委に批判され、結果、東電の柏崎刈羽原発で上越沖地震後の対策と
して15mの防潮堤として建設された「鋼管杭上部コンクリート巻防潮
堤」を基本にすることに変更された。

◎ しかし、この鋼管杭工法でも、東海第二原発の地盤構造から北側で
は深さ60mまで杭が入らないと岩盤(久米層という安定地盤)に届かな
いことから、原電は、最初、40mの杭深さでも「摩擦杭」と呼ばれる方
式で、杭の安定は得られるとした設計を示した。

◎ だが、上部地盤の液状化に対するリスクを重く見た規制委からは、
それでは不十分だとして認められず、40年超申請という時間切れ問題も
あって、結局、規制委が指摘した最深60mまでの「岩盤支持杭工法」で
の設計に変更されることとなって、ようやく申請が通った。
 このことによって、原電としては、当初の目論見からは相当のコスト
増となったと考えられる。

.. 2024年07月09日 04:21   No.3040008
++ 披田信一郎 (小学校低学年)…8回       
◎ そして、そのような防潮堤の建設工法を巡る問題の中でも、今回問
題となった、この取水口上部の防潮堤(鋼製防護壁)部については、全
長1700mの防潮堤が3つの違う工法で建設されることとなった内、
もっとも難易度の高い既存の取水口部をそのままにそれを跨ぐ形で高さ
20mの防潮壁を載せて支える形で建設される方式の防潮堤だということだ。

◎ この防潮堤建設は、鹿島、大成建設、大林組、清水建設、五洋建
設、そして安藤ハザマの6社に、それぞれ工事ごとに原電が指名をして
見積もりを取ったとされる。
 個々の金額などは明らかとなっていないが、全体としてもゼネコン各
社の見積もり総額は2500億円となり、原電が規制委に提出していた予定
価格1740億円とでは700億円以上の開きがでたと言われる。

◎ 朝日新聞が報じているが、このような事態となったこと自体が極め
て異例なことされており、契約締結までに相当の交渉時間がかかったと
される。
 そのようなことがあって、結果、防潮堤の取水口周りの工区は、ゼネ
コンよりは一段下の準ゼネコンクラスとされる「安藤ハザマ」が
受注した。

◎ 原子力専業会社であり維持費については「売電電気料の基本料」と
して販売電気量に関わらず受け取る900〜1000億円で賄えるものの、その
他の事業や蓄えを持たない原電にとって、津波対策の防潮堤建設では
1000億円をはるかに超える資金が必要で、追加で申請された「特定重要
施設等対策施設(特重)」建設の610億円、加えてこの間の資材・労賃の
急激な上昇もあって、総額では3000億円とも3500億円とも、あるいはそ
れ以上ともなる対策施設建設工事財源の問題が、当初から、工事に問題
を投げかけていたと思われる。

 さらに、ギリギリの審査で40年超の60年までの運転認可は取れたもの
の、対策工事にかかる期間分は延長された20年から減っていくという、
再稼働を遅らせたくないという工期へのプレッシャーもあったと考えら
れる(これはその後、GX電源法で停止期間分が延長されるという政府
の措置で、いくらか緩和されたが)。         (2)に続く
 ※ 2024/4/25とめよう!東海第二原発首都圏連絡会学習討論会
  報告資料+6.25院内ヒアリング集会(主催:同連絡会)のために
  増補したもの。

.. 2024年07月09日 04:27   No.3040009
++ 披田信一郎 (小学校中学年)…14回       
東海第二原発の防潮堤建設での施工不良問題 (4)(了)
 | 新規制基準に従った「安全対策工事」の信頼性はなくなっている
 | 無理に無理を重ねてきた原電は東海第二原発を廃炉とするしかない
 └──── 披田信一郎(東海第二原発の再稼働を止める会)

【7】この「コンクリート基礎+鋼製防護壁防潮堤」の構造と建設手法

 ところで、今回の「コンクリート基礎+鋼製防護壁防潮堤」とはどんな
もので、どのように建設されてきているのだろうか。

◎ 大きく3つの部分に分けられる。
 まず、津波の圧力を直接に受ける「鋼製防護壁」は、高さ17m強×厚さ
6m(南北の基礎と連結する部分は幅広に)×長さ80mで重さ約4600トン
の橋桁のようなもので、工場で作られて海路で運び込まれるものと考え
られる。
 そして、それを支えるための基礎となる、地中に建設される15.5m角で、
深さ50m(南基礎)と56m(北基礎)の鉄筋コンクリート製の巨大な柱が
南北2本作られる。
 最後に、この二つを連結する部分と、そこで海水を通させないシールド
部分。

◎ 2020年に工事が始められた、2本の地中基礎の建設で問題が起きた。
 地中に鉄筋コンクリート製の巨大な基礎を建設し、その50mもの深さで
「岩着」(安定基盤としての岩盤内に根入れさせること)させるために、
「連続地中壁工法」と呼ばれる工法で、厚さ2.5mの四辺15.5mのコンク
リート枠をつくる。
 これは、普通のビルと考えれば床面積73坪で14階ないし15階建てと
なる。問題は、これを地中に作らねばならないことだ。

◎ 大きな橋梁の橋脚工事などでは「ケーソン」と呼ばれる鉄筋コンク
リート製の箱を工場で作っておいて、その下部を掘り下げて地中に埋め
ていく工法が取られるが、深さ50mを超える溝を掘って、そこに鉄筋を
入れてコンクリートを流し込んで壁を作るという「地中連続壁工法」
では、型枠もなしにコンクリートの壁を、直接見えない地中で作ると
いう難易度の高い工法なのだ。

◎ そして、その内側の土砂を掘削して取り除き、10.5m四方で深さ
50mの巨大な空間を作った上で、その中に改めて鉄筋を組み、一部を
壁の鉄筋と連結した上で、コンクリートを打設して、最終的に15.5m
四方×高さ50m(北基礎は56m)の鉄筋コンクリート製の柱となる。
 

.. 2024年07月14日 08:21   No.3040010
++ 披田信一郎 (小学校中学年)…15回       
地中表面に出る上部は鋼製防護壁を取り付けて固く結合させる多数の
ボルトを組み込んだ部分が作られる。
 この最初に地中に2.5m幅の深い溝を掘り込み、厚さ2mほど×高さ
10mほどの、太さ5cmという太い鉄筋を籠条に組み上げたものを下
から順に吊るし下ろしてつなぎ、そこに生コンクリートを打設すること
で巨大なコンクリート基礎杭の壁が作られる。

◎ その際、最初の土中に溝を堀込む時、土砂の壁が膨らんだり、崩れ
て下部に落ちてたまったりしやすいので、「安定液」という密度のある
泥様の液体を調整してみぞを埋め、周囲の土砂の圧力と均衡させること
で、その土の壁を保ってコンクリートが規定の厚さや鉄筋籠の中にも
しっかりと充填されるようにすると言われる。

◎ しかし、これは高度な作業で、失敗して結果として今回のような
コンクリート未充填や、鉄筋がむき出しとなる施工不良が起きやすいと
されているものだ。
 それが起きていたのに、安定液の比重などのデータを改ざんし、また
それを監督できないままに、工事を進めるなどしていたことに、工事に
携わった関係者自身が改善されない事態であることから外部への内部
告発に至って、表ざたとなったというのが、今回の問題だ。

◎ さらに、早くから溝の土砂壁から土が崩れ落ち、それを吊り下げた
ハンマーグラブという機器で掻き揚げる過程で、鉄筋とぶつかって変形
させることとなった。
 原電自身が規制委への補正申請の資料の中で、「着眼点」という言い
方で、
 ・「ケースの選定において、地盤の特性や据え置き期間に受ける荷重、
 施工ステップに対する視点が不足していた」
 ・「ハンマーグラブ等の降下位置を管理することで鉄筋への接触を防ぐ
 ことともしていたが、鉄筋等とハンマーグラブ等の離隔は小さく、ハン
 マーグラブ等の揺動に対する配慮が不足していた」
 

.. 2024年07月14日 08:28   No.3040011
++ 披田信一郎 (小学校中学年)…16回       
・「凸部に対する後行エレメントの鉄筋かごの防護策は検討・実施され
 ていたが、後行エレメントの鉄筋かごに接触後の凸部の挙動に対する
 保守的な想定が不足していた」と3点を上げ、
 さらに、コンクリートの未充填は「粘性土に対する施工ステップ等の
影響を考慮した施工設計(安定性)まで考えが至らなかった」、鉄筋の
変形は「空間的な余裕を持たせることに考えが至らなかったものでは
あるが、溝壁崩落に伴うトラブル対応であり、溝壁の安定性が確保され
なかったこと(コンクリートの未充填の原因と同じ)が大元の原因で
ある」と、「施工設計」の不十分さ、品質マネジメントの不足を認めて
もいる。

◎ 当初、11月に行われた東海村村議会および那珂市議会での原電の
説明では、既に原因究明でき、補修工事での対応で済ませられるし、
規制委の変更審査は必要ないと考えていた風に聞こえる。
 しかし、実際には、設計変更のための補正申請を行い、規制委の認可
を受けなくてはならないこととなり、2月7日の申請になった。

◎ 今後の規制委の審査を見守りたいが、永野報告で指摘されるように
多数のコンクリートの未充填、鉄筋の変形やむき出しとなり腐食に弱く
なった鉄筋、そして北基礎が岩盤に設計どおりに入り込んでいないこと
などの不良鉄筋コンクリート壁が出来てしまったものを、内側に鉄筋を
増やすことで対応できるとした原電の判断・部分的な「設計変更の補正
申請」では、津波対策として十分と言うには無理がある。

 そもそもの立地の不適正、財務的・技術的な原電自身の限界、企業と
して生き延びることのみを自己目的したかのような振る舞い、これまで
の無理に無理を重ねてきたことに、さらなる無理を重ねようとしている
ことを、ここできっぱりと諦めさせねばならない。
 東海第二原発は、廃炉とするしかない。

【8】最後に

◎ ここまで触れてきていないが、この取水口部に続く北側の放水口と
一体として建設された部分を含めて、100m強の「連続地中壁基礎による
鉄筋コンクリート防潮堤」がある。
 ここでは同様の安定液の管理、土砂の崩れによる設計どおりではない
コンクリートの未充填、むき出しとなった鉄筋の存在といった施工不良
はなかったのか、調査をしたのか、定かとなっていない。

.. 2024年07月14日 08:35   No.3040012
++ 披田信一郎 (小学校中学年)…17回       
◎ さらには、一番多く使われている「鋼管杭+鉄筋コンクリート巻
防潮堤」に関しても、それぞれ設計どおりに岩盤に刺さるところまで
鋼管杭が届いているのか、疑う向きもあるが、原電はこれらすべてに
ついて、現状と必要な調査の結果を公表すべきであり、今や、新規制
基準に従った「安全対策工事」の信頼性はなくなっていると言わざる
をえない。

◎ 「工事中であって完成したものではないから」と県・周辺自治体へ
の報告義務はないとされ、規制庁も「現場監督ではない」、「完成検査
で確認する」としている時、どうやって適正な施工がなされているのか
をチェックする「制度的保証」自体が、この国の原子力安全対策には
ないといわざるをえない。
 市民が賢くなり、さまざまな回路で追及するとともに、この東海第
二原発は廃炉とするほかないことを、確認したいと考える。  以 上

 ※ 2024/4/25とめよう!東海第二原発首都圏連絡会学習討論会
  報告資料+6.25院内ヒアリング集会(主催:同連絡会)のために
  増補したもの。

.. 2024年07月14日 08:42   No.3040013


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