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◆「住民見捨てる決定だ」行政追随、思考停止と批判 島根2号機差し止め却下
中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町)の運転差し止めを認めなか った広島高裁松江支部の15日の仮処分決定について、住民側は「行政 追随の思考停止決定だ」と批判した。能登半島地震で問題となった、 避難計画に関する訴えも退けられ、住民らは悔しさをにじませた。 決定書交付後の記者会見で、住民側の弁護団は「東京電力福島第一 原発事故の教訓を無視した」とする声明を発表。 「能登半島地震で避難計画が機能しないことが明らかになったのに、 住民を見捨てる決定だ」とした。 原発の安全対策で国際基準の考え方は計5層の「深層防護」で、第1 〜3層は原発の故障防止や事故の被害低減、第4層が重大事故対策、 第5層が避難計画に当たる。
だが、100頁以上の決定書で、高裁支部が避難計画に触れたのは約1頁。 計画の是非は検討されなかった。 同支部では差し止め訴訟が続いており、弁護団の水野彰子弁護士は 「裁判所は仮処分では判断から逃げたが、訴訟では逃げさせない」と 意気込んだ。 オンライン参加した「脱原発弁護団全国連絡会」の河合弘之共同代表 は「多重防護の考えを真正面から否定した誤った判断。追及を粘り強く 続け、原発はやめないといけないという結論に持っていきたい」と力を 込めた。 島根原発を巡り、運転差し止めを求める控訴審が現在も係争中。 住民らは今回の決定について、最高裁への抗告は行わない方針だ。 再稼働に反対する署名活動を継続し、避難計画の問題点について、 鳥取、島根両県に申し入れていく。 運転差し止め仮処分の申立人の芦原康江さん(71)=松江市=は「私 たちは諦めていない。再稼働を止めるため、あらゆる手だてを尽くして いく」と述べた。 (足立篤史) (5月16日「日本海新聞」より) https://www.47news.jp/10926878.html
.. 2024年05月26日 08:47 No.3020002
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