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■--中部電力・浜岡原発ツアーの見学報告
++ たんぽぽ舎 (小学校低学年)…6回          

1.付け焼き刃ではやはりダメ、安全性確保には廃炉しかない

  −根付かない松、破れた金網、沈み込んだテトラポット…津波対策の現状−

 2006年秋の浜岡ツアーが11月4日(土)〜5日(日)に行われたので参加してきました。浜岡原発を考える静岡ネットワーク(略称浜ネット)の総会に参加することとスマトラ沖地震以降に対策が立てられた浜岡原発の津波対策の現状の確認の2つが主な目的です。
 私は時間の都合で浜ネットの総会に出ることは出来ませんでした。総会の報告は後日します。集会終了後の懇親会では『「通販生活」の浜岡原発の特集などにより今までこういう運動に関わっていない層からの参加者も若干とはいえ増えた』とのうれしい話も聞かれました。
 次の日に浜岡原発に行きました。「10メートルの天然の堤防があるので津波が来ても原発は大丈夫」と中電は宣伝しているようですが、スマトラ地震に危機感を持ったようで、2005年の春に浜岡ツアーで見学した際に石を詰めたネットや土のうを積み上げたり、松を植えたり護岸工事を行っていました。
 それがどうなっているか確認しましたが、松の高さは私の腰の高さしかなく、松と松の間隔も隙間だらけでとても防風林の役目を果たせるものではなく、参加者の中から「まるで盆栽のようだ」との声まで挙がる始末です。石を詰めたネットも、ネットの脇から石が出たものや壊れたものが目につきました。壊れて飛び出た針金は参加者の通行の邪魔にしかなっていませんでした。土のうは完全に砂浜に埋もれてしまっていますし、テトラポットもテトラポットの下の砂が運ばれてしまい、海に砂が流されない予防の意味をなしていません。
 予想できたこととはいえ、中部電力の津波対策は所詮付け焼き刃でしかありませんでした。
 
 安全性を確保するには結局のところ浜岡原発の廃止しかないでしょう。            
アツミマサズミ

2.東海地震の震源域の真っ只中にある中部電力・浜岡原発(1号機〜5号機)は世界一危険と指摘される原発です。地震エネルギーは今も着々とたまり続けていて、浜岡原発に危険が迫ってきています。一刻も早い「原発停止」が望まれます。
 又、原子力(原発・原爆)のゴミでつくられる劣化ウラン弾(劣化ウラン兵器)もイラクやアフガニスタン、パレスチナで放射能と重金属毒性の二つをまきちらしています。この劣化ウラン兵器禁止をめざす国際行動・東京圏集会が11月12日(日)文京区民センターで開催されます。
 (13:00〜17:30 第2部は18:00〜19:30)
.. 2006年11月09日 08:32   No.30001

++ たんぽぽ舎 (小学校低学年)…7回       
 中川昭一自民党政調会長、麻生外務大臣、中曽根元首相、安倍総理大臣の本音は
 『北朝鮮の核実験を口実に日本も原爆を持ちたい』というものだ

 自民党の山崎拓氏は言っている(朝日11月1日)『「中川氏が核武装には反対だが議論はすべきだ」と言うならまず、反対の理由を明確にすべきだ。核武装論には戦前回帰の軍国思想が内包されているように思える』と。自民党の安全保障調査会長の山崎拓氏ですらこの発言である。
 もっとハッキリ言えば、中川・麻生の言う「核武装には反対だが…」が本物なら、核を持たないということだから「核保有議論をしよう」の意味がまったくないわけである。
 つまり、中川・麻生・中曽根の本音は核武装(日本も原爆を持つこと)なのだ。安倍首相も本音は同じだ。分業して日本核武装を準備する内閣−自民党といえようか。
 自民党中川、麻生外務大臣、中曽根元首相の発言(核保有)には深い底流があります。この歴史的経過と背景を追い、ニッポン核武装の疑惑を追及する本格的討論の第一歩です。11月23日(木・休日)の講演・討論会(第1回)にぜひご参加を!
 12月に第2回を予定します。

 日 時:11月23日(木)休日 13:00開場 13:30開会〜17:00
 会 場:こんぴら会館 03-3811-2038
    JR水道橋駅東口下車3分 全水道会館の裏
 資料代:1000円


.. 2006年11月14日 08:12   No.30002
++ 山崎久隆 (幼稚園生)…1回       
 10月9日午前10時35分頃、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)はかねてからの宣言通り、朝鮮半島北東部の地下実験施設において、プルトニウム型原爆の実験と
見られる核爆発実験を行った。朝鮮中央通信が同日12時に「安全に核実験を実施し、成功した」と報じたことからも、成功したかどうかは不明ながらも、核爆発
を引き起こそうとした実験を行ったこと自体は、事実と見て良いであろう。
 このような暴挙には強い怒りと悲しみの感情を持つ。断固抗議をし、直ちに核兵器並びに核兵器につながるあらゆるシステムを放棄し、核拡散防止条約と6者協議の場に復帰するよう求める。

●核武装国などいらない

 始めに述べておくが、私はどの国であろうと核兵器を保有する国については、二流国以下だと思っている。国際の平和と安全にとって核兵器ほど逆行するものは無い。核を持つ国(もちろん国民ではなく国家体制であるが)などは消滅してもかまわないとさえ思う。もちろん消滅させるべきだと言っているわけではない。
 核兵器そのものの非人道性は言うに及ばずだがそれだけではない。そうでなければ人に対して使わなければ良いのかという話になってしまう。
 核兵器の保有をめざし、その開発を行い、核実験を含む様々な実験を繰り返し、核爆弾級の濃縮ウランや高純度プルトニウム239を入手し、あるいは自国プラントで生成する。これら全ての課程は国家最高機密の元で行われ、それに従事する人間も企業も機関も、ありとあらゆる監視体制下に置かれ、およそ自由と民主主義とはかけ離れた空間と時間が作り出され、そのなかで忌まわしい兵器を開発する。この構図そのものが情報を秘匿し、非民主的行為を横行させ、国をして疲弊させ、ひいては国民全体、場合によっては周辺国や仮想敵国を破滅にまで追いやるシステムそのものであるからだ。
 核兵器はその開発段階から未曾有の犠牲を、まず自国内(およびその周辺)の民衆に与えるものである。ネバダ核実験場の風下の人々、旧ソ連セミパラチンスク
やノバヤゼムリャの多くのヒバクシャ、中国もフランス(ナイジェリアと南太平洋)も英国(オーストラリア)もインドもパキスタンもイスラエルも南アフリカも、
そのことは米ソ冷戦時代から幾多の国により繰り返され、悲劇を生み出し続けてきたではないか。
 核兵器はひとたび使われれば未曾有の惨事を生むことまでは、既に多くの人々が知ることとなったかもしれないが、その開発過程においても多くの犠牲を強い
るものである。知られていないだけで、北朝鮮の原子炉と使用済燃料プールの管理の仕方はわずかな映像で見るだけでも極めて危険であることがわかる。精神論
で放射線が防護できるわけがないのだから、どれほど多くの技術者が犠牲になったかと思わずにいられない。
 国家体制の維持であろうと究極的な防衛のためであろうと、いかなる国も核兵器の保有は断じて許されるものではない。

.. 2006年11月15日 08:43   No.30003
++ 山崎久隆 (幼稚園生)…2回       
●核兵器を持たせたもの

 しかしながら、この行為への責めは一人北朝鮮にのみ負わされるものではないこともまた確かである。
 米国はブッシュ政権になってから、それまでの米国が取ってきたエネルギー保証と地域安定醸成の取り組みを一方的に破棄し、2001年9月11日からは、イラク
、イランと並びテロ国家と規定し、いつ何時武力行使、しかも核先制攻撃をするかわからないという危機感を北朝鮮にもたらしたことは指摘せねばならない。
 もともと他国を信頼するというチャンネルが欠落した国家において戦争状態にある当事国、それも世界最大の軍事大国から威嚇されたと感じれば、何をするか
分からないというふうに思うのが普通である。
 むしろ、米国は積極的に北朝鮮を挑発し、核開発を誘導し、東アジアの緊張を煽ってきたのである。
 ねらいは明らかだ。
 米国の世界戦略にとって当面の敵はイスラム勢力であるが、中長期的に緊張が高まると予想されるのは中ロとの関係である。
 そういえば中央アジアの天然資源をめぐり中ロ米がしのぎを削る場に、退任直前の小泉首相が現職首相として初めて歴訪した。これは明らかに非中東産のエネ
ルギー資源確保というねらいがあってのことである。
 米国にとっては、有数のライバルが中央アジアに結集されては困る。日本とイランの共同開発が進むアザデガン油田でも、米国は日本に手を引くように要求し
ている。同様に、中央アジアの資源争奪でも、日本や中国やロシア(ロシアの場合は別の場もあるが)を牽制するためにミニ冷戦が極東地域で必要なのである。
在日米軍の存在意義も高まり、日本は米軍の駐留のために沖縄をはじめとした民衆の、生活や生産の場を奪い、環境を破壊してきたが、それをさらに推し進める
動力源が必要だ。
 北朝鮮も金正日体制を維持するためには強大な敵が国外にあることが必要であるが、米国と日本はまさに格好の相手というわけだ。お互いの利害は一致してい
る。
 このような構図を何とか解消したいと願うならばまだしも、日本は米国の戦略に乗ったまま、アジアでの緊張を高める行動をあえて取ってきた。その先には平
和憲法(日本国憲法)の解体と、企業の世界市場での競争力、特に兵器や核技術(平和利用としての原子力などという論理は日本国内向けの言い回しに過ぎない)
といったこれまで売り込みが出来なかった分野での競争力を強めようというねらいがある。
 さらにその先の日本には、ミサイル防衛に端を発し、弾道弾ミサイルの保有や核武装まで、あらゆる軍事的選択肢のフリーハンドを持とうという意図も見え隠れするのである。今後、核武装を選択肢として持つべきだという議論が増えてくるだろう。
 こんな邪な日米の策略に比べれば、「北朝鮮の核」など風前の灯火にさえ見えてくるが、しかしこのような脅威を煽ったあげくに自壊の道をたどり国民を飢餓
や死に追いやるのであれば、金正日政権の罪は極めて重いと言わざるを得ない。

.. 2006年11月15日 10:49   No.30004
++ 山崎久隆 (幼稚園生)…3回       
●なぜ今核兵器

 「核保有国」の地位をほしがった北朝鮮の意図は、米国による攻撃からの防衛と国内の不満の解消(目くらましとも言う)である。
 これについては、米国は明らかに間違ったメッセージを世界に発信し続けてきた。
 明確に核兵器を保有したインドとパキスタン、そして200発もの核弾頭を保有しているだろうとみなされるイスラエルに対しては、現在では米国は「対テロ戦
争の盟友(パキスタン)」だったり「原子力協力協定の相手国(インド)」であったり「最大の軍事支援国(イスラエル)」であったりと、結果的には核兵器国としての地位を認めてしまった。特にインドについては、経済制裁を解除したと思ったら2006年3月には原子力開発協力協定まで結んでしまった。
 結局、大量破壊兵器があるとして攻撃され破壊されたイラクには何もなく、本物の大量破壊兵器を持っているインド、パキスタンは同盟国扱いである。ならば
とそれまで凍結状態にあった核武装計画を再開し、核実験までした北朝鮮は、米国と国際社会の対応に応じたまでと言えなくもない。
 圧倒的な武力を持つ米国とそれに追随する日本が、あらゆる紛争解決に武力を行使しないとする条約を結んでいれば、このような事態にはならなかった。
 そうしなかったのは、そうできなかったのではなく、そうしないことで生ずる利益を追求したのだと言わざるを得ない。
 つまりは日米共に北朝鮮の核兵器開発に荷担をしたのである。

●核実験の中身

 実験に使われたのは、ヨンビョンの原子炉から取り出されたプルトニウムである。つまり核実験に使われたのはほぼ長崎原爆と同様のものであったと見て良い
だろう。
 長崎原爆は重量4.5トン、その中に詰められたプルトニウムは13キログラムと言われる。当時世界最大のB29爆撃機「ボックス・カー」に搭載したが、爆弾
倉からはみ出した。長崎上空で実際に核分裂をしたプルトニウムは全体の1割程度の約1キログラムと考えられており、その威力は推定21キロトンになった。
 この原爆による死者は7万人以上。なお「キロトン」とは通常のTNT爆薬に換算をした爆発力を示す。つまりTNT(トリニトロトルエン)の爆薬1000トンの爆発で放出されるのと同じエネルギーが放出されたことを意味する。
 これと比べて、今回の核実験の爆発力は0.5キロトン内外と見られているようだ。つまり長崎原爆の40分の1程度ということだ。小型原爆を開発したのか。い
やそうではないだろう。
 少量でも臨界に達する高純度プルトニウム239が手に入る状態ではないし、高性能の爆縮レンズなど米国でも最近になって開発した高度なシステムを有して
いるとは考えられないので、この実験では20〜30グラムのプルトニウム239が核分裂を起こした段階で爆弾本体が臨界を維持できなくなったと考えるのが妥当
であろう。
 これは現在の水準から見れば失敗である。核爆発装置の実験は成功したかもしれないが、核兵器の獲得は出来なかったということであろう。


.. 2006年11月15日 11:17   No.30005
++ 山崎久隆 (幼稚園生)…4回       
核実験で問われる日本の平和主義

問題解決への道

 北朝鮮の核実験が脅威なのは事実なのだから、最も簡単な解決方法があるではないか。何も難しい話ではない。超大国を含む全ての核兵器国、言うまでもなくイスラエルも含む国々が核兵器を
廃棄すれば問題は解決する。こんなことは昔から日本の反核運動やパグウオッシュ会議、核戦争防止医師の会などのNGOが主張しつづけてきたことである。国連総会でも何度も決議をしている
し、日本だって提案している。
 すぐに出来るわけはない。けれども方向性は間違っていないどころか、これしか方法はない。日本は今すぐ核兵器国が全核兵器の廃棄に向けた具体的な取り組みを開始することを要求すること
だけが、有効な対応策だ。

核拡散

 核拡散問題が正しく理解されていないようである。
 核拡散とは核保有国が増える「水平拡散」だけではない。今ではほとんど何の制約も加えられないままに全核保有国が進めている核兵器の高度化、すなわち「垂直拡散」もまた、大きな問題で
ある。
 米国やロシアが繰り返す「臨界前核実験」は、まさにこれを達成するために行われている。インドやパキスタンも、この高度化を水面下で進めている。実際にインドは1974年に最初の核実験を
行ったが、このときは単純なプルトニウム核爆発装置であったと考えられている。それが、1998年5月に連続5回の核実験をした際には、小型の水爆を含む核弾頭の実験を行ったとされる。(真
偽のほどは今も議論の的だが)
 米国が進める核兵器の高度化とは、小型核弾頭による地下深部に建設された相手国の兵器庫や指令システムの破壊である。
 これは、都市への無差別大量殺人に比べると人的被害も限定され、環境影響も比較的小さいから、核兵器使用地域周辺への影響を減らすことが出来るし、相手の反撃能力を破壊することが可能
であるため、自らが核の報復を受ける可能性が大きく減るというのが触れ込みだ。実際にはそんなにうまくいくわけはないのだが。
 現在のブッシュ政権による「対テロ戦争での先制攻撃戦略」や「非核の攻撃に対する核による反撃戦略」では、実際にそのような用途に使える核兵器は現実にはほとんど無かったから、実際に
このような兵器を開発することが要求されてきた。
 核兵器を使いやすい兵器にしていくことは、核の水平拡散にも勝るとも劣らない危険な拡散だということがちゃんと理解されていないから、話は半分だけで中途半端な議論にしかならないので
ある。
 北朝鮮の核実験は、垂直拡散に対しても強い追風になったであろうことは間違いない。

.. 2006年11月19日 08:27   No.30006
++ 山崎久隆 (小学校低学年)…5回       
日本の姿勢

 このような縦の拡散に、ほとんど何の反応もしてこなかったのは日本である。
 臨界前核実験で抗議の声を上げたのは被爆地広島と長崎であり、神奈川県などの非核自治体であり、原水禁や原水協などの市民団体であったが、政府・外務省はなんと「核兵器の安全性、信頼性
を実証するための実験なので反対はしない」という態度であった。
 臨界前核実験とは、プルトニウムを核分裂の連鎖反応が起きる「臨界」直前まで爆縮し、プルトニウムなどの挙動を調べるものであり、ネバダ核実験場の地下300メートルほどに作った実験場に
数百キロの高性能爆薬と実験装置と臨界量以下のプルトニウムを持ち込んで行われる。米国などは核爆発はしないから核実験ではないというが、核兵器の信頼性、つまり核兵器の性能維持と高度
化のためにやっているのであるから「核爆発を伴わない核実験」である。
 核兵器の廃絶決議を提案している日本が、米国の臨界前核実験を容認してしまっている。これなどはダブルスタンダードそのものである。
 米国の核が高度化すれば、対抗する国が出るのは当然のことであり、それを阻止する国際法上の取り決めなどは国際法が核兵器を違法としない限り、存在しない。
 米国とは日米安保条約のもと、核の傘で護られているとして、米国の核を特別扱いしているが、たとえば北朝鮮の核実験を受けて、10月27日に国連総会第一委員会に日本が提出した「核軍縮決
議案」では、主文第7項に「核兵器システムの運用状態の一層の低減を要請」し、第8項では「安全保障政策における核兵器の役割を低減させる必要性を強調」しているのだ。
 しかし、これらを達成するためには米国の核兵器の「運用を低減」させ米国の核の傘に護られるなどという日本の「安全保障政策における核の役割」は真っ先に低減させなければならないこと
ではないか。
 ところが現実に起きていることは、北朝鮮の核実験に対応して米軍がその戦術核を前方展開することにでもなれば、この国は諸手を挙げてありとあらゆる支援をし、周辺事態を宣言して国民生
活を統制下に置き、核の傘による防衛システムが十分に運用されるようにと働きかけるのであろう。
 それこそ国際社会に対する裏切り行為以外の何ものでもない。

.. 2006年11月19日 09:17   No.30007
++ 山崎久隆 (小学校低学年)…6回       

日本の核武装

 日本の核武については多くのことを言わなければならないので、ここでは少し違ったところから見ておきたい。
 今すぐに日本が核武装をするという「現実的な危機」は確かに無いかもしれない。さすがにIAEA保証措置協定を破棄し、NPT条約から脱退し、原子力基本法をはじめとする法令を改正す
るというのには時間がかかるだろう。しかし今すぐ(というほどでもないが比較的短時間で)出来る恐るべき「核武装」が存在する。それは「米軍による核の持ち込み」を解禁することである。
 そんなことを言えば「まさか」と答える人は多いだろう。しかしこの非核三原則のうちの三番目は、どこかに規定された法令があるだろうか。
 政府は非核三原則の法制化を拒否し続けてきたため、現在これは「国是」というとても曖昧な、法律以下の存在でしかない。国会で決議したからといって道義的はともかく法的拘束力があるわ
けでもない。
 確かに今の安部政権は「非核三原則を堅持する」と言っているが、国会などの議論はほとんど「保有」についてのみであり、持ち込みについては議論を避けている。
 これまでも「持ち込み」については、ラロック証言やライシャワー発言などで、有事の際の核の持ち込み、特に軍艦に搭載しての「通過」は密約により容認されていると言われ、事実上非核
2.5原則化していると指摘されてきた。
 沖縄の核抜き本土並みが議論された時代の非核三原則は、そのウェイトは米軍による核の持ち込みにあったし、核の傘を前提としたものであった。現在の非核三原則議論は核武装そのものに移
り、核の持ち込み自体はあまり議論されることなく、ヨコスカを母港としている米空母キティホークの後継をめぐって原子力空母が配備されるという問題に直面している。
 しかし日本配備の原子力空母だけが核兵器を運用しないということはほとんど考えられず、この機になし崩しで原子力空母と核兵器をいっしょに配備し、それに対する抵抗は北朝鮮の核実験を
口実にそらし、国会では艦船による核の持ち込みは「非核三原則」に含まないという見解を公式のものとして、その後の陸上配備に道を開こうとするのではないかと恐れる。
 日本核武装とともに日本が核攻撃の出撃拠点となる。つまり日本が核を使う側に立つ。このような時代にさせないために、今しなければならないことはたくさんある。
 非核三原則を法制化し、それと同時に核を使わせない、という原則を加えるというのも一つの方法である。

.. 2006年11月19日 17:15   No.30008


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