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東方会議で関東軍司令官武藤信義は「満州問題は外交で解決しない。残る方策は軍事力のみである」と主張し、政府に容れられて、関東軍に準備の内命がでた。河本大作大佐はこういう状況の中で関東軍の高級参謀になった。教科書か何かで見たときは、ずいぶんひどいことをすると思ったが、このごろのように自爆テロが多いと、そうひどいとも感じなくなった。まあひどいにはちがいないが、ひどいかひどくないかは、周囲の状況による。相手の警戒の中を張作霖の乗っている列車だけ爆破して、被害を本人以外にごくわづかしか及ばないようにしたのは、むしろみごとな手際のように思う。河本大作は終戦後も日本に帰らず、共産軍と戦ったが、敗れても自決せずにとらえられた。五年間拘留されて病没したが、張作霖を殺してくれたことは、中国共産党にとっては恩人であり、あつかいは丁重だったらしい。
.. 2006年07月05日 21:29 No.3001
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